JPS5815533B2 - ハンダツケセイノ スグレタヨウユウアエンメツキコウハン オヨビ セイゾウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアルミニウムを含んだ溶融匝鉛メッキ鋼板のハ
ンダ付は性をアルカリ性エツチングによって改良した亜
鉛メッキ鋼板の製造法に関するものである。

従来、溶融亜鉛メッキ鋼板のハンダ付は性を改善する方
法としてはメッキ浴にハンダ合金の構成元素である錫を
１０％未満の範囲で添加することによってメッキ層の溶
融温度を低下させる方法が公知であるが、この方法の場
合には第１図に示されているようにアルミニウムを含有
していない亜鉛浴に適用した場合にだけはハンダ付は性
の向上に有効ではあるが、現在連続メツキラインにおい
て広く使用されている亜鉛−アルミニウム浴の場合には
錫の添加効果はほとんど認められていない。

第１図は溶融能鉛メツキ鋼板の亜鉛被覆中のＡ１、Ｓｎ
含有量と・・ンダ拡がり特性との関係を示し、図中、曲
線■はＡｌ ： ０％、Ｓｎ ： ５％、曲線■はＡ１
：０．２％、Ｓｎ ： １０％、曲線ＩＩＩはＡｌ：０
．２％、Ｓｎ ： ５％、曲線■はＡｌ：０．２％、Ｓ
ｎ：１％、曲線■はＡｌ：０．２％、Ｓｎ 二Ｏ％の場
合を示す。

逆に次表に示したように溶融亜鉛メッキ鋼板の亜鉛被覆
中のＡＩ、Ｓｎ 含有量と密着曲げ加−Ｌ性との関係か
ら判るように錫を添加することによって得られたメッキ
鋼板の曲げ加工性が低下するという欠点を有している。

従って従来法の錫を含んだ亜鉛−アルミニウム浴を用い
てメッキされた溶融亜鉛メッキ鋼板は錫を含有していな
い亜鉛メッキ鋼板と比較すると、軽度の加工に供し、得
るだけであり、更にハンダ付は件の改善程度が小さいか
ら下記するような問題点を有して℃・る。

（１）ハンダ付は部分の接合強度を大きくするためには
多量のハンダおよびフラックスを必要とするので、当然
接合部のフラックスの除去が困難となる場合を生じる。

（２）ハンダの拡がり速度が小さいので、自動ハンダ付
は方式を採用した場合に、そのライン速度を遅くする必
要が生じ、結局ハンダ接合時の生産性が低下する。

以上のような加工性、ハンダ付は性などの材質特性上の
諸問題点に加えて実際に工業的規模の溶融メツキライン
で浴に錫を添加し、且つ錫の含有量を一定水準に保持す
ることは作業性の低下、浴成分管理の困難性および製造
コストの上昇を招き極めて実用性に乏しい方法である。

之に対し本発明は従来法のようにメッキ層の化学組成を
変動させることなく、優れたハンダ付は性を有する溶融
亜鉛メッキ鋼板を提供すると共にメッキ浴成分を変更す
ることなく簡単な後処理を行なうことだけで溶融亜鉛メ
ッキ鋼板のハンダ付は性を向上させる方法をも提供する
ものである。

本発明の基本原理は溶融亜鉛メッキ鋼板のハンダ付は性
に関して次の事実を発見したことによるものである。

すなわち、連続式溶融亜鉛メツキラインで一般に使用さ
れている亜鉛−（０，１〜０．３：重量％アルミニウム
浴で鋼板をメッキすると、その最表面層には酸化亜鉛以
外に酸化アルミニウムが生成される。

その他、原料素材、装置などから不可避的に亜鉛浴中に
混入し来たるアルミニウム以外の易酸化性元素、例えば
チタン、クロム、シリコン、鉄すどが混入されて来ると
、それぞれの元素の酸化物が単独またはスピネル型酸化
物として複合した形で生成される。

之らの安定な酸化物が・・ンダ付は時のフラックスによ
る活性化を阻害しているために、一般の溶融亜鉛メッキ
鋼板のハンダ付は性は低水準に止まっている。

上記知見に基ついて最表面層の酸化物を通常の溶融亜鉛
メッキ鋼板に比べて少な（することによりハンダ付は件
の優れた溶融亜鉛メッキ鋼板を発明するに到ったもので
ある。

更に本発明は上記酸化物の除去方法としてエツチング法
を用いることも含んでいる。

すなわち、公知方法で製造された溶融亜鉛メッキ鋼板に
対してアルカリ性エツチング液を作用させて最表面層の
酸化物層を除去することにより該メッキ鋼板のハンダ付
は性を向上させることをその内容としている。

しかも本発明の溶融亜鉛メッキ鋼板は通常の状態で保管
する場合には最表面層の酸化物が除去された状態を保持
することができるので工業的利用価値は大きい。

本発明法はハンダ付は性を向上させる方法として極めて
簡単であるので作業性を阻害したり、製造コストを大幅
に上昇させない利点があり、またバング付は性の良好な
製品として現在ターンシートが使用されているが、鉛公
害の点から問題がある。

本発明方法により処理した材料は之に代替させることも
できる。

本発明は耐食性、加工性が共に優れているハンダ付は件
の要求される弱電機器や自動車関連部品などに対し有効
である。

以下、実施例を挙げて更に具体的に説明する。

本実施例に用いた試験材はアルミニウムを０．２１重量
％含有する溶融亜鉛メッキ鋼板でありすべてメッキ層が
凝固する直前に微細水滴を吹き付けることによって、ス
パングルの発生を抑えた板厚０．８ｍｍ、亜鉛メッキ厚
２０〜２５μの溶融亜鉛メッキ鋼板で、クロメート処理
は附与していないものである。

そしてハンダ付は件の評価基準としては次に記すハンダ
拡がり特性の良否を採用した。

すなわち２８０℃に保持したハンダ浴上に５０ｍｍ×５
０ｍｍＸ ０．８ ｍｍの寸法の試１験片を静置し、試
験片上に、Ｐｂ／Ｓｎ；５０１５０ハンダ（ロジン系フ
ラックス入り、直径：２ｍｒｒｔの糸ハンダ）を０．２
６６５１切り出してリング状に形成したものを置いて、
その加熱に伴なう拡がり挙動を測定した。

すなわち第２図におけるＴｏ、ｔａｎα、ＳｅおよびＴ
ｅの大小によって試１験材のハンダ付は性を評価した。

第２図における Ｔｏ ；拡がり開始時間（ｓｅｅ ） ｔａｎα；初期拡がり速度（ｍｎ／ ｓｅｅ ）Ｓｅ
；平衡拡がり面積（ｍＡ ） Ｔｅ ；平衡到達時間（ｓｅｃ ） である。

なお、本発明を適用しない比較材のハンダ拡がり特性は
次の通りである。

拡がり開始時間（ｓｅｅ ） ： ５ 初期拡がり速度ＣｍｙＡ／ ｓｅｃ ） ； ５平衡拡
がり面積（ｍ７７）；５０ 平衡到達時間（ｓｅｃ ） ： ３０ 実施例 １ 試験材を９０ ’Ｃの１５％ＮａＯＨ浴に９０秒間浸漬
したところ、第３図に示すようにハンダ拡がり性が改善
された。

図中、曲線Ａは比較材、曲線Ｂは実施例１、曲線Ｃは実
施例２の場合を示す。

（比較材） 拡がり開始時間（ｓｅｅ ）・・・・・・・・・ ５
（５）初期波がり速度（ｍａ／ ｓｅｃ ）・・・
１．４（５）平衡波がり面積（７１１７ｉｌ）・・・・
・・・・・・・・１０５ （５０）平衡到達時間（ｓ
ｅｅ ）・・・・・・・・・・・・ １８ （３０）
となり、ハンダ付は性は著しく改善された。

すなわち、本発明を適用しない比較材に対して初期波が
り速度が約３倍、平衡波がり面積が約２倍、そして平衡
到達時間が約％になっており、先に記した従来材の有す
る諸欠陥が著しく低減された。

実施例 ２ 試験材を市販のアルカリ系エツチング剤（商品名：ＮＰ
クリーナー＋１０５Ｆ、日本ペイント株式会社製）の８
０°Ｃ１１５％浴に２秒間浸漬した結果、その・・ンダ
拡がり特性は第３図に示すように改善された。

すなわち （比較材） 拡がり開始時間（ｓｅｅ ）・・・・・・・・・ ４
（５）初期波がり速度（ｍｊ／ ｓｅｃ ）・・・
１６ （５）平衡波がり面積（ｍＡ ）・・・・・・
・・・・・・１４５ （５０）平衡到達時間（ｓｅｅ
）・・・・・・・・・・・・ １６ （３０）とな
り、そのハンダ付は性は大きく向上した。

すなわち、比較材のハンダ付は性に対して本実実施のそ
れは初期波がり速度が約３倍、平衡波がり面積が約３倍
、そして平衡到達時間が約％になっており、先に記した
従来技術による溶融亜鉛メッキ鋼板の有する諸欠陥は著
しく軽減された。

その結果、一定の接合強度を得るために必要なハンダ量
は従来材の％となり、且つ自動ハンダ付はラインにおい
てはそのライン速度を約３倍にまで増大させることがで
き、生産性の大幅な向上が可能となった。

以上のように公知の方法に従って製造された溶融亜鉛メ
ッキ鋼板に対して、本発明に成るエツチング処理を附与
し、極表層に生成されている酸化物層を除去することに
よって、極めて容易にハンダ付は性を向上させることが
できた。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般試聴材のハンダ拡がり特性面、第２図は従
来公知方法によって亜鉛被覆中に錫を添加した場合の加
熱保持時間とハンダ拡がり特性との関係を示したもので
あり、第３図は本発明溶融亜鉛メッキ鋼板のハンダ拡が
り特性を示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 最表面層に形成されている酸化物の大部分ないし全
   部をアルカリ性エツチングすることによって除去し溶融
   亜鉛メッキ鋼板の・・ンダ付げ性を向上させたハンダ付
   は性の優れた溶融亜鉛メッキ鋼板の製造法。