JPS5830840Y2 - 連続壁打設用掘削機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、天然液化ガス等の貯蔵用地下タンクにおける
連続壁打設用の溝孔を開削する掘削機に関するものであ
る。

天然液化ガス等の貯蔵用地下タンクにおいては、直径お
よび深さが共に数十メートルに及ぶ円筒形の連続壁なる
ものを打設するが、この打設に先立って、その連続壁打
設用の溝孔を開削する必要がある。

従来は、そのような連続壁打設用溝孔には適当な掘削機
がないため、第２図にみられるような垂直円形ポーリン
グ機械Ｃを使用してきたが、これでは、第１図で明らか
なように、ａの部分がポーリング機械Ｃでは掘削されな
いで残ってしまい、したがって、ａの部分は後に別の方
法で除去しなければならない。

またポーリング機械Ｃの自重を掘削部の貫入力として利
用し、直進精度としては重力の鉛直性のみをたよりとし
て掘進するものであるから、土質の不均一による方向の
狂いは避は難く、かつ、第１図および第２図に示される
ように、ポーリング孔径はｄであるが、ポーリング孔は
隣りどうしその円形断面の一部すが重なりあうように掘
削しなければならないので、土質の不均一がない場合で
も、掘進方向が既設の孔のほうに、つまり、第２図の矢
印ｅで示すほうに曲りやすいなどの欠点があった。

本考案は、上記従来技術の欠点を解消することを目的と
するもので、地中に連続壁を構成するために円筒を等分
するように既に配置されているＨ形鋼などの形鋼の柱間
に、揺動可能な掘削部を有する掘削機のブーム支持枠を
昇降可能に取付けて、該柱間の土を掘削しながら降下し
、前記連続壁打設用溝孔を高精度および高能率に開削す
るようにしたもので、その実施態様について第３図ない
し第８図を参照しながら説明する。

第３図ないし第５図において、１は回転式の掘削用カッ
タ、２はブーム、３はブーム支持枠である。

すなわち、カッタ１はブーム２に取付けられ、ブーム２
はブーム支持枠３にピン９によって連結されている。

ブーム支持枠３は長手方向に伸縮できる構造であり、両
端にはグリッパ４が付いていて、該グリッパ４には前記
ブーム支持枠３の伸縮方向に対して直角方向に伸縮する
足５が装備されている。

ブーム２とブーム支持枠３の間にはブーム揺動シリンダ
６が取付けられている。

また７はワイヤロープ、８はウィンチ、１０はＨ形鋼柱
、１１はすり搬出用サクションバイブ、１２はガイドウ
オールで゛ある。

上記のように構成された掘削機は、ワイヤロープ７によ
って吊下げられ、ウィンチ８によって溝孔を下降する。

そして伸縮可能なブーム支持枠３およびグリッパ４の足
５を油圧シリンダ等（図示せず）により掘削溝の幅方向
に伸長すると、グリッパ４はＨ形鋼柱１０を確実に把み
、ブーム支持枠３の姿勢および位置が固定される。

つぎに、油圧シリンダ６を縮めてカッタ１、つまり、ブ
ー、？、２を第３図で左側に寄ぜたのち、カッタ１を回
転させつつブー、４．２に内蔵された油圧シリンダ等（
図示せず）により伸長させる。

このようにして土中に切込んだカッタ１は次に油圧シリ
ンダ６をゆっくり伸長させると、ブーム２と共に右方に
動き始め、掘削をする。

カッタ１が右側の限界まで到達したらカッタ１を縮め、
足５を縮め、そしてブーム支持枠３を縮め、最後にワイ
ヤロープ７を巻下して掘削機全体をＨ形鋼柱１０に沿わ
しめて下降させる。

以下、Ｊ−記工程を繰返えす。

なお本実施例では土中への最初の切込みはカッタ１の伸
長動作によってなされるが、カッタは非伸縮の機構とし
、切込みを装置自体の重力による降Ｆによって行なうと
いう方法も白子能で゛ある。

以上の説明で明らかなように、掘削機は前もって打設さ
れたＨ形鋼柱１０に沿って降下するため、Ｈ形鋼柱の打
設精度がよければ、それに応じた高精度の掘削ができる
。

上記第３図ないし第５図に示した本考案の第１実施例で
は、カッタ１が１個であるが、本考案の第２実施例とし
て、カッタが１と１′というように、２個の場合を第６
図ないし第８図に示す。

このカッタ１と１′というように２個の場合は、回転方
向が互いに逆になるようにするから、カッタの掘削反力
が消し合うという利点がある。

なお掘削されたすりの搬出方法としては、ポンプサクシ
ョン方式またはエアリフト方式などによるがよい。

したがって、本考案の連続壁打設用掘削機は、形鋼柱間
をガイドウールとして昇降するブーム支持枠と、このブ
ーム支持枠にピンによって揺動可能に下向きに取付けら
れたブームと、このブームの下先端に設けられた回転式
の掘削用カッタとを備えているから、掘削機の昇降は両
端の鉛直な形鋼柱をガイドとしてなされ、精度のよい掘
削ができるうえ、掘削は既に地中に強固に設置された形
鋼柱に対してブーム支持枠を固定してから行なうため、
すなわち、ブーム支持枠を伸縮させて形鋼柱間隔に合せ
て該支持枠を最適な長さにし、かつ、両端部に設けられ
たグリッパを掘削溝の幅方向に伸長させて該グリッパの
足で該支持枠を形鋼柱に確実に強固に固定し７てから回
転式の掘削用カッタを回転させて掘削を行なうため、地
層の不均等な硬軟等による機械全体の傾斜や、その結果
としての溝孔の曲りが生ずるようなことがなく、シかも
、この掘削機によって掘削された溝孔は、それ以−Ｌに
手を加える必要がなく、そのままコンクリート壁打設が
可能な形に仕上るので、能率的である。

とくに、軟弱地層などの場合は、前記ブームの固定を、
そのブーム支持枠の伸長だけによろうとすると、形鋼柱
がその伸長方向に倒れるおそれがあるので、ブーム支持
枠の伸長は適当に行ない、あとはグツツバがその直角方
向に形鋼柱を押すから、つまり、グリッパは相殺される
２つの押力で形鋼柱をその足で押すから、形鋼柱はそれ
を内力として杭するだけで、地層には影響がないので、
軟弱地層でも、ブームがブーム支持枠とグリッパを介し
て形鋼柱に固定されて確実な掘削が可能どなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の垂直円形ポーリング機械によって掘削さ
れた溝孔の平面図、第２図は第１図の縦断正面図、第３
図は本考案の第１実施例の縦断正面図、第４図は第３図
の一部切断平面図、第５図は第３図の一部切断側面図、
第６図は本考案の第２実施例の縦断正面図、第７図は第
６図の一部切断平面図、第８図は第６図の一部切断側面
図である。 １．１′・・・・・・カッタ、２・・・・・・ブーム、
３・・・・・・ブーム支持枠、４・・・・・・グリッパ
、５・・・・・・足、６・・・・・・油圧シリンダ、７
・・・・・・ワイヤロープ、８・・・・・・ウィンチ、
９・・・・・・ピン、１０・・・・・・Ｈ形鋼柱、１１
・・・・・・サクションパイプ、１２・・・・・・ガイ
ドウオール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 立設された一対の形鋼柱をガイドレールとして該形鋼柱
   間を昇降し得るとともに長手方向に伸縮可能なブーム支
   持枠と、このブーム支持枠の両端部に各別に設けられて
   該ブーム支持枠の伸縮方向に対して直角方向に伸縮可能
   にして前記各形鋼を掘削溝の幅方向に押し付ける足を有
   して該ブーム支持枠を固定するグリッパと、該ブーム支
   持枠にピンによって揺動可能に下向きに取付けられたブ
   ームと、このブームの下先端に設けられた回転式の掘作
   用カッタとからなる、連続壁打設用掘削機。