JPS5814942Y2 - 脱水兼用洗濯機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転槽上部位に被洗濯物の流出を阻止する阻止
体を設けた単独槽タイプの脱水兼用洗濯機に関する。

一般に単独槽タイプの脱水兼用洗濯機は回転槽上端部に
周壁とその内側に取り付けたバランスリングとの隙間か
らなる排水部を設け、脱水時にはこの回転槽を高速回転
させ、その遠心力によって水を周壁に沿って上昇させ前
記排水部がら脱水させるようにしている。

そして、前記排水部は洗剤洗い時に渦巻水流によって前
記回転槽内周部の水面が高まった時に洗濯液が溢流する
ことを極力防止できるように脱水時に必要最小限の大き
さに設定されている。

従って、回転槽の回転を停止させ、注水しながら、パル
セータを回転させてオーバーフローすすぎを行う時には
、前記排水部からの溢流は少なくバランスリングの上面
部を越える溢水が生じるために、小物衣料、例えば、く
っ下やハンカチ等がバランスリングの上面を越える溢流
水とともにバランスリング上面を乗り越えて槽外に流出
してしまう恐れがあった。

その為、例えば上記バランスリングよりも下側に位置さ
せて回転槽の周壁に排水孔を設けておけば、小物衣料等
の流出は防止できるが、今度は、洗濯時に渦巻水流等に
よって周囲部の水面が高まって、上記排水孔がら洗濯液
が排水され、回転槽内の洗濯液が減少して洗浄力を著し
く低下させるといった問題があった。

本考案は上記事情に鑑みなされたもので、洗濯兼脱水槽
としての回転槽の上部内周部にバランスリングを設けた
ものにおいて前記バランスリングの上部に通水性を有す
る阻止体を上方に向けて突設し、オーバーフローすすぎ
時に前記バランスリングを越えて被洗濯物が流出するこ
とを防ぐようにした脱水兼用洗濯機を提供することを目
的とするものである。

以下、本考案の実施例を第１図及び第２図を参照し具体
的に説明する。

図中１は洗濯機本体の外箱であり、その上面開口部を、
中心部に円形の開口部２を有する上部カバー３によって
覆い更にそのカバー３の開口部２を蓋４によって閉じる
ようになっている。

上記蓋４はヒンジピン５により、上記カバー３の開口部
２の後端部にとりつけられている。

外箱１内には洗濯兼脱水槽としての樹脂成形された回転
槽６が配設されており、外箱１の下部に配設されたモー
タ７及び駆動装置８によりこの回転槽６を回転あるいは
停止させるようになっている。

またこの回転槽６の内底部にはパルセータ９が上記モー
タ７及び駆動装置８により駆動され、この回転槽６内に
渦巻水流を起して洗濯を行なうようになっている。

さて、モータ７及び駆動装置８は支持板１０に固着され
ており、この支持板１０は弾性吊持機構１１を介して外
箱１に設けられた仕切板１２に弾性吊持されている。

回転槽５の上部位の内周部には上面板１３ａの外周部を
該回転槽６の上端縁部に載置固着させてバランスリング
１３が設けられ、回転槽５の高速回転時に、このバラン
スリング１３に作用する遠心力によって、回転槽６が振
れ回り回転することを防止している。

また回転槽６の内周部とバランスリング１３との間に隙
間を設け、脱水時に回転槽６内の水を排水するための排
出部１４をバランスリング１３の上面板１３ ａにその
隙間と連通ずるように設けている。

そして、バランスリング１３の内周部に沿わせて複数個
のスリット状の通水孔１５を有する円形の阻止体１６を
バランスリング１３の上面板１３ ａに一体成形一体成
形により上方に向けて突設している。

次に、以上のように構成した本実施例の作用について説
明する。

回転槽６内に被洗濯物を収納してタイマ装置をセット操
作すると、洗剤洗い一排水−ためすすぎ一排水一オーバ
ーフローすすぎ一排水一説水からなる洗濯行程が自動的
に行われるが、以下本考案と直接関係のあるオーバーフ
ローすすぎ時の作用について述べる。

即ち、回転槽６内に注水しながらモータ７及び駆動装置
８によりパルセータ９を回転させると、回転槽６内の水
位は上昇し、排水部１４及びバランスリング１３の上面
板１３ａを越えて注水量と略等しい量の水が回転槽６の
外部に溢流排水される。

そして、バランスリング１３の上面板１３ａを越える溢
水は阻止体１６の通水孔１５を介して溢流するから、こ
の阻止体１６によって被洗濯物の流出は阻止され水だけ
が溢流されてオーバーフローすすぎが行なわれる。

一方、洗濯時には、排水部１４の位置は、洗濯時の洗濯
液の水位に比し十分高く、また仮にこの排水部１４から
溢水したとしても、溢水量は少なく十分な洗濯液の水位
を確保して洗濯する為、洗浄力を低下させることはない
。

このように本実施例によれば、オーバーフローすすぎ時
にバランスリング１３の上面板１３ａを越えて回転槽６
の上部位から、回転槽６内の水が溢流する時に、阻止体
１６によって、被洗濯物の流出が阻止される。

しかも、バランスリング１３の上面全周より溢水する為
、すすぎ水に浮遊する糸屑等のリント及び洗剤の泡等の
流出が良く、すすぎ時間を短縮することができ、更に洗
剤洗い時には十分な洗濯液の水位が確保され、洗浄力が
低下することがないものである。

尚、本実施例においては、阻止体１６をバランスノング
１３の上面板１３ａの内周部に一体成形して設けたもの
であるが、第３図に示すように、阻止体としてバランス
リング１３の上面板１３ａの上面部に棚状の凸部１７を
一定間隔をおいて複数個一体成形により突設するように
してもよい。

また、第４図に示すように阻止体１６の上端部に内側に
指向させた突出部１８を設けるようにしてもよく、特に
この場合は、被洗濯物が引掛りやすく、被洗濯物の流出
を阻止する効果が更に高いものである。

更に、第１図乃至第４図に示す各実施例では阻止体１６
及び凸部１７をバランスリング１３の上面板１３ａに樹
脂等により一体成形して設けたものであるが、第５図に
示すように阻止体１９をバランスリング１３の上面板１
３ ａと別個に設けて、これをねじ２０で上面板１３Ｈ
に固定させるようにしたものであってもよい。

本考案は以上の説明から明らかなように、洗濯兼脱水槽
としての回転槽の上部内周部にバランスノングを設けた
ものにおいて、前記バランスリングの上部に通水性を有
する阻止体を上方に向けて突設し、オーバーフローすす
ぎ時に前記バランスリングを越えて溢水する溢流水とと
もに被洗濯物が流出することを防ぐとともに、バランス
リング上面部全周より溢水する為に、糸屑等浮遊物及び
洗剤の泡等の流出が良くすすぎ時間の短縮が計れる脱水
兼用洗濯機を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図は縦断面図、第２図は回転槽及び阻止体部分を示す
拡大縦断面図、第３図、第４図、第５図は夫々本考案の
他の実施例を示す第２図相当図である。 図面中、６は回転槽、１３はバランスリング、１４は排
水部、１５は通水孔、１６は阻止体、１７は凸部（阻止
体）、１８は突出部、１９は阻止体である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■、洗い時に水を貯留し且つオーバーフローすすぎ時に
   上部位から水を溢流させる洗濯兼脱水槽としての回転槽
   と、この回転槽の上部位の内周部に設けられたバランス
   リングと、このバランスリングの上部に上方に向けて突
   設され前記オーバーフローすすぎ時の水の溢流を許容す
   るとともに被洗濯物の流出を阻止する通水性を有する阻
   止体とを具備してなる脱水兼用洗濯機。 ２、阻止体は、バランスリングの内周部に沿って配設し
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載の脱水兼用洗濯機。 ３、阻止体の上端部に内方に指向する突出部を有するこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項又は第２
   項に記載の脱水兼用洗濯機。