JPS5838894B2 - 酸化銅皮膜素線絶縁導体の製造方法

Info

【発明の詳細な説明】送電容量が増大し、導体サイズが大型化されるのに伴い
、表皮効果や近接効果などによる損失が大きな問題にな
る。

素線絶縁はその対策の−っであり、酸化銅の皮膜によっ
て素線絶縁を行なうことがすでに提案されている。

（特開昭５６−９９１２号など参照）。従来提案されて
いる方法は、全部の素線に絶縁皮膜を設ける方法である
が、この方法は、製造コストが高くなる割りには、損失
低減の効果が薄い。

また、導体接続に際して素線絶縁皮膜を除去しなければ
ならないが、全部の素線の皮膜を除去するのは、作業が
たいへんである。

特に内層のものほど、除去作業がしにくくなる。

本発明は銅より線（セグメントも含む）の外層部にだけ
酸化銅を形成して素線絶縁することにより、全部の素線
に絶縁皮膜を設けた場合とほぼ同等の効果の得られる素
線絶縁導体の製造方法を提供するものである。

なお、外層部というのは銅より線またはセグメントとの
外側からかぞえて第１層、および第２層程度という意味
で使用している。

発明の概要常温の銅より線を９０〜１００℃程度の酸化処理液に浸
せきしたとき、必要な厚さの酸化銅皮膜（０，５〜２μ
ｍ程度）を作るのに、約３分〈らいかかる。

一方、銅より線の圧縮導体を酸化処理液中に浸せきした
とき、外層部が液に浸って、第２層重ですつかりぬれる
１での時間は、数秒程度である。

本発明においては、銅より線をその外層部だけ浸る程度
に酸化処理液内に浸せきさせた後直ちに外に出し、高温
の気中に維持して酸化反応を進行させ、必要な厚さの酸
化銅皮膜を形成させるようにしたものである。

第１実施例（第１図）１０は銅素線をより合わせた銅よシ線で、矢印１２の方
向に連続して進行する。

１４は酸化液そうで、酸化処理液１６が入っている。

酸化処理液１６としてはたとえば５係程度の亜塩素酸ナ
トリウムと５係の水酸化ナトリウムとの混合水溶液など
が使われる。

液温は９０〜１００℃程度。

１８はシールで、より線１０が進行方向に貫通している
。

２０はシール１８や銅より線１０内を漏れてくる酸化処
理液１６を受けるそう。

２２はタンクで前記酸化処理液１６を貯蔵しておくもの
である。

２４は循環用のポンプで前記酸化処理液１６を循環させ
る。

２６は酸化室。

内部はたとえば高温の空気２８などにより、９０〜１０
０℃程度に維持される。

３０は空気用のフロアで空気２８を移動させる。

３２はヒーターで前記酸化室２６に送りこむ空気２８を
加熱するものである。

３４は水分離器で前記空気２８と酸化処理液１６とを分
離する。

作用銅より線１０は前処理としてトルエン、トリクロロエタ
ン、カセイソーダ水溶溝等で各素線表面の脱脂、洗浄が
行なわれた後、酸化液そう１４内を銅より線１０が数秒
で通過し、そして酸化室２６内を３〜１０分くらいで通
過するようにする。

すると、酸化液そう１４内では酸化処理液１６が銅より
線１０の外層部にのみ付着し、酸化室２６内においては
外層部にのみ酸化銅の皮膜が形成される。

上記工程後鍋より線１０は水洗され、その表面に付着し
ていた酸化処理液は完全に除去される。

第２実施例（第２図）酸化液そう１４を密閉、加圧型にする。

２４は加圧用のポンプ、３８は圧力制御弁。

また４０は高周波誘導加熱装置である。

「第３図」は、酸化処理液内に銅より線１０を浸せきし
たときの、半径方向の液の浸透距離と液の圧との関係を
、浸せき時間をパラメータにして示したものである。

そこで、酸化処理液１６の圧と、その中を通過させる時
間を適当に決めて、銅より線１０の外層部だけ酸化処理
液１６に浸るようにし、次いで、酸化室２６内において
高周波誘導加熱装置４０により、銅より線１０を１００
〜３５０℃に加熱し、外層部のみに酸化銅皮膜を形成さ
せる。

高周波誘導加熱装置４０を使用すると、銅より線１０の
外層部だけをより高温に加熱でき、酸化反応時間を短縮
できる。

なお酸化処理液１６は上記のものの他、過酸化水素系の
ものなども使用できる。

発明の効果（１）銅より線１０の外層部だけ酸化銅の皮膜を形成す
ることができる。

（２）銅より線１０の外層部だけが酸化処理液１６に触
れるので、次の工程の水洗が楽になる。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は本発明の異なる実施例の説明図、第３
図は、酸化処理液１６内に銅よシ線１０を浸したときの
液の圧と浸透距離との関係を示す線図。１０：銅より線、１４二酸化液そう、１６：酸化処理液
、２６二酸化室。