JPS5840258Y2 - 内燃機関の燃焼室 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は内燃機関の燃焼室に関するもので、混合気の
流れと火炎伝播を良好にして、出力を向上するようにし
たものである。

４サイクルエンジンには、その吸排気効率を良好にする
ために、インレットバルブとエキゾーストバルブをそれ
ぞれ２個ずつ設けた、いわゆる４バルブ式のものがある
。

この４バルブ式のエンジンにも、インレット孔とエキゾ
ースト孔を平担面上に設けたものと、シリンダヘッドの
内側中央部に稜線を設け、この稜線を中心にしてその両
側に半球渦流型燃焼室を形成したものとがある。

このうち後者のものは、前者のものより良好な燃焼が行
なわれることが確認されている。

この後者の形式のエンジンにおいては、稜線上の中央に
スパークプラグ取付用のプラグ取付孔を穿設することに
なるが、このプラグ取付孔の周囲は、運転時の応力集中
から生ずる亀裂発生を防止するために面取りを施すこと
になる。

従来においては、この面取り部の大きさは可能な限り小
さくするのが良いと考えられていた。

しかしながらこの面取り部の大きさはある程度大きく、
すなわち、シリンダのボア径に対しである範囲内の寸法
に設定したとき、燃焼効率を上げ得ることが実験によっ
て確認された。

この考案はこの点に鑑みてなされたものであって、プラ
グ取付孔の周辺を起点とする亀裂発生防止のための面取
りでなく、最高出力を得ることができるための面取りの
大きさを規定するものである。

次にこの考案の一実施例を図について説明すると、捷ず
第１図において、１はシリンダヘッドであって、燃焼室
側から見たものである。

このシリンダヘッド１には、インレット式２，３とエキ
ゾースト孔４，５が図示するように設けられて釦り、そ
れぞれインレットバルブとエキゾーストバルブ（ともに
図示せず）が取り付けられるようになっている。

２つのインレット孔２，３の間と、２つのエキゾースト
孔４，５の間には、稜線６が形成されており、この部分
がもつとも高くなって、図示しないピストン側に突き出
た形状になっている。

そしてこの稜線６から外周近傍の稜線７１での間は、第
２図に示すように弧状部８を形成している。

９はシリンダで、これらの内側が燃焼室１０になる。

稜線６の中央にプラグ取付孔１１が設けられている。

そしてこのプラグ取付孔１１を中心にした稜線６上に、
第１図、第３図に示すようにその長さがシリンダ９のボ
ア径りに対して、長さＬＯ０３０〜０．３５ Ｄの面取
り１２が施されている。

なお、面取り１２の角度θば、１１０°程度になってい
る。

第１図中に符号１３で示す部分は平担部であり、いわゆ
るスキッシュエリアとして作用する部分である。

このように構成されたこのシリンダヘッドに釦いては、
図示しないピストンがシリンダ９内を上昇し、混合気を
圧縮する過程において、燃焼室１０内の混合気は、弧状
部８でそれぞれプラグ取付孔１１に向かって流れる状態
になり、さらに面取り１２の部分で、より良好な流れと
なって、スパークプラグ（図示せず）に向かい、ここで
着火されることになる。

これによって火炎伝播が良好になって、出力向上がはか
られることになる。

実験によれば、面取り１２の部分の長さＬ’ｔ、シリン
ダ９のボア径りに０．３０ ＮＯ，３５ｘ乗じた値の範
囲に設定したとき、第４図に示すように出力はもつとも
高いものとなった。

この考案は上述のように構成したものであるから、きわ
めて簡単にエンジンの出力向上をはかれる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を施したシリンダヘッドの底面図、第
２図、第３図はそれぞれ第１図の■−■線、■−■線に
おける断面図、第４図は実験によって確認した出力特性
図である。 １・・・シリンダヘッド、２．３・・・インレット孔。 ４．５・・・エキゾースト孔、６・・・稜線、９・・・
シリンダ、１１・・・プラグ取付孔、１２・・・面取り
、Ｄ・・・ボア径、Ｌ・・・面取りの長さ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ４バルブの内燃機関にかいて、シリンダヘッド内側の２
   つのインレット孔の間と２つのエキゾースト孔の間に延
   びる稜線の中央にプラグ取付孔を設け、該プラグ取付孔
   を中心にした前記稜線上に、その長さがシリンダのボア
   径に０．３０〜０．３５を乗じた値の面取りを施こした
   ことを特徴とする内燃機関の燃焼室。