JPS5855679Y2 - テ−プレコ−ダ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は不導体部材を使用したテープレコーダーに於い
て、導体メカニズムの帯電によるノイズ防止の為に、前
記導体メカニズムの接地に関するものである。

従来この種のテープレコーダーとして、例えば不導体部
材として合成樹脂製のシャーシがあるが、該シャーシは
金属シャーシに較べて成型量産性では大変すぐれている
が、シャーシ上に取付けられた導体メカニズムが電気的
に独立状態にあるため、静電気が前記導体メカニズムに
徐々に蓄積され、これが飽和状態に達した時放電現象が
起生じ、この時ノイズを発生する。

例えば、導体メカニズムとしてシャーシの上面側に突出
されるキャプスタンはテープと摺接するため帯電し易く
、放電時にノイズを発生する。

そのため斯るキャプスタンを回動自在に支持している軸
受部を接地する必要があり、従来ではそれを軸受部と同
軸に設けた接続端子金具に接地用のリード線を半田付け
することで行なっておす、リード線処理等作業工程の増
大を招いていた。

更に、シャーシの背面側に摺動自在に配される導体メカ
ニズム、例えば各種操作部材をロックする摺動式のロッ
ク板等も帯電し易く、従来では斯るロック板の接地を該
ロック板に直接接地用リード線を半田付けすることで行
なっていた。

ところが、斯る方法であればロック板の摺動変位を許容
する分だけ（即ち、摺動変位時に半田付けが外れないよ
うに）リード線を弛ませておく必要があり、これは他の
導体メカニズムが複雑に入り組んだ凹凸の激しいテープ
レコーダー内で゛は好ましくなかった。

また、斯るシャーシを境にしてその上面側と背面側とで
夫々接地用のリード線処理を施すことは二重手間になっ
た。

本考案は斯る点に鑑み威されたもので、先ず第１の目的
はキャプスタン等の摺動変位しない導体メカニズムに対
しては斯る導体メカニズムが取付けられる不導体部材の
上面側に予め接地用導電パターンを塗布しておいて、斯
る導体７７カニズム取付は時に於いて自動的に電気接続
されるようにしたものである。

次に、第２の目的はロック板等不導体部材の背面側に配
された摺動変位する導体メカニズムに対しては特殊な形
状の接続端子金具を用いることで、上面側の接地用導電
パターンとスムーズに電気接続することが出来るように
したものである。

以下本考案の一実施例を図面と共に説明する。

実施例として第１図及び第２図に於いて、第１図は合成
樹脂製のシャーシの平面図でＰＬＡＹ状態を示し、第２
図は第１図のＡ−Ａ’に於ける要部垂直断面図で、フラ
イホイール軸のオイルレスメタルと導電膜との接続部分
を示す。

１は不導体部材としての合成樹脂製のシャーシ、２は上
面に消去ヘッド３及び録音再生ヘッド４を備えたところ
の所謂ヘッドスライドで、該ヘッドスライド２上にはス
トッパー片５，６及びトーションバネ７を支持する突軸
８及び長孔９ ａ 、９ ｂが設けられ、該長孔９ ａ
、９ ｂはシャーシ１上の案内軸１０ ａ 、１０
ｂに組合っている。

従って前記ヘッドスライド２は案内軸１０ ａ 、１０
ｂに沿って前後方向に摺動自在になり、常時バネ体（
図示せず）によって矢印Ｃ方向に附勢されている。

１１ ａ 、１１ ｂ 、１１ Ｃ，１１ｄ 、１１ｅ
、ｌｌｆは操作部材、１２はシャーシ１上に摺動自在に
設けられたロック板、１３はピンチローラ、１４はピン
チレバーでシャーシ１上に植設された軸１５によって回
動自在に支持されており、その下面に設けられた突軸１
６は常にトーションバネ７によって時計方向に附勢され
ており、前記長手方向の端部１４′は操供部材１１ ａ
の突出片１７とシャーシ１上に設けられた透孔１８を介
して係合するようになっている。

１９ ａ 、１９ ｂはシャーシ１上に設けられたスト
ッパ、２０ ａ 、２０ ｂはリール受台、２１はキャ
プスタン２２を同軸にしたフライホール、２３はオイル
レスメタルで前記キャプスタン２２をシャーシ１上に回
動自在に支持すると共に、接地用導電膜２４を圧着して
いる。

前記導電膜２４は、この場合塩化第２鉄（ＦｅＣ１３）
塩化アンチモン（ＳｂＣ１３）Ｊ塩酸（ＨＣＩ）、エチ
ルアルコール（Ｃ２Ｈ５０Ｈ）及び氷（Ｈ２Ｏ）を成分
とする塗料を第１図に示す如くシャーシ１上のキャプス
タン２２が支持される位置に予めシルク印刷しておき、
前記導電膜２４の一端部２４′はシャーシ１上に設けら
れる金属製ボス２５と接しており、該金属製ボス２５に
は接続端子金具２６が螺子２７にて取付けられている。

そして前記接続端子金具２６にはアンプのアースに連な
るリード線２８が接続されているため、キャプスタン２
２はシャーシ１上に取付けられると同時に接地されるこ
とになる。

第３図は操作部材１１２〜１１ ｆの接地手段について
示し、第１図のＢ−Ｂ’における要部垂直断面図で、ロ
ック板１２と前記導電膜２４と接している接続端子金具
２６の接続部分を示す。

接続端子金具２６は、第３図に示す如くＳ字状に屈曲構
成されて弾性を有しており、その一方の開放端２６′が
螺子２７にて金属製ボス２５に取付けられ且にリード線
２８と接続されている。

そして、斯る接続端子金具２６の他方の開放端２６″の
下面中央部には嵌合用の凸部２９が形成され、ロック板
１２に設けられた嵌合用の凹部３０にシャーシ１上に設
けられた透孔３１を通じて嵌合圧着している。

従って、前記接続端子金具２６はロック板１２の摺動変
位を屈曲部の弾性変形にて吸収することが出来、ロック
板１２が左右に摺動しても常に接地された状態にある。

尚、導電膜の塗布方法としてシルク印刷に依る方法の他
に、シャーシに凹部を設は該凹部に前記した塗料を塗布
すると同時に導電線の剥落防止を施す方法等がある。

上述した如く本考案に依れば、キャプスタン等の摺動変
位しない導体メカニズムに対しては斯る導体メカニズム
が取付けられる不導体部材の上面側に予め接地用導電パ
ターンを塗布しておいて、斯る導体メカニズムが取付け
られた時その導電パターンと電気的に接続されるように
したものであるから、リード線処理などの作業工程の簡
素化を計ることが出来、且つ標動的に生ずる電位による
放電防止の為に任意の表面塗布だけで効果を挙げること
が出来る。

また、ロック板等不導体部材の背面側に配されて摺動変
位する導体メカニズムに対しては、Ｓ字状に屈曲された
接続端子金具を用いることで斯る導体メカニズムの摺動
変位を弾性的に吸収し且つ上面側の接地用導電パターン
等とスムーズに電気接続することが出来るようにしたの
で、例えばアンプのアース側に接続される接地用のリー
ド線処理は不導体部材の上面側のみで行なえば良く作業
能率の向上を計ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は合成樹脂製のシ
ャーシの平面図でＰＬＡＹ状態を示し、第２図は第１図
のＡ−Ａ’に於ける要部垂直断面図、第３図は第１図の
Ｂ−Ｂ’に於ける要部垂直断面図である。 １・・・・・・合成樹脂製のシャーシ、２・・・・・・
ヘッドライド、１１ ａ〜１１ ｆ・・・・・・操作部
材、１２・・・・・・ロック板、２１・・・・・・フラ
イホイール、２２・・・・・・キャプスタン、２４・・
・・・・導電膜、２６・・・・・・接続端子金具、２８
・・・・・・リード線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 不導体部材上の上面側をカセットが装着される演奏平面
   とし、その背面側に導体メカニズムを摺動自在に配して
   なるテープレコーダーに於いて、前記導体メカニズムに
   嵌合用の凹部を設けると共に、Ｓ字状に屈曲されその一
   方の開放端側に設けられた嵌合用の凸部を不導体部材に
   形成された透孔を通じて前記凹部に屈曲部により弾性的
   に嵌合させた状態で他方の開放端側か不導体部材の上面
   側に固定される接続端子金具を設け、而して前記接続端
   子金具の一方の開放端側を導体メカニズムが電気的に接
   続される第１のターミナル部とすると共に他方の開放端
   側を不導体部材の上面側に予め設けられた接地用導電パ
   ターン或いは接地用リード線が電気的に接続される第２
   のターミナル部とし、前記導体メカニズムの摺動変位を
   屈曲部の弾性変形にて吸収するように構成した事を特徴
   とするテープレコーダー