JPS581943B2 - シ−トベルトマキトリソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は車両の座席に装備されるシートベルト巻取り
装置の改良に関し、特に非常時ベルトの引出しを抑止す
る非常用ロック装置を内蔵したシートベルト巻取り装置
に関する。

従来、自動車の衝突事故、急ブレーキ時等の非常時に、
そのとき生じる加減速度で振子、金属球体等よりなる加
減速度感知部により機械的にロツクバーを作動させてシ
ートベルト巻取りリールの回転を抑止する機械式非常用
ロック装置を内蔵したシートベルト巻取り装置があるが
、このようなものでは上記加減速度感知部の作動上その
取付姿勢は第１図に示すように車両のフロア付近の車体
強度部材２′にその巻取りリールの中心軸線ｘ−ｘ’が
水平になるように取付け固定しなければならす、シート
ベルト巻取り装置の取付姿勢が限定されてしまうという
欠点があった。

また、このためベルト３′を矢印ｙで示すように中心軸
線ｘ−ｘ’に対して傾斜した方向に引出すと摩擦抵抗が
増大しフィーリングも悪くなりさらにはベルト３′の端
縁３ａ′に摩耗が生じてしまい、ベルト３′の引出し方
向は矢印Ｘで示すように垂直方向に限定されてしまうと
いう欠点があった。

この発明は上記欠点を解消しようとするもので加減速度
感知部を定姿勢保持装置により巻取り装置の姿勢に無関
係に保持することにより、ベルトを引出しやすくするた
めシートベルト巻取り装置をベルトの引出し方向に傾斜
させても、加減速度感知部の機能を完全に発揮させて非
常時にベルトの引出しを完全に抑止できるようにし、取
付姿勢が制限されないシートベルト巻取り装置を提供す
ることを目的とする。

以下、この発明を図に示す実施例について説明する。

第１実施例を示す第２図ないし第５図において、１はシ
ートベルト巻取り装置のフレームで、断面がほぼＵ字形
状に厚肉の鉄板等で形成してある。

このフレーム１は車体のフロア付近の強度部材２にボル
ト２ａおよびナット２ｂにより回動自在に取付けられて
いる。

３は車両の乗員を拘束するウエピングタイプのベルトで
ある。

４はベルト３を巻取るリールで、ベルト３の一端を固着
してあるシャフ｝４ａと、適数のラチェット歯を形成し
てあるフランジ４ｂとよりなり、フレーム１の側板ｌａ
，１ｂに回転可能に懸架されている。

このリール４はセンマイばね（図示せず）により第２図
の矢印ａ方向、すなわちベルト３を巻取る方向に回転付
勢されている。

このゼンマイばねは、その外側端部を側板１ａに固設さ
れたばねカバー（図示せず）に、その中心側端部をシャ
フト４ａのスロットにそれぞれ固着してあり、センマイ
ばねはりール４を回転付勢することによってベルト３を
巻取るように働いている。

ベルト３の自由端部はバックルに結合されるタングプレ
ート（図示せず：に取付けられている。

また、側板１ａと１ｂとには扇形の開口部５が対向位置
に設けてあり、横長のロックバー６が揺動可能に取付け
られている。

このロツクバー６は後述するロツクバー作動部材９の作
動により７ランジ４ｂのラテエット歯と係合してリール
４の回転を停止させるようにしてある。

７は車体がうける加減速度により揺動ずる金属球体で、
円錐あるいは球状の内底面８ａを有する箱状のケース８
内に揺動可能に配設されている。

ロツクバー作動部材９は円板９ａの中心部に棒状部材９
ｂを固設したもので、その断面は丁字形状になっている
。

このロツクバー作動部材９は、球体γ上で上下動可能な
ようにケース８に嵌合してあり、球体１と常に接触して
球体７の揺動により上下動するようになっている。

また、棒状部材９ｂの先端はロックバー６と接触し係合
しているが、その係合状態は第４図に示すように、ロッ
クバー６において棒状部材９ｂの先端との接触点の周囲
を半球状の凹部にすることにより、係合を保持するよう
にしてある。

そして、ロックバー６と棒状部材９ｂの先端との相対角
が第４図の二点鎖線で示すように変化してもロックバー
６と棒状部材９ｂの先端との係合を保持するようにして
ある。

こうして、球体７、ケース８およびロツクバー作動部材
９により加減速度感知部を構成している。

１０はケース８を水平に支持するケース支持部相で、一
端を断面がＬ字形状になるよう曲げ加工して支持片１０
ａを設けてあり、そして、支持片１０ａには棒状部材９
ｂがロックバー６と接触可能なようにケース８が固設さ
れている。

このケース支持部材１０は一端でリベット１１によりフ
レーム１に対して回動自在に連結されており、他端でリ
ベット１２によりアーム１３に対して回動自在に連結さ
れている。

また、アーム１３の他端はフレーム１と同様にボルト１
４とナットにより車体の強度部材２に対して回動自在に
連結されている。

ここで、リベット１１，１２およびボルト１４、２ａの
位置は第３図に示すようにそれぞれの中心Ａ，Ｂ，Ｃ，
Ｄが平行四辺形を形成するように決めてある。

すなわち、対向する２辺が等しく（ＡＢ＝ＣＤ，ＢＣ＝
ＡＤ）なるようにしてある。

つまり、フレーム１、強度部材２、ケース支持部材１０
およびアーム１３はそれぞれリベットとボルトで連結さ
れており、４節リング機構２０を構成するようにしてあ
る。

この４節リンク機構２０は水平面に対して直角に取付け
られており、すなわち鉛直面に対して平行に車体に取付
けられ鉛直面に沿って図中左右に揺動ずるようにしてあ
る。

また、この４節リンク機構２０は上述したようにその一
辺をなすケース支持部材１０土に加減速度感知部の一部
をなすケース８が固設してあり、加減速度感知部を巻取
り装置の姿勢に無関係に一定の姿勢に保持する定姿勢保
持装置をなしている。

上記構成において、この発明装置の作動を説明する。

シートベルト装着のためベルト３を引出すときは、巻取
り装置は、第５図に示すようにリール４の中心軸線Ｙ−
Ｙ’がベルト３の引出し方向に対して直角になるよう傾
斜する。

従って、ベルト３の引出しは滑らかに行われ、ベルト３
の側縁が摩耗するのを防止している。

一方、加減速度感知部は４節リンク機構２０に支持され
ており、シートベルト巻取り装置が第５図に示すように
傾斜しても、４節リンク機構２０の辺ＡＢと辺ＣＤの平
行関係は保たれるため、加減速度感知部は一定の姿勢に
保持される。

従ってベルト引出し中に加減速度感知部の球体７は揺動
することがなく、ロックバー６を作動させてベルト３の
引出しを抑止するようなことがない。

シートベルト装着後においては、乗員の拘束位置にもよ
るが、やはりシートベルト巻取り装置は第５図に示すよ
うに傾斜している。

よって、このときも加減速度感知部は４節リンク機構に
より一定の姿勢に保持され、正常な状態を維持される。

従って、シートベルト巻取り装置が第５図に示すように
傾斜した状態で車両が衝突事故を起したり急ブレーキを
かけたりしたときのように所定以上の加減速度が加われ
ば、その加減速度により球体７がケース８の内底面８ａ
上を揺動し、第６図に示すようにロツクバー作動部材９
を押し上げる３その結果、ロックバー６も揺動し、フラ
ンジ４６のラチェットａと係合して、確実にリール４の
回転を抑止してベルト３の引出しを防止し乗員を安全に
保護する。

つまり、シートベルト巻取り装置が傾斜しても加減速度
感知部は４節リンク機構２０により正常な状態にセット
され完全にその機能を発揮する。

次に、第２実施例を示す第６図および第１図において第
１実施例との相違点を中心に説明する。

第１実施例では、定姿勢保持装置を４節リンク機構で構
成したが、この第２実施例では定姿勢保持装置をギヤト
レイン３０で構成してある。

このギヤトレイン３０は３つのギヤ部材、すなわち第１
ギヤ部材３１、第２ギヤ部材３２、第３ギヤ部材３３と
、ケース支持部材３４からなっている。

第１ギヤ部材はほぼ半円状のものでリベット３５により
フレーム１に回動自在に取付けられており、その端面に
ケース支持部材３４が固着してある。

第２ギヤ部材３２は第１ギヤ部材３１と第３ギヤ部材３
３とに係合しており、リベット３６によりフレーム１に
回動自在に取付けられている。

第３ギヤ部材３３はフレーム１とともにボルト２ａおよ
びナツト２ｂにより車体の強度部材２に取付けられてい
る。

ここで、フレーム１は強度部材２に対して回動自在であ
るが、第３ギヤ部材３は係合爪３３ａを設けられ、それ
が強度部材２の孔２ｃに挿入されているため、強度部材
２に対して固定されている。

なお、第１ギヤ部材３１と第３ギヤ部材３３はピッチ円
の半径を同一にしてある。

ケース支持部材３４は断面がＬ字形状のもので平面部に
ケース８を固設してある。

なお、フレーム１、リール４、加減速度感知部ロックバ
ー６は第１実施例と同一であり説明を省略する。

上記構成において作動を説明すると、シートベルト装着
時あるいは装着中においては、ベルト３の引出し方向に
対してリール４の中心軸線Ｙ”−Ｙ’が直角になるよう
にフレーム１が回動して傾斜しベルト３の引出しを滑ら
かにする。

一方、フレーム１０回動時に、第２ギヤ部材３２も第３
ギヤ部材３３に沿って回動し、第１ギヤ部材３１も第２
ギヤ部材３２０回動に伴って回動する。

このとき、第１ギヤ部材３１と第３ギヤ部材３３３とは
同一ピッチ円にしてあるため、第１ギヤ部材３１はフレ
ーム１の傾斜角と同−角度分だけ反対方向に回動する。

従って、ケース８等よりなる加減速度感知部は常に同一
姿勢を保持され、正常状態で加減速度を感知する。

なお、この発明は上述の実施例に限定されるものではな
く、例えば上述の実施例においては、加減速度感知部に
球体７を用いて加減速度を感知したが、加減速度により
揺動する振子を用いて感知するようにしてもよい。

また、上述の実施例においては、ロックバー６において
ロツクバー作動部材９の棒状部材９ｂとの接触点の周囲
を半球状の凹部にしたが、ロツクバー作動部材９の上昇
変位量を余裕をもたせて太きく設定すれば上記凹部を設
けなくとも十分にロックバー６を作動させることができ
る。

さらに、第２実施例において、第１ギヤ部材３１と第３
ギヤ部材３３との回動の伝達に第２ギヤ部材３２を用い
たが、チェーンあるいはベルトにより伝達する構成にし
てもよい。

以上述べたようにこの発明装置においては、車体に印加
される加減速度を感知してベルトの引出しを抑止する加
減速度感知部を有するシートベルト巻取り装置において
、前記加減速度感知部を一定の姿勢に保持する定姿勢保
持装置を備えているから、加減速度感知部を常に一定の
姿勢に保持でき、ベルトを引出しやすくするため巻取り
装置を傾斜させても加減速度感知部の機能を損なうこと
なく、完全に発揮させて非常時にベルトの引出しを完全
に抑止でき、しかもシートベルト巻取り装置の取付姿勢
が制限されないという優れた効果がある。

又、前記定姿勢保持装置はフレーム１０強度部材２に対
する回動運動（回動角）を加減速度感知部のケース８に
動力伝達手段となるリンク機構又はギヤ部材又はチェー
ン又はベルトで伝達することにより構成しているから、
フレーム１を車両に取付けさえすれば自動的に正しい姿
勢で加減速度感知部を車両内に設置することができると
いう効果があり、フレーム１の取付け姿勢が変化した場
合でも常に正しく加減速度感知部の姿勢を保つことがで
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシートベルト巻取り装置を示す模式斜視
図、第２図、第３図はそれぞれこの発明装置の第１実施
例を示す正面図、部分断面側面図、第４図は第３図に示
したロックバー６の拡大断面図、第５図はこの発明装置
の第１実施例の作動説明に供する正面図、第６図、第７
図はそれぞれこの発明装置の第２実施例を示す正面図、
部分断面側面図である。 ３・・・・・・ベルト、γ，８，９・・・・・・加減速
度感知部をなすそれぞれ球体、ケース、ロツクバー作動
部材、２０，３０・・・・・・それぞれ定姿勢保持装置
をなす４節リンク機構、ギヤトレイン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車両の強度部材２に第１の取付具２ａにより該第１
   の取付具２ａを中心に回動自在に取付けられたフレーム
   １、該フレーム１に回動可能に懸架されておりベルト３
   を巻取るリール４、該リール４に一体に形成されたラチ
   ェット歯をもつフランジ４ｂ、前記フレーム１に揺動可
   能に支持され前記フランジ４ｂのラチェット歯と係合し
   て前記リール４の回転を停止させるロックバー６、前記
   車両がうける加減速度により揺動する金属体７をもち所
   定値以上の加減速度で前記ロックバー６を駆動し該ロッ
   クバー６を前記フランジ４ｂのラチェット歯に係合させ
   る加減速度感知器と、そのケース８、該ケース８を前記
   フレーム１に第２の取付具１１，３５により該第２の取
   付具ＩＬ３５を中心として回動自在に保持するケース支
   持部材１０，３４、および、前記第１の取付具２ａおよ
   び前記強度部材２に対する前記フレーム１０回動運動を
   前記ケース８に伝達し前記フレーム１の前記強度部材２
   に対する取付角度が変化しても前記ケース８の前記強度
   部材２に対する取付角度が実質的に変化しないようにす
   るリンク機構２０とギヤ部材３１，３２，３３とチェー
   ンとベルトのうちいずれかから或る動力伝達手段を備え
   たことを特徴とするシートベルト巻取り装置。