JPS5832360Y2 - Ｆｍステレオ受信回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、使用中著しく電界強度が変化することの多い
車載用受信機などにおけるＦＭステレオ受信回路に関す
る。

カーラジオなど車載用の受信機においては、その移動に
伴なって電界強度が種々異なってくるため、使用中に入
力信号レベルの変動が著しく、シかも雑音の多い場所で
使用されることが多い。

ところがＦＭステレオ受信機においては、入力信号のレ
ベルが所定値以下になると、ステレオ信号の再生動作が
充分に行なわれなくなって歪の発生が多くなるので、入
力信号のレベルに応じて再生される信号がステレオ信号
からモノラル信号に自動的に切換わるように構成されて
いるものがある。

また、雑音が多く Ｓ／Ｎが低下しやすいから、入力信
号のレベルが低下し、受信動作がステレオからモノフォ
ニックに切換わると同時に低周波信号の高域成分を減衰
させ、再生音声中における雑音が耳ざわりにならないよ
うにした受信機も知られている。

しかしながら、このような受信機においては入力信号の
レベル変動に応じて自動的に切換動作が行なわれたとき
、再生されている音声がステレオからモノフォニック（
以下単にモノという）へ、域いはモノからステレオに変
化すると共に高域成分の減衰状態も同時に変化するため
切換動作に伴なう音質の変化が著しく、大きな不快感を
与えるものとなっていた。

ことに、カーラジオなどが市街地で使用されたような場
合には、切換動作が頻繁に起こり、到底受信の継続が不
可能になるような事態も珍らしくなかった。

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点を除き、電界
強度が変化しても再生音質が急激に変化せず、所定のプ
ログラム品位を保って受信の継続が可能なＦＭステレオ
受信回路を提供するにある。

この目的を遠戚するため、本考案は、上記した切換動作
が行なわれる入力信号レベルとは異なった人力信号のレ
ベルにおいて、ステレオ信号の両チャンネル間の高域成
分の混合状態を変化させるようにした点を特徴とする。

以下、本考案の一実施例を図面について説明する。

第１図は本考案の一実施例で、１は受信用のアンテナ、
２は高周波増巾回路、周波変換回路などからなるフロン
トエンド回路、３は中間周波増巾器、４は中間周波増巾
器３の初段増巾部からの中間周波信号出力端子、５はＦ
Ｍ検波器、６はステレオ信号マルチプレックス回路、７
，８はそれぞれステレオ信号のＬチャンネルとＲチャン
ネルの出力、９は制御回路、１０は電源端子１１は接地
点、１２は結合用コンテ゛ンサ、１５は中間周波信号増
巾用トランジスタ、１９．２２は倍電圧整流用のコンテ
゛ンサ、２０．２１は倍電圧整流用ダイオード、２６，
３０はスイッチ用のＮＰＮｌ−ランジスタ、２８は高域
成分を減衰させるためのコンテ゛ンサ、３１はリレー、
３２はステレオ信号の両方のチャンネルの信号の高域成
分を混合させるためのコンテ゛ンサである。

またｊ３，１４はバイアス抵抗、１６は負荷抵抗１７は
増中度調節用の可変抵抗、１８はバイパスコンテ゛ンサ
、２３はバイアスと整流回路の負荷となる抵抗、２４．
２５ 、２７ 、２９はバイアス抵抗である。

次に動作について説明する。

アンテナ１からの信号はフロン１〜工ンド回路２によっ
て同調受信され、中間周波信号に変換されて中間周波増
巾器３に供給される。

中間周波増巾器３の出力はＦＭ検波器５に加えられ検波
されてからマルチプレックス回路６でステレオ信号に変
換されて、ＬチャンネルとＲチャンネルの出カフ、８に
ステレオ信号を供給する。

図においては省略しであるが、出カフ、８にはそれぞれ
所定の低周波増巾器、電力増１４］器を経てスピーカが
接続され、音声の再生を行なうようになっている。

また、受信した信号がモノ信号の場合には、出カフ、８
には全く同じ信号が現われるように動作することも当然
で゛ある。

さて、このとき、中間周波増巾器３の出力端子４には、
その初段増巾部から振巾制限されていない中間周波信号
が現われており、この信号がコンテ゛ンサ１２からトラ
ンジスタ１５のベースに加えられ、増巾されてそのコレ
クタに発生している。

そこで、この信号はコンデンサ１９とダイオード２０．
２１で゛整流され、コンデンサ２２と抵抗２３からなる
並列回路に負の直流電圧■を発生する。

この電圧■は抵抗２４．２７を介してスイッチ用トラン
ジスタ２６ 、３０のベースに加えられ、これらのトラ
ンジスタ２６ 、３０を遮断方向にバイアスする。

他方、これらのトランジスタ２６．３０は抵抗２５．２
９により導通方向にバイアスされているから、電圧■が
所定値に達するまではトランジスタ２６．３０は導通状
態にあり、ついで電圧Ｖが上昇するとトランジスタ２６
だけが遮断し、さらに電圧■が上昇すると、両方のトラ
ンジスタ２６．３０が共に遮断状態に切換わるようにな
る。

勿論そのためには、バイアス用の抵抗２３．２４．２５
．２７．２９やその他の回路常数を適当な値に選定しな
ければならない。

さて、トランジスタ２６のコレクタはコンデンサ２８を
経てＦＭ検波器５の出力に接続されているから、トラン
ジスタ２６が導通状態になると、低周波信号中の高域成
分はコンデンサ２８で接地にバイパスされ、出カフ、８
に現われる低周波信号中から高域成分が減衰されて雑音
を減少させるようにすると共に、マルチプレックス回路
６に供給されている信号中から１９ ＫＨｚのステレオ
パイロット信号をバイパスしてこの回路６の動作を停止
させ、出カフ、８に現われている信号をモノ信号に限定
してしまう。

また、トランジスタ３０が導通すると、リレー３１が動
作し、その接点を閉じるので、出カフと８の間をコンテ
゛ンサ３２で゛結合し、出カフと８にステレオ信号が現
われているときには、それらの信号間で高域成分の混合
を行ない、いわゆるステレオ信号のハイブレンドを行な
ってステレオ効果を適当に制御するように動作する。

したがって、ステレオ放送受信中、電界強度が変化し、
出力端子４に現われている中間周波信号のレベルが低下
すると、負の電圧■も低ｆし、その値が所定の電圧レベ
ルにまで低下すると、それまで遮断していたｌ・ランジ
スタ３０が導通し、出カフ、８におけるステレオ信号は
ハイブレンド状態となり、再生されている音声のステレ
オ効果がいくらか低下すると共に高域成分の減少もいく
らか現われて雑音減少効果が生じる。

ついで、さらに信号のレベルが低下すると、電圧■も減
少するから、）・ランシスタ２６も導通状態に転じ、コ
ンテ゛ンサ２８で゛もってマルチプレックス回路６の入
力を接地にバイパスするから出カフ、８の信号はモノ信
号になってしまうと共に、その高域成分はさらに減少し
、ステレオ信号動作に伴なう歪の発生とＳ／Ｎの低下左
補償する。

電界強度の変化により人力信号のレベルが増加していっ
た場合には反対に動作し、それまで導通状態にあったト
ランジスタ２６ 、３０のうちトランジスタ２６がまず
遮断し、マルチプレックス回路６の入力からコンデンサ
２８によるバイパス回路を切離してステレオ動作に戻す
と共に高域成分に対する減衰をなくシ、ついでさらに入
力信号が増加してゆくと、トランジスタ３０も遮断され
、コンデンサ３２によるハイブレンドを停止させ通常の
ステレオ受信状態に戻す。

これを第２図の特性曲線図により説明すると横軸に示し
た電界強度Ｅの変化に対して縦軸に示した負の出力電圧
■の変化は曲線３３のようになる。

そこで、電界強度Ｅがβ１に下ったときの電圧■のレベ
ルＢ１においてトランジスタ３０が導通し、β２におけ
るＢ２の電圧■においてトランジスタ２６も導通するよ
うにすると、出力電圧ＶがＢ１以上を保っている領域イ
においては、ステレオ信号が良好な状態で取り出され、
高域成分の減衰もハイブレンドも行なわれていないが、
出力電圧■がＢ１以下Ｂ２以上の領域口においては、ス
テレオ信号のハイブレンドだけが行なわれ、さらに電界
強度Ｅが低下して出力電圧■がＢ２以下の領域ハに達す
ると、受信動作はモノ信号の再生となり、同時に高域成
分も減少されてステレオ状態ではないにしろ雑音が低減
されたところの一応の品質の放送を聴取することか゛で
きることになる。

これを従来技術と比較してみると、電界強度Ｅがたとえ
ばα１のレベルに対応した出力電圧■のレベルＡ１にお
いてステレオとモノへの信号の切換えと高域成分の減衰
状態の切換えだけが行なわれるので゛、その再生されて
いる音声の質的な変化は極めて急激に行なわれ、既に説
明したように、その切換え動作が頻繁に行なわれた際な
どにはほとんど受信を継続しえない状態になるが、本考
案においては、ステレオ信号のハイブレンドと、ステレ
オ−モノの切換えならびに高域成分減衰の切換えの２段
階に切換え動作が行なわれるため、切換時における音質
の変化が比較的ゆるやかで、電界強度の変化が著しくて
も充分に良好な状態で受信を行なうことができる。

なお、この実施例では、出力電圧■を得るのにコンデン
サ１９．ダイオード２０．２１などからなる倍電圧整流
回路を用いているが、これに限ることなく、任意の形式
の整流回路が使用可能であり、リレー３１を使用しない
で訃うンジスタなどを用いた電子的なリレー回路によっ
てハイブレンドを行なうことができることは説明を要し
ないところである。

以上説明したように、本考案によれば、カーラジオなど
に適用して快適なステレオ放送の受信が可能になり、従
来技術の如く電界強度の変化により受信が不可能になる
などの恐れは全く生じない。

即ち従来技術では、弱入力信号になると、ステレオから
モノへの信号切換えと、高域成分の減衰状態の切換えを
１度に行っていた為に、再生音声の質的な変１ヒは急激
であり、その切換え動作が頻繁に行われた際には受信を
継続し得ない状態になるが、本考案によれば、弱入力信
号のレベルに応じて、まず、音声信号の高域成分の混合
が行われ、さらに弱入力信号になった時にステレオから
モノへの信号切換えと高域成分の減衰状態の切換えが行
われる為に２段階の切換え動作が行われることになり、
切換え時の音質の変化が比較的ゆるやかである。

そこで電界強度の変化が著しくて、切換え動作が頻繁に
行われても、良好な受信を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るＦＭステレオ受信回路
の結線図、第２図はその動作説明のための特性曲線図で
゛ある。 １・・・・・・アンテナ、２・・・・・・フロントエン
ド回路、３・・・・・・中間周波増巾器、４・・・・・
・中間周波増巾器３の初段増巾部などからの出力端子、
５・・・・・・ＦＭ検波器、６・・・・・・ステレオ信
号マルチプレックス回路、７゜８・・・・・・Ｌチャン
ネルとＬチヤンネルのステレオ信号出力、９・・・・・
・制御回路部、１５・・・・・・増巾用トランジスタ、
１９〜２２・・・・・・倍電圧整流用のコンデンサとダ
イオード、２６，３０・・・・・・スイッチ用トランン
スタ、２８・・・・・・高域成分減衰用のコンデンサ、
３１・・・・・・リレー、３２・・・・・・ハイフレン
ド用コンデンサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入力信号のレベルに応じて、ステレオ受信動作状態とモ
   ノフォニック受信動作状態を自動的に切換えると共に音
   声信号の高域成分の減衰量を自動的に切換える手段を有
   するＦＭステレオ回路において、入力信号のレベルに応
   してステレオ信号の両チャンネル間の高域成分の混合状
   態を自動的に切換える手段を設け、この混合状態を自動
   的に切換える手段の入力信号に対する動作レベルを前記
   のステレオ受信動作状態とモノフォニック受信動作状態
   を自動的に切換える手段および音声信号の高域成分の減
   衰量を自動的に切換える手段の入力信号に対する動作レ
   ベルよりも高くしたことを特徴とするＦＭステレオ受信
   回路。