JPS5818992Y2 - 砂型鋳型に用いられる押湯保温用スリ−ブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は砂型鋳型の型合せ面で縦分割して使用される押
湯保温用スリーブに関する。

最近、鋳物特にダクタイル鋳鉄品や鋳鋼品の鋳造に際し
ては、押湯効果の増大、押湯歩留の向上を計るため、鋳
造方案上その押湯部に断熱タイプもしくは発熱タイプの
保温用スリーブを用いることが多い。

このスリーブは鋳物の鋳造方案（押湯形状）に応じて、
例えば゛第１図乃至第４図に図示する如く、横断面円形
のもの１ａ、楕円形のもの１ｂ、また各種断面形状の開
放型のもの１０、あるいは盲押湯用としてドーム型のも
の１ｄなど、その形状およびサイズは種々である。

しかして、この保温用スリーブを用いて砂型鋳型を造型
する場合、スリーブが即ち押湯部が鋳型の型合せ面に位
置しないときは、通常の造型作業の場合のように平面的
に模型上にスリーブをセットして行えばよく別設問題と
はならないが、例えば第５図、第６図のように、スリー
ブ１即ち押湯部４が鋳型５の型合せ面６に位置するとき
は造型上問題となる。

この場合、一体スリーブのままでは造型できないため、
従来その造型方法としては、スリーブを除）いて鋳型を
造型した後あらためてスリーブを押湯部に嵌め込むか、
又は予じめ鋳型の型合せ面に応じて縦分割した分割スリ
ーブを用い鋳型と共に別々に造型して型合せする方法が
採られている。

ところが、前者の方法によると、造型後押湯部とそれに
嵌め込むスリーブのサイズとが合わない場合が多く、造
型工程に面倒な手作業による後処理を要するばかりでな
く、その部分に所定の造型状態を確保するのに難があり
、ひいては鋳造品質上トラブル発生の原因となり易い問
題がある。

従って、分割スリーブを利用する方法によるのが゛より
好適て゛あるが、後者の方法によると、所定形状に製作
された一体スリーブを鋳型造型時にその分割位置で切断
して使用に供さねばならない。

この場合スリーブの切断方法としては、鋸刃やカッター
などを用いて行うのが通例であるが、やはり熟練を要す
る手作業に属するため、簡単能率的には行えず、分割精
度も必ずしも正確を期し難い問題がある。

そこで本考案は、かかる問題点を解消するため、型合せ
面に応じて縦分割して使用される押湯保温用スリーブに
、予めその位置でスリットを設け、分割作業の簡便化並
びに分割精度の向上を計るようにしたものである。

第７図乃至第１０図は、先に掲げた第１図、第２図のも
のに対応して図示する本考案の実施例であり、図中２が
スリット、３が未だ切断されていない連結部分である。

このスリット２は、第７図、第８図のように、スリーブ
外面側から切込んで形成したものでもよいし、第９図、
第１０図のようにスリーブ内面側から切込んで形成した
ものでもよい。

一方、各スリーブｌａ、ｌｂのスリット２より未だ切断
されていない連結部分３は、その使用時には切断作業が
容易に行え、使用前の保管時には取扱いにより容易に破
断することなく所定の一体形状に保持される程度の厚み
を有するのがよく、この観点より、通常ｌ〜２ｍｍ厚の
連結部分３を残すようにするのが好適である。

第１１図、第１２図はこの連結部分３について例示する
もので、第１１図はスリーブ１の一側に連続した連結部
分３ａを設けた場合であり、第１２図はスリーブ１に断
続的な連結部分３ｂを設けた場合である。

スリーブ分割位置における連結部分３の残し方は、上記
観点に合致するものであれば、その他自由に変更するこ
とができる。

スリーブを縦分割して使用する場合では、図示実施例に
見るように、これを半分づつに分割して造型するのが通
例であるが、鋳型の分割状態によりこれを偏分側しなけ
ればならないとき或いは複数分割しなければならないと
きも変る処がなく、その分割位置でスリットを設ければ
よい。

このように、本考案に係る押湯保温用スリーブでは、そ
の分割位置に応じて予めスリットを設けるものであるが
、このスリットの形成には切削など格別の工程を要しな
いものである。

即ち、この種スリーブを製作するに当っては、スリーブ
形状に応じる金型を用いて一体成形するのが通例である
が、この金型にスリットに対応する突起を設ければ、ス
リーブの成形と同時に所定のスリットが形成されたもの
が難なく製作されるのである。

以上のようにして、その分割位置にスリットを設けた、
本考案の押湯保温用スリーブを使用すれば、この種分割
スリーブを必要とする砂型鋳型の造型に際し、その分割
作業が簡単かつ精度よく行え、作業能率が改善されると
共に押湯部を正確に造型することができ、従来のように
スリーブと押湯部のサイズが合わないことによる鋳造品
質上の問題も解消される。

なお、分割スリーブを得る他の手段として、スリーブ製
作時からその形状毎に分割して成形することもできるが
、この場合にはその製作工数が増す欠点があり、またス
リーブが強度の低いものであって、分割成形した場合で
はその変形を防止できず、使用時まで正確な形状寸法を
維持できない欠点があり、本考案のスリーブの使用にま
さるところのないものである。

すなわち、本考案の押湯保温用スリーブにあっては、そ
の使用にさいし分割されるまでは一体物として拘束され
ているため、分割型のもののように製作後作管しておく
と、乾燥につれて変形するといった不具合を生じないこ
ともその大きな特長である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は押湯保温用スリーブの形状例を表わ
し、第１図、第２図は横断面図であり、第３図、第４図
は縦断面図である。 第５図と第６図は分割スリーブを用いる鋳型の例を表わ
し、第５図は縦断面図、第６図は平面図である。 第７図乃至第１０図は本考案の実施例を表わす横断面図
であり、第１１図と第１２図は同じくそのスリット位置
における縦断面図である。 １・・・・・・スリーブ、２・・・・・・スリット、３
・・・・・・連結部分、４・・・・・・押湯部、５・・
・・・・鋳型、６・・・・・・型合せ面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 砂型鋳型の造型にさいしその型合せ面で縦分割して使用
   される押湯保温用スリーブであって、予めその分割位置
   で該スリーブにスリットを設けて形成することを特徴と
   する砂型鋳型に用いられる押湯保温用スリーブ。 。