JPS5837524Y2 - 深穴加工用治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は深穴加工においてドリルをガイドするとともに
冷却および切粉排出用の流体給排機能をもつ治具に関す
るものである。

深穴加工においては、切粉の排出が重要であり、その良
し悪しによって加工工数に大きな差が生ずる。

切粉の排出を良好にするために、従来より工具の中又は
外から油を強制的に送り込み、その油とともに切粉を排
出する方法がとられている。

すなわちガンドリル等を工具とした深穴加工である。

これを第１図に示す。

第１図においてイは供給された油と切粉の飛散を防ぎこ
れらを排出するとともに工具をガイドする治具であり、
その詳細を第２図に示す。

治具イは深穴加工専用機口の主軸と同心の位置で且つテ
ーブル二上に固定されている。

そのため被加工物へに対する加工位置の移動にともなう
位置決めは被加工物へを動かさざるをえない。

したがって被加工物に多数の深穴加工を行うときには段
取り作業に多くの時間を費し、加工工数の増大が生じて
いる。

また加工機械の主軸と治具との関係およびワークの移動
装置等を必要とすることから専用機による加工によらさ
゛るを得ない。

被加工物へを固定し加工機械口と治具イを移動するとす
れば、各穴位置に応じて油飛散防止兼工具ガイド治具イ
を制御移動位置決めの上、被加工物と相対的動きがない
様固定せねばならないが、それには大がかりな移動制御
及固定装置と段取りを要する。

併せて油が洩れないように治具イ前端を密着させる段取
りにも手間を要する。

又加工機械主軸の正確な位置決め固定にも上記治具イと
同様な困難が伴う。

本考案は汎用機によって、深穴加工を可能にししかも多
数の深穴加工の段取り作業を容易に行なえることを目的
とした治具であり、その要旨とするところは、被加工物
の加工面に取付可能であるとともにあらかじめ加工個所
にガイドブツシュの挿入孔が形成された治具板と、該治
具板に当接する面に磁石を固設するとともに同じく治具
板に当接する面に対し直交する穴明工具の貫通穴および
該貫通穴に連通ずる切粉排出穴を形成した治具本体と、
前記貫通穴の前端に嵌入されるガイドブツシュとこれに
工具を差込んだのち後端に嵌入されるシャンクガイドと
を有し、任意の加工位置において被加工物に対して着脱
史能としたものである。

本考案による実施例を第３図および第４図に示す図面に
よって説明する。

１は治具本体、２は治具本体１内に嵌装され、ボルト３
によって固定された磁石、４は治具本体１に内装された
玉軸受、５は玉軸受４によって支持されるとともに治具
本体１に嵌合されるシャンクガイド、６はシャンクガイ
ド５の抜は止め用板で頻繁な着脱が容易な様に一つのボ
ルト穴以外の穴は切欠がれている。

７は抜は止め用板を治具本体１に固定するボルトでこれ
も頻繁な締付け、緩めが容易な様に蝶ねじ状のつまみが
ついている。

８はシャンクガイド５と同芯に治具本体１に挿入出来る
ガイドブツシュ、９は治具本体１の外周に螺合されたナ
ツト、１０は保持具付玉軸受、１１はリンク、１２は止
めねじである。

治具本体１に形成された工具貫通穴１ａに連通する切粉
排出穴１ｂには継手付パイプ１３が接続され、該継手付
パイプ１３は図示しない切粉受に可撓性のあるホース３
０で連絡されている。

１４は所定の加工個所にガイドブツシュの挿入穴を形成
し、図示しない取付具によって被加工物Ｗに固定される
治具板、１５は深穴加工用工具で細長い為、僅かに可撓
性がある。

被加工物Ｗの加工すべき面に図示しない取付具によって
治具板１４を固定したのち加工穴位置にガイドブツシュ
８を差し込む。

次いであらがじめシャンクガイド５のみを嵌装した深穴
加工用工具１５を図示しない穴明加工機械の主軸に取付
け、また該工具先端部をガイドブツシュ８内径に合わせ
る。

その場合、僅かに可撓性のある工具の先端部がガイドブ
ツシュ８に嵌入出来る程度の粗い精度でよい。

次に主軸と共に工具１５を第３図Ａの位置迄後退させた
状態で、治具本体１を治具板１４に差し込んだガイドブ
ツシュ８に対して中心穴部を嵌合すると同時に治具板１
４に対して磁石２が固着することによって治具本体１は
治具板１４に取付けられる。

次に再び主軸に取付けられた深穴加工用工具１５先端部
をガイドブツシュ８に差込んだ上でシャンクガイド５を
治具本体１に挿入したのち抜は止め用板６とボルト７に
よってシャンクガイド５の抜は止めをすると加工準備は
完了する。

これより後は図示しない穴明加工機械を作動させて深穴
加工を行なう。

次に他の加工個所へ移動させて上記操作を繰返すことに
よって多数の深穴加工が容易に行なえる。

治具板１４がら治具本体１を取外すにはナツトを回すこ
とによって磁石２が治具板１４から離反し容易に行なえ
る。

上述したように本考案は深穴加工における切粉排出およ
び工具の保持を目的とした治具にして、治具板の穴基準
に取付は密着と取外しおよび芯出しが容易なため多数の
穴加工において段取り作業時間を短縮し、また治具自体
を工具及シャンクガイドと分離した状態で他の穴のガイ
ドブツシュへ容易に移動できこれで工具をガイドする様
にした為加工機械の精密な位置制御を要せず汎用機に使
用可能である等効果ある装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の深穴加工専用機を示す正面図、第２図は
第１図のイ部詳細図、第３図は本考案による実施例を断
面で示す正面図、第４図は第３図のＩＶ−ＩＶ矢視図で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加工物の加工面に取付可能であるとともに加工個所に
   穴明工具のガイドブツシュの挿入孔が形成された治具板
   と、該治具板に当接する前面に磁石を埋設するとともに
   前記ガイドブツシュおよび穴明工具のシャンク部をガイ
   ドするシャンクガイドが嵌着可能な貫通孔と該貫通孔に
   連通ずる切粉排出孔を形成してなる治具本体と、該治具
   本体の貫通孔前端に嵌着されその先端部が治具板に挿入
   されるガイドブツシュと、治具本体の貫通孔後部に嵌着
   されるシャンクガイドとを有し、任意の加工位置におい
   て被加工物に対する着脱が可能であることを特徴とする
   深穴加工用治具。