JPS5818500Y2 - 建築物又は構築物の面板施工構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、建築物又は構築物のコンクリートを打ち込
んだコンクリート打設面（例えば屋根等）に防火、防水
又は化粧等の目的をもって敷設される面板（屋根板等）
を水平に又は所望の傾斜状態で施工する建築物又は構築
物の面板施工構造に関するものである。

建築物又は構築物のコンクリートを打ち込んだ屋根又は
これに相当する部分には、防火性の向上、雨水による浸
蝕、滲透等の外部からの影響防止又は外観的体裁上、コ
ンクリート打設面をそのまま露出しておくのではなく、
面板を敷設することが多い。

ところが屋根等にコンクリートを打設する場合、コンク
リート自体あまり流動性がないため、その打設面を平ら
にすることは難かしく、一般にある方向に傾斜したり、
或いは部分的に凹凸が発生したりする。

このコンクリート打設面に屋根板を敷設しても、屋根全
体がコンクリート打設面に対応して一部が傾斜したり或
いは凹凸ができて、平らに施工することは甚だ困難であ
った。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、その
特徴は、屋根等のコンクリート打設面に雌ネジ穴を有す
るアシ力を複数本埋設し、これらアンカにボルトとナツ
トにより位置決金具をレベル出しして取付け、この金具
を基準として利用することにより、コンクリート打設面
の表面状態とは関係なく、屋根板等の面板を傾斜や凹凸
なく水平に又は所望の傾斜で敷設できるようにした面板
施工構造にある。

また、面板の敷設施工の際、位置決金具間にたる木部材
を架設して固定するのであるが、実際の施工時、金具と
たる木部材の固定位置が多少異なることがあるため（例
えば、コンクリート打設面内部の鉄筋が邪魔になって所
望位置にアンカを埋設できない等による埋設誤差、組付
は時の施工誤差等により生じる）、多少余裕をもって固
定できるように構威しである。

以下、本考案を適用した屋根の一実施例を図面により説
明すると、１・・・・・・はアンカで、本実施例の場合
、その略中央で軸方向に雌ネジ穴２を設けである。

そして、使用に際しては、コンクリートの打ち込み時、
所望位置（例えば、後述するようにたる木部材を支持す
る位置）に揃えて列状にコンクリート打設面３に埋設す
る。

この場合、コンクリート打設面の表面状態を特に正確に
することがなく、アンカド・・・・・もその高さ位置を
大体にしてよいがら簡単かつ迅速に行なうことができる
。

次に、コンクリートの硬化を待って、アンカド・・・・
・の雌ネジ穴２にボルト４を挿入して螺着せしめる。

しかしボルト頭部４ａの下面に溝型下向きの位置決金具
５をその略中央に形成した凹部５ａに穿設した取付穴６
を介して嵌め込み、その下方からナツト７を螺着して固
定する。

このようにして位置決金具５を固定したボルト４を、こ
の金具５がレベル出しした位置になるようにして、例え
ばアンカド・・・・・の列に糸や板をあてがって水準器
等によりレベル出しをしたその位置までアンカド・・・
・・の雌ネジ穴２に螺着し、したる後、予めボルト４に
螺着させておいたナツト８をアンカネジ穴端部１ａに下
して螺着係合させて、固定する。

これにより、各位置決金具５・・・・・・の上面を結ぶ
線が、コンクリート打設面３の凹凸又は傾斜状態に拘わ
らず、水平に又は所望の傾斜状態になる。

本実施例の場合、位置決金具５は第３図に示すように、
プレス等により成形され、両側縁を下向き延部として補
強した溝型としであるが、特に限定されず、場合によっ
ては単なる平板であってもよい。

また、略中央に凹部５ａを設け、ボルト４の頭部４ａを
収納するようにしであるが、これに限らず、頭部４ａが
突出するようにしてあってもよい（ただ、後述するよう
この上面に架設されるたる木部材が平板形状の場合は凹
部５ａがあった方が好ましい）。

このようにして固定した各位置決具５・・・・・・の少
なくとも２以上の金具、例えば屋根のいずれかの方向に
一列に揃えた金具間に、溝型のたる木部材９を下向きに
して架設する。

この場合、たる木部材９は特に限定されず、木材等であ
ってもよいが、本実施例では金属材からなり、左右の側
面部下端を外向に延出させて縁部１０，１０を形成し、
この縁部１０を上記金具５の上面に載せるようにしであ
る。

このたる木部材を溝型としたのは、強度の向上と同時に
、溝の上面と縁部により形威される段部空間を後述する
ように断熱空間等として利用するためで、場合によって
は、単なる平板としてのたる木部材であってもよい。

平板の場合は、上述のようにボルト頭部４ａが金具５の
凹部５ａに収納される構造が好ましい。

そして、上記たる木部材９と位置決金具５との具体的固
定は特に限定されないが、重合された縁部１０と金具５
の上面に夫々透孔１０ ａ 、５ ｂを設け、これら透
孔１０ ａ 、５ ｂにボルトとナツトやバンド等から
なる固定手段１５を装着して行なってもよいし、或いは
この部分を溶接してもよい。

上記ボルトとナツトの固定手段による場合、実際の施工
時、各透孔１０ ａ 、５ ｂが多少喰い違うことがあ
る。

例えば、コンクリート打設面の鉄筋が邪魔になって所望
位置にアンカが埋設できないこと、アンカがコンクリー
ト打設時、動くこと等により埋設位置に誤差が出た場合
、組付は時の施工により誤差が出た場合等に生じるため
、多少余裕がもてるように各透孔１０ ａ 、５ ｂを
誤差を吸収する方向に長孔とすることが好ましい。

本実施例の場合、透孔５ｂをたる木部材９に直交する方
向に長くしてたる木部材９の幅方向の誤差を吸収し、透
孔１０ ａをたる木部材９の軸方向に長くして軸方向の
誤差を吸収するようにしである。

また、長孔の代りに小孔を複数−列に穿設してもよい。

したがって、アンカの埋設、各部分の施工をあまり気を
使うことなく迅速に行なうことができる。

このようにして屋根のコンクリート打設面３上に複数本
のたる木部材９・・・・・・を所望間隔をおいて並列す
る。

このたる木部材上面に屋根板としての面板１１・・・・
・・を並べて敷設する。

屋根板としては公知の種々のものを使用できるが、例え
ば上縁に上向Ｕ字型に形威した保合部１２を設けるとと
もに、下縁に下向Ｕ字型に形成した係止部１３を設けた
ものを用いる場合には、たる木部材９の上面部に長さ方
向に切起爪１４を形威し、この爪先端の下向鉤型止着部
１４′を上記係合部１２に嵌め込み、ハンマ等で叩いて
止着せしめる。

次に、この部分に隣接する他の屋根板の係止部１３を被
せて係止させ、順次、屋根板を敷設すればよい。

このようにして敷設された屋根板はアンカ１に固定され
た位置決金具５がレベル出しされることから、一部分で
傾斜したり部分的に凹凸することなく、全体として高い
精度をもって水平に又は所望の傾斜状態に施工される。

そして、さらに必要な場合には、隣り合うたる木部材９
，９の縁部１０，１０間に野地板１６を渡し、屋根板１
１との間に空間を設け、この空間に本実施例の場合のよ
うに断熱材１７を充填して断熱効果の向上を図ってもよ
いし、又は空間のままにし軒先がらの空気を入れて棟か
ら排気するようにするが、或いは結露空間として利用す
るようにしてもよい。

以上から明らかなように本考案によれば、建築物又は構
築物のコンクリート打設面に、打設の平面性とは関係な
く、簡単かつ迅速に面板を水平にしたり所望の傾斜状態
に施工することができる。

また、位置決金具とたる木部材の固定は多少余裕をもっ
て行なうことができるようにしであるため、アンカの埋
設誤差、組付は時の施工誤差があっても何等支障なく確
実なレベル出しによって迅速に行なうことができる。

尚、上述の実施例においては、コンクリート製屋根の場
合について説明してきたが、本考案は屋根の場合に限ら
ず、同様の問題を有する他のコンクノート打設面に面板
を施工する場合にも、その要旨を変更しない範囲で応用
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を適用した屋根の一実施例を示すもので、
第１図は一部分解斜視図、第２図は要部の拡大縦断面図
、第３図は位置決金具の斜視図である。 １・・・・・・アンカ、２・・・・・・アンカの雌ネジ
穴、３・・・・・・コンクリート打設面、４・・・・・
・ボルト、５・・・・・・位置決金具、９・・・・・・
たる木部材、１１・・・・・・面板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建築物又は構築物のコンクリート打設面に、雌ネジ穴を
   軸方向に形成したアンカを複数本適宜列に揃えて埋設し
   、上記アンカに頭部に位置決金具を固定したボルトを位
   置決金具かレベル出しした位置になるようにして螺着す
   るとともに、該ボルトのアンカネジ穴端部をナツトで固
   定し、位置決金具と位置決金具間に架設するたる木部材
   とにほたる木部材の長手方向及び幅方向の誤差を吸収す
   るための透孔を設けて上記位置決金具間にたる木部材を
   架設し、該たる木部材間に面板を敷設したことを特徴と
   する建築物又は構築物の面板施工構造。