JPS5830500B2 - 燃焼制御装置および制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は燃焼室の温度を所定に制御する燃焼制御装置に
係り、特に炉負荷の変化時における燃焼の過渡的現象に
よる乱調防止を図った燃焼制御装置に関する。

以下、本発明を一実施例について図を参照して説明する
。

第１図は一実施例のブロック図で、燃焼室１の図示しな
いバーナーに配管２を通して燃料である重油が、配管３
を通して燃焼用空気が供給される。

そして、両者は燃焼室１内で燃焼する。この燃焼室１内
には温度検出器４が設けられ、この温度検出器４は燃焼
室１内の温度を測定し、温度検出信号を温度調節計５に
加える。

温度調節計５には所定設定温度信号αが他の入力として
入力しており、温度調節計５は温度検出信号と所定設定
温度信号αとを比較し、温度調節信号を出力する。

所定設定温度信号αは燃焼室１内を一定化したい所定設
定温度に比例した信号である。

温度調節信号は燃料流量調節計６および係数器７に加え
られる。

係数器７は空燃比αを温度調節信号に乗じて空気流量調
節基準信号を空気流量調節計８に加える。

配管３には燃焼用空気流量に比例した信号Ａを出力する
空気流量発信器９および空気流量を調節する空気調節弁
１０が設けられている。

この発信器９からの空気流量信号Ａは調節計８に加えら
れ、調節計８は空気流量信号Ａと空気流量調節基準信号
とを比較し、空気流量調節信号を調節弁１０に出力して
調節弁１０の開閉度を調節する。

また、空気流量信号Ａは比較器１１の一人力として比較
器１１に加えられる。

また、配管２には燃料流量発信器１２が設けられ、燃料
流量に比例した信号が出力される。

この燃料流量信号は燃料流量調節計６および所定空燃比
αを乗する係数器１３に加えられる。

係数器１３からの空燃比αを乗じた信号Ｂは比較器１１
の仕入力として比較器１１に加えられる。

比較器１１は信号Ａ、Ｂを比較し、所定のときに出力を
燃料流量調節計６に加える。

燃料流量調節計６は温度調節計５からの温度調節信号を
燃料流量調節基準信号とし、発信器１２からの燃料流量
信号と比較して燃料流量調節信号を配管２に設けられた
燃料流量調節弁１４に加える。

このため調節弁１４は燃料流量調節信号によってその開
閉度を調節される。

比較器１１は燃料流量調節計６に対し次のように関係す
る。

すなわち、空気流量信号Ａと燃料流量信号に所定空燃比
を乗じた信号ＢとがＢ＜、Ａのときには比較器１１は信
号を出力せず、したがって、燃料流量調節計６は前述の
ごとく燃料流量信号と調節基準信号とを比較して燃料流
量調節信号を調節弁１４に出力する。

Ｂ＞ＡのときにはＢ＞Ａとなる直前の燃料流量調節信号
を保持してこの一定値によって弁１４を調節すなわち一
定開閉度に弁１４を保つ。

したがって、通常燃焼状態においては、燃焼室１内に温
度変化を生ずると温度調節計５により温度調節信号を得
、燃料流量調節計６に加えて調節弁１４を制御し、また
、所定空燃比を乗じて空気流量調節計８に加えて調節弁
１０を制御する。

これは燃料流量に所定空燃比を乗じた理論上の空気流量
信号と実測した空気流量信号とが通常の燃焼状態におい
ては実測空気流量信号の方が大きくなるように所定空燃
比を定めていることによる。

この所定空燃比は理論上の空燃比の範囲の値をとる。

燃焼室１内の負荷が急激に変動した場合、燃料流量に比
べ、空気流量が不足するため理論上の空気流量信号の方
が実測空気流量より大きくなる。

このため、黒煙の発生、燃焼効率の低下が生じていたが
、実測空気流量の方が小さくなる直前の燃料流量調節信
号にロックされるため、燃料流量に対して所定空燃比で
空気流量を保つことができる。

つまり、燃焼室１内の負荷が急変した場合、空気不足に
よる黒煙発生等が生じるが、これを防ぐため一定量の燃
料流量として燃料流量を保持し、空気流量制御を行なっ
ている。

従来より、燃焼室内の温度を一定とするために各種の燃
焼制御装置が考えられ、また、実施されていた。

しかし、空気流量制御系と燃料流量制御系とはムダ時間
、時定数の差が大きく、同時に調節信号を加えても空気
流量制御系の方が遅れ、燃焼用空気が不足し、不完全燃
焼が特に燃焼室内の負荷変動の際に生じる虞れがあった
。

このため温度調節出力の変化量を所定値と比較し、その
大小によって燃料流量を強制的に遅られる制御方式も見
受けられた。

しかし、このような制御方式は実質的に温度制御が遅れ
ることとなり、制御系全体としてはムダ時間が大きくな
り燃焼負荷変動による乱調防止を防ぐごとができなかっ
た。

したがって、本発明の目的はこの従来の欠点を除去し、
温度変化を遅れなく制御し、かつ、空気不足による乱調
を防止し、黒煙発生等が生じない制御装置および方法を
提供することにある。

本発明では、燃焼室内の温度信号を設定温度信号と比較
して得た温度調節信号に燃料流量調節基準信号として燃
料流量制御を行なう際に、実質的に実測空気流量と所定
空燃比を乗じた実測燃料流量とを比較して後者が前者よ
り大きくなったときにその大きくなる直前の基準信号に
よって燃料流量を調節している。

このため燃焼室内の負荷が急激に変動した場合でも燃料
流量に対し所定の空燃比を保った空気流量を供給でき、
ムダ時間による燃焼制御の遅れを防ぐことができ、温度
変化変動が少なくてすむという効果を有する。

また、本発明においては実質的に空気流量と所定空燃比
を乗じた実測燃料流量とを比較して後者が前者より大き
くなったときに、その大きくなる直前の燃料流量調節基
準信号にて燃料流量を調節すればよく、第２図、第３図
に示す他の実施例のごとく行なってもよい。

第２図に示す他の実施例は第１図の実施例と同一部分に
同一符号を付した制御装置で、実測空気流量Ａを一旦除
算器１５に加え、所定空燃比αで除したのち実測燃料流
量と比較器１１で比較して、燃料流量の方が大きくなっ
たときに燃料流量調節基準信号を一定とするものである
。

第３図に示すさらに他の実施例は同様に同一部分に同一
符号を付した制御装置で、実測空気流量を実測燃料流量
で除した後、所定空燃比と比較するものである。

さらに本発明はアナログ的演算でも、マイクロコンピュ
ータを使用したディジタル的演算でもよく、その要旨を
変更しない範囲で種々変形して実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のブロック図、第２図・第３
図はそれぞれ他の実施例のブロック図である。 １・・・・・・燃焼室、２・３・・・・・・配管、４・
・・・・・温度検出器、５・６・８・・・・・・調節計
、９・１２・・・・・・発信器、１１・・・・・・比較
器、１０・１４・・・・・・弁、１５・・・・・・除算
器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 燃焼室内の温度を測定し、この温度信号と所定設定
   温度信号との比較による温度調節信号によって燃焼制御
   を行なう燃焼制御方法において前記温度調節信号に所定
   空燃比を乗じて空気流量調節基準として実測空気流量と
   比較して空気流量を制御し、前記温度調節信号を燃料流
   量調節基準信号として実測燃料流量信号と比較して燃料
   流量を制御し、前記実測空気流量より所定空燃比を乗じ
   た前記実測燃料流量が大きくなったときにその大きくな
   る直前の燃料流量調節基準信号にて燃料流量を調節する
   ことを特徴とする燃焼制御方法。 ２ 燃焼室からの温度信号と設定温度信号とを比較する
   温度調節計の温度調節信号により燃料流量と燃焼用空気
   流量を制御する燃焼制御装置において、燃料流量を検出
   する燃料流量発信器と、この発信器の出力と前記温度調
   節信号とを比較し、燃料流量を調節する調節弁を制御す
   る燃料流量調節信号を出力する第１の調節計と、空気流
   量を検出する空気流量発信器と、この発信器の出力と前
   記温度調節信号に所定空燃比を乗じた信号とを比較し空
   気流量を調節する調節弁を制御する燃料流量調節信号を
   出力する第２の調節計と、実質的に前記実測空気流量と
   所定空燃比を乗じた前記実測燃料流量とを比較し、後者
   が前者より大きくなったときに出力信号を前記第１の調
   節計に加える比較装置とを備え、比較装置からの出力信
   号が入力したときに前記第１の調節計がその入力する直
   前の燃料流量調節信号で燃料流量を調節することを特徴
   とする燃焼制御装置。