JPS5827958A - 耐へたり性の優れたばね用鋼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、耐へたり性のすぐれたばね用鋼に関するもの
である。

従来、自動車等の懸架装置に用いられるばね用鋼として
は５ＵＰ６．ＳＵＰｇが主なものてあった。近年自動車
の軽量化が要請され、懸架装置自体の軽量化も強く求め
られるようになってきた。

これに対して、懸架装置全般にわたって各種の手段が試
みられているが、その中でもばねの設計応力を上昇させ
る手段が効果的とされている。このように高応力設ａ１
にともない、従来の上記ばね用銅を素材としばねを製作
した場合、へたりが増大するという問題が発生した。特
に乗用車に用いた場合へたりの増大はバンパ高さの低下
につながりがなされた結果、ばね用鋼中の８＋含有量を
増加させると耐へたり性が向上するということを見い出
し近時、Ｓ　ＴＪ　Ｐ　６よりもさらにＳｔ含有量が多
く１．ｓ　Ｉ　Ｓ　Ｇ　４　ｓ　ｏ　ｔに規定されるば
ね用鋼中では最も高ＳＩのＳ　Ｕ　Ｐ　７が乗用車懸架
ばね用銅として広く使用されるに至っている。

しかるに、懸架ばねの軽量化に対する要求は厳しいもの
があり、５ＵＰ７よりもさらに耐へたり性のすぐれたば
ね用銅の開発が強く望まれていた。

（３） 本発明はこのような背景の下に、本発明者等が研究を重
ねた結果、高Ｓｉ　ばね用銅に適量のＷ。

Ｔａを１種ないし２種あるいはそれにさらにＡｒ。

Ｎｌ）　、　Ｍｏを１種ないし２種以」二、あるいはさ
らにＡ、　ｌ　、　Ｔ　＋　ｒ　Ｚ　ｒのうち１種ない
しは２種以上添加することにより、Ｓ　ＴＪ　ＩＦ　７
　、Ｊ：りも耐へたり性が優れ、かつ、ばね用銅として
必要な耐疲労性、靭性についてもＳ　Ｕ　Ｐ　７と同等
の性能を有するばね用銅を開発したものである。

Ｗ、’ｌ”ａ及びＶ、Ｎ１１．Ｍｏは鋼中において炭化
物を形成し、これらの合金炭化物は焼入れ時の加熱に際
して、オーステナイト中に溶解する。これを急冷して焼
入れするとこれら元素を過飽和に固溶したマルテンサイ
トが得られる。これを焼もどしするとその過程で微細な
合金炭化物が再析出を始め、これが鋼中において転位の
動きを阻止し、二次硬化を生じ、Ｗ、Ｔａ及びＶ　、　
Ｎｌ）　、　Ｍｏを添加しないばね用銅よりも硬さを上
昇させ、さらに耐へたり性を向上させる働きをする。

またＡ、　ｌ　、　Ｔ　１　＋　Ｚ　ｒは鋼中において
、多くの（４） 、場合Ｎと結合して合金窒化物を形成し、オーステナイ
ト結晶粒を微細化するとともに、その粗大化を防止する
。このように微細化した結晶粒は転位の移動量を少なく
することにより耐へたり性を向上させる。

また、前述のように二次硬化を生じるということは、同
−焼もどし硬さ範囲を狙う場合、従来鋼に比較して焼も
どし温度範囲をより広い範囲とすることが可能であり、
狙いの硬さが安定して得られることになる。このことを
さらに明らかにするため、後述の０．８１％のＷを含有
させたＡ１鋼、０．３１％のＴａを含有させたＡ２鋼、
０．４５％のＷと０，２０％（７）　Ｔ　ａを含有させ
たＡ３鋼とＳ　Ｕ　Ｐ７であるＢｌ鋼とを３００〜６５
０℃の間で焼もどしを行ない、その硬さを測定した結果
を第１図に示した。ＷとＴａ　を適宜に含有させたＡ１
〜八３鋼の本発明鋼は第１図から明らかなように硬さに
対応する焼もどし温度範囲は従来鋼に比べ広いことが認
められると同時に、２次硬化の生起を示す硬さの上昇が
５５０℃の焼もどし温度で見られる。

ρ、ρ２／　　　　　　　　ρ・′ノ Ａ８鋼、０．５９％のＷと←弁→％のＡｌとホ＃幡％０
）　Ｔ　ｉ　を添加シタＡ、　９鋼、０．２５％ノ’Ｉ
’ａ、Ｑ。

０ヨ８％のＡｌ、０．０６％（１）　Ｔ　ｉ　を添加し
ｔ：　Ａ　１０鋼、０．２２％のＴａと０．０６７％０
’）Ａ、（Ｊｆｘ添加り、？、＝Ａ１１鋼と従来鋼で５
ＵＰ７のＢｌ鋼について実施した酸化法によるオーステ
ナイト結晶粒度の測定結果を第２図に示す。第２図から
明らかなように結晶粒の微細化元素であるＡｌ　、Ｔｉ
　を添加することにより、従来鋼の５ＵＰ７に比べ、粒
度番号で約３程度結晶粒が微細化することがわかる。

本発明鋼の化学組織は、Ｃ！　０．．５０−０．８０％
。

Ｓｉ　　１．５０〜２．５０％、　Ｍｎ　　０．５０〜
１．５０％を含有し、さらにｗｏ、ｏ５〜１．０％、’
Ｉ’ａ０．０５〜０．５０％のうち１種ないし２種を含
有し、使用目的によッテハさラニＶ　ｏ、ｏ　５〜０．
５０％、　Ｎｌ）　０゜０５〜０．５０％、　Ｍｏ　０
．０５〜０．５０％のうち１種ないし２種以上、あるい
はまたさらにＡ１０．０３〜０．１０％、　Ｔｉ　　０
．０２〜０．１０％、Ｚｒ□、０２〜０．１０％のうち
１種ないし２種以上を含有し、残り実質的にＦ　ｃより
なるものである。

以下に本発明鋼の成分限定理由について説明する。

Ｃ量を０．５０〜０．８０％としたのは、０．５０％以
下では焼入れ、焼もどしにより高応力ばね用銅として十
分な強度が得られないためであり、０８０％を越えて含
有させると過共析鋼となり靭性の低下が著しくなるため
である。

Ｓ＋　　量を１．５０〜２５０％としたのは、１５０％
以下ではＳｌの有するフェライト中に固溶することによ
り素地の強度を上げ、耐へたり性を改善するという効果
が十分に得られないためてあり、２５０％を越えて含有
させても耐へたり性向上の効果が飽和し、かっ、熱処理
により遊離炭素を生じる恐れがあるためである。

Ｍ、　ｎ量を０．５０〜１．．５０％としたのは、０５
０％以下ではばね用銅としての強度が不足し、さらに焼
入性の点でも不十分であるためてあり、１．５０％を越
えて含有させると靭性を阻害するためである。

＋７１ Ｗ、Ｔａ及びＶ　、　Ｎｂ　、　Ｍｏ　ｉ、ｔイずれも
本発明鋼においては耐へたり性を改善する元素である。

このような働きを奏する１゛ａ及びＡｒ　、　Ｎｂ　、
　Ｍ。

の含有量を０．０５〜０．５０％とし、Ｗの含有量を０
０５〜１．００％としたのは、００５％以下では上記の
効果が十分に得られないためであり、Ｔａ及びＶ、Ｎｂ
　、Ｍｏについては０．５０％、Ｗについては１．００
％を越えて含有させてもその効果が飽和し、かつ、オー
ステナイト中に溶解されない合金炭化物量が増加し、大
きな塊となることにより非金属介在物的な作用が働いて
鋼の疲労強度を低下させる恐れがあるためである。　　
　　　−これらのＷ、’ｌ”、ａ及びＶ、　Ｎｌ）　、
　Ｍｏ　ハ’ｃしぞれを単独で添加するほかに、２種な
いし３種を複合添加することにより、それらを単独で添
加した場合に比べ、より低い温度でオーステナイト中へ
の溶解を開始させ、また焼もどし過程において微細な合
金炭化物の析出は、二次硬化をより促進させることにＪ
：り耐へたり性をさらに向上させるものである。

（８） また、結晶粒を微細化して耐へたり性を向上させるＡ　
ｌ　ｏ　＋ｐ　ｌ　＋　Ｚ　ｒの含有量をＡｅについて
は、０．０３−０．１０％、Ｔ１　とＺｒにライては０
．０２〜０１０％としたのは、それ以下ではこれらの窒
化物の分布が疎らで結晶粒の微細化に寄与しないからで
あり、０．１０％を越えて含有させると熱間圧延時に割
れを発生したり、非金属介在物として鋼の靭性を劣化さ
せる恐れがあるためである。

つぎに本発明鋼の特徴を従来鋼と比へ実施例でもって明
らかにする。

第１表は、これらの供試鋼の化学成分を示すものである
。

ν入子　才穎 第　　　　１　　　　　表 これらは、いずれも鋳造後、圧延比５０以上で熱間圧延
を施して但試拐とした。

本発明１■の耐へたり特性をみるために前記供試鋼を素
拐として第２表に示す諸元を有するコイルばねを成形バ
最終硬さがｎ鼻ｃ４５〜５５となるように焼入・焼もど
し処理を行った後、素線の剪断応力で一］、　１．５　
ｋｇ／−となるようにセツチングを加えてへたり試験片
を作製した。そしてこの試験片を２０℃の一定温度で、
素線の剪断応力τ＝　１．０５　ｋｌｊ／−となる荷重
を加え、９６時間経過（以下、これを長期荷重という）
した後のコイルばねのへたり隈を測定した。

第　　　　　２　　　　　表 そして、上記試験片の硬さに対するへたり量を第３〜６
図に示した。第３〜６図より明らかなように、本発明鋼
である実質的にＳ　ＴＪ　Ｐ　７にＷ　、　Ｔ　ａ。

を１種ないし２種添加したＡ１−Ａ３鋼（第３図）Ｓ　
ＴＪ　Ｐ　７にＷ　、　ＩＩＩ　ａを１種ないし２種添
加し、さらにＶ　、　Ｎｌ＋　、　Ｍｏのうち１種ない
し２種以」二添加したＡ４〜Ａ７鋼（第４図）、ＳＴＪ
］Ｆ７にＷ。

Ｔａを１種ないし２種添加し、さらにＡｌ、　Ｔ；。

Ｚｒのうち１種ないし２種以上添加したＡ８〜Ａ１１鋼
（第５図）　、５ＵＰ７にＷ、Ｔａ　を１種ないし２種
、さらにＶ、Ｎｌ）、ＭＯのうち１種ないし２種以上、
さらにｋｌ　、Ｔｉ　、Ｚｒのうち１種ないし２種以上
添加したＡ、　１２〜Ａ、　１５鋼（第６図）、いずれ
においても従来鋼で実質的にＳＵ、ＰであるＢ１鋼に比
べて本発明鋼は優れた耐へたり性を有していることが認
められる。

また、本発明鋼のなかでも析出強化元素であるＷ、　Ｔ
ａ、　、　Ｖ、　Ｎ１＋等を単独で添加したものよりも
それらを複合添加したもの、さらに結晶粒の微細化元素
であるＡＩ　、Ｔｉ等を添加した鋼の方がより優れた耐
へたり性を有していることが分かる。

なお、へたり量は前記長期荷重を加える前にコイルばね
を一定の高さまで圧縮するに要した荷重Ｐ１と、前記長
期荷重を加えた後に同一の高さまで圧（縮するに要した
荷重Ｐ２とを測定し、その差△Ｐ（＝Ｐ１−Ｐ　２）　
Ｊ：り次式を用いて算出したもので、剪断ひずみの単位
を有し、残留；綻剪断ひずみと称する値をもって評価し
た。

γＲ−上・Ｋ−ｆｉｕ△Ｐ Ｇ　　　π（１８ Ｇ；横弾性率（ｋＱｆ／ｍｒＭ）　　Ｄ　Ｈコイル中心
径（ｙ＋ｍ）（■；素線径（ｍ肩） Ｋ；ワールの修正係数（コイルばねの形状によ繰返し与
え疲労試験を行った結果、いずれのコイルばねも２０万
回繰り返しをしても折損しなかっｔこ　。

上述の如く本発明鋼は従来の高Ｓｉ　ばね用銅に適量の
Ｗ、Ｔａを単独あるいは複合して添加させさらにＶ、Ｎ
ｌ）、Ｍｏを単独あるいは複合して添加させ、あるいは
またさらにＡ　Ｉ　＋　Ｔ　＋　ｒ　Ｚ　ｒを単独ある
いは複合して添加させることにより、従来の高Ｓｔ　ば
ね用銅のすぐれた耐へたり性をさらに改善することに成
功したもので、かつ、ばね用銅として必要な耐疲労性、
靭性についても従来鋼と比べそん色のないもので、特に
乗用車懸架ばね用銅として極めて高い実用性を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明鋼と従来鋼について焼入れ後、３００〜
６５０℃の間で焼もどしを行い、その硬ト化温度におけ
るオーステナイト結晶粒度を酸化法によって測定した結
果を示した線図、第３〜第６図は本発明鋼と従来鋼の焼
入・焼もどし処理後Ｔ（＆Ｃ４５〜５５の硬さの試験片
のへたり量を示した線図である。 ！ｌｖ聞昭５８−２７９５８（５） 第４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　重量比にしてＣＯ，５０〜０．８０％、Ｆｌｌｉｌ
   。 ５０〜２．５０％、　　Ｍ、ｎ　　Ｏ，５０〜１．．５
   ０％と、ＷＯ，０５〜１．００％、　　’Ｉ”’　　０
   ．０５〜０．５０％のうち１種ないし２種を含有し、残
   り実質的にＦｃよりなることを特徴とする耐へたり性の
   優れたばね用鋼。 ２　重量比にして（３０，５０〜０．８０％、Ｓｉｎ。 ５０〜２．５０％、　Ｍ、ｎ　　０．５０〜１．５０％
   と、ＷＯ，０５〜１．００％、　　Ｔａ　　Ｏ，０５〜
   ０．５０％のうち１種ないし２種を含有し、さらにＶｏ
   、０５〜０．５０％、ＮｂＯ，０５〜０．５０％、ＭＯ
   ｏ、０５〜０．５０％のうち１種ないし２種以上を含有
   し、残り実質的にＦｅよりなることを特徴とする耐へた
   り性の優れたばね用鋼。 ３　重量比にして００．５０〜０８０％、Ｓｉｌ。 ５０〜２．５０％、　Ｍ、ｎ　　ｏ、　５’Ｏ〜１．．
   ５０％と、Ｗｏ、０５〜１．００％、　　Ｔａ　　０．
   ０５〜０．５０％ノウち１種ないし２種を含有し、さら
   にＡ［０，０３〜０．１０％、　Ｔｉ　　０．０２〜０
   ．１０％、ＺｒＱ、９２〜０．１０％のうち１種ないし
   ２種以上を含有し残り実質的にＦｃよりなることを特徴
   とする耐へたり性の優れたばね用鋼。 ４　重量比にしてＣＯ，５０〜０．８０％、８ｔｌ。 ５０〜２．５０％、、Ｍｎ　　ｏ、り　０〜１．５０％
   と、ＷＯ，０５〜１．００％、　　Ｔａ　　０．０５〜
   ０．５０％のうち１種ないし２種と、Ｖ　０．０５〜０
   ．５０％、Ｎｂ０１０５〜０．５０％、ＭＯｏ、０５〜
   ０．５０％のうち１種ないし２種以上と、さらにＡｌ、
   ０．０３〜０．１０％、Ｔｉ　０１０２〜０．１０％、
   Ｚｒ０．０２〜０．１０％のうち１種ないし２種以上を
   含有し、残り実質的にＦｅよりなることを特徴とする耐
   へたり性の優れたばね用鋼。