JPS583467B2 - チユウクウシツオユウスルチヨウジヤクチユウゾウヨウノズルノ セイゾウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、中空室を有する長尺鋳造用ノズルの製造法
に関する。

一般に、取鍋、タンディッシュ等の冶金容器に装着して
あるノズル（溶融金属注入口）内壁への地金または非金
属介在物（主にアルミナ）の付着は、溶融金属のノズル
通過量の増大と共に進行し、最終的にはノズル閉塞に致
る。

ノズルが閉塞すると、通常酸素で洗浄を行うが、これに
より溶融金属中の介在物は増加してしまう。

また、ノズルが完全に閉塞した場合には、溶湯の注入が
不可能となり生産に重大な障害をもたらす。

そこで、前記ノズル内へ不活性ガスを吹き込んでノズル
閉塞を防止する方法が特開昭４７−１５３３０号、実開
昭５０−１７５１５号に示されている。

前記特開昭４７−１５３３０号は、ノズル本体に多孔質
煉瓦を用い、この煉瓦よりも更に多孔質の材料によるガ
ス配分の環体を前記ノズル本体に封入したものである。

しかし、この種の鋳造用ノズルを使用した場合には、ノ
ズル本体の煉瓦と、ガス配分用環体との材質が相異する
ことによる熱膨脹率等の違いから煉瓦の機械的破壊が問
題となる。

一方、実開昭５０−１７５１５号は、通気性を有する耐
火物製ノズル本体の内部に溶湯注入孔の近くを連続状若
しくは、不連続状に取囲む密閉中空部を形成して、これ
にノズル本体の外部から不活性ガス送入管を挿通して、
前記ノズルの溶湯江入孔の内周面から不活性ガスを噴出
させるようにしたものである。

この種のノズルを使用した場合、介在物による付着物の
防止には効果的であることが知られている。

しかしながら、この種の中空室を有する鋳造用ノズルを
タンディッシュ等に使用される長尺の浸漬ノズル等に適
用するために、中空室を有する長尺の浸漬ノズルを製造
する場合、ノズル孔内周面に均一に不活性ガスが噴出す
るような中空室を得ることが極めて困難であることがわ
かった。

即ち、前述のような浸漬ノズルに中空室を設ける場合、
ノズルの肉厚に対して中空室の長さを非常に長く取るこ
とが必要であり、ノズル孔内周面と中空室との肉厚が一
定で、不活性ガスが均一分散する中空室を設けることが
必要である。

ところが、耐火物の充填、成形、焼成等の製造工程にお
いてノズル孔内周面と中空室との肉厚の不均一が生じ易
すく、それに共ってガスの不均一分散を生じ、又、割れ
の原因となること等の問題があり、中空室を有する長尺
の浸漬ノズル等の製造が困難なので未だ実用化されてい
ないのが現状である。

本発明者等は上述のような中空室を有する長尺の鋳造用
ノズルの必要性と、前記ノズルの製造法の困難性の事情
に鑑みて、種々の研究を行った結果、ノズル孔用中子を
設けたノズル本体用ゴム型内に、不定形耐火物を所定の
高さまで充填した後内周面に前記中子との肉厚調整用の
複数の突起を有し、下方外周面に中空室と合致する中空
室形成材を着脱可能に取付けた薄板状の円筒を前記ゴム
型内に前記中子と同心円状に装入し、前記ゴム型と中子
との間隙に、前記中空室形成材が固定されるまで不定形
耐火物を充填した後、前記円筒を引抜き、ついで前記中
空室形成材が埋没するまで不定形耐火物を充填した後、
前記ゴム型を密閉し、前記ゴム型を加圧成型した後、前
記中空室形成材を焼失すれば簡単かつ容易な長尺の鋳造
用ノズルを製造できるという知見を得たのである。

この発明を実施例により図面とともに説明す句第１図〜
第６図には、この発明の実施態様がその断面図で示され
ている。

第７図は、この発明法により製造された中空室を有する
長尺鋳造用ノズルの断面図である。

すなわち、前記ノズルを製造するには、第１図に示され
るように、ノズル本体用ゴム型１内に、ノズル孔用中子
２を設置し、不定形耐火物３を所定の高さまで充填する
。

次いで第２図に示されるように、中子２との肉厚を一定
にするための突起４を内周面の所定箇所に複数個有し、
下方外周面に後述する中空室と合致する中空室形成材５
を着脱可能に取付けた円筒６を、ゴム型１内に中子２と
同心円状に装入する。

なお、前記中空室形成材５は、容易に切断、変形可能な
厚紙又は合成樹脂等でなり、円筒６の下方外周面に巻き
付けられており、後に前記円筒６から外され、焼失され
るものである。

また、前記円筒６は、ブリキ等の容易に変形しない薄板
で形成されている。

次いで、前述のように、円筒６をゴム型１内に装入した
ら、第３図に示されるように、ゴム型１と中子２との間
隙に、中空室形成材５が固定されるまで不定形耐火物３
を充填する。

このようにして前記中空室形成材５が固定されたら、第
４図に示されるように、円筒６を引抜き、中空室形成材
５のみをゴム型１内に残す。

次いで、第５図に示されるように、中子２の先端に吐出
口形成用部材７を設置した後、前記中子２及び吐出口成
形用部材７が没入するまでゴム型１内に不定形耐火材３
を充填し、前記ゴム型１をゴム栓８で密閉する。

次いで、第６図に示されるように、前記ゴム型１全体を
加圧容器９内に入れて前記ゴム型１を加圧成型する。

次いで、この加圧成型の終った成型品の中子２とゴム型
１を取外し、乾燥炉又は焼成炉内で加熱する。

これにより、中空室形成材５は焼失し、第７図に示され
るような中空室１０を有する長尺鋳造用ノズルが製造さ
れる。

このようにして製造されたノズルは、前記ノズルの外部
から中空室１０に至る穿孔を行い、不活性ガスの導入管
（図示せず）を嵌合させる。

つぎに、この発明法の実施例について説明する。

表−１に示される成分（Ａ及びＢ）を材質とする。

この発明法により製造したノズルをタンディッシュに装
着してＡｌキルド鋼の鋳造に供した場合、親鍋容量１０
０ｔｏｎ，鋳込時間、約６０分／１連鋳において、ノズ
ル開孔表面にはＡｌ２ｏ３等の付着がなく、ノズル閉塞
の発生も起らなかった。

なお、前記ノズルは、第８図に示されているような寸法
形状のものである。

また、材質Ａの場合は、４連鋳（１連鋳は親鍋単位）、
材質Ｂの場合は、５連鋳が可能であった。

因みに従来のノズルでは、１〜２連鋳であった。

なお、ノズル本体内の中空室の位置決めは、ノズル孔内
周面と前記中空室の肉厚が、前記ノズル本体の外周面と
前記中空室の肉厚よりも小さくなるようにすれば、効率
良い不活性ガスの噴出が可能であるが、これをあまり近
似させることは好ましくない。

これは鋳造回数が多くなると、ノズル孔内壁の浸食も発
生し、そのために中空室とノズル孔内周面との間に穴が
生じ中空室へ溶湯が浸入することもあるからである。

さらに、この発明法においては、中空室形成材による中
空室の形成において、中空室を設けたことによる長尺鋳
造用ノズルの強度の低下が心配される場合には、前記中
空室形成材にランダムに小さな穴を形成すれば、この穴
を通して耐火物が充填されるので、成形、焼成後の中空
室には補強用の骨がランダムに形成されたものが得られ
、この心配はなくなる。

前記中空室形成材に穴をあける場合には、焼成後に中空
室から均一にガスが通るようにあけることが必要である
ことは勿論である。

この発明によれば、タンディッシュ、取鍋等に使用する
長尺鋳造用ノズル（一般には、６００〜１０００ｍｍ）
、特にタンディッシュに使用する浸漬ノズルにおけるノ
ズル内の付着物を防止するために使用する、不活性ガス
のノズル内壁への均一分散用中空室を有する長尺鋳造用
ノズルを簡単かつ容易に製造できるという工業上有用な
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図は、この発明法の実施態様を示す断面図
、第７図は、この発明法により製造した中空室を有する
長尺鋳造用ノズルの断面図、第８図は、この発明法の実
施例に使用したノズルの寸法形状を示す断面図である。 図面において、１・・・ゴム型、２・・・中子、３・・
・不定形耐火物、４・・・突起、５・・・中空室形成材
、６・・・円筒、７・・・吐出口形成用部材、８・・・
ゴム詮、９・・・加圧容器、１０・・・中空室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ノズル孔用中子を設けたノズル本体用ゴム型内に、
   不定形耐火物を所定の高さまで充填した後内周面に前記
   中子との肉厚調整用の複数の突起を有し、下方外周面に
   中空室と合致する中空室形成材を着脱可能に取付けた薄
   板状の円筒を前記ゴム型内に前記中子と同心円状に装入
   し、前記ゴム型と中子との間隙に、前記中空室形成材が
   固定されるまで不定形耐火物を充填した後、前記円筒を
   引抜き、ついで前記中空室形成材が埋没するまで不定形
   耐火物を充填した後、前記ゴム型を密閉し、前記ゴム型
   を加圧成型した後、前記中空室形成材を焼失することを
   特徴とする中空室を有する長尺鋳造用ノズルの製造法。