JPS5846626Y2 - ホ−ンスピ−カ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、磁気回路部および振動板を有するドライバユ
ニットとホーンとから成るホーンスピーカに関する。

本考案は、簡単な構成により、周波数特性、特に中低域
特性をコンＩ・ロールして容易な操作で音質を変えるこ
とのできるホーンスピーカを提供することを目的として
いる。

以下、本考案に係るホーンスピーカの好ましい実施例に
ついて、図面を参照しながら説明する。

第１図は本考案の実施例としてのホーンスピーカ１の要
部を示す断面図である。

この第１図において、ドライバユニット２は、振動板３
の裏面（ボイスコイル４が取り付けられる面）から輻射
される音を使用するいわゆるリアタイプのものが示され
ているが、表面からの音を使うフロントタイプのもので
もよい。

このドライバユニット２の磁気回路は、円筒状のマグネ
ット５、このマグネット５に連結された中空のポール６
、ドライバユニツＩ・の外筐ともなる円筒状のヨーク７
、およびプレート８により構成されており、このプレー
ト８とポール６との間には空隙（エアギャップ）９が形
成されている。

この空隙９にはボイスコイル４が配され、このボイスコ
イル４か゛巻回されたボイスコイルボビン１０は振動板
３に取付けられている。

振動板３は、ドーム部３ａとエツジ部３ｂとから成り、
エツジ部３ｂの外周縁はスペーサ支持体１１により支持
されている。

この振動板３のドーム部３ａの裏面方向（図中下方）に
は、多数の空気流通孔１２を有するイコライザ（位相等
価基）１３が配されており、このイコライザ１３は、ポ
ール６の図中上端部に取付は固定されている。

したがって、振動板３の裏面から出た音は、イコライザ
１３の空気流通孔１２を介し、ポール６およびマグネッ
ト５の中央部の孔を介して、ホーン１４のスロート１５
に送られ、このホーン１４を通じて空間に輻射される。

さらに、振動板３の表面方向（図中上方）には、該振動
板３を保護するためのバックカバー１６が設けられてお
り、このバックカバー１６の適当な位置に取付けられた
スピーカ入力端子１７は、錦糸線等の引出線１８を介し
上記ボイスコイル４と電気的に接続されている。

ここで、上記磁気回路を構成する部材であるマグネット
５、ポール６と、ヨーク７、プレート８との間に形成さ
れた空間は、環状の可動仕切板２０により、２つの空気
室２１．２２に仕切られている。

この可動仕切板２０の図中上方の空気室２１は、上記空
隙（エアキャップ）９と連通しており、この空気室２１
の容積を可変とすることにより振動系のステイフネスを
制御する。

このような容積可変の空気室２１としては種々の構造の
ものが考えられるが、本実施例では、上記可動仕切板２
０の内周面をポール６およびマグネット５の外周面と、
また該仕切板２０の外周面をヨーク７の内周面とそれぞ
れ摺動接触させて、この仕切板２０を図中上下方向（矢
印Ａ方向）に移動することにより空気室２１の容積を変
えている。

この可動仕切板２０の固定はヨーク７の外部から挿通さ
れるネジ２３を締めつけることにより行なわれるが、こ
のネジ２３も上記矢印Ａ方向に移動させ得るように、た
とえば第２図に示すように、ヨーク７の側部に該移動方
向に沿って長く延びるスリット２４を形成し、（第２図
参照）。

、このスリット２４にネジ２３を挿通している。

この場合、仕切板２０によって仕切られる２つの空気室
２１．２２は、それぞれ互いに気密に保持されることが
必要である。

このため、上記仕切板２０の表面（少なくとも上記摺接
が行なわれる仕切板２０の内、外周面）を、フェルト、
ゴム、植毛シート、発泡体等のバッキング材２５で被覆
するとともに、第３図に示すようなバンド２６により上
記スリット２４を密閉している。

このバンド２６は、一部縦割すされた円筒形状を有して
おり、この縦割すされた部分に互いに対向する締め付は
片２７．２７を形成し、円筒部分の内周面に上記と同様
なバッキング材２８を被着形成して戊っている。

このバンド２６をヨーク７の外周をとり囲むように配置
し、締め付は片２７の孔２９にネジ等を挿通して、バン
ド２６の径が縮まるように締め付ければ、バッキング材
２８がスリット２４を気密に閉塞する。

このような構造により、空気室２１．２２間の気密性は
実用上十分に保持されるが、さらに気密性を高めたい場
合には、ネジ２３のスリット２４と接触する部分の外周
面や、スリット２４の内周面等に上記と同様なバッキン
グ材を被着形成すればよい。

したがって、このような本考案の実施例によれば、可動
仕切板２０を矢印Ａ方向に移動して磁気回路中の空隙９
に連通ずる空気室２１の容積を変化させており、この容
積変化に応じてステイフネスが変化するため、スピーカ
の中低域周波数特性をコントロールして音質を変えるこ
とができる。

すなわち、空気室２１のステイフネスが大きいときには
、振動板３により得られる空気の圧力の変化はイコライ
ザ１３を通じてホーン１４に放射されることが多くなり
、低い方の周波数特性曲線の音圧レベルが上昇すること
になる。

また、上記ステイフネスを小さくしたときには、上記圧
力変化の影響を受は易くなり、一部空気室２１の中で圧
力変化が吸収され、ホーン１４側に放射される空気は減
少することになって周波数特性上は低域の音圧レベルを
下げ′ることになる。

したがって、第４図に示すように、上記ステイフネスが
最大のときの曲線Ａから最小のときの曲線Ｂまでの範囲
（斜線部参照。

）で、周波数特性を任意に変化させることができ、ひい
ては音質を変化させることが可能となる。

このようなホーンスピーカ１は、たとえば拡声装置（い
わゆるＰＡ）として用いる場合に、現地での最終調整と
して周波数特性や音質を簡単に変化させることかでき、
便利である。

また、オーディオ装置に用いる場合においても、スピー
カシステムの多様性を増大させることになり、有利であ
る。

なお、本考案は上記実施例のみに限定されるものではな
く、たとえばフロントタイプのホーンスピーカにも容易
に適用できる。

この他、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が
可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の好ましい実施例の要部を示す断面図、
第２図は第１図のヨーク７を示す斜視図、第３図は第１
図のバンド２６を示す斜視図、第４図は該実施例の周波
数特性を示すグラフである。 １・・・・・・ホーンスピーカ、２・・・・・・ドライ
バユニッＩ・、３・・・・・・振動板、４・・・・・・
ボイスコイル、５・・・・・・マグネット、７・・・・
・・ヨーク、９・・・・・・空隙、１３・・・・・・イ
コライザ、１４・・・・・・ホーン、２０・・・・・・
可動仕切板、２１・・・・・・空気室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マグネツ＋−、ヨーク等により構成される磁気回路に形
   成された空隙にボイスコイルを配し、このボイスコイル
   に連結された振動板から発生された音をホーンを通じて
   空間に輻射するホーンスピーカにおいて、上記磁気回路
   を構成する部材により上記空隙と連通ずる空気室を形成
   し、この空気室の容積を可変とする構造を備えることを
   特徴とするホーンスピーカ。