JPS5815467Y2 - 加熱接着布

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【考案の詳細な説明】本考案は逆滲みを防止した加熱接着布に関するものであ
る。

従来より、織物、編物、不織布等の基布の一方表面には
感熱性接着剤を施してなる加熱接着布は例えばアイロン
接着性衣料芯地等として広く使用されている。

然し乍ら、これら加熱接着布においては、一般に逆滲み
又はストライクバックという現象がしばしば生じること
が知られている。

；れはアイロン或はヒートプレス機等によって加熱接着
布を他の布地と貼合わせる際に接着剤が基布の裏側に逆
に滲み出すという現象である。

この逆滲み現象があると、接着剤がアイロン或は、プレ
ス機の鏝面に付着し後の作業を妨げることになる。

このため接着剤の組成や密度等を調節することにより上
記の問題点を克服しようとする試みもなされているが、
接着力その他の性質により限界があり、汎用的な解決方
法にはならない。

本考案は上記の点に鑑み考案されたもので感熱接着剤及
び基布の種類の如何に拘らず完全に逆滲みを防止し得る
ような構造の加熱接着布を提供する。

即ち、本考案は基布の一方表面側に感熱性接着剤が付着
されており、この付着個所に対応する反対面側には植毛
加工が施こされてなる加熱接着布である。

つまり本考案においては逆滲み現象により基布の裏側に
浸透した感熱性接着剤を植毛繊維層により遮蔽し、これ
により逆滲み現象による障害を防止しようとするもので
ある。

植毛には散村法、吹付法、静電植毛法等の従来公知の方
法が利用でき、植毛繊維としては、綿、羊毛、絹、麻等
の天然繊維、ナイロン、ポリエステル等の化学繊維等が
使用できる。

しかし、植毛繊維は感熱性接着剤との関係で選択するこ
とが好ましく、感熱性接着剤と親和性の少ない植毛繊維
を選ぶことが好ましい。

植毛加工用接着剤には加熱接着布の接着温度では影響を
受けないものを選ぶ必要があり、又用途に応じて耐洗濯
性、耐ドライクリーニング性のある接着剤等を選択する
ことが好ましい。

又本考案における植毛方法として好適な方法を述べれば
、基布として不織布を用いる場合、不織布を作成する一
段階において即ち繊維ウェブに結合剤液を含浸した後、
その結合剤液が乾燥する前に植毛繊維を基布に散村、吹
付し、そして結合剤液を乾燥、硬化することによって植
毛を施す方法である。

つまり不織布の構成繊維相互間を結合すると同時にその
結合剤によって植毛繊維を基布に固定するという植毛方
法である。

植毛加工は感熱性接着剤が付着している個所に対応する
基布の反対面の個所に施すことが必要であり、感熱性接
着剤の付着工程と同期させて同時に植毛加工を施しても
良く、又別々の工程を採用しても良い。

感熱性接着剤の付着した個所に対応する部分のみに植毛
加工を施すことが困難な時には全面に植毛加工を施して
も良い。

本考案は以上のように構成されているので、いかなる基
布、或はいかなる感熱性接着剤の場合にも適用でき、そ
れぞれの場合の逆滲み現象に対し、植毛繊維の種類や植
毛密度を任意に変更して対処し得るという利点を有する
。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の加熱接着布の模式的断面図であり、図中の
１は感熱性接着剤、２は基布、３は植毛を示す。

【実用新案登録請求の範囲】