JPS582068B2 - 金型中に供給する化学成分の混合ヘツド用遠隔操縦インゼクタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の要約 混合ヘッド１の混合室２中に高圧下で供給された反応性
化学成分を注入して混合物を金型１ａ中に分注する遠隔
操縦インゼクタにつき開示し、インゼクタ７，８は滑動
制御ピストン２１に接続されたニードル弁を備え、制御
ピストンの一端部には注入すべき化学成分のスラストを
かけると共に、他端部には一定圧力で供給される制御流
体のスラストをかける。

本発明は、金型中に供給される反応性化学成分、特に反
応性ポリウレタン物質の混合ヘッド用遠隔操縦インゼク
タに関するものである。

周知のように、問題の混合ヘッドは開放しているかまた
は金型と連通している混合室からなり、この混合室中に
化学成分を加圧下かつ高速度にて供給し、微細な個々に
分離しだ噴霧物質の小ジェットを形成させ、これらは小
さい空間中で衝突して金型中に供給される前に充分混合
される。

混合室中への成分の注入は通常注入弁（以下、簡単にイ
ンゼクタと云う）によって行なわれ、この弁においては
ニードル弁を通常スプリングによって注入ノズルの方向
に備倚させ、このノズルは混合室中に開口する。

偏倚スプリングによりもたらされる力はその圧縮力を変
化させて適当に調整し、ニードル弁にかかる化学成分の
スラストを均衡させると共に、所望の注入圧力値を得る
ことができる。

上記した型式のインゼクタを用いる場合、成分の混合に
おいて一定の化学量論的比率を確保するには、たとえば
ノズルの部分的閉塞によりインゼクタの下流の条件が変
化することがあるので、混合室中への単一成分の注入を
常にて定圧力で行なうようにするという問題が生ずる。

公知型式の弁の均衡スプリングを使用しても、まだこの
問題を充分に解決することができず、また遠隔操作によ
り調整することができない。

事実、公知の弁においては偏倚スプリングに直接作用さ
せることが必要であり、さらにスプリングは完全に一定
の圧力−均衡力を与えることができない。

反面、化学成分の所望の供給圧力を達成して、混合室中
に注入される化学成分の充分な噴霧を確保するには、イ
ンゼクタの正確な設定を行ないかつこれを維持すること
が極めて重要である。

実際上、混合室中への単一成分の注入条件を常に一定か
つ不変に保つことにより、混合物の品質が改善されした
がって製品もしくは成型物品における欠点を回避しうる
ことが見出された。

本発明の目的は、上記問題を克服することができ、すな
わち注入弁の遠隔操作設定を一定圧力値で行なうことが
できる上記した型式の反応性化学成分の混合ヘッド用イ
ンゼクタを提供することである。

さらに本発明の目的は、たとえば化学成分の混合または
循環過程の際事故などによるインゼクタ下流の操作条件
における如何なる変化にも無関係に、所定の注入圧力値
に自動調整しうる上記したようなインゼクタを提供する
ことである。

さらに本発明の目的は、遠隔操縦により操作して化学成
分の循環方式を種々の圧力値で行ないうる上記したよう
な混合ヘッド用インゼクタを提供することである。

本発明によれば、金型中に供給する化学成分の混合ヘッ
ドに用いる遠隔操縦インゼクタが提供され、このインゼ
クタにおいて混合ヘッドは混合室からなりその側壁の１
部に成分注入用の入口開孔部を備え、前記インゼクタは
一端部にノズルを設けた円筒状キャビテイを有する本体
からなり、前記キャビテイは前記ノズルを介して混合室
中の注大開孔部と連通すると共に、１成分用の供給ダク
トにも連通し、インゼクタのキャビテイ中にはニードル
弁を閉鎖位置から均衡開放位置まで軸線方向移動自在に
設け、前記ニードル弁を前記キャビテイ内で軸線方向に
移動する制御ピストンの端部に支持し、供給されつつあ
る化学成分のスラストを制御ピストンの一方の側にかけ
ると共に、一定圧力値を有する制御流体の対抗スラスト
を他方の側にかけることを特徴とする。

以下、添付図面を参照して、本発明のインゼクタにつき
一層詳細に説明する。

第１図は、反応性化学成分を混合しかつ混合物を金型１
Ａに供給するための一般的ヘッド１を示している。

このヘッドは、周知のように混合室２からなり、任意所
望の形状とすることができ、混合物を金型１Ａの方向に
向ける出口開孔部３と、室２内において軸線方向に滑動
するプラグの形態の清浄用部材４とを備える。

この部材４は、シリンダ５またはその他の制御機構によ
り、混合物の出口開孔部３を閉鎖すると同時に単一化学
成分が混合室２中に入るのを防止する前進位置から、混
合物の出口開孔部と成分の注入開孔部とを開放する後退
位置まで制御される。

これら開孔部は、単一化学成分のインゼクタ７および８
に対応して室２の側壁の１部に設けられる。

各インゼクタ７および８は、第２図に示しかつ後記する
ように、配管９および１０により、たとえばタンク１２
に接続された制御部からなり、インゼクタ７および８の
各制御部には制御流体を一定圧力値で供給することがで
きる。

第１図における参照符号１３は一般的な制御流体圧調整
装置を示している。

第２図はインゼクタの１つ、たとえば第１図のインゼク
タの拡大縦断面図を示している。

第２図から判るように、インゼクタはたとえば混合ヘッ
ドの本体１における適当なハウジングに螺入された本体
１４からなり、その一端部に円筒状キャビテイ１５を画
成すると共に、前記混合室の壁部１７における開孔を介
して化学成分を混合室中に注入するためのテーパ付きノ
ズル１６を設ける。

第２図における参照符号１８は環状または類似した形状
の室を示し、その一方の側を成分供給ダクト１９に接続
すると共に、他方の側は半径方向通路２０を介してイン
ゼクタの内部キャビテイ１５およびノズル１６に接続す
る。

インゼクタ内の円筒状キャビテイ１５は、成分用の半径
方向供給路２０から出発して所定長さの部分１５ａにわ
たり後方に延在し、この部材１５ａ内にニードル弁用の
支持ピストン２１を滑動させる。

この弁は円錐状部分２２と、注入ノズル１６の最小直径
に対応した直径を有する終端の円筒状末端部分２３とか
ら構成される。

ニードル弁２２，２３とピストン２１とのアセンブリは
軸線方向に芯出しされ、ニードル弁２２，２３がノズル
１６を閉鎖して成分が混合室中に供給されるのを防止す
る前進位置から、ニードル弁が注入ノズルを開放する後
退位置まで移動可能であり、注入ノズルと共に環状通路
を画成しその断面積は前記混合室中へ成分を供給および
注入するための圧力値を決定する。

ニードル弁ピストン２１が滑動する軸線方向キャビテイ
１５ａは注入ノズル１６とは反対側で終端し、図示する
ようにここに制御流体室２４を備える。

制御流体の室２４はピストン２１よりも僅か大きい直径
を有して環状ショルダー２５を形成し、そこにより大き
な直径の後部２６、すなわちピストンヘッドを当接させ
、このヘッド２６に制御流体の圧力をかける。

制御流体室２４は比較的大きな長さ、たとえば制御ピス
トン行程の３〜５倍に等しい長さを有するが、ピストン
２１の行程はワツシャ２７によりまたは室２４内の他の
停止部材により背後で制限される。

室２４の寸法、特に の最大直径は、制御流体により一
定圧力でかけられるスラストが、インゼクタを介して供
給される化学成分によりピストン２１の他端部にかけら
れる対抗スラストに正確に均衡して成分の正確な注入圧
力を与えるような大きさである。

制御流体室２４はその後端部が、たとえば半径方向通路
２８と環状路２９とによりダクト３０に接続され、この
ダクトには加圧流体の供給管９を接続する。

本発明の遠隔操縦インゼクタは次のようにして操作され
る。

ポンプ１１はノズル７と８との両者に対し同時に一定圧
力値の制御流体源を構成し、したがって混合ヘッド１に
直接影響を及ぼすことなく遠隔操縦により操作または調
整することができる。

その結果、各制御ピストン２１のヘッド２４は注入ノズ
ルに指向する圧力を受け、この圧力は対向端部に対抗圧
力が存在しないと、すなわち混合すべき化学成分の供給
が途絶したときはいつでも或いは化学成分をかなり低い
圧力値で別途に循環させる場合はいつでも、ピストン２
１とニードル弁２２、２３とのアセンブリをノズル１６
に対しこのノズルを閉鎖する第２図に示した位置まで前
進させる。

成分がインゼクタに供給されると直ちに、すなわち上記
化学成分によりもたらされる対抗圧力がニードル弁のピ
ストン２１の端部にかけられると直ちに、この圧力は制
御流体とは反対のピストン２１側にスラストを及ぼし、
その結果ピストン２１はニードル弁と共に押し戻されて
ノズル１６が開放する安定な均衡位置に静止し、成分を
混合室２中に所望圧力値で注入させる。

操作中、事故などによりたとえば不純物によるノズル１
６の部分的閉塞のため化学成分の供給圧力が変化すると
、この結果制御シリンダに対する化学成分圧力の変化が
生じて、この成分供給圧力を所望供給値にするような異
なる均衡位置を自動的に占める。

この自動調整は、ピストンのヘッド２５にかかる制御流
体圧力がほぼ不変に留まるという事実によって生ずる。

上記の説明および添付図面から明白なように、本発明は
遠隔操縦による各インゼクタの操作を可能にし、各イン
ゼクタを所望圧力値に調整し、さらに成分供給圧力の変
動をもたらすような原因とは無関係にインゼクタの自動
調整能力を発揮する。

添付図面においては単一の制御流体圧調整装置１３を両
インゼクタについて使用した場合を例示したが、所望な
らば個々に調整装置を使用しうることが明白であり、ま
たノズル１６が混合室のプラグ４により閉鎖された場合
は制御流体の供給を中断して成分の循環を低圧力でまた
は注入圧力より相当低い圧力で行ない、化学成分を同じ
インゼクタを介して循環することも可能である。

したがって、上記に説明しかつ添付図面に示した例は、
金型中に供給される反応性化学成分の混合ヘッド１のた
めの遠隔操縦注入ノズルから実質的になり、混合室中へ
の成分の注入圧力を決定するニードル弁がもはや他の公
知型のインゼクタにおけるようにスプリングにより均衡
されるのでなく、混合ヘッドを操作している間ほぼ一定
値に維持しうるすなわち必要に応じ調整または変化させ
うる制御流体の圧力によって均衡させる、という本発明
の思想を単に例示したものに過ぎないことが了解されよ
う。

かくして、反応性化学成分における正確な程度の噴霧を
確保することができ、如何なる使用条件下でもより良好
な混合制御とより良好な混合物品質とを達成することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による化学成分注入用の２個の弁を備え
た一般的混合ヘッドの略図、第２図は第１図の混合ヘッ
ドにおける注入弁の拡大縦断面図である。 １・・・混合ヘッド、２・・・混合室、３・・・開孔部
、４・・・清浄用部材、５・・・シリンダ、７，８・・
・インゼクタ、９，１０・・・配管、１１・・・ポンプ
、１２・・・タンク、１３・・・制御流体圧調整装置、
１４・・・インゼクタ本体、１５・・・キャビテイ、１
６・・・ノズル、１７・・・壁部、１８・・・環状室、
１９・・・成分供給ダクト、２０・・・半径方向通路、
２１・・・ピストン、２２・・・円錐状部分、２３・・
・円筒状部分、２４・・・制御流体室、２５・・・ショ
ルダ、２６・・・ヘッド、２７・・・ワツシャ、２８・
・・半径方向通路、２９・・・環状路、３０・・・ダク
ト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金型中に供給する化学成分の混合ヘッド用遠隔操縦
   インゼクタにおいて、混合ヘッドは混合室からなりその
   側壁の１部に成分注入用の開孔部を備え、前記インゼク
   タは円筒状キャビテイを有する本体からなりその一端部
   にノズルを設け、このノズルを混合室の注大開孔部と連
   通し、前記キャピテイを１成分用の供給ダクトと流体連
   通させ、ニードル弁をインゼクタのキャビテイ内に閉鎖
   位置から均衡開放位置まで軸線方向移動自在に設け前記
   ニードル弁は制御ピストンの端部において前記キャビテ
   イ内で軸線方向に移動自在であり、制御ピストンの一方
   の側には供給されつつある化学成分のスラストをかける
   と共に、他方の側には一定圧力値を有する制御流体の対
   抗スラストをかけるよう構成したことを特徴とする遠隔
   操縦インゼクタ。 ２ インゼクタが制御側部を備え、これを圧力調整装置
   を介して制御流体源に接続する特許請求の範囲第１項記
   載のインゼクタ。 ３ ニードル弁のピストンが内部で滑動するキャビテイ
   を、制御ピストンの行程より相対的に大きい長さを有す
   る制御流体室中に後方へ延在させる特許請求の範囲第１
   項記載のインゼクタ。 ４ 制御流体室が制御ピストンより大きい直径を有し、
   前記制御室内においてこの室中の前部環状ショルダ一部
   と後部停止部材との間を滑動する後部ヘッドを前記制御
   ピストンに設ける特許請求の範囲第１項乃至第３項のい
   ずれかに記載のインゼクタ。 ５ 制御室を、この制御室の外部に同軸配置し，た環状
   室から導出された半径方向通路を介して流体供給ダクト
   に接続する特許請求の範囲第１項乃至第４項のいずれか
   に記載のインゼクタ。