JPS5842568Y2 - ナイネンキカンノセンカイガタジユンカツユキユウニユウソウチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油溜から潤滑油を吸入するための旋回型潤滑油
吸入装置に関するもので、油溜内に最小有効油量さえ保
有しておれば、油溜が前後左右何れの方向に傾斜した場
合にも潤滑油を確実に吸入できるよう（こすることを目
的としている。

従来の潤滑油吸入管は一般に油溜内の低い一定位置に開
くように固定されており、このため機関の傾斜方向と傾
斜角度の制限が大きくなり、機関の用途が狭くなる不具
合があった。

垂直な回転接手に横方向に延びる吸込みパイプを介して
濾過器を取り付け、オイルタンクの傾斜により濾過器が
旋回するようにした装置も既に提案されている。

ところがその場合は濾過器の側壁が筒状の濾過網ででき
ているため、オイルタンク傾斜時にその内部で流動する
オイルが濾過器に及ぼすスラストが少なく、濾過器が敏
感に追従移動しない不具合がある。

本考案は上記従来の不具合を回避するため、油溜中央部
上方の垂直な固定吸入管に、横方向にのびた旋回吸入管
をシール接手を介して取付け、旋回吸入管の先端に取り
付けた吸入口金の下端開口にストレーナを設け、又口金
の外周面に垂直な複数個のひれを放射状に固着して、油
溜が傾斜した時油量の増す油溜底部側に潤滑油入口が自
動的かつ敏感に移動するようにしてあり、次に図面によ
り説明する。

オイルパン２内の油溜３の中央部上方に上下方向に向い
た固定吸入管４が設けてあり、吸入管４の上端は潤滑油
ポンプ５を経て機関内の潤滑を必要とする部分に連通し
、吸入管４の下端には旋回式シール接手６を介して旋回
吸入管７が取付けである。

旋回接手６は２個のボールベアリング８とその間のメカ
ニカルシール９を備えており、上下のボールベアリング
８は例えば吸入管４にインナーレースを挿入した後、吸
入管４の環状溝に嵌めたスナップリング１０により支持
し、一方ベアリング８のアウターレースに嵌挿した旋回
吸入管Ｔの上端部内周面の環状溝にスナップリング１１
を嵌め、スナップリング１１を上側のベアリング８のア
ウターレース上面に当接せしめ、吸入管４から吸入管７
が下方に脱出しないように抜は止めが施しである。

メカニカルシール９は吸入管４の外周面に固定され、吸
入管７の内周面との間をシールして、ポンプ５の運転中
接手６部分から吸入管４内に空気が吸入されないように
密封している。

旋回吸入管７は接手６部分から一旦下方にのびた後側方
に湾曲し、横向き張出し部７ａの先端から再び下向きに
湾曲し下向き先端部７ｂにろうと状吸入口金１３の筒状
フランジ１４が嵌合して環状部分１５に蝋付けが施しで
ある。

口金１３下面の潤滑油入口１６′にはストレーナ（金網
）１６が取付けてあり、口金下端の筒状フランジ１３ａ
に放射状にのびる４枚の垂直なひれ１７が固定されてい
る。

このひれ１７はオイルパン２が機関本体と共に傾斜して
油溜３内の潤滑油が傾斜した方向に流れる際、潤滑油の
流動に対する抵抗を増し、反作用として口金１３が潤滑
油から流動方向に向う増巾された力を受は得るように設
けである。

機関が正常な姿勢にある時は油溜３内の油面は平常油面
Ａの位置を占め、吸入管口金１３の入口１６′は吸入管
７の吸入管４に対する角度位置に関係なく油面Ａより下
の潤滑油内に漬る実線の位置を占め、ポンプ５の吸引作
用により潤滑油はストレーナ１６、吸入管７，４を経て
ポンプ５に達し、加圧された後潤滑油を必要とする部分
に供給される。

即ち口金１３の下端のストレーナ１６は潤滑油中に没し
、従って口金１３からは空気が吸込まれることなく、潤
滑油のみが確実に吸入される。

潤滑油面がＡ′となるように機関が傾斜した時には吸入
管７はオイルパン２に対し実線図示の位置関係を保ち、
その時も入口１６′が空気中に露出する恐れはない。

油面がＡ″となるように機関が傾斜する際は、その途中
に於て吸入管７は接手６部分を中心として重力の作用と
流動する潤滑油から受けるスラスト（力）により旋回し
、符号７′で示す位置に達する。

その間口金１３や特に４枚のひれ１７が、流動する潤滑
油からスラストを受けてより速かに７′の位置に達し、
同様に口金１３の下端面（入口）は潤滑油内部の位置を
占める。

オイルパン２が前後に傾斜する場合も同様に吸入管７は
旋回して入口１６′が常に潤滑油面下となるように自動
的に作動する。

以上説明したように本考案によると、横向き張出し部７
ａを有する旋回吸入管７が垂直な固定吸入管４に対し旋
回接子６を介して装着されているため、吸入管先端の口
金１３は機関の傾斜により油量の増す油溜底部側に自動
的に移動するので、油溜が前後左右何れの方向に傾斜し
ても、当初油溜内に最小有効油量が入れてありさえすれ
ば潤滑油を確実に吸入できるようになる。

従って機関が大巾に傾斜しても空気を吸込むことなく正
常な潤滑を行うことができ、舶用機関にあっては荒天時
に於ける安全性の向上を図ることができる。

又トラクター、耕耘機搭載の機関に於ては作業時の傾斜
運転が可能となり、結局機関の用途が大巾に拡大する利
点がある。

本考案においては、吸入口金１３の下端開口にストレー
ナ１６を取り付け、油溜３が傾斜した時に内部で流動す
る潤滑油が吸入口金１３の外周面に衝突して方向を変え
、流動方向の大きいスラストを吸入口金１３に与えるこ
とができ、又吸入口金１３の外周面には垂直な複数個の
ひれ１７を放射状に固着しているため流動するオイルは
ひれ１７に衝突し、吸入口金１３が更に増幅されたスラ
ストを受け、従って機関の傾斜に起因してオイルが流動
する際、吸入口金１３が潤滑油の流動方向に敏感に移動
し、空気の吸い込みを確実に防止することができる。

吸入口金１３は例えばろうと状として下端開口を大きく
したため、ストレーナ１６の面積が増し、充分な濾過能
力を確保することができると共に、吸入口金１３全体が
大型になり、流動するオイルから受けるスラストが増し
、吸入口金１３の追随性向上に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した機関の縦断面部分図、第２図
は第１図の■−■矢視図である。 ２・・・・・・オイルパン、１７・・・・・・ひれ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油溜３のほぼ中央上方に上端が潤滑油ポンプ５に連通し
   た垂直な固定吸入管４を設け、上記固定吸入管４に気密
   を保持した旋回接手６を介して、旋回吸入管７の上端を
   連結し、旋回吸入管７を上記接手部より側方に湾曲して
   その先端に下端開口の広い吸入口金１３を固着し、口金
   下端の潤滑油入口１６′にストレーナ１６を取り付け、
   吸入口金１３の外周面に複数個の垂直なひれ１７を放射
   状に固着し、油溜が傾斜した時油量の増す油溜底部側に
   潤滑油入口が自動的かつ敏感に移動するようにしたこと
   を特徴とする内燃機関の旋回型潤滑油吸入装置。