JPH1199792A - ボールペンレフィール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡単で組立ても容易であるインキ逆流防
止用の弁機構付のボールペンレフィールを提供する。 【解決手段】ボールペンチップ３が継手２の先端に固定
されると共に、水性インキないしゲルインキが充填さ
れ、インキの後端にはインキの消費と共に追随するフォ
ロア１２が配置されたインキ収容管１が継手の後方に接
続されたボールペンレフィールにおいて、継手内に、ボ
ールペンレフィールを搭載した筆記具を上向きにしたと
きに弁ボール２３が着座する座部２２を有する弁室２１
を形成し、ボールペンチップの尾端開口縁に複数個の内
向き変形部３５を形成し、筆記具を下向きにしたとき
に、弁ボールが内向き変形部に当接してボールペンチッ
プの尾端開口にインキ通路３６を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、粘度の低い水性イ
ンキや、静的には高い粘度を有するがボールの回転によ
り粘度が低下するゲルインキが充填されたボールペンレ
フィールに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】粘度の高い油性インキと異なり、粘度の
低い水性インキやゲルインキを使用するボールペンレフ
ィールにおいては、インキの流動抵抗が小さくて筆記時
のインキ消費量が多いので、インキ収容管の径を太くし
てインキ収容量を多くしている。従って、インキの自重
や衝撃によりインキが逆流して、インキ収容管の尾端開
口から漏れるので、インキの後端に、筆記時のインキの
消費に追随して移動するグリース状の逆流防止体を配置
し、インキの逆流を防止している。

【０００３】しかしながら、かかる逆流防止体をインキ
の後端に配置しても、ボールペンレフィールを搭載した
筆記具を上向きにしたときに、ボールペンチップのボー
ル直下のインキがなくなって空気がインキ収容管の上部
に侵入すると、インキのヘッドが逆流防止体に直接かか
るため、グリース状の逆流防止体が分解して栓の役目を
果たさなくなり、インキが漏れることがある。

【０００４】このため、ボールペンチップとインキ収容
管を接続する継手内に弁機構を配置し、筆記具を上向き
にしたときに、弁機構が閉じてインキのヘッドが逆流防
止体にかからないようにしている。つまり、継手内に、
座部を有する弁室を形成してこの弁室内に弁ボールを配
置し、筆記具を上向きにしたときに、弁ボールが弁室の
座部に着座するようにしているものが多い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】かかる弁機構を有する
ボールペンレフィールにおいて、筆記具を下向きにして
通常の筆記をするとき、座部から落下した弁ボールがボ
ールペンチップの尾端開口を完全に塞ぐとインキが供給
されないので、弁ボールがボールペンチップの尾端開口
を塞がないようにする必要がある。

【０００６】このため従来は、例えば、弁室に弁ボール
を挿入した後に、内面に縦溝が形成された筒状部材を弁
室に打ち込み、筆記具を下向きにしたときに、弁ボール
がこの筒状部材の端部に当接すると共に、インキがこの
筒状部材の縦溝を通ってボールペンチップに供給される
ようにしている。しかし、かかる構造は、部品点数が多
くなり、組立てにも手間を要する不具合がある。

【０００７】そこで本発明は、構造が簡単で組立ても容
易であるインキ逆流防止用の弁機構付のボールペンレフ
ィールを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、先端ボールを回転自由に抱持したボー
ルペンチップが継手の先端に固定されると共に、水性イ
ンキないしゲルインキが充填され、インキの後端にはイ
ンキの消費と共に追随するフォロアが配置されたインキ
収容管が継手の後方に接続されたボールペンレフィール
において、継手内に、ボールペンレフィールを搭載した
筆記具を上向きにしたときに弁ボールが着座する座部を
有する弁室を形成し、ボールペンチップの尾端開口縁に
複数個の内向き変形部を形成し、筆記具を下向きにした
ときに、弁ボールが内向き変形部に当接してボールペン
チップの尾端開口にインキ通路を確保する。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施の形態を具体的に説明する。図１において、インキ
収容管１とボールペンチップ３は継手２により接続され
ている。インキ収容管１の内径は約８ｍｍφであり、油
性インキのボールペンに比べて大径になっている。そし
て、インキ収容管１内には、インキ１１が充填される
が、このインキ１１は、粘度の低い水性インキや、静的
には高い粘度を有するがボールの回転により粘度が低下
するゲルインキである。

【００１０】インキ１１の後端にグリース状の逆流防止
体１２が配置されている。また、逆流防止体１２内に
は、逆流防止体１２と同等の比重の樹脂からなる駒１３
が配置されている。駒１３はインキ収容管１の内径が大
きいときや、インキ１１の粘度が極めて低いときなど
に、グリース状の逆流防止体１２を補強するために配置
されるものであり、その形状は円柱体であるが、異形断
面を有する棒状、筒状、カップ状などであってもよい。
逆流防止体１２はインキ１１の後端面に接触し、インキ
１１の消費とともに追随して移動する。

【００１１】ボールペンチップ３先端のボールハウス３
２内には、図２に示すように、先端ボール４が、その一
部がボールペンチップ３から臨出した状態で回転自由に
抱持されている。そして、ボールペンチップ３の尾端開
口３４の縁部には、図４に示すように、３個の内向き変
形部３５が形成されている。なお、内向き変形部３５の
個数は３個に限られるものではない。

【００１２】ボールペンチップ３の内孔３３内にスプリ
ング５が配置され、スプリング５の尾端はこの内向き変
形部３５に当接して受け止められ、スプリング５の先端
直線部５２が先端ボール４を押圧している。従って、非
筆記時には、先端ボール４がボールペンチップ３の内向
き先端縁３１に圧接してボールペンチップ３の先端をシ
ールし、ボールペンチップ３先端からのインキの蒸発や
吐出を防止するようになっている。なお、使用するイン
キの粘度によっては、このスプリング５が必要ないこと
もある。

【００１３】継手２の内孔が弁室２１であるが、弁室２
１には、先端向きのテーパー状の座部２２が形成されて
いる。そして、弁室２１内には、外径が弁室２１の内径
よりもやや小さな弁ボール２３が前後動可能に配置され
ている。つまり、弁ボール２３と座部２２からなる弁機
構が内蔵されている。

【００１４】しかして、かかるボールペンレフィールを
搭載した筆記具を上向きにすると、図２に示すように、
弁ボール２３が座部２２に着座して弁機構が閉じる。従
って、ボールペンチップ３内のインキがインキ収容管１
に逆流せずにボールペンチップ３内に留まるとともに、
インキ収容管１内のインキ１１のヘッドが逆流防止剤１
２にかからない。従って、インキが逆流してインキ収容
管１の尾端開口から漏れ出すことがない。

【００１５】次に、筆記具を下向きにして筆記すると
き、図３に示すように、座部２２から離れた弁ボール２
３は、ボールペンチップ３に接触するが、ボールペンチ
ップ３の尾端開口３４の縁部に内向き変形部３５が形成
されているので、図４に示すように、仮想線で示す弁ボ
ール２３の先端部分は、複数個の内向き変形部３５に内
接する。従って、弁ボール２３がボールペンチップ３の
尾端開口３４を完全に塞いでしまうことがなく、インキ
通路３６が確保される。このため、先ずボールペンチッ
プ３内に留まっていたインキにより筆記可能になり、書
き初めの「かすれ」が生じないが、ボールペンチップ３
内に留まっていたインキを消費しても、ボールペンチッ
プ３の尾端開口３４が完全には塞がれずにインキ通路３
６が確保されているので、ボールペンチップ３内にイン
キ収容管１内のインキが供給され、筆記を続行すること
ができる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のボールペ
ンレフィールは、継手内に、ボールペンレフィールを搭
載した筆記具を上向きにしたときに弁ボールが着座する
座部を有する弁室を形成し、ボールペンチップの尾端開
口縁に複数個の内向き変形部を形成し、筆記具を下向き
にしたときに、弁ボールが内向き変形部に当接してボー
ルペンチップの尾端開口にインキ通路を確保するので、
上向き筆記や衝撃によるインキの逆流を防止できるが、
筆記具を下向きにしたときに、弁ボールがボールペンチ
ップの尾端開口を塞ぐことを防止する専用の部品が不要
になる。従って、部品点数が少なく、組立ても容易にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】ボールペンレフィールの説明図である。

【図２】本発明のボールペンレフィールの要部の断面図
であり、上向きにした状態を示す。

【図３】同じく、下向きにした状態を示す。

【図４】ボールペンチップの尾端形状の説明図である。

【符号の説明】

１ インキ収容管 １１ インキ １２ 逆流防止剤 １３ 駒 ２ 継手 ２１ 弁室 ２２ 座部 ２３ 弁ボール ３ ボールペンチップ ３１ 内向き先端縁 ３２ ボールハウス ３３ 内孔 ３４ ボールペンチップの尾端開口 ３５ 内向き変形部 ３６ インキ通路 ４ 先端ボール ５ スプリング ５２ 先端直線部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端ボールを回転自由に抱持したボール
   ペンチップが継手の先端に固定されると共に、水性イン
   キないしゲルインキが充填され、インキの後端にはイン
   キの消費と共に追随するフォロアが配置されたインキ収
   容管が該継手の後方に接続されたボールペンレフィール
   において、 前記継手内に、該ボールペンレフィールを搭載した筆記
   具を上向きにしたときに弁ボールが着座する座部を有す
   る弁室が形成され、ボールペンチップの尾端開口縁に複
   数個の内向き変形部が形成され、筆記具を下向きにした
   ときに、該弁ボールが該内向き変形部に当接してボール
   ペンチップの尾端開口にインキ通路が確保されることを
   特徴とするボールペンレフィール。
2. 【請求項２】 前記ボールペンチップ内に先端ボールを
   押圧するスプリングが配置され、該スプリングの尾端が
   該内向き変形部に当接していることを特徴とする請求項
   １記載のボールペンレフィール。