JPS5854723B2 - 負荷時タップ切換器の保護装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は負荷時タップ切換器の保護装置に関するもの
である。

従来の負荷時タップ切換器は、一般に切換開閉器、タッ
プ選択器および限流インピーダンスとにより構成される
。

タップ選択器は、変圧器などのタップを選択するだけで
、負荷電流の切換動作はすべて切換開閉器により変圧器
隣接タップ間の橋絡電流を限流して変圧器回路をしゃ断
することなくタップ切換を遂行させる。

よって限流インピーダンスが抵抗式の場合もリアクトル
式の場合もこの切換、しゃ断動作を敏速に遂行できるよ
うに設計されているものである。

しかし、この切換開閉器のいずれの接点も何らかの原因
でしゃ断不能になった場合には、タップ切換器を損傷さ
せるのみならず、変圧器にも波及して焼損に至らしめる
危険を含んでいる。

この場合の保護装置として種々提案されているものの、
ただ単に異状を検出して直ちに変圧器を系統から切離す
ものであるため、系統の運転信頼度を著しく損う欠点が
あった。

第１図は一抵抗式負荷時タツブ切換器が変圧器主巻線の
中性点側に接続された場合の一例である。

１は変圧器主巻線、２はタップ選択器、３は切換開閉器
、４〜６は切換開閉器の電流開閉接点、７は限流インピ
ーダンスとしての抵抗器である。

図の状態から切換開閉器３の電流開閉接点が第２図の順
序に従ってそれぞれ開閉させれば所定タップから次段タ
ップへ切換が行われたことになる。

第２図において斜線部分が各電流開閉接点の投入してい
る状態を示し、したがって接点５に接続された抵抗器７
には、Ｔ１時間大電流が流れることになる。

一般に抵抗器７の熱容量は小さいため長時間通電するこ
とは許されないので、抵抗式負荷時タップ切換器は、接
点開極後の距離を短時間にできるだけのばすという目的
以外に、抵抗器に電流を流す時間をできるだけ短くする
という目的のためにも早切動作が絶対に必要である。

次に、伺らかの原因で切換開閉器３が所定の動作をしな
かったり、あるいは抵抗器が断線していた場合には、切
換開閉器３の接点４において、第２図のａ点で電流をし
ゃ断することができずそのまま続弧すると接点６の投入
と同時にタップ間短絡となって、短絡された回路には、
変圧器の定格電流の１０倍から数１０倍におよぶ短絡電
流が流れることになる。

このまま放置すればタップ切換器は勿論著しい損傷を受
けるとともに、変圧器巻線にも損傷を与えることになる
。

又接点５が電流をしゃ断できずにそのまま切換が完了し
てもアークによって橋絡回路が持続すると接点５と継続
されている限流抵抗器７は、その熱容量が小さいために
たちまち溶断し５次の切換において接点６のしゃ断不能
を招き前述の危険な状態を発生させることになる。

勿論、従来からこのような事故に対する保護が種々構じ
られて来たが、一般にそのシステムは、しゃ断不能ある
いは抵抗器の溶断に際して生じる異状に大きなアークエ
ネルギーを油流又は油圧の変化から検知するだけで保護
装置は、負荷時タップ切換器の事故状態を解除すること
ができないので保護装置の動作で直ちに変圧器を系統か
ら切離さなければならず、又間接的な検知で流体の動作
を利用するため応答性、安定性に欠け。

系統の運転信頼度を著しく低下させるものである。

この発明は上述した欠点を除去するためになされたもの
であり、以下図面を用いて詳細に説明する。

第３図はこの発明による保護回路の一実施例を示す回路
図であって、第１図と同一部分は同記号を用いである。

８は接点５の、９は接点４の、１０は接点６のしゃ断状
態が正常であるかどうか監視するために、各々接点５，
４．６の開、閉に応じて第２図に示す順序で開、開する
接点、１１は接点４，５の、１２は接点６のそれぞれし
ゃ断不能による短絡電流をしゃ断するための真空スイッ
チ、１３．１４は真空スイッチ１１．１２をそれぞれ操
作するための電流によって動作したら電流が消滅しても
手動で開放するまでは動作状態を保持する電磁ソレノイ
ド、１５は開閉器４，５あるいは６の３相分全てが同時
にしゃ断不能を生じることは皆無といってよいので必ず
零相電流を生じる、この零相電流を電磁ソレノイド１３
．１４を駆動するに適当な大きさの電流に変換するため
の変流器、１６，１７は電磁ソレノイドによって開閉さ
れ各分路の真空スイッチ１１．１２が動作していること
即ち負荷時タップ切換器の故障を報知するための接点、
１８，１９は接点１６，１７からうけた信号を負荷時タ
ップ切換器駆動装置の操作鎖錠および故障表示に接点を
供給するための継電器コイル、２０は駆動装置制御盤の
一部である。

このように構成された回路において、各相共接点４が閉
じて正常に運転されていれば変流器１５の二次側には、
電流が流れないし、しゃ断状態監視接点９でその端子を
短絡されているので電磁ソレノイド１３は動作しない。

しかし、例えば次のタップへの切換においてＵ相の接点
４がしゃ断不能に陥って、第２図ａ点で発生したアーク
をｂ点まで引きつづけると接点６の投入とともに第３図
の破線に示す如き短絡電流を流すことになる。

これと同時に変流器１５は短絡電流相応の零相電流を変
換して二次側に供給する。

そしてこの時読にしゃ断状態監視接点９は、第２図に示
すように開いているため電磁ソレノイド１３が動作し、
真空スイッチ１１はしゃ断不能を起こした接点４側の分
路を開きタップ間短絡状態を解除するとともに接点１６
を閉じ継電器コイル１８を付勢、負荷時タップ切換器駆
動装置の操作を鎖錠すると同時に故障表示を行なう。

仮りに接点すの投入時に監視接点１０が開いたままなら
、電磁ソレノイド１４も同時に励磁され、真空スイッチ
１２も開いてしまい、切換開閉器部分が中性点［相］か
ら切離され、変圧器の安定を阻害する。

しかしながら第２図に示すように、既にｂ点のわずか手
前でしゃ断状態監視接点１０が電磁ソレノイド１４の２
端子間を短絡しているので、真空スイッチ１２は動作せ
ず、したがってこの切換で投入された接点６側のタップ
で負荷電流を継続して流しつづけることができる。

第２図および第３図は接点４，６に関して全く対称に構
成されているので、接点６がしゃ断不能に陥った場合も
上記と同様に作動する。

また、接点５は接点４から６への切換に際してのみ電流
をしゃ断する。

接点５がしゃ断不能に陥った場合は、Ｃ点で橋絡電流を
しゃ断しはじめて正常なアーク時間Ｔ２内に消弧しなけ
れば抵抗器７を溶断させる危険があるのでｄ点に達した
時しゃ断状態監視接点８で抵抗器７の両端を短絡し、タ
ップ間短絡状態に一時的に移行させ抵抗器７を保護する
とともに前述のようにして真空スイッチ１１を動作させ
、短絡電流を瞬時の内に解除すると同時に負荷時タップ
切換駆動装置の操作鎖錠と故障表示をし次タップでの継
続運転を可能ならしめる。

さらに近年接点４〜６に真空スイッチを使用した真空ス
イッチ式負荷時タップ切換器が実用段階に入ろうとして
いるが、この種の負荷時タップ切換器は優秀なしゃ断性
能と電気的寿命が長いことから今後の負荷時タップ切換
器の主流をなすものと思われる。

この真空スイッチ式タップ切換器にもそのまま適用でき
る。

さらにこの発明においては、■抵抗式を例にとったが多
抵抗式にも適されるのは言うまでもないことである。

以上のようにこの発明は、しゃ断不能の検知媒体に流体
が介在していないため高応答で安定性が高くしかも異状
しゃ断を起した側の分路のみを選別しゃ断しタップ間短
絡の解除あるいは防止をするので固定タップでならば長
期に亘って運転ができるため系統全体の運転信頼度を格
段に向上させる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第３図内の接点は従来の負荷時タップ切換
器の一例を示す回路図、第２図は第１図のシーケンスを
示す図、第３図はこの発明による保護回路の一実施例を
示す回路図である。 ８・・・・・・接点、１１，１２・・・・・・真空スイ
ッチ、１３．１４・・・・・・電磁ソレノイド、１５・
・・・・・変換器、１６．１７・・・・・・接点、１８
，１９・・・・・・継電器コイルＯ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ タップの接続変更を行うタップ選択器と、負荷電流
   の開閉を行う切換開閉器と、タップ間橋絡電流を制限す
   る限流インピーダンスからなる負荷時タップ切換器にお
   いて、切換開閉器の各分路に挿入されタップ間短絡電流
   をしゃ断するための真空スイッチと、各分路の故障を報
   知するための接点と、上記真空スイッチ及び上記故障報
   知のための接点を作動させる電磁ソレノイドと、上記切
   換開閉器の各分路の各電流開閉接点に対応して動作し上
   記電磁ソレノイドの両端を選択的に短絡、開放する監視
   接点と、上記切換開閉器の各分路のしゃ断不能時に生じ
   るタップ間短絡電流を上記電磁ソレノイドに変換供給す
   るための変流器とを有することを特徴とする負荷時タッ
   プ切換器の保護装置Ｏ