JPS5842021B2 - 可動部を有する樹脂製品の製造金型装置及び製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は相対的に摺動する部分を有する樹脂製品の製造
方法及びその製造金型装置に関するものである。

従来摺動部を有する樹脂成形部品は、それぞれ別々に成
形し、後に互にはめ合わせることにより摺動部を形成し
製造していた。

例えば、第１図〜第３図に示す様にクーラーの冷気吹出
しグリル部は、吹出しグリル枠１の側部に形成した孔２
に、、孔２の内径より小なる径の羽根３の軸４を挿入す
ることによって軸４は孔２の内面で摺動可能となり、羽
根３は軸４を中心として回転可能となるものであるが、
この製造方法は、グリル枠１と羽根３をそれぞれ単独に
成形した後、羽根３をわん曲させて軸４を孔２へ挿入し
組立てていた。

この方法によれば以下に記す欠点を有していた。

（１）成形後ハメ合せ組み立てをするために多くの組立
工数を必要とする。

（２）成形後のハメ合せ組立には形状的な限界がある。

（３）金型が部品の数だけ必要となり成形もそれぞれ別
々に成形するため生産性が悪い。

（４）２部品を別々に成形するため品質管理、在庫管理
が２倍必要である。

（５）成形後それぞれの摺動部を互にハメ合せ組立する
ため、ハメ合せ部の寸法精度が要求され、この寸法精度
を得るために成形条件を各項目にわたり厳密に管理調整
しなければならない。

（６）成形条件の充分な管理調整を行なっても互にハメ
合せ難いものができやすく不良が多い。

等々の欠点があった。

本発明は従来２以上の部品を別々に成形しノ・メ合せ組
立により一体化し摺動部を形威し、互に摺動する様にな
していた摺動部を有する樹脂製品を、一体で成形しかつ
摺動部を摺動可能ならしめることにより製造し上記従来
例の（１）〜（６）の欠点をなくし迅速かつ安価に、高
品質の摺動部を有する樹脂製品を供給することを目的と
する。

以下、本発明の一実施例について、第４図以下の図面に
より説明する。

５は第４図矢印イに示す方向へ移動可能なスライドコア
ー６７１Ｃ固定されたインサートピンである。

７はグリル枠、８はグリル枠７を成形するための一次側
キャビテイ一部である。

９は羽根１０を成形するための二次側キャビティ一部で
ある。

１１は固定側型板、１２は可動側型板である。

次に羽根軸部の成形動作について説明すると、第４図に
示す如くインサートピン５がグリル枠７を慣通して固定
側型板１１及び可動側型板１２に突合せ構造になってお
り、この突合せ構造において、−次側キャビティ一部８
及び二次側キャビティ一部９にそれぞれ異なった合成樹
脂を充填することによシ、グリル枠７と羽根１０とが成
形される。

グリル枠７と羽根１０とは突合せ部１３によって分離さ
れ、摺動用の隙間を構成している。

次に、型開きを始めると第５図に示す固定側型板１１と
可動側型板１２がはなれると同時に、固定側型１１に斜
めに固定されたフィンガピン１ｊＨＣよってスライドコ
アー６に固定されたインサートピン５がスライドコアー
６と共に矢印イ方向に後退し、ストップボルト１５にス
ライドコアー６が当って止１す、インサートピン５はグ
リル枠７及び羽根１０から分離する。

さらに型開きが進行するとエジェクターピン１６Ｆｃよ
って可動側型板１２から羽根１０とグリル枠７が組合わ
されたま１分離され、型から取り出される。

なお羽根軸部１７とグリル枠７との隙間をつくるインサ
ートピン５の突合せ面１３部の形状は、製品の用途によ
って異なったものとすればよく、回転用隙間の必要な嵌
合の場合は第６図の如く軸の円周に均一の隙間を構威し
、また一定の角度で軸方向に摺動するようにする場合に
は、第７図のように分割突起１８を有する隙間を構威し
、さらに一定の範囲でがたつきのない嵌合状態を得る場
合には、第８図のように隙間１９を設けて成形した後に
第９図に示すように軸を回転させることにより隙間の小
さい状態にできるなどの種々の使用法が可能となる。

なお、上記インサートピン５は可動側型板１２又は固定
租型板１１のいずれに摺動自在に取付けてもよい。

以上の実施例の説明から明らかなように、本発明の可動
部を有する樹脂製品の製造金型装置及び製造方法によれ
ば、同−金型一面において、複数の部品が成形できると
共に、この成形の完了と同時に複数の部品は互いに可動
部を有する状態で組立ても完了しておジ、金型費用が安
くなると共に組立作業が不要となり、生産性が向上する
。

また、インサートピンのキャビティ貫通部の形状を種々
の形状にすることにより、両成形部品間の可動状態を種
々変えることができる。

さらに製品の品質管理が容易になる上に部品在庫管理が
容易になる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はクーラーの吹き出しグリル部の一部正面図、第
２図は第１図の■−■線での断面図、第３図は従来組立
方法によるふき出しグリル部の横断面図、第４図および
第５図は本発明の一実施例における金型の要部断面図、
第６図は第４図におけるＶＩ−ＶＩ線での拡大断面図、
第７図及び第８図はそれぞれ本発明の異なった他の実施
例における装置の第６図に対応する拡大断面図、第９図
は第８図に示す製品の異なった状態での要部拡大断面図
である。 ５・・・・・・インサートピン、７・・・・・・グリル
枠、８・・・・・・−次側キャビティ、９・・・・・・
二次側キャビティ、１０・・・・・・羽根、１１・・・
固定側型板、１２・・・・・・可動側型板、１３・・・
・・・突合せ面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可動部を形成する両部材の内、一方の部材を成形す
   るキャビティ内を貫通しかつ他方の部材を成形する別の
   キャビティと前記キャビティとを分離する突合せ部及び
   他方の部材の一部を成形するための空間を端部に備えた
   インサートピンな固定側あるいは可動側型板に摺動自在
   に設けたことを特徴とする可動部を有する樹脂製品の製
   造金型装置。 ２ 可動部を形成する両部材の内、一方の部材を成形す
   るキャビティ内を貫通し、かつ他方の部材を成形するキ
   ャビティと前記キャビティとを分離するようインサート
   ピンな型板内に位置せしめ、前記両キャビティに樹脂を
   供給して前記両部材を成形した後、前記インサートピン
   な移動させて、前記両部材間に空間を設けることを特徴
   とする可動部を有する樹脂製品の製造方法。