JPS586910Y2 - 法面保護工用ブロツク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は一般的には各種の土木工事における法面、そ
して特に好適には河川改修工事などにおける法面保護工
として施工する場合に好都合である法面保護用ブロック
に関するものである。

背景技術 従来この種のブロックとして面部、控の胴部および控尻
からなり、側面全体形状がＨ型を構成するブロックを法
面保護工として用いることは知られている。

ところでこれらのブロックは通常面部および控尻が正方
形状をなしており谷積み工法などにおける自立安定化構
造面において欠点がある。

また他方においてブロック面部の合端面に保合用凹凸部
を形成し、相互の噛合構造により各ブロック相互の安定
化を計ることも知られている。

しかしながらこれらによっても前記のブロック自体の形
状の問題、保合用凹凸部の設定位置の問題などにより必
ずしも完全な自立安定的なブロック積み機造が得られな
いという欠点がある。

考案の目的 本考案は、上記のような欠点を解消することを主たる目
的とするものであって、さらに以下のような課題をも解
決しようとするものである。

（イ）ブロック自体の組立のみで壁体が形成できる自立
安定的なブロック積み構造を簡便、確実かつ迅速な形態
のもとに提供すること。

（ロ）谷積み工法に合端噛合せ構造の採用を可能とし、
かつ現場裏型枠を不要とすることのできる経済的なブロ
ック積みを可能とすること。

（ハ）その伐木考案の種々の特徴は以下の説明によって
順次閉らかにされることとなる。

考案の開示（要約） 本考案は面部、控の胴部および控尻を有する側面全体形
状が略Ｈ型をなすコンクリート製ブロックにおいて面部
および控尻のそれぞれが平面形状において略同−の矩形
断面を有し、面部の各合端面にブロック相互の保合のた
めの凹凸部が設けられ、かつこの凹凸部はそれぞれの面
部の中心線に対し、相互に岨齢偏位した状態において、
しかもこの凹凸部は一山の凸部を中心としてその両側に
連接して位置するそれぞれの凹部とからなる凹凸部が設
けられた法面保護工用ブロックであることから構成され
る。

（考案を実施するための最良の形態） 本考案をより詳細に説述するために、以下添付図面に従
ってこれを説明する。

この考案ブロックの主要な部分は、第１図〜第４図にお
いてブロック１を構成する面部２、控の胴部３、控尻４
、係合用凹凸部５ａ〜５ｄなどからなる。

面部２および控尻４は、その平面形状において矩形をな
し、かつ略同−寸法形状に構成されている。

これら面部２および控尻４を相互に連結するために控の
胴部３が設けられ、この胴部３のそれぞれの隅角部には
面取り６が施されている。

なお面部２および控尻４に対する控の胴部３の設定位置
は、面部２および控尻４のそれぞれの中心位置に控の胴
部３の中心軸線が位置するようにされており、したがっ
て胴部３に対して面部２および控尻４は左右いづれにも
偏位することなく対象的に配設されることとなる。

このようなブロック１の構成において係合用凹凸部５ａ
〜５ｄは以下のように配設される。

すなわち面部２における長短四周の合端面７ａ〜７ｄ上
において、それぞれの凹凸部５ａ〜５ｄが一山の凸部８
ａを中心として、その左右に各凹部８ｂおよび凹部８Ｃ
が連続状態のもとに、かつ対象的に形成されている。

（第５図Ａ、Ｂにこれら凹凸部の形成状態が拡大された
ものとして図示されている。

）そしてこれら各凹凸部５ａ〜５ｄは面部２の平面視に
おいて、それぞれの長短の中心線に対し相互に側戴偏位
した状態のもとに、しがも図の実施例においては、凸部
８ａの端部が、上記の中心線上に位置するように設定さ
れている。

ブロック１の基本的形態は以上のように構成され、この
ブロック１を主として使用し、ブロック積み構造をなす
には、さらに補助ブロックとして各補助ブへワクイ９ロ
、八などが必要となる。

（第６図および第７図参照） 第６図および第７図は本考案に係るブロック１およびそ
の他の補助ブロック１９口、ハなどを用いて、ブロック
積み工法の一例としての谷積み工法への適用例を示した
ものであって、これらの図から明らかなように、ブロッ
ク１はその傾斜積み重ね方向のいかんに関らず、常に隣
接する各ブロックに対して完全に合致した噛合状態を現
出することができ、これらブロック相互間において、き
わめて安定的な構築が可能となる。

考案の効果 以上の構成についての説明から明らかなように、この考
案によると次のようなすぐれた効果が期待できるもので
ある。

（１）ブロック自体の組立のみで壁体が形成できる自立
安定型構造となるため施工上不安定な胴部ひ尻飼ひなど
を必要とせず、施工が確実かつ迅速にでき工事成績を非
常に良好にすることができる。

（２）合端噛合せ採用のため、積上げ１段毎に胴込コン
クリートを打込みする必要なく、数段積上げ後又は、コ
ンクリートの硬化を待たずして、コンクリートの投入打
込みを可能にした。

したがって、胴込コンクリートの打ち継ぎによる擁壁強
度の低下がなく、工期が大巾に短縮できる。

（３）控尻が面寸法とほぼ同寸法を形成し、自立組積方
式のため、現場裏型枠は不要形状であるので裏型枠材工
共施工歩掛から省くことが出来る。

又法勾配の緩い擁壁護岸工事で抜型枠困難な現場には最
適で、緩コンも全く不要で経済的である。

（４）合端強度を発生させるため、ブロックの合端４面
に凹凸状の側合噛合せを設け、ブロック自体を相互に連
結させ、壁体化を強化させた。

また容積工法にこの噛合せ構造を可能にしたことにより
、地震または不測の地盤沈下にも目地強度が附加されて
いるため、従来のブロックにはない強度を発揮し、法高
制限も大巾に緩和できる。

（５）組積施工中または、施工後に於いてブロックのス
ライド、又は、はみだしに対してもこの噛合せ構造が有
効に働き、施工のくるいを防止し、施工性は他のブロッ
クの比ではない。

（６）基本ブロックＣ形状は左右対称的で、控の胴部分
はセンターに位置しバランスを保ち、施工の際勝手間違
いを起す憂いなく、又胴に面取りを施し胴込コンクリー
トが隅々まで填充できるので、下端に豆板の発生する憂
いを改良した。

（７）線種ブロック用として使用されるほか、布積およ
び容積による空積工法が採用できる特徴も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るブロックの側面図、第２図は同
平面図、第３図はブロックの他の側面図、第４図は第１
図のＡ−Ａ’線断面図、第５図Ａ、Ｂは凹凸部の係合状
態の拡大図、第６図はブロック積み構造の正面図、第７
図は同側断面図である。 主な符号 １・・・・・・ブロック、２・・・・・・面
部、３・・・・・・胴部、４・・・・・・控尻、５ａ〜
５ｄ・・・・・・凹凸部、８ａ・・・・・・凸部、８ｂ
、８Ｃ・・・・・・凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 面部、控の胴部および控尻を有する側面全体形状が
   略Ｈ型をなすコンクリート製ブロックにおいて （イ）面部および控尻のそれぞれが平面形状において略
   同−の矩形断面を有すること。 （ロ）面部の各合端面にブロック相互の係合のための凹
   凸部を設けること。 （ハ）こと凹凸部はそれぞれ面部の長短の中心線に対し
   相互に齢鋸偏位した状態において、かつ−山の凸部とそ
   の両側に連接して配置された凹部とからなる凹凸部であ
   ることを特徴とする法面保護工用ブロック。 ２ 面部および控尻に対し、控の胴部がそのそれぞれの
   中心線上に位置する左右対象形であることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の法面保護用ブロッ
   ク。 ３ 控の胴部が、そのそれぞれの隅角部において面取り
   が施されていることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項もしくは第２項記載の法面保護工用ブロック。