JPS5839256B2 - カンジヨウテツシンノ セイゾウホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電磁ブレーキ或は電磁クラッチ等に用いられる
環状鉄心の製造方法に関する。

通常、電磁ブレーキ等の電磁石装置は直流励磁とされる
ため、その鉄心には塊状鉄心が用いられる。

しかしながら、その鉄心は磁性体であると同時に良電導
体であるため、これが電磁コイルに対して二次コイルと
して作用し、電磁コイルの励磁が断続的に高頻度で繰り
返えされる場合には、その鉄心部分に流れる渦電流が動
作特性に及ぼす影響が大きく、これを無視することがで
きない。

本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的
は渦電流の影響を回避することができると共に、能率的
に製造することができる環状鉄心の製造方法を提供する
にある。

以下本発明を電磁ブレーキにふ−ける環状鉄心の製造方
法に適用した一実施例につき第１図乃至第４図に基づい
て説明する。

１ず第１図に示す電磁ブレーキの全体構成を説明する。

１は後述のようにして製造した環状鉄心で、これは取付
板２を介して回転軸３と同心的に配設される。

４は前記環状鉄心１内に位置する環状の電磁コイル、５
はこの電磁コイル４上に位置する環状の摩擦板である。

６は前記回転軸３に嵌着した回転体で、その一端部の外
周囲にはスプライン軸部６ａを一体に有している。

７はスプライン穴部７ａを有すく磁性材例えば鉄材製の
制動板で、これはスプライン穴部７ａを前記回転体６の
スプライン軸部６ａに軸方向に移動自在に嵌合している
。

８は前記回転体６に装着した係止板で、これは前記制動
板７の矢印Ａ方向の移動限界位置を定めるものである。

９は一端部を前記制動板７に固着し他端部を前記係止板
８に圧接させた板ばねで、これは制動板７を常時矢印Ａ
方向に付勢している。

これにより制動板７は常時は係止板８に当接し、摩擦板
５と所定の間隙をもって対向している。

而して、例えばモータが通電されて回転軸３が回転駆動
されると、これに伴って制動板７も一体的に回転する。

そして、モータに対する通電が断たれると、同時に電磁
コイル４が通電されるため、環状鉄心１が励磁される。

こへにより制動板７が板ばね９のばね力に抗して反矢印
Ａ方向に吸引変位して磨擦板５に摺動し、以上により回
転軸３は制動されて直ちに停止する。

次に、前記環状鉄心１を製造する手順について第２図乃
至第４図に基づいて述べる。

前記電磁コイル４はその外周面全体に予め被磁性材例え
ば合成樹脂１０をコーティングしている。

斯る電磁コイル４を二個用意して、これらを前記摩擦板
５の素材である環状の摩擦材１１の両側に接着等により
強固に固着する。

このようにして一体化した二個の電磁コイル４，４及び
摩擦材１１より成る環状体１２を巻型として、これに断
面円形の一本の長尺な鉄線１３を隙間なく巻固しでゆく
。

この場合、環状体１２の外径寸法は内径寸法より大きい
ことにより、環状体１２の外周面側は一重に巻回され、
内周面側は二重に巻回される（第３図及び第４図参照）
。

そして、線材１３を環状体１２全体に巻回した上で、こ
れを絶縁材例えば溶融状態にある合成樹脂中に浸し、該
樹脂が線材１３間にく筐なくゆきわたったところで引き
上げて固化させ、以て線材１３と環状体１２並びに線材
１３相互を合成樹脂１４により一体化する。

この後、環状体１２全体をその軸心と直交する方向に、
前記摩擦材１１の略中央で二分割する。

以上により、内部に電磁コイル４及び摩擦板５を一体的
に有した環状鉄心１が二個形成される。

このように本実施例によれば、環状体１２に線材１３を
巻回した上で、これを合成樹脂１４により一体化し、こ
の後、環状体１２全体をその軸線方向に二分割する構成
としたので、一本の線材１３は略コ字状をなす多数の短
尺線に分断されて非連続になるので、渦電流の影響を有
効に回避することができる。

しかも合成樹脂１４により一体化した後、二分割するよ
うにしたので、略コ字状をなす前記短尺線がばらになる
ようなこともなく作業能率が向上する。

筐た、環状体１２に線材１３を巻回してゆく場合、内周
面側は二重に巻かれるので、環状鉄心１の内周壁側と外
周壁側との磁束通過面積を同一にすることができ、従っ
て磁束の飽和による磁気力の弱化を有効に防止すること
ができる。

尚、上記実施例では、断面円形の線材１３を用いたが、
これは第５図に示すように断面矩形状の線材１５を用い
るようにしてもよい。

また、上記実施例では、二個の電磁コイル４゜４及び摩
擦材１１を一体化した環状体１２を巻型としたが、これ
は別の環状の枠を巻型としてもよい。

その他車発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定され
ることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更し
て実施することができる。

本発明は以上説明したように渦電流の影響を回避するこ
とができると共に、能率的に製造することができる環状
鉄心の製造方法を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明の一実施例を示し、第１図は
電磁ブレーキの縦断側面図、第２図は環状鉄心の製造方
法を説明するための要部の断面図、第３図及び第４図は
第２図中■−■線及びＥＶ−ＥＶ線に沿う拡大断面図、
第５図は本発明の他の実施例を示す第３図相当図である
。 図面中、１は環状鉄心、４は電磁コイル、５は摩擦板、
７は制動板、９は板ばね、１１は摩擦材、１２は環状体
（巻型）、１３は鉄線、１４は合成樹脂（絶縁物）であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 環状の巻型に一本の長尺な鉄線を巻装した上で、こ
   れを絶縁材で一体化することによシ鉄心用素材を形成し
   た後、該鉄心用素材を前記巻型の軸心と直交する方向に
   二分割するようにしたことを特徴とする環状鉄心の製造
   方法。