JPS5823348Y2 - 遠心脱水洗濯機用バスケット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、遠心脱水洗濯機の脱水槽と洗濯槽兼用一体
槽（以下、バスケットと云う）の内側壁面に空間距離を
保ち、全周に内壁を形成することにより、遠心脱水時に
おいて脱水物の脱水向上と洗濯中の洗濯水流出の防止を
期するようにした遠心脱水洗濯機水槽内壁に関する。

従来の遠心脱水洗濯機において、洗濯時にバスケット内
のみ貯水する方式と、バスケット外側の外槽に貯水する
方式とに大別できるのは周知の通りである。

このうち、前者のバスケット内のみに貯水する方式（以
下、バスケット内貯水方式と云う）は第１図および第２
図に示されている。

第１図はこのバスケット内貯水方式による従来の遠心脱
水洗濯機の要部の断面図であり、第２図はバスケットの
部分を取り出した拡大断面図である。

この第１図および第２図の両図において、１は洗濯機の
外槽である。

この外槽１内にバスケット２が収納されており、バスケ
ット２の底部にはパルセータ３が設けられ、また、上方
には所定の隙間をもってバランサ４が配設されている。

外槽１の底部にはモータ５が設けられており、このモー
タ５に伝達機構６を介して軸７が取り付けられている。

この軸７に上述のパルセータ３が連結されている。

このモータ５の回転力が伝達機構６および軸７を介して
パルセータ３に伝達されることにより、パルセータが回
転して、洗濯を行うわけであるが、この洗濯時において
はバスケット２の内壁面に沿って水流うねりが上昇する
。

これにより、遠心脱水時の水排出部（バスケット２の最
上端部のバランサとの間の隙間）がら洗濯水の流出によ
る減少を生じる欠点がある。

また、遠心脱水時には、バスケット２に水抜穴を形成で
きないことから、バスケット２の最上端部とバランサ４
との隙間から水を排出する方式である。

このため、排水個所が遠心力方向に対して直角方向にあ
る。

したがって、バスケット２の内壁面に遠心力で密着した
脱水物の水分は壁面の上部に位置するほど脱水率が下が
る欠点がある。

この考案は、上記従来の欠点を除去するためになされた
もので、洗濯時における水流うねりの流出をバスケット
の内壁面で防止し、遠心脱水率を向上させるために、こ
のバスケットの内壁面に水抜穴を形成し、脱水物から水
分を遠心力方向に抜くようにして、洗濯時における洗濯
水の流出の防止、ならびに遠心脱水時における洗濯水の
流出防止を期するようにした遠心脱水洗濯機水槽内壁を
提供することを目的とする。

以下、この考案の遠心脱水洗濯機水槽内壁の実施例につ
いて図面に基づき説明する。

第３図はその一実施例を適用した遠心脱水洗濯機の概略
的構成を示す断面図であり、第４図はこの考案の一実施
例の水槽内壁を取り出して示す拡大縦断面図であり、ま
た、第５図は水槽内壁の横断面図である。

この第３図ないし第５図において、第１図および第２図
と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、こ
の第１図、第２図とは異なる部分、すなわち、この考案
による新たに付加された部分を重点的に述べることにす
る。

この第３図ないし第５図に示す実施例では、この考案を
遠心脱水洗濯機に使用した場合の例を示すものであり、
遠心脱水洗濯機の外槽１、パルセータ３、バランサ４、
モータ５、伝達機構６、軸７は第１図および第２図の場
合と同様である。

この外槽１内において、バスケット２が適宜な公知の吊
掛手段で外槽１の下部（または上部）に吊り掛けられて
いる。

そして、洗濯時にはパルセータ３が、また、脱水時には
パケット２がモータ５により、伝達機構６、軸７を介し
てそれぞれ公知のごとくに回転駆動されるようになって
おり、以上の点については従来と同様である。

しかしながら、この考案においては、バスケット２の内
壁面に特徴を有するものであり、バスケット２はバスケ
ット２自体と内壁８とにより、底部を除く垂直部は２重
構造になっている。

この内壁８は第４図より明らかなように、上端縁はバラ
ンサ４の底部に接合され、外周面には閉塞片８ｄが設け
られ、バスケット２と内壁８間を閉塞している。

また、下端縁はバスケット２の底部近傍の所定個所に嵌
合されている。

すなわち、バスケット２の底部近傍に、嵌合穴２ａが設
けられており、この嵌合穴２ａに内壁８の下端縁が嵌入
されているものである。

また、内壁８の所定個所には複数個の水抜穴８ａが設け
られている。

さらに、この水抜穴８ａが設けられていない個所におい
て、内壁８の外周面には脚８ｂが複数個設けられている
。

脚８ｂの先端はバスケット２の内周面に形成された凹部
２ｂに、第５図に示すごとくに嵌合されている。

この脚８ｂにより、バスケット２と内壁８との間に所定
の間隔を保持するようになっている。

つまり、脚８ｂはバスケット２と内壁８との空間を保持
するものであり、この脚８ｂはバスケット２の凹部２ｂ
内に嵌入あるいは取り外しができるようになっている。

そして、内壁８の下端縁もバスケット２の嵌合穴２ａ内
から取り外すことができるようになる。

かくして、内壁８はバスケット２の内周面全体に対して
、着脱可能になっている。

さらに、第５図より明らかなように、内壁８の内周面に
おいて、軸心（内壁８はバスケット２の形状に適合する
ように筒状に形成されている）に対して対称の位置に、
針状の突起８Ｃが複数個設けられている。

この突起８Ｃを複数個設けることにより、突起８Ｃの部
分の全体的形状は形部的に山形の櫛状になっている。

この突起８Ｃはリント（糸くず）や砂類などの回収を行
うために設けられているものである。

さて、以上のように構成されたこの考案の遠心脱水洗濯
機水槽内壁を使用した遠心脱水洗濯機における洗濯時に
は、洗濯中に生じる水流うねりは内壁８によりバスケッ
ト２とバランサ４との間の隙間からの洗濯水の流出がな
くなる。

すなわち、内壁８の上端縁はバランサ４の底部に接合し
、下端縁はバスケット２の嵌合穴２ａ内に嵌合され、さ
らに、脚８ｂは凹部２ｂに嵌合されており、閉塞片８ｄ
はバスケット２と内壁８間を閉塞しているとともに、内
壁８はバスケット２とバランサ４との間の隙間を閉塞し
ていることになる。

したか゛つて、この隙間から洗濯水の流出を防止するこ
とができるわけである。

その結果、従来は洗濯水の流出により３〜５１もの減水
が生じたが、この考案では、このような減水がなくなり
、したがって、パケット２の深さなどの考慮を必要とす
ることなく、洗濯水の流出を防止できる。

次に、遠心脱水時について述べる。

この遠心脱水時には、第１図で述べた場合の同様にして
、バスケット２がモータ５の回転力により回転するわけ
てあるが、この際、バスケット２とともに内壁８も一体
的に回転する。

しかも、内壁８には複数個の水抜穴８ａが設けられてい
るので、内壁８内の脱水物（洗濯物）の水分を遠心力方
向に抜き、この水抜穴８ａを通して、バスケット２と内
壁８との間に導く。

このようにして、脱水することにより、脱水率の低下を
防止できるものである。

以上のように、この考案によれば、パケットの内周面に
着脱可能で、パケットとバランサとの間の隙間を閉塞す
るとともに、水抜穴を有する内壁を設けたので、脱水時
には水抜穴を通して脱水物の水分を脱水することができ
、脱水率を向上できる。

また、洗濯時には内壁によりバランサとパケット間が閉
塞されているので、洗濯水の流出を防止できる。

加えて、内壁はパケットに対して着脱可能、すなわち、
パケットと分離可能構造となっているので、副次的な形
状加工も容易になるなどの効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の遠心脱水洗濯機の要部の構造を示す断面
図、第２図は第１図の遠心脱水洗濯機におけるパケット
の部分を取り出して示す一部拡大断大断面図、第３図は
この考案の遠心脱水洗濯機水槽内壁の一実施例を適用し
た遠心脱水洗濯機の概略的構成を示す断面図、第４図は
この考案の遠心脱水洗濯機水槽内壁の拡大縦断面図、第
５図は同上遠心脱水洗濯機水槽内壁の横断面図である。 ２・・・・・・パケット、２ａ・・・・・・嵌合穴、２
ｂ・・・・・・凹部、８・・・・・・内壁、８ａ・・・
・・・水抜穴、８ｂ・・・・・・脚、８Ｃ・・・・・・
突起、８ｄ・・・・・・閉塞片。 なお、図中同一符号は同一部分または相当部分を示す。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）洗濯槽と脱水槽が兼用になったバスケットを有す
   る遠心脱水洗濯機において、上記バスケット内に複数の
   水抜穴を有する内壁をバスケット内周面から所定の間隔
   をおいて同心にかつ着脱自在に配設し、かつ上記内壁の
   上端縁をバランサの底部に接合するとともに、上記内壁
   の上端部外周に上記バスケットとの間を閉塞する部材を
   設けたことを特徴とする遠心脱水洗濯機用バスケット。
2. （２）バスケットと内壁と間隔保持を、内壁外周面に突
   設した複数の脚と、この脚が嵌合するバスケット内周面
   に形成した凹部によって行うようにしたことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の遠心脱水洗濯機
   用バスケット。
3. （３）内壁が、その下端縁をバスケットの底部に設けた
   嵌合穴に係脱されるようになっていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の遠心脱水洗濯機用
   バスケット。