JPS5840187Y2 - モルタル用断熱下地ボ−ド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建物の外壁としてモルタル壁仕上を行う場合に
、使用する断熱性を有するモルタル用断熱下地ボードに
関するものである。

最近のモルタル壁仕上においては、工数・資材の節約の
ため、半乾式１法と称するラス金網を消略した一発仕上
げ工法の種々の新製品が市販されるようになってきてい
る。

これらの製品は、モルタルの接着力不足と亀裂防止のた
め、モルタルの厚みが薄くなりがちであり、このため防
火力が弱く、さらに断熱性に乏しいという欠点を有して
いる。

このため最近の住宅の省エネルギー化の要請に対しては
不充分であり、断熱性を支えるためには、断熱材を下地
材として別途施工する必要があった。

このため工数の増大、コストの上昇を招いていた。

本案はこれらの欠点を解消し、断熱性が大きく、かつ防
火性があり、強固なモルタル壁を構成することのできる
モルタル用断熱下地ボードを提供することを目的とする
。

次に本考案を図面について説明すると、第１図は本案ボ
ードのモルタル壁として施工された状態を示す１部所面
斜視図であり、第２図は同じく縦断面図であるが、１は
パネル状に形成された無機パネル層であり、２はこの無
機パネル層１の一面に接着された硬質発泡ウレタン又は
発泡イソシアヌレート、発泡ポリスチロール、発泡ポリ
エチレン等の発泡合成樹脂層である。

３はこの発泡合成樹脂層２の裏面に接着された金属板、
合板、アスファルトシート又はアルミ箔防湿紙等の保護
材である。

本案下地ボードは、上記のような三層構造よりなってい
るが、このうち無機パネル層１の製造法について説明す
ると、フェロアロイダストとケイ酸アルカリを主材料と
し、これに副材料として、明ばん、消石灰、ホウ酸アル
カリ、アルミン酸ソーダ、水酸化アルミ、硫酸バリウム
、各種リン酸塩、ベントナイトのうち少くとも１種以上
を加え、均一になるまで混練しスラリー状の混線液を作
り、ついでこれに径２〜５ミリの発泡パーライト、発泡
バーミキュライト、シラスバルーン等の発泡無機粒子の
１種以上を投入し、十分に混練して、発泡無機粒子の全
表面に混線液を付着せしめる。

次にこれをパネル状に形成した基枠中に入れ、上から均
等な圧力を加えてパネル成型を行ったのち、炉の中に入
れ２００〜５００℃で１０〜３０分間焼結固化するか、
又は前述の成型物を高周波加熱炉中で加熱固化したのち
、焼結炉中で３００〜６００℃、１０〜２０分間焼結し
て作られたものである。

なお、上記のものを型枠に入れて成型を行う際、予め型
枠の底面に石綿布、又はグラスファイバーシート等の無
機センイシートを布置し、その上から前述のスラリーを
流しこみ、焼結することにより、パネルの一面を無機セ
ンイシートで補強したものを用いても差支えない。

この無機パネル層は、混線液中の主材料と副材料とが、
高温により化学反応を起して硬化し、発泡無機粒子を相
互に強固に接着連結せしめており、全体として、表面硬
度が大きく、均質で軽量な無機のパネルを形成している
。

その見掛は比重は、主材料、副材料及び発泡無機粒子の
種類及び配合比によって異なるが、大凡０゜３〜０．５
であり、発泡無機粒子が微細な独立気泡を内蔵している
ので防火性にすぐれ、混線材も焼結時に含有するケイ酸
アルカリによって発泡し、微細な独立気泡を発生するの
で、パネル全体としてくずれた不燃耐火性を有するもの
となっている。

しかもこの無機パネル層の表面は発泡無機粒子が露出し
ており、全面に凹凸が存在し、表面積が非常に大きくな
っている。

このためモルタルとの接着が容易な形状状態をなしてい
る。

本考案は、上記の無機パネル層１と、金属板、合板、ア
スファルトシート、又はアルミ箔防湿紙あるいは、これ
らの２種以上の組合せよりなる保護林３との間に、一定
厚みの硬質発泡ウレタン、又は発泡イソシアヌレート、
発泡ポリスチロール、発泡ポリエチレン等の発泡合成樹
脂層２を接着して、ボード状に一体成形したものである
。

とくに発泡合成樹脂層２に硬質発泡ウレタン又は発泡イ
ソシアヌレートを使用した場合においては、モールド発
泡により無機パネル層１と保護林３とを同時に自己接着
して、１体成型して本案ボードが得られるので、製造に
当り、他の発泡プラスチックスよりも、工程が簡単であ
りコストダウンを図れる利点がある。

本考案は、こうして出来たモルタル用断熱下地ボードで
あるが、これを用いてモルタル壁を構築する場合におい
ては、第１図において示したように、本案ボードを柱４
又は間柱５に直接釘７で検定し、その上から通常のセメ
ントモルタル６を通常の方法によって塗布すればよく、
塗布されたモルタルは本案ボードの表面の無機パネル１
の表面の凹凸にくいこんで密着し、固化したあとは１体
化したモルタル壁を構成することができる。

このようにしてなるモルタル壁は、次のような特長と効
果を有している。

（１）モルタルと無機パネル層との接着力が強固であり
、容易に剥離を生じないのみならず、長期間経過後に現
れる建物の歪みによって生じ易い亀裂に対しても、発泡
合成樹脂層２の弾力性によって柱及び間柱間に発生した
歪みを吸収できるので、従来工法において起りがちな亀
裂・剥離等を生じるおそれがほとんどなく、施工後のク
レームの発生を防止することができる。

（２）本考案によるモルタル壁は、防火性の大きい無機
パネル層１−とセメントモルタル６との二重の防火材料
より構成されているので、全体として従来の２倍以上の
非常に大きな防火性を有している。

（３）発泡合成樹脂層２の存在によりすぐれた断熱性を
有しており、建物の省エネルギーに大きく寄与できる。

又外部よりの水分の浸透は、この層により完全に遮断さ
れるので、柱等が腐る心配はない。

（４）本工法によれば、ラス網、防水紙、断熱材を一々
張る手間が、一工程ですみ、本ボードを柱に封着するだ
けで、モルタル壁の下地が完了するので、大巾の省力化
、能率化を図ることができる。

（５）本案ボードは上記のようなすぐれた諸性能を持っ
ているにも拘らず、軽量であり、施工が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案ボードの施工を示す１部断面斜視図、第２
−図は同じく縦断面図。 １：無機パネル層、２：発泡合成樹脂層、３：保護材、
４：柱、５：間柱、６：セメントモルタル、７：釘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フェロアロイダストとケイ酸アルｉ、りを主材料とし、
   これに副材料として、明ばん、消石灰、ホウ酸アルカリ
   、アルミ酸ソーダ、水酸化アルミ、硫酸バリウム等の少
   くとも１種以上を加えてなる混線物を用いて発泡パーラ
   イト等の発泡無機粒子を粘結し、燃焼固化してなる無機
   パネル層１と、金属板等の保護林３との中間に、発泡合
   成樹脂層２を接着してなるモルタル用断熱下地ボード。