JPS5838185Y2 - デイ−ゼルエンジン車用自動変速機の制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用自動変速機の制御装置、殊にディーゼ
ルエンジン車用自動変速機の制御装置に関する。

自動車用自動変速機においては、変速操作のために油圧
作動のクラッチ及びブレーキが設けられているが、これ
らクラッチ及びブレーキの作動を車速及びエンジントル
クに関連して制御するため、車速に対応する油圧すなわ
ちガバナ圧と、エンジン負荷に対応する油圧すなわちス
ロットル圧とによってシフトパルプを作動させるように
構成される。

このスロットル圧を発生させるための手段としては種々
のものが考えられるが、ガソリンエンジン車の場合、吸
気管負圧がエンジントルクに応じて変動するところから
、この吸気管負圧をスロットルバルブに連結したダイヤ
フラムに作用させるようにした構成が採用されている。

その一例としては、たとえば実公昭５１−１３６７９号
公報に公知例として示された装置、或いは該公報に新規
なものとして開示された装置がある。

一方、ディーゼルエンジン車用自動変速機の場合、吸気
管負圧を用いてスロットルバルブの制御を行なうことが
できず、別の制御手段を必要とする。

しかし、エンジン負荷に対応して作動する部材、たとえ
ばエンジン絞り弁又はその作動機構を自動変速機のスロ
ットルバルブにケーブルにより連結すると、ケーブルに
伸び又は切損な生じたとき、スロットルバルブにより制
御されるライン圧が低下するという問題がある。

すなわち、自動変速機ノスロットルバルブは、一端にラ
イン圧を受け、他端にエンジン負荷に対応する力を受け
てバランスするように構成されているので、上述のよう
なケーブルの伸び又は切損が生じると、スロットルバル
ブがライン圧により押されて移動し、ライン圧の低下を
生ずる。

このようなライン圧の低下は、自動変速機のクラッチに
損傷を与えることになり、好ましくない。

本考案は、ガソリンエンジン車用自動変速機の制御装置
の部品をできるだけそのまま使用しながら、ケーブルの
切損等の事故が起きたときにもライン圧が低下せず、む
しろ増加してクラッチの損傷を防ぐようになったディー
ゼルエンジン車用自動変速機の制御装置を提供すること
を目的とする。

すなわち、本考案による制御装置は、エンジン負荷に対
応して作動する部材と自動変速機のスロットルバルブと
を相対移動可能に弾性部材を介してケーブルで連結する
と共に、ライン圧増加方向に該スロットルバルブを付勢
する第２の弾性部材を設けたことを特徴とする。

本考案によれば、ケーブルの切損等が生じた場合には、
スロットルバルブを付勢する第２の弾性部材により、ラ
イン圧は増加するので、自動変速機のクラッチに損傷を
与える恐れがない。

具体的には、ガソリンエンジン車用自動変速機に用いら
れる制御装置のダイヤフラムに、ケーブルの端部をスプ
リングを介して連結し、さらに該ダイヤフラムには、こ
れを上記スプリングと反対方向に押す第２のスプリング
を設ければよい。

勿論、ダイヤフラムを介さずに、ケーブルを第１のスプ
リングによりスロットルバルブ又はその作動ロッドに連
結し、該スロットルバルブ又はその作動ロッドに第２の
スプリングを第１のスプリングとは反対方向に作用させ
るようにすることも可能である。

以下、本考案の実施例を図について説明すると制御装置
本体１内に設けられたバルブ孔２内には、ランド３ ａ
ｔ ３ ｂ及びその間の小径部３ｃを有するスロット
ルバルブ３が軸方向摺動自在に配置されている。

バルブ孔２には、端部に室２ａが形成され、この端部室
２ａかも間隔をもって順に環状溝２ｂ 、２ｃ 、２ｄ
が形成されている。

溝２ｂ。２０間の間隔は、スロットルバルブ３が図示の
中立位置にあるとき、線溝２ｂ 、２ａがランド３ａｔ
３ｂにより閉じられるように定められる。

溝２ｃは、溝２ｂ 、２ａの中間に配置されろ。

溝２ｂにはガバナ圧が供給され、該ガバナ圧により溝２
ｃにスロットル圧が発生する。

溝２ｃは室２ａに接続され、したがってスロットルバル
ブ３の末端にはスロットル圧が作用し、該スロットル圧
によりガバナ圧を制御する。

溝２ｄはドレンに接続される。

スロットルバルブ３の外端には、バルブ作動ロッド４の
一端が嵌合され、該バルブ作動ロッド４は本体１に設け
たロッドガイド５を貫通している。

本体１にはダイヤフラムケース６が取付けられ、このダ
イヤフラムケース６内のダイヤフラム７に設げられたロ
ッド受８に、バルブ作動ロッド４の外端が嵌合している
。

図においてダイヤフラム７より右側のケース半体６ａは
、前述の実公昭５１−１３６７９号公報第２図に記載さ
れているように、ガソリンエンジン車用変速機の場合、
エンジン吸気負圧室を構成するためのものであり、外端
に段部６ｂを有する。

本考案の実施例においては、ダイヤフラム７にコツプ状
のばね受部材９が固定され、ケーブルエンド１０に固定
したばね座１１と該ばね受部材９との間に内側はね１２
が配置されている。

ケーブルエンド１０は、ケーブル（図示せず）を介して
、燃料噴射ポンプの燃料制御レバー又はその作動機構の
ような、エンジン負荷に対応して作動する部材に連結さ
れている。

ばね受部材９の外側には、外側はね１３が配置され、こ
の外側ばね１３は、ばね受部材９に設けた外向フランジ
９ａとケース半体６ａの段部６ｂとの間で作用する。

以上の構成において、エンジン負荷に対応して作動する
部材の動きは、ケーブルからケーブルエンド１０に伝え
られ、さらにばね座１１から内側ばね１２を介してダイ
ヤフラム７上のばね受部材９に伝えられろ。

一方、ダイヤフラム７は外側ばね１３により常時左方に
押されており、外側ばね１３による付勢力とケーブルエ
ンド１０から内側ばね１２を介して伝えられる力との差
が、エンジン負荷を表わす信号としてダイヤフラム７に
作用し、スロットルバルブ３の端部の室２ａには、この
エンジン負荷信号に応じたスロットル圧が形成されろ。

ケーブルエンド１０に接続されたケーブルに切損等の事
故が生じると、ケーブルエンド１０からダイヤフラム７
に作用する力は消滅するため、ダイヤフラム７は外側ば
ね１３のみにより左方に押される。

このばね１３による付勢方向は、スロットル圧を増加す
る方向であるため、ケーブル切損等により、すなわちラ
イン圧スロットル圧が低下する恐れはなくなる。

以上のように本考案によれば、ガソリンエンジン用自動
変速機の制御装置を大幅な変更を要することなく、ディ
ーゼルエンジン用自動変速機の制御装置として使用でき
、大幅なコストダウンを図ることができるとともに、万
一、ケーブルの破損等が生じても変速機に悪影響をおよ
ぼすことがなく、また構成も簡単となる等、種々の優れ
た効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すスロットルバルブ制御装置
の断面図である。 ２・・・・・・バルブ孔、２ａ・・・・・・室、３・・
・・・・スロットルバルブ、７・・・・・・ダイヤフラ
ム、９・・・・・・ばね受部材、１０・・・・・・ケー
ブルエンド、１２・・・・・・内側ばね、１３・・・・
・・外側ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン負荷に対応する油圧を発生するためのスロット
   ルバルブを作動させるディーゼルエンジン車用自動変速
   機の制御装置において、エンジン負荷に対応して作動す
   る部材と前記スロットルバルブとを相対移動可能に弾性
   部材を介してケーブルで連結すると共に、ライン圧増加
   方向に前記スロットルバルブを付勢する弾性部材を設け
   たことを特徴とするディーゼルエンジン車用自動変速機
   の制御装置。