JPS5826872Y2 - 自動二輪車等のフロントフォ−ク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動二輪車等における倒立型のテレスコ−ピ
ック式フロントフォークの改良に関スるものである。

更に詳細には、軸方向に摺動自在な内・外筒よりなるテ
レスコ−ピック式フロントフォークにおいて、該フロン
トフォークの前部に、その上端を前記外筒に一体に設け
た座面で支持し、下端を前記内筒下端を支持するアクス
ルホルダ上部に一体的に設けた座面部で支持せしめる如
く抑圧弾性部材を設け、この種テレスコーピック式のフ
ロントフォークの摩擦軽減を図り、作動性の向上１機能
の保障を簡易な手段で図る如くした自動二輪車等のフロ
ントフォークニ関スる。

自動二輪車の前車輪を懸架するフロントサスペションの
型式は、高速化、操安性向上の観点から内・外筒軸方向
摺動タイプのテレスコ−ピック式フロントフォークが採
用されるようになってきている。

この種フロントフォークは、軸方向摺動自在に嵌合され
た内・外筒と、内装された油、そして内装等されたスプ
リング等よりなり、フロントフォークの一方の摺動部材
の一端をフレームに枢着される上下のブリッジに結合さ
れ、ハンドルに繋げられて操向ななし、他方の摺動部材
の一端を前車輪アクスルに結合してこれを支持する。

そして路面からの反力、衝撃な内・外筒の軸方向摺動で
緩衝するものである。

かかるフロントフォークは、走行安定性、操安性を得る
ためキャスタ角を設け、フロントフォークのアクスル支
持部が上下のブリッジによる車体側支持部に対し前方へ
オフセットされ、キャスタ角と同角のフォークアングル
をもって傾斜して設置されるのを常とする。

これがため路面からの荷重に対する反力が作用するアク
スルの接地垂直線（荷重作用線）に対し、フロントフォ
ークの摺動軸線が傾斜していることとなり、この結果フ
ロントフォークに対して曲げモーメントが作用し、内・
外筒の摺動軸受部に夫々反対方向への摩擦力が発生し、
この結果摩擦抵抗が発生し、これにより内・外筒の軸方
向摺動、即ち衝撃に対する油圧緩衝作用が完全な形では
得られ難い。

従ってテレスコ−ピック式のフロントフォークは、予じ
め定められたピストン速度、荷重等の条件の他、上記摩
擦抵抗を含んだ路面からの反力が大きくならないと緩衝
作用な行わないこととなり。

低速時の緩衝作動が充分ではなく、接地不良によりハン
ドルから乗員の手に振動、衝撃として伝えられ１乗心地
性、操安性の一層の向上が望まれる。

又これらの点を考慮してフロントフォークの強度や曲げ
剛性を高める等の手段を介したり、摺動部の摩擦抵抗を
減じるべく内・外筒間に軸受手段を介設したりしている
が、これらは単なるフロントフォークの補強にしかすぎ
なかったり、軸受の強度、構造、取付等種々の点で更な
る改良の余地がある。

そこで上記を解決すべく本出願人は先に特願昭５２−１
０７３５３号等を提案した。

これは上記キャスタ角ニ起因するフロントフォークの傾
斜設置によって発生する曲げ力な補償する方向へフロン
トフォークな弾圧し、軸方向摺動の摩擦抵抗を減少、抑
制し、フロントフォークの作動の円滑。

緩衝性能の向上な有効に保障することができる。

本考案者はかかるテレスコ−ピック式フロントフォーク
の上記問題点の解決及びこれの解決手段としての上記を
倒立型フロントフォークにおいても得せしめるべく本考
案ななしたものである。

本考案の目的は、倒立型のテレスコ−ピック式フロント
フォークにおいて、フロントフォークの前部であって、
外筒側に支持部を、内筒下端を支持するアクスルホルダ
に一体的に支持部な設け。

この上下の支持部間に押圧スプリング等な介在せしめ、
傾斜して設置されるフロントフォークの路面荷重からの
反力に起因する曲げモーメントを補償する方向へ弾圧し
、フロントフォーク摺動部の摩擦抵抗の軽減１作動性の
向上を図り１以上を簡易な構造とフロントフォークの大
幅な変更を必要とすることなく、既存の部品な利用しつ
つ企図する如＜シた自動二輪車等のフロントフォークな
提供する。

次に本考案の好適一実施例な添付図面に従って詳述する
。

ところでテレスコ−ピック式倒立型フロントフォークに
おいて既述の作動摩擦抵抗な発生させる主要因は第３図
に示されるキャスタ角θで、これによりＦ。

なる力が発生するためである。そこでこれを検討してみ
ると、先ずスプリング等の補償手段がない場合を考えて
みる。

フロントバネ上分布荷重なＦとすると。

Ｆ＝ＦＣＯ３θ、Ｆ ＝Ｆｓｉｎθ ・・・・・
・・・・（１）Ｏａ （ｂ−ａ）Ｆ −ｂＦｏ−ｄＦａ 上式（１）な代入して （ｂ ａ ） Ｆ ２ −ａＦ。

となる。

下側の部材で内筒であるフォークパイプ２と上側の部材
で外筒であるアッパケース１との間の摩擦係数をμとす
ると、フロントフォークの作動フリクションＦ はＦ−
μ（Ｆ工＋Ｆ２）−ｒ ｒ Ｆとなる。

これに対しフロントフォーク前部に押圧スプリング３を
オフセットｃを取って設け、アッパケース１とフォーク
パイプ２で両端を各支持すると。

スプリング３にはその押圧力によってＦ と同じ大きさ
の反力があるため （ｂ−ａ）Ｆ−ｂＦｏ−ｄＦａ−ｃＦａ （ｂ ａ）Ｆ’２ −ａＦ。

ｄＦ −ｃＦ ａ ａ となる。

従って摩擦抵抗Ｆ を小さくするためには上式からラッ
プ量（ｂ−ａ）を増すか、ｄ、ｃの値な大きくすれば良
いこととなる。

そしてラップ量（ｂ−ａ）を大きくすることはフロント
フォークの長さが大きくなり、これの大型化を招き、こ
の結果返って曲げ剛性、強度等の問題が更に提起される
ことになろう。

本考案は以上の知見に基づき、フロントフォーク前部に
抑圧弾性部材を介設して解決な図った。

次にその具体的実施例を述べる。

第１図は概略側面図を、第２図は具体的例の拡大縦断面
図である。

フロントフォーク１０は上部材であって外筒であるアッ
パケース１１と、下部材であって内筒であるフォークパ
イプ１２とからなり、内・外筒１２．１１は通常の正立
型と位置関係が逆で、倒立型フロントフォークを構成し
ている。

アッパケース１１の上端部はトップブリッジ１３、ボト
ムブリッジ１４に結着され、ブリッジ１３．１４は自動
二輪車のフレーム１５前部の−＼ラッドューブ１６に軸
１７を介して操向回動自在に枢支されている。

アッパーケース１１の中間部にはスプリング受座体１９
のリング状基部２０を嵌合し、これの下面の一部に設け
た凹段部２０ａとケース１１の周壁の一部に設けた突起
２１とを係合し、受座体１９の位置決めと廻り止めとを
行い、基部２０とケース１１中間部とを溶接等で一体的
に接合する。

受座体１９はアッパケース１１前方へ座部２２を延出す
る如くして備え、座部２２の下面にはスプリングシート
２３を設け、シート２３は上面に設けた突起２３ａと座
部２２に設けた孔２２ａとを係合せしめて結合されてい
る。

そしてシート２３の下面にはコイルスプリングの径方向
を規制する環状ガイド２３ｂが突設されている。

一方、下側のフォークパイプ１２の下端部はアクスルホ
ルダ２４に結合支持され、ホルダ２４は斜め後下方へ延
出した保持部２５で前車輪２６のアクスル２８を支持す
る。

ホルダ２４は前車輪２６のアクスル２８への取付状態で
フォークパイプ１２はアッパケース１１に対して前方へ
傾斜オフセットされ、フロントフォーク１１は所定の傾
斜角、即ちキャスタ角θと同角のフォークアングルが設
けられて傾斜設置されている。

アクスルホルダ２４の前部には前方へブラケット２８が
一体に延出されるとともに、このブラケット２８上には
スプリングの受座体をなす座部２９がフランジの如くホ
ルダ２４前方へ一体に延設される。

座部２９上にはスプリングシート３０を配設し、シート
３０は下面に突起３０ａ’＆備え、これな座部２９に設
けた孔２９ａに係合して結合され、シート３０の上面に
は上方へコイルスプリングの径方向な規制する環状ガイ
ド３０ｂを突設し、ガイド３０ｂは軸方向へ長く形成さ
れている。

ブラケット２８には前車輪２６のディスク式ブレーキ装
置のブレーキディスク３１な挾持して制動を行うブレー
キキャリパ３２０基部３２ａを上下二点で結着３３，３
３ｔ、、ブレーキキャリパ３２な支持する。

従ってホルダ２４はアクスルの支持、フォークパイプの
支持と併せてスプリング受座体とし、且つブレーキキャ
リパの支持体としても機能し、前車輪２６０足廻りの全
てを一個の部材で支持することとなる。

このようにフロントフォーク１０を構成するアッパケー
ス１１とフォークパイプ１２の各前部には、上下に向い
合う如く座部２２，２９’ａｊ設け。

スプリングシー）２３．３０を介してこの間に押圧弾性
部材、即ち図示ではコイルスプリング３４を圧縮して介
設し、コイルスプリング３４は内径部にシート２３．３
００環状ガイド２３ｂ 、 ３０ｂが嵌合し、径方向を
規制される。

そしてコイルスプリング３４は軸方向に伸長する如く弾
性力を付与され、アッパケース１１とフォークパイプ１
２を軸方向の離間する方向へ弾圧する。

ところでキャスタ角θにより前車輪２６の路面からの垂
直な反力Ｆに対しＦ。

なる力が発生し。これにより図中時計方向への曲げモー
メントが発生する。

この結果内・外筒の摺動部には夫々反対向きのＦよ 、
Ｆ２なる力が働き、これが摩擦抵抗となる。

ところが、内・外筒の前部間にスプリング３４が介在さ
れ、これが軸方向の離間方向への押圧弾圧力で上記Ｆ２
方向の力な補償し、Ｆ２の力を軽減し、従ってＦｏの力
も軽減される。

かくしてキャスタ角θに起因する倒立型テレスコ−ピッ
クフロントフォークの軸方向摺動摩擦抵抗は軽減され、
その本来の軸方向摺動運動、即ち緩衝作用は保障される
こととなる。

尚上記スプリング３４であるが、一般に内・外筒内、特
に内筒上端と外筒内の頂部間に復帰バネを兼ねたクッシ
ョンスプリングな内装するが、これな除去してこれな外
に出し、上記スプリング３４とすることにより１部品な
増やすことなく。

クッションスプリングな兼ねた補償スプリングとするこ
とができる。

以上で明らかな如く本考案によれば、倒立型のテレスコ
−ピック式フロントフォークにおいて内・外筒の軸方向
摺動摩擦抵抗を可及的に軽減し。

緩衝器の本来の機能、性能を発揮せしめ、優れた操安性
１乗心地性等な得ることができる。

特に本考案は押圧バネをフロントフォークの前部に支持
し、フォークパイプ側のバネ支持部材をアクスルホルダ
で兼ね、更にブレーキキャリパの支持をも兼ねることが
でき１部品点数を減少し、最少の部品の追加で上記を効
果的に図ることができ、又上記押圧バネなフロントフォ
ークに内装するクッションスプリングと兼ねることによ
り部品減少を更に図り、簡易な構造、最少の部品、そし
てフロントフォークに大幅な変更を加えることな〈実施
できる等その実用的効果顕著である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例な示すもので、第１図は概略側
面図、第２図は同要部の拡大縦断面図。 第３図は原理説明図である。 尚図面中１０はフロントフォーク、１１は外筒。 １２は内筒、１９は外筒の支持部材、２４はアクスルホ
ルダ、 ２９は支持部。 ３４は抑圧弾性部材 である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 軸方向摺動自在な内・外筒よりなるテレスコ−ピック式
   フロントフォークで、外筒が上で、内筒が下である倒立
   型のフロントフォークにおいて。 外筒の前部に支持部を、内筒下端を支持するアクスルホ
   ルダ前部に支持部を各延設し、該支持部間に抑圧弾性部
   材な介設支持せしめる如くした自動二輪車等のフロント
   フォーク。