JPS5846771B2 - 静電容量値の変化検出型再生素子の再生針の製作方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 情報信号と対応するピットが渦巻状あるいは同心円状に
配列されることによって形成された記録跡を備えている
情報記録媒体円盤（ディスク）における記録跡上に再生
素子（ピックアンプ）の再生針を摺接し、記録跡中の情
報信号の状態に従って生じる静電容量値の変化を電気量
の変化として検出することにより、ディスクに高密度で
記録されている情報信号を再生するようにしたいわゆる
静電容量値の変化検出型の情報記録再生方式は、ディス
クにおける記録跡中の情報信号の読取りが、再生針に設
けた電極によって静電容量値の変化の検出によって行な
われるから、前記した再生針に設ける電極の厚さ寸法を
情報信号と対応するピットの長さく記録跡が延びている
方向におけるピントの大きさ）寸法に比べて充分に小さ
くして分解能を高めることができ、したがって、ディス
クの回転数を低くしても情報信号の記録再生が可能とな
るという特長を有する他に、例えばディスクに記録され
た情報信号の読取りを光学的に行なうようにした光学的
な情報記録再生方式に比べて、いわゆるフォーカス・サ
ーボ系が不要であって再生系の構成が簡単になる、その
他多くの利点を有するために、その実用化研究が推進さ
れて来ているのである。

ところで、情報信号が高密度記録されているディスクは
、記録跡間隔（トラックピッチ）が小さく、かつ、ディ
スク面上での記録波長が著るしく短いものとなされてい
るから、ディスクからの情報信号の読取りに使用される
再生素子の再生針は、その先端部の形状寸法が微細なも
のであるために、所望な性能を備えた再生針を大量生産
することは困難であった。

本発明は、所要の性能を有する再生針の大量生産を可能
とするような静電容量値の変化検出型再生素子の再生針
の製作法を提供するものであって、以下、本発明の再生
針の製作法を添付図面を参照しながら詳細に説明する。

第１図は、本発明の再生針の製作法に従って再生針を製
作するのに当って使用される研磨盤の一例構成のものを
説明するための研磨盤の一部の断面斜視図であって、こ
の第１図においてＡは研磨盤本体、ｇｚｇ・・・・・・
・・・は案内溝、ａ、ａ・・・・・・・・・は前記した
案内溝の底部に突設された突起部である。

研磨盤は、研磨盤本体Ａが円板状のものであっても、あ
るいは円筒状のものであってもよいのであり、前記した
案内溝ｇ２ｇ・・・・・・・・・及び突起部ａ。

ａ・・・・・・・・・などは、研磨盤本体Ａが円板状の
ものであった場合には、研磨盤本体Ａに例えば渦巻形状
あるいは同心円形状に構成されるのであり、また、研磨
盤本体Ａが円筒状のものであった場合には、前記した案
内溝ｇ２ｇ・・・・・・・・・及び突起部ａ、ａ・・・
・・・・・・は、例えばらせん状あるいは同心円形状に
構成されるのである。

研磨盤本体Ａに設けられる案内溝ｇ２ｇは、完成された
再生針の先端部分の外形々状と同じか、もしくはそれに
近い外形々状となるように、予め加工が施こされている
再生針本体の素材の先端部を案内できるような正縦断面
形状のものとなされた上に、その溝ｇ２ｇ・・・・・・
・・・の底部には、再生針本体に形成させるべき電極部
における電極先端部の電極巾と対応する巾を有する突起
部ａ、ａ・・・・・・、・・が構成された状態のものと
なされている。

案内溝ｇ２ｇ・・・・・・・・・の底部に突設される前
記の突起部ａ、ａ・・・・・・・・・は、その巾Ｗが再
生針本体に構成されるべき電極部における電極先端部の
電極巾と対応するものとなされるのであり、またその高
さｈは前記した巾Ｗと同程度となされている（ｈ＞Ｗの
関係を満足しうるような突起部ａ、ａ・・・・・・・・
・が容易に構成できれば、ｈ＞ｗの関係にある突起部ａ
、ａ・・・・・・・・・となされてもよい）。

前記のような突起部ａ、ａ・・・・・・・・・を案内溝
ｇ。

ｇ・・・・・・・・・中に備えているような研磨盤は、
それの構成材料としてレコード材料（塩化ビニールと酢
酸ビニールとの共重合体材料）を用い、また、電子ビー
ム露光法によるビデオディスクの原盤に対する情報信号
の記録技術を応用することによって容易に製作すること
ができる。

第２図は耐摩耗性を有する高硬度材料、例えば、サファ
イアあるいはダイヤモンドで作られた再生針本体の素材
Ｂであり、この素材Ｂは原材料のブロックにスライス加
工及び研磨加工などを施して作られる。

第２図に示す再生針本体の素材Ｂにおいて、１は完成さ
れた再生針における摺接面が加工形成される面と対応す
る面であり、また、２は電極部が加工形成される面と対
応する面である。

次に第３図ａ−ｄ図を参照して、本発明の再生針の製作
法の一実施態様について説明する。

本発明の再生針の製作法に従って再生針を製作する場合
には、まず、第２図に示すような耐摩耗性を有する高硬
度材料で作られた再生針本体の素材Ｂに対し、それの先
端部の外形々状が完成された再生針の先端部分の外形々
状と同じか、もしくはそれに近い外形々状となるように
切削研磨加工を施して、例えば第３図ａ図示のような状
態の再生針本体の中間製品を得る。

第３図ａ図示の再生針本体の中間製品において、１人は
再生針における摺接面となる面であり、また、２人は前
記した摺接面１人と隣接する面である。

次にこの第３図ａ図示のような状態、すなわち、再生針
本体の素材Ｂの先端部の外形々状が完成された再生針の
先端部分の外形々状と同じか、あるいはそれに近い外形
々状となされているものにおける先端部に第１図示のよ
うな構成となされた研磨盤を用いた研磨加工を施すこと
によって、第３図す図示のように再生針本体の素材の先
端部に矩形溝ｄが構成されている状態の再生針本体の中
間製品を得る。

すなわち、第１図示のように底部に突起部ｄ。

ｄ・・・・・・・・・が設げられている案内溝ｇ２ｇ・
・・・・・・・・を備えている研磨盤に研磨材（研磨液
）をチャージし、研磨盤を回転させ、回転する研磨盤に
おける案内溝ｇ中に再生針本体の素材の先端部を傾斜さ
せて挿入圧接させることにより、再生針本体の素材の先
端部にはそれの摺接面１人と、前記の摺接面１Ａと隣接
する面２Ａとにわたって矩形溝ｄが構成されるのである
。

既述のように、研磨盤における案内溝ｇはその正縦断面
形状が第３図ａ図示の再生針本体の素材の先端部の正縦
断面形状と同じか、あるいは略々同じになされているか
ら、第３図ｄ図示の状態の再生針本体の素材の先端部を
回転する研磨盤における案内溝ｇ中に入れるだけで、再
生針本体の素材の長手方向が案内溝ｇの延長方向と一致
し、したがって、再生針本体の素材が研磨盤面に対して
所定の傾斜角となるように傾斜させた状態で再生針本体
の素材の先端部を案内溝ｇの底部に押圧すれば、再生針
本体の素材の先端部には、案内溝ｇの底部に突設された
巾Ｗの突起部ａによって、第３図す図示のように巾Ｗを
有する矩形溝ｄが研磨加工によって構成されうるのであ
る。

このようにして得られた第３図す図示の状態の再生針本
体の素材に対し、次に、矩形溝ｄの底に垂直な方向から
電極材料物質を付着させる。

前記した電極材料物質としては、例えば、ハフニウム、
チタン、その他、適当な金属材料が使用できる。

また、再生針本体の素材に対する前記した電極材料物質
の付着手段としては、周知の手段、例えば、スパッタリ
ング、蒸着、イオンブレーティング、などの各種の手段
の内から適当なものを選択して使用することができる。

前記のような工程によって電極材料物質が付着された再
生針本体の素材を示したのが第３図Ｃ図である。

この第３図Ｃ図示の状態の再生針本体の素材では、矩形
溝ｄの底及び面２ならびに面２Ａの一部などに所定の厚
さの電極材料物質層すが付着形成されているのである。

再生針本体の素材に対して前記のようにして付着形成さ
れた電極材料物質層すは、矩形溝ｄの底に、電極部の先
端部において必要とされる電極厚さと等しい厚さの電極
材料物質層すが形成されるようになされるのである。

そして、再生針本体の素材に対して前記のようにして付
着形成された電極材料物質層すは、再生針の電極部を構
成させるためのものであるから、それにより完成された
再生針において必要とされる電極巾Ｗを有する電極先端
部が構成されるようにするために、前記のようにして再
生針本体の素材に付着形成された電極材料物質層すの内
で不要な部分は次の工程で除去される。

なお、前記した再生針本体の素材に付着された電極材料
物質層すの厚さは、例えば数百オングストローム乃至千
オングストローム程度というように極めて薄いものであ
る。

矩形溝ｄの側壁部分はそれの底に対して垂直であるため
に、側壁部分には電極材料物質が殆んど付着されないの
であるが、必要があればエツチング液を用いて溝ｄの側
壁部分の電極材料物質が完全に除去されるようにエツチ
ング処理が行なわれてもよい。

第３図ｄ図（構成を明示するためにａ ”−ｃ図よりも
大きく図示しである）は、前工程で再生針本体の素材に
付着形成された電極材料物質層すの内で、不要な部分を
研磨加工によって除去した状態の再生針本体の素材を示
す。

すなわち、第３図ｄ図は摺接面１Ａと面２Ａとの境界線
（稜線）部分に、研磨加工によっていわゆる面取りを施
してその部分の電極材料物質層すを除去した状態で得ら
れた再生針本体を示しており、図中のＣの部分は前記し
た面取りが行なわれた部分を示す。

この第３図ｄ図示の再生針本体において、摺接面１人の
端部には矩形溝ｄの底部に付着形成された電極材料物質
層すの端部が、巾Ｗと所定の厚さを有する電極端部とし
て現われており、また、前記の電極端部は矩形溝ｄに設
けられているためにそれの保護が良好に行なわれるので
ある。

第３図ｄ −ｄ図によって説明した本発明の再生針の製
作法では、完成された再生針における摺接面の形状が円
形のものである場合を例に挙げたが、完成された再生針
の摺接面の形状が円形以外の再生針を製作する場合にも
本発明の再生針の製作法が良好に実施できるのであり、
例えば第４図に示すように完成された再生針がそれの摺
接面が三角形状のものである場合でも、本発明の製作法
の適用によって、それを容易に製作できることは明らか
である。

以上の説明から明らかなように、本発明の再生針の製作
法では、再生針に必要とされる所定の形状寸法を有する
電極部の先端部が、案内溝の底に電極巾と対応する巾を
有するように突設された突起部によって研磨加工される
ことによって構成された矩形溝ｄ中に形成されるので、
所定の電極巾Ｗを有する電極先端部を備えた再生針を極
めて容易に製作することができ、また、前記した矩形溝
を再生針本体の素材の先端部に構成させるための研磨加
工を行なう際には、完成された再生針の先端部分の外形
々状となるように予め加工された状態の再生針本体の先
端部を所要の断面形状を有するように研磨盤に設けられ
ている案内溝ｇ中に挿入し、再生針本体の素材を研磨盤
に対して所定の角度となるような状態で押圧して研磨加
工を行なうものであるから、案内溝による案内作用によ
って再生針本体の素材の所定の部分を研磨加工に用いら
れる突起部に対して常に正確に当接することができるの
であり、また、研磨加工のために用いられる前記の突起
部が偏心していても、被加工物の再生針本体の素材に対
する突起部の当接個所には変化が生じないのであり、再
生針本体の素材には常に所定の形状寸法を有する矩形溝
が形成されうろことは、突起部と案内溝とが同一の偏心
を行なっており、被加工物の再生針本体の素材も突起部
の偏心と同一の偏心を行なうということから容易に理解
できる。

このように、本発明の再生針の製作法では、所定の電極
端部中を示す電極部を備えた再生針を簡単な手段によっ
て容易に製作することができるのであり、また、本発明
の製作法によって製作された再生針では、電極部におけ
る電極先端部が矩形溝の底部に構成されるために電極端
部の保護が良好に行なわれるのである。

【図面の簡単な説明】 第１図は研磨盤の一部断面斜視図、第２図は再生針本体
の素材の斜視図、第３図ａ −ｄ図は本発明により再生
針を製作する場合の製作工程の説明用斜視図、第４図は
別態様の再生針の斜視図である。 Ａ・・・・・・研磨盤本体、ａ・・・・・・突起部、Ｂ
・・・・・・再生針本体の素材、ｂ・・・・・・電極材
料物質層、Ｃ・・・・・・面取り部、ｄ・・・・・・矩
形溝、１Ａ・・・・・・摺接面、ｇ・・・・・・案内溝
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 情報信号と対応するピットが配列されることによっ
   て形成された記録跡を有する情報記録媒体円盤における
   記録跡に摺接して、前記の記録跡中の情報信号を静電容
   量値の変化に応じた電気量の変化として取出しうるよう
   な電極部を備えている静電容量値の変化検出型再生素子
   の再生針を製作する方法であって、耐摩耗性を有する高
   硬度材料よりなる再生針本体の素材の先端部をそれの外
   形形状が完成された再生針の先端部分の外形々状と同じ
   か、もしくはそれに近い外形々状となるように切削研磨
   する工程と、再生針本体に形成させるべき電極部におけ
   る電極先端部の電極巾と対応する巾を有する突起部が再
   生針本体の素材の先端部分を案内しうるような正縦断面
   形状を呈する案内溝の底部に設けられている如き研磨盤
   を用いて、前記した再生針本体の素材の先端部分の電極
   形成面の所定の部分に、前記した研磨盤における案内溝
   中の突起部によって矩形溝を形成させる工程と、再生針
   本体の素材における電極形成面に形成させた矩形溝の底
   に対して垂直方向から電極材料物質を形成させる工程と
   、再生針本体に形成させるべき電極部における電極先端
   部が所定の電極巾及び長さを有する電極先端部となされ
   るように、前記した工程において再生針本体の素材に形
   成された電極材料の内で不要な部分を除去する工程とか
   らなる静電容量値の変化検出型再生素子の再生針の製作
   方法。