JPH049559B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一槽式脱水洗濯機のすすぎ方法に関す
る。

従来例の構成とその問題点 従来一槽式脱水洗濯機においては、洗濯後のす
すぎ法として、衣類撹拌用パルセーターを回転さ
せつつ槽内に給水を行ういわゆる「給水すすぎ」
があつた。しかしこの方法は使用水量が多い欠点
があり、１回目のすすぎを、槽内に一時水を溜め
て給水を止めてゆすぎ作業を行う、いわゆる「た
めすすぎ」をとり入れたりした。しかしながらこ
れらの方法では水槽内に一時水を溜める必要があ
り、通常の家庭用脱水洗濯機においては一回の水
槽内に給水される水量は35前後が必要となり、
まだまだ節水化への取り組みが必要とされてい
た。

そこでたとえば特公昭52−32185にて提案され
たように、脱水兼洗濯槽を回転させながら給水を
行つたり、慣性回転時に給水を行つたりするいわ
ゆる脱水すすぎ方法が節水効果をもたらすものと
して提案された。

しかしながら上例の脱水兼洗濯槽を慣性回転せ
しめての給水は、たとえ脱水洗濯槽が回転低下し
た途中においての給水であつても、内部の衣類に
給水が当つた場合は、水のとびはねが生じ水槽ま
たは脱水兼洗濯槽の上方開放端より水滴等がとび
出す恐れがあつた。

前記水はねを防止するためには、たとえば特開
昭51−18150（特公昭57−48239）にて提案された
「洗濯機の注水口」のように多数の***を形成し、
いわゆる水をシヤワー状に給水せしめて水飛びは
ねを解消せんとするものである。この場合、注水
口を複雑な形型にする必要があることや、給水終
了後の水切りが悪く、若干大きい径の穴を水切り
用として必要とし、その径大穴から流出する水は
水飛びはねを生じる危検性もあつた。

発明の目的 本発明は、前記従来のすすぎ方法の欠点を留意
し、注水時の水はねを防止するとともに節水効果
をもつ脱水洗濯機のすすぎ方法を提供することを
目的とするものである。

発明の構成 前記目的を達成するため、本発明は一槽式脱水
洗濯機において、少なくとも１回のすすぎ工程
を、洗濯工程終了後の排水工程および泡切り断続
脱水回転を経て一時脱水兼洗濯槽を停止させ、そ
の後に水槽底部排水弁を開放しつつ脱水兼洗濯槽
を間欠徐動回転させ、前記すすぎ工程時間内に少
くとも１回転以上させつつ、かつ、給水用電磁弁
の動作を連続または断続的に給水させるすすぎ工
程を有するプログラムを構成したものである。

実施例の説明 以下本発明の実施例を図面にもとづき説明す
る。

第１図は本発明に係れる脱水洗濯機の縦断面図
である。

図において外箱１内にはその上部角隅より複数
本の支持桿２にて水槽３を垂下防振支持してい
る。前記水槽３内には側壁あるいは底部に多数の
小孔４を有する脱水兼洗濯槽５を回転可能に配し
ている。水槽３の外底部には、駆動用モーター
６、軸受箱７および水路開閉用排水弁８および排
水弁駆動用兼脱水制動開閉用電磁弁９を固着して
いる。外箱１の上方にはパネル部１０を載置する
とともに、その内部に、給水電磁弁１１を設けて
いる。前記給水電磁弁１１を開放すると外部給水
ホース１２より給水口１３を介して、脱水兼洗濯
槽５の上方開口縁に固着した環状バランスリング
１４の内径部より内部に給水される。

なお脱水兼洗濯槽５の内底部には衣類撹拌用の
パネルセーター１５を回転自在に配し、洗たく時
には水槽３内に水を溜めて撹拌を行う。

さて洗濯工程終了後、水槽３内の水を排水弁８
を開放して排出し、しかる後に脱水兼洗濯槽５内
の石けん分を含んだ洗濯水を排出を行う。さらに
その後、モータに断続通電を行い脱水兼洗濯槽５
を徐々に回転数を上昇せしめる等、いわゆる間欠
脱水駆動を行い、急激に脱水兼洗濯槽５の回転を
上昇せしめないで、石けん水が水槽内で多量の発
泡を生じないようにせしめつつ泡切り脱水運転を
行う。所定の泡切り脱水運転終了後、脱水兼洗濯
槽５の回転を一時完全に停止する。衣類１６は第
１図に示すように若干の遠心力により、脱水兼洗
濯槽５の側壁近傍に密着状態となる。一方、この
状態から給水電磁弁１１を開放し、槽内に給水を
行う。このとき、給水は連続的でも間欠的に行つ
ても良い。これは給水実運転の合計時間により設
定されるものである。

一方水槽外底部の排水弁８は開放状態とし衣類
を透過した水は排出するようにしておく。

給水口１３は、とくに複雑な形状にする必要は
ないが、できるだけ脱水兼洗濯槽５の側壁に給水
がなされるように給水方向を設定し、遠心力で側
壁に片寄つた衣類に給水が当たるようにする。

さて以上の状態でさらに脱水兼洗濯槽５は電磁
弁９の動作により脱水制動（ブレーキ）が解除さ
れているので脱水回転は可能な状態となる。こゝ
で駆動用モーター６に極めて短時間の通電と、若
干長いためのOFF状態の繰返しを行い、極めて
徐動回転を行う。したがつて脱水兼洗濯槽５は、
通常の脱水回転に至らない単なる移動に近いよう
な回転を生じせしめる。

よつて給水は、従来のような脱水兼洗濯槽の回
転による反発にて水滴が飛び散ることはない。

この徐動回転はたとえば新すすぎ工程時間が１
分間とすれば、最高でも５回転する位にとどめる
ことが望ましい。

以上の工程を経て後、脱水兼洗濯槽５を再び泡
切り脱水を行い、衣類に含まれた水、洗剤分を遠
心力にて除去する。なおこの新すすぎ後の泡切り
脱水は、すでに衣類中の洗剤分は希釈されている
ため、急激な脱水回転上昇をさせても水槽内の発
泡は多量に発生する恐れは無いので、通常脱水回
転をさせても良いし、洗濯排水後の間欠駆動運転
に順じて間欠駆動を行つてもより安全となるし、
いずれの手段を採用しても良い。いずれもタイム
スイツチあるいは、近年多用されるに至つたマイ
クロコンピユーター使用の電子化されたタイマー
等の、接点切換えカムあるいは、マイクロコンピ
ユータのステツプ数等の制約等から設定されて良
いものである。

さて以上の給水間欠徐動によるすすぎおよびそ
の後の泡切り脱水の工程を経た後は、第２回目の
すすぎに移行するが、第２回目のすすぎは、従来
通りの、水槽３内に水を溜めて、パルセーター１
５を回転せしめる従来の撹拌方式によるすすぎを
行うようにする。これは、洗剤分等は本発明の方
式により充分希釈されるが、衣類に付着せる糸く
ず、ごみ等は、パルセーター１５の回転撹拌によ
り離脱せしめる方がより効果的である。

第２図は本発明の新すすぎ方法を行う工程稼動
図である。各工程時、給水電磁弁１１、モーター
６および排水電磁弁９の通電動作状態を示す。

第３図は第２図の間欠脱水の時限例と、徐動回
転の時限例を示す。実施例では、泡切り間欠駆動
を４秒ON−６秒OFFの通電をモーター６に印加
せしめて急激な回転数の上昇を防止しつつゆるや
かな脱水回転上昇をせしめている。一方第３図ｂ
は徐動回転の時限例で、極めて微小時間0.3秒の
ON通電と約２秒間のOFF時限をモーター６に印
加せしめた。

第４図は、上記泡切り脱水の間欠駆動時におけ
る脱水兼洗濯槽の回転数の時間に対する上昇状態
と徐動回転時における状態を示す。両者の大きい
相違は、泡切り間欠駆動の脱水回転は、脱水兼洗
濯槽が停止することなく緩やかに回転が上昇する
ことにあるのに対し、徐動回転においては微小通
電（第３図では0.3秒と次の0.3秒の通電間）で脱
水兼洗濯槽が停止することにある。そして、すす
ぎ時間内に４〜５回位の回転を行えば給水が十分
衣類に当たることになる。

一般の家庭用洗濯機においては、容量が衣類乾
燥時の重量で３Kgｆ〜４Kgｆのものが主流であり
水槽内に入る水が約35〜50前後が多い。した
がつて従来のためすすぎ時においては、１回すす
ぎあたり上記の水量が必要となるが、本発明の徐
動回転を約１分間位実行すると通常の水道吐出量
は10〜15／分であり約25以上の節水効果を得
る。とくに衣類が少ない時は、通常水位スイツチ
（図示せず）で低水位容量に設定して洗たくを行
うが、容量によりいちいち水位スイツチの変更を
することを忘れる恐れがある。このようなときに
は本発明はとくにその効果を発揮するものであ
る。

発明の効果 以上本発明によれば、注水時の水はねを無く
し、かつ注水口に特に複雑な形状を形成する必要
もなく、簡単なる方式により、節水効果のあるす
すぎ方式を得ることができる。実施にあたつて
も、タイムスイツチあるいはマイクロコンピユー
ター等の時限設定のみで行えるので何らの支障も
ないものでありその価値は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施する脱水洗濯機の縦断面
図、第２図は本発明の１実施例の工程稼動図、第
３図ａ，ｂは同上要部時限例図、第４図は同上脱
水兼洗濯槽の回転状態を示す図である。 ３……水槽、５……脱水兼洗濯槽、６……モー
ター、８……排水弁、９……電磁弁、１１……給
水電磁弁、１３……給水口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外箱より垂下防振支持された水槽内に、脱水
   運転可能に脱水兼洗濯槽を配し、洗い、すすぎ、
   脱水等の一連の工程を、予め設定されたプログラ
   ムにて自動制御する一槽式脱水洗濯機のすすぎ工
   程の少くとも１回のすすぎ工程を、洗濯工程終了
   後の排水工程および泡切り断続脱水回転を経て一
   時脱水兼洗濯槽を停止せしめ、しかる後に水槽底
   部排水弁を開放しつつ脱水兼洗濯槽を間欠徐動回
   転せしめ、前記すすぎ工程時間内に少くとも１回
   転以上させつつ、かつ、給水用電磁弁の動作を連
   続または断続的に給水せしめ、槽の略外周近傍に
   落下せしめてなるすすぎ工程を有するプログラム
   を構成した脱水洗濯機のすすぎ方法。