JPS5832189B2 - 水ガラス系土壌安定剤用硬化剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水ガラス系の土壌安定剤を用いて軟弱土壌を
安定化させる際に用いられる硬化剤に関するものである
。

従来、この種の水ガラス系土壌安定剤の硬化剤としては
、硫酸、塩酸、燐酸のような無機酸あるいはこれら無機
酸の酸性塩、あるいは酸性炭酸塩等の化合物を主体とす
るものが多く用いられている。

しかし、上記化合物は酸の場合は液状であり取扱いにく
く、また酸性塩の場合は吸湿性があり変性し易く、また
腐蝕性が大きい。

吸湿性、腐蝕性の小さい硬化剤としてはイミドジスルホ
ン酸、スルホン酸アミド等も提供されているが短時間の
ゲルタイムが得られないことが大きな欠点である。

本発明は上記従来技術の欠点を改良することを目的とし
、スルファミノ酸あるいはスルファミノ酸と二価以上の
多価金属の水溶性無機塩との混合物を主体とするもので
ある。

本発明を以下に詳細に説明する。

本発明のスルファミン酸は化学式ＮＨ２ＳＯ３Ｒで表わ
され、非吸湿性の白色粉末であり、常温では１００重量
部の水に対して２０重量部のスルファミン酸が溶解する
。

上記スルファミン酸と混合せられるべき二価以上の多価
金属の水溶性の無機塩とは、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、
ピロ燐酸、硼酸、炭酸、アルミン酸、塩素酸、過塩素酸
、珪フッ酸、重クロム酸、過マンガン酸、スルファミン
酸等の無機酸の、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩、土
類金属塩等の多価金属塩もしくは酸性金属塩のうち水溶
性のものであるが、なかんずく有用な水溶性無機塩とし
ては塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化マグネ
シウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム等のアルミ
ニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩がある。

これら多価金属の水溶性無機塩は毒性が低く、かつ生成
する珪酸ゲルの硬度が大きくなる。

上記水溶性無機塩は、相互に二種以上混合せられてもよ
い。

しかし、混合によって不溶物を生成する上記水溶性無機
塩の組合わせは避けることが望ましい。

上記水溶性無機塩以外、更に従来から用いられている無
機酸や有機酸を併用することも可能である。

スルファミノ酸と水溶性無機塩との混合比は、重量比と
して２：１〜１：１程度にする。

上記範囲以外の比率でも本発明の目的は達成せられるか
ら、上記範囲は本発明を限定するものではない。

かくして得られた硬化剤は粉末状であり、吸湿性が小さ
いかもしくは吸湿性が全くないから変質することがなく
貯蔵安定性が良好で、かつ腐蝕性が小さいから取扱い容
易で機器類を腐蝕せず作業者に損傷を与えることが少な
い。

本発明の硬化剤が対象とする水ガラス系土壌安定則とは
、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪
酸のアルカリ金属塩を主体とするものであり、また上記
珪酸のアルカリ金属塩にポリアクリル酸ナトリウム、カ
ルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の
水溶性高分子等が添加されてもよい。

本発明の硬化剤は、使用に際して通常５〜１５重量％（
以下単に％とする）の水溶液とし、水ガラス系土壌安定
剤は通常３０〜７０％の水溶液とする。

硬化剤水溶液と安定剤水溶液の混合比率は、所望の硬化
速度・気温等によって調節せられるが、通常上記濃度範
囲の安定剤水溶液１００重量部（以下単に部とする）に
対して上記濃度範囲の硬化剤水溶液が１００部程度であ
る。

また、使用に際してエステル類、ジアルデヒド類、炭酸
アルキレン類、ラクトン類等の従来用いられている有機
系硬化剤が添加されてもよい。

本発明の硬化剤は、使用直前に安定剤と混合せられてか
ら土壌中に注入せられるか、あるいはＹ字管型・二重前
型等のノズルを有する注入機等によって土壌に注入の際
に混合せられる。

かくして土壌に注入せられた安定剤は硬化剤と混合せら
れることによって短時間で硬化し、土壌中で珪酸ゲルを
生成して軟弱な土盤を強化するものであるが、珪酸ゲル
の生成速度（ゲルタイム）、生成した珪酸ゲルの強度等
は従来の硬化剤を用いる場合と殆ど変らずイミドジスル
ホン酸やスルホン酸アミド等に比して格段にゲルタイム
が短かい。

以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例を述
べる。

実施例 １ 次の組成を水に溶解して２００ｍ１とする。

スルファミノ酸 １３．６１硫酸マグ
ネシウム ７．６上記硬化剤は、５０
％珪酸ナトリウム水溶液と１：１の重量比率に混合して
土壌に注入せられると、常温では土壌中で約１０．８秒
間にて珪酸ゲルが生成される。

生成した珪酸ゲルの強度は、１日後で０．８８ ｋｇ／
ｃｒＡである。

実施例 ２ 次の組成を水に溶解して２００ｒｎｌとする。

スルファミノ酸 １３．６Ｓ’塩化カ
ルシウム ２．８上記硬化剤は、珪
酸ナトリウムと珪酸カリウムの８０ ： ２０重量比の
混合物の４０％水溶液と１：１の重量比率で混合するよ
うにＹ字型のノズル口を有する注入機から夫々土壌に注
入されると、常温では土壌中で約９．８秒間にて珪酸ゲ
ルが生成される。

生成した珪酸ゲルの強度は、１日後で０、６７ ｋｇ／
ｃｒＡである。

実施例 ３ 次の組成を水に溶解して２００ｍ１とする。

スルファミン酸 燐酸マグネシウム 硫酸アルミニウム １０．０Ｐ ２．７ ２．３ 上記硬化剤は、珪酸ナトリウム４５％水溶液に２％のカ
ルボキシメチルセルロースを添加した安定剤水溶液と１
：１の重量比率で混合するように二重前型のノズル口を
有する注入機から夫々土壌に注入されると、常温では土
壌中で約１０．４秒間にて珪酸ゲルが生成される。

生成された珪酸ゲルの強度は、１日後で０．９５ ｋｇ
／ｃｒＡである。

実施例 ４ スルファミノ酸１８．８５’を水に溶解させて２００ｍ
１とし、珪酸ナトリウム４０％水溶液と１：１の重量比
率で混合しつつ土壌に注入すると、常温では土壌中で約
９．５秒間にて珪酸ゲルが生成される。

生成された珪酸ゲルの強度は、１日後で０、５８ ｋｇ
７ｃｍである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スルファミノ酸と、二価以上の多価金属の水溶性無
   機塩との混合物を主体とした水ガラス系土壌安定剤用硬
   化剤。