JPS5825045Y2 - ユニット式建築物の浴室部付き単位ユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、工場生産された単位ユニットの複数個をトラ
ックなどで現場に搬送し、これらを互いに結合させて構
築するユニット式建築物の単位ユニットのうち、浴室部
を備えた単位ユニツＩ・に関する。

このようなユニット式建築物における単位ユニツ１への
浴室部では、一般に浴槽部と洗い場とが適正な股ぎ込み
高さのカマチ部を介して一体連設されているものであり
、このような浴室部を、その浴槽部の底面が単位ユニッ
トの床部よりも上位に位置するように設備すると、単位
ユニットの居室部分から浴室部の洗い場までの踏み込み
高さが大きくなる実用上の不便があり、また、このよう
な不便をなくすために、浴槽部の下部を単位ユニットの
床部よりも下方に突出する状態に設備すると、単位ユニ
ットの搬送や現場での建方工事にあたって前記床部より
も下方に突出する浴槽部下端が他物に衝突して破損する
などの不都合を生じ易い。

本考案の目的は、上記実情に鑑み、前記浴槽部下端が床
部下方に突出する形式のものでありながら、搬送、建方
工事時における前述のような不都合を回避することがで
きるユニット式建築物の浴室部付き単位ユニットを提供
せんとする点にある。

本考案によるユニット式建築物の浴室部付き単位ユニッ
トの特徴とする構成は、浴室部を備える単位ユニットに
おいて、前記浴室部を、単位ユニットの床部上に設置さ
れる浴室周壁と、その浴室周壁で区画された区域の底部
を構成する浴槽部とから構成すると共に、前記浴槽部を
、前記単位ユニットに対する組み上り状態で、その単位
ユニットの床部と略同程度のレベルに床面高さを設定し
た洗い場と、前記洗い場ならびに前記床部よりも低く位
置される底部分を有した浴槽とを一体化することによっ
て構成し、さらに、前記浴槽部を、前記単位ユニットの
床部に対して浴室部内における浴室周壁の下端近くに位
置に設けた水平横軸周りで上下揺動自在に枢着して、そ
の浴槽部の下端が前記床部よりも下方に突出する姿勢と
、床部よりも上方に持ち上げられた姿勢とに姿勢変更自
在に構成すると共に、前記床部には、この床部の下面よ
りも上方に持ち上げられた姿勢にある前記浴槽部の下端
近く位置で、その浴槽部の上下揺動軌跡内に位置して前
記持ち上げ姿勢にある浴槽部の下端部に接当する位置と
、前記軌跡から外れて前記浴槽部の下降揺動を許す位置
とに位置変更自在な位置規制部材を設けた点にあり、か
かる構成から、次の作用効果を奏する。

即ち、本考案によれば、単位ユニットの床部に対して、
浴室部に備えられる浴槽部を上下位置変更自在に構成し
たことにより、ユニット式建築物の構築後において、そ
の浴槽部の下端が単位ユニットの床部よりも下方に突出
する状態に設備させて、単位ユニット内層室から浴室部
の洗い場までの踏み込み高さを、実用上、不便を感じな
い程度のものにしておくことのできるものでありながら
も、この浴室部付き単位ユニット全体の搬送時や建方工
事時には、前記浴槽部を所定の設置個所で床部よりも上
方に持ち上げた姿勢、つまり、床部下方への突出のない
状態に固定支持させることができるから、搬送所要スペ
ースを小にして搬送費の節減を可能にするとともに、浴
槽部が他物に衝突して破損するなどの不都合を回避する
ことができる利点がある。

以下、例示図に基づいて本考案の実施例を詳述すると、
単位ユニット２は、ユニット外壁５、並びに、大梁２Ｂ
・・・・・・や小梁７・・・・・・群からなる床部２Ａ
、および、前記床部２Ａ上に立設された浴室部１から構
成されており、全体が一つのユニットとして基礎６上に
設置されるものである。

前記浴室部１は、浴槽１Ａと洗い場１Ｂとを、例えば、
ポリエチレンや強化プラスチック（ＦＲＰ）などで一体
成形した浴槽部１′と、その浴槽部１′の周囲を取りま
くように前記床部２Ａ上に立設された浴室周壁１Ｄとか
ら構成されていて、かつ、前記浴槽部１′は、その洗い
場１Ｂ側の側辺が、前記床部２Ａ上に立設された浴室周
壁ＩＤの下端部に設けられた水平横軸Ｐを介して前記床
部２Ａに取付けられていて、第１図中の実線で示すよう
に、浴槽１Ａの下端を床部２Ａよりも下方の地面に接地
させた姿勢と、同図仮想線で示すように、床部２Ａの下
面よりも上方に持ち上げた姿勢とに上下揺動させて姿勢
変更し得るように構成しである。

前記床部２Ａには、その下面側近く位置で、前記浴槽部
１′の浴槽１Ａ部分が上下揺動する軌跡に対して、その
軌跡内に突入、または軌跡から引退するように、前記大
梁２Ｂ、２Ｂを貫通して横外方から抜き差し自在な位置
規制部材４，４を設けてあり、第２図に示すように位置
規制部材４，４を差し込むことによって、この位置規制
部材を浴槽部１′の浴槽１Ａの下端に接当させて、その
浴槽部１′の浴槽１Ａの下端が床部２Ａの下面よりも下
方へ下降することを規制することができ、また、位置規
制部材４．４を前記軌跡から外れた位置にまで引退させ
ることによって、浴槽部１′の浴槽１Ａの下端の下降を
許すように構成しである。

尚、図中１Ｃは、浴室部１の浴室周壁１Ｄと浴槽部１′
との接合部に介在させた水漏れ防止用のシール材である
。

このように構成した単位ユニット２を、ユニット搬送時
や建方工事時には、第１図仮想線で示す姿勢で取扱い、
そして、建方完了後において前記部材４を抜き去ること
により第１図で実線で示すような落ち込み姿勢に設置す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るユニット式建築物の浴室部付き単位
ユニットの実施例を示し、第１図は要部の拡大縦断側面
図、第２図は第１図ＩＩ−■１線断面図である。 １・・・・・・浴室部、１′・・・・・・浴槽部、１Ａ
・・・・・・浴槽、ＩＢ・・・・・・洗い場、１Ｄ・・
・・・・浴室周壁、２・・・・・・単位ユニット、２Ａ
・・・・・・床部、４・・・・・・位置規制部材、Ｐ・
・・・・・水平横軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数個のユニット２・・・・・・を互いに結合させて構
   成するユニット式建築物に用いられる単位ユニット２の
   うち、浴室部１を備える単位ユニット２において、前記
   浴室部１を、単位ユニット２の床部２Ａ上に設置される
   浴室周壁１Ｄと、その浴室周壁ＩＤで区画された区域の
   底部を構成する浴槽部１′とから構成すると共に、前記
   浴槽部１′を、前記単位ユニット２に対する組み上り状
   態で、その単位ユニット２の床部２Ａと略同程度のレベ
   ルに床面高さを設定した洗い場１Ｂと、前記洗い場１Ｂ
   ならびに前記床部２Ａよりも低く位置される底部分を有
   した浴槽１Ａとを一体化することによって構成し、さら
   に、前記浴槽部１′を、前記単位ユニット２の床部２Ａ
   に対して、浴室部１内における浴室周壁１Ｄの下端近く
   位置に設けた水平横軸１周りで上下揺動自在に枢着して
   、その浴槽部１′の下端が前記床部２Ａよりも下方に突
   出する姿勢と、床部２Ａよりも上方に持ち上げられた姿
   勢とに姿勢変更自在に構成すると共に、前記床部２Ａに
   は、この床部２Ａの下面よりも上方に持ち上げられた姿
   勢にある前記浴槽部１′の下端近く位置で、その浴槽部
   １′の上下揺動軌跡内に位置して前記持ち上げ姿勢にあ
   る浴槽部１′の下端部に接当する位置と、前記軌跡から
   外れて前記浴槽部１′の下降揺動を許す位置とに位置変
   更自在な位置規制部材４，４を設けであることを特徴と
   するユニット式建築物の浴室部付き単位ユニット。