JPS585851B2 - 板ガラス屈曲型 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は板ガラスを加熱し重力により曲げる、所謂゛重
力曲げ”に適した板ガラスの屈曲型に関し、特に板ガラ
スを直角に近くしかも鋭く曲げるのに適した屈曲型に関
する。

近年、自動車用窓ガラスにおいて運転者の後方の視野を
広く確保するため、あるいは音響機器の蓋体において演
奏中のレコード等の内部が見透しできるよう、板ガラス
を直角に近く曲げた製品が要求されている。

そのため、板ガラスを屈曲型に載置して加熱炉中に入れ
て加熱し板ガラスを軟化させ、それを屈曲型の働きによ
り曲げていた。

このための屈曲型としては、従来板ガラスの平担部を支
持する型中央部分と曲げられる個所を支持する型両翼部
分から構成された型枠に、中央部分に軸支され一端は翼
部分に固着され他端に重錘が固着された杆体が備えられ
たものが用いられていた。

そしそ板ガラスの加熱による軟化に伴なって、重錘にか
かる重力により杆体が旋回し、杆体の他端に固着された
翼部を上方に回動させて板ガラスを屈曲させていた。

しかしこのような従来の屈曲型においては、比較的浅い
角度に板ガラスを曲げる場合は杆体の回転角は小さいの
で杆体の軸から重錘までの水平距離は回転中余り変化せ
ず、そのため重錘に加わる重力により生ずる回転モーメ
ントはほぼ一定であり、容易に曲げ加工ができるが、板
ガラスを直角近くまで曲げる場合には杆体の回転に伴な
って軸から重錘までの水平距離が大きく変化するため回
転モーメントが大きく変化する。

そのため曲げ終了時に杆体がほぼ水平位置で支持される
従来の屈曲型では曲げ開始時杆体を水平方向に対して直
角近くまで起立させるため回転モーメントが小さくなり
、それを補うため重錘を重くすると、曲げ終了時近くの
回転モーメントが大きくなり過ぎるという問題があった
。

また従来の改良された屈曲型としては、特公昭３６−１
１６２９号に示されている如く、２個以上の重錘を異な
る方向に延びる杆体に取り付け、旋回により杆体の方向
が水平に近づき回転モーメントが増大してくると一方の
重錘を固定支持架で支持し回転モーメントを減少させて
回転モーメントの大きな変動を防ぐような構造のものが
知られている。

しかしこのような屈曲型は構造が複雑で、板ガラスの厚
み、曲げ角度等に応じて２本の杆体の角度や重錘の位置
の調整がやっかいであり、更には構造が複雑なため湾曲
型全体の熱容量が大きくなり炉内温度推持に熱量を増加
しなげればならず、炉出し後の冷却も時間を要するとい
う問題があった。

本発明はこうした従来技術の欠点を解消するため開発さ
れたもので、従来の屈曲型では重錘を取付けられた杆体
が回転する角度と同じ角度しか翼部分も回動しないとい
う構造に問題があると考え杆体の回転に応じて杆体の回
転角以上の角度にわたって翼部分が回動するよう構成し
た屈曲型を提供するものである。

以下本発明の実施例を図に沿って説明する。

第１図及び第２図に示される如く屈曲型３０は、板ガラ
スの中央部を載置し曲げ加工の後中央部に緩やかな曲率
を与える型中央部分１と、中央部分１の両側に回動可能
に連結された翼部分２とから成る返ガラス載置面を有す
る。

これら中央部分１と翼部分２は内側部材３、外側部材３
および連結部材３′により構成される。

翼部分２を回動させるための杆体４は中央部分１に軸８
で回動可能に軸支され、杆体４の先端部には重錘５が所
望の位置に固定できるよう摺動自在に設けられている。

第２図に詳しく示される如く、杆体４の他端には細長孔
６が設けられ、翼部分２に固着された係止ピン７が挿入
され、これによって杆体４はピンＩにより長手方向に摺
動可能でかつ回転可能に支持される。

更に中央部分１と翼部分２とは、一端が翼部分２に固着
され他端が中央部分２に設けられた軸１０に軸支されて
いる。

軸１０は杆体４の軸８の上方でかつ翼部分２に近い方に
設けられ、杆体４の旋回中軸１０からピン７までの距離
が軸８からピン７までの距離より常に短かくなるように
なっている。

次に第１図及び第２図に示された屈曲型を用いて板ガラ
スを曲げる場合の動作について述べる。

屈曲型３０上に板ガラスを載置し軟化温度付近の炉中へ
搬送する。

板ガラスが軟化するに従い重錘５にかかる重力により杆
休４に重錘５が下降しその回転モーメントにより杆体４
の細長孔６はピン７を伴なって上方に回動する。

そのため翼部分２は支片９の軸１０を中心に上方に回動
する。

この時、翼部分２の回動の中心である軸１０が杆体４の
軸８より上方でかつ翼部分２に近い側に位置するため、
細長孔６の移動を軸８から見た回転角よりも軸１０から
見た回転角の方が大きくなる。

すなわち、杆体４が回転する角度よりも大きい角度だけ
翼部分２は軸１０を中心に回転することになる。

この時杆体４の細長孔６内の係止ピンＴは軸８から遠去
かる方向に移動する。

杆体４は重錘５が下降し中央部分１に設けられた支持部
材１１上に当接したところで回動を停止する。

この結果杆体４は最初杆体４が中央部分１と成している
角度だけ回転するが翼部分２はそれ以上の角度回転し、
屈曲型３０上の板ガラスは翼部分２上に載った板ガラス
の両翼部を鋭く曲げられる。

以上述べた如く、本発明の屈曲型によれば板ガラスを直
角近くまで曲げる場合にも重錘を備えた杆体の初期角度
を中央部分に対し直角近くまで起立させる必要はなく、
比較的小さい初期角度で済むため、杆体に加わるモーメ
ントひいては翼部分２を回動させようというモーメント
は初期においてもそれほど小さくならず、板ガラスを直
角に近くかつ鋭く曲げる形成が確実に実施できるという
優れた効果を持つものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に従う屈曲型の斜視図である。 第２図は第１図の装置の回動機構を示す部分的な図であ
る。 符号の説明、１・・・中央部分、２・・・翼部分、３・
・・内側部材、３・・・外側部材、ご′・・・連結部材
、４・・・杆体、５・・・重錘、６・・・細長孔、７・
・・係止ピン、８・・・軸、９・・・支片、１０・・・
軸、１１・・・重錘支持部材、３０・・・屈曲型。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中央部分と、該中央部分に対し平担位置と湾曲位置
   とをとり得るよう回動可能に連結された翼部分と、該中
   央部分と中間部が軸支され一端に重錘が取り付けられ他
   端は膜翼部分に固着された係止ピンに長手方向に摺動可
   能でかつ回転可能に係止された杆体と、一端が該翼部分
   に固着され他端が該中央部分の該杆体の軸支位置より該
   係止ピンに近い位置に軸支された連結支片とを備え、そ
   れによって該重錘の降下による該杆体の回動に応じて該
   翼部分が該杆体の回転角より大きい回転角だけ回転する
   ように構成されていることを特徴とする板ガラス湾曲型
   。