JPH1195455A - 静電記録紙 - Google Patents

静電記録紙

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JPH1195455A
JPH1195455A JP27065397A JP27065397A JPH1195455A JP H1195455 A JPH1195455 A JP H1195455A JP 27065397 A JP27065397 A JP 27065397A JP 27065397 A JP27065397 A JP 27065397A JP H1195455 A JPH1195455 A JP H1195455A
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JP
Japan
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electrostatic recording
recording paper
conductive
fine particles
conductive layer
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JP27065397A
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Takeshi Konno
武士 今野
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度で鮮明な画像を得ることができかつ着
色がほとんどない静電記録紙を提供すること。 【解決手段】 紙の表面に、導電性物質及び高分子バイ
ンダからなる導電層が設けられ、そして該導電層上に、
高分子バインダ及び絶縁性粒子からなり且つ該絶縁性粒
子が表面から部分的に突き出た状態にある誘電層が設け
られた静電記録紙において、該導電層の導電性物質が、
針状の導電性微粒子であることを特徴とする静電記録
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電記録紙に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、記録紙表面に電圧印加
により直接的に静電潜像を形成させ、その潜像をトナー
現像することにより可視画像とする静電記録方法に有利
に用いることができる静電記録紙に関する。特に、本発
明は、カラーグラフィック用あるいはCAD(computer
aided design) 用の静電記録プリンタあるいはプロッタ
を用いて画像を形成する静電記録方法に有利に用いるこ
とができる静電記録紙に関する。
【0002】
【従来の技術】上記の静電記録方法に使用される記録材
料としては、従来から紙の支持体上に、比較的電気抵抗
の低い導電層を設け、その上に厚さ数μmの電気抵抗の
高い誘電層(ポリマーと絶縁性微粒子を主成分とする)
が設けられた静電記録紙が広く知られている。そして静
電記録は、例えば静電記録紙の誘電層表面に記録電圧を
印加して静電潜像を形成させ、次いでこの潜像に、その
潜像の電荷と反対の電荷を持ったトナー(トナー溶剤分
散液)を静電力により付着させ、次いでこのトナー像を
自然乾燥又は風の付与により定着させることによって行
なわれる。誘電層には、電圧印加により一般に負の電荷
の潜像が形成されるが、その時、導電層に反対の電荷の
正の電荷が生じ、これにより誘電層に負の電荷の潜像が
固定される。導電層はこの潜像の固定のために設けられ
ている。このような機能が発現できるように、導電層は
比較的低い電気抵抗を持つように調整されている。
【0003】上記静電記録による可視画像の形成は、高
速記録が可能であること、記録エネルギーが他のシステ
ムに比べて小さいことから、従来から高速ファクシミ
リ、コンピュータ出力の高速記録に利用されている。静
電記録材料としては、従来は、上記のように支持体には
主に紙が使用されてきた。最近、集積回路の高密度化、
プリント基盤の多層化、建築構造物の高層化に伴い、こ
れらの図面の大型化と共にカラー化が求められている。
また、大型ポスター、電飾看板あるいはサインボードな
どの屋外で使用できるような大型のディスプレイを容易
に作成できるようなカラー画像が形成可能な大型システ
ムが求められている。このような要望に応えて、静電記
録の高速性を生かした各種図面、ポスターなどの大型の
精密カラー画像を高速で出力可能な大型の静電カラープ
ロッタが開発され、使用されるようになっている。この
ような大型カラープロッタを用いることにより幅広の大
きい寸法のカラー画像を容易に得ることができる。この
ような大型サイズの記録用の静電記録材料としては、上
記のような支持体に紙を用いた静電記録材料では、耐久
性や寸法安定性が充分とは言えず、支持体として耐久性
や寸法安定性に優れたポリマーフィルムを用いる記録材
料の使用が検討され、実際に使用されるようになってき
ている。
【0004】しかしながら、各種図面、ポスター等にお
いて、耐久性等を特に必要としない場合は、大型化され
てもなお紙の支持体も使用されている。但し、大型の静
電カラープロッタを用いた静電記録システムにおいて
は、導電層は広い面積で均一に表面抵抗を示すことが要
求される。
【0005】大型の静電カラープロッタを用いた静電記
録システムの代表的な構成を図2を参照しながら説明す
る。ローラ21から送り出された静電記録紙22は、記
録用の電圧を付与するマルチピン電極ヘッド23及び対
電極24の間を、静電記録紙32の誘電層が電極ヘッド
23に対向するように配置されて通過し、電極ヘッドか
ら誘電層に記録電圧が印加される。これにより誘電層に
静電潜像が形成される。次いで、潜像の電荷と反対の電
荷を有する黒色の液体トナーのトナーヘッド25Bが持
ち上げられて誘電層と接触し、黒色の液体トナーが潜像
部分にのみ塗布され、黒色液体トナーは潜像部分に付着
する。その後、潜像部分に付着した黒色液体トナーを乾
燥機27で乾燥させ、黒色のトナー画像を誘電層上に定
着させる。この間に、黒色のトナー画像が形成された長
さ分だけ、記録紙はローラ28に巻き取られるが、その
後、次のシアン色の画像を形成するために、ローラ28
に巻き取られた長さだけ、ローラ21に巻き戻される。
そして、上記黒色のトナー画像の形成と同様に、シアン
色の液体トナーのトナーヘッド25Cによりシアン色の
トナー画像を静電記録紙22の誘電層に形成させ、順に
マゼンタ色の液体トナーのトナーヘッド25Mによりマ
ゼンタ色のトナー画像、そして黄色の液体トナーのトナ
ーヘッド25Yにより黄色のトナー画像を形成させ、こ
れによりカラー画像を誘電層上に形成させる。
【0006】上記の静電記録方法では、マルチピン電極
ヘッドで誘電層上に記録電圧を印加した時、電極ヘッド
と静電記録紙の誘電層との微小空隙(以下ギャップとも
言う)に気中放電を発生させ誘電層表面に静電潜像を形
成し、次いで静電潜像を液体トナーにより現像して可視
画像とすることにより行なわれる。なお、電圧印加時に
放電をするように、電極ヘッドと静電記録紙の誘電層の
間に適度なギャップ(一般に7μm程度)を形成する必
要がある。このため、誘電層には絶縁性粒子(絶縁性ス
ペーサ粒子とも言う)を層の表面から突き出るように備
えられ、電極ヘッドはこの粒子表面に接触しながら上記
ギャップを保って電圧の印加が行なわれる。そして、こ
の電圧印加により誘電層には、負の電荷の潜像が形成さ
れるが、この時、前述したように比較的電気抵抗の低い
導電層にもこの負の電荷の潜像と反対の電荷の正の電荷
が生じ、これにより負の電荷の潜像が固定される。
【0007】導電層は、上記の潜像の固定を行なえるよ
うに、比較的低い電気抵抗を持つように調整されてい
る。従来、支持体が紙である静電記録紙は、比較的導電
性が優れていることから、導電層の導電剤として第4級
アンモニウム塩等を有する高分子導電剤が使用されてい
た(特開昭53−59427号公報)。しかしながら、
上記高分子導電剤を導電剤として使用した場合、環境湿
度の変化により、導電性が大きく変化することから、特
開昭63−38052号公報では、高分子導電剤と共に
金属酸化物粒子を導電層の形成材料として使用すること
が提案されている。しかしながら、本発明者の検討によ
れば、上記金属酸化物(その形状については記載されて
いないが、実施例では略球状のものが使用されいる)と
高分子導電剤を併用しても、充分に導電層の表面抵抗を
下げるには、かなり厚い(10μm程度)層とする必要
があり、これでは、静電記録紙がグレーに着色してその
白色度が低下し、得られる画像の鮮明性も低下するとの
問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】更に、本発明者の検討
によれば、前記大型の静電カラープロッタを用いた静電
記録システムにおいて、上記導電層(上記金属酸化物と
高分子導電剤を併用した導電層)を有する静電記録紙を
用いてカラー画像を形成した場合、フィルムの幅が大き
くなったことから、ゴースト(即ちアース不完全による
かぶり)が頻発するとの問題があることが明らかとなっ
た。また前記のように金属酸化物粒子によりフィルム全
体がグレー色となり、フィルムの透明性が充分に維持で
きないことからカラー画像の鮮明性も低下するとの問題
があることが明らかとなった。このようなフィルム全体
の着色は、前記の略球状の金属酸化物粒子は、紙の繊維
間に入り込み易く、大量に存在させないと導電性が現れ
難いためと考えられる。本発明は、高濃度で鮮明な画像
を得ることができ且つ着色がほとんどない静電記録紙を
提供することを目的とする。また本発明は、大型の静電
カラープロッタを用いて、即ち幅広の領域で静電記録を
行なっても、かぶりの発生がほとんどない静電記録紙を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、紙の表面に、
導電性物質及び高分子バインダからなる導電層が設けら
れ、そして該導電層上に、高分子バインダ及び絶縁性粒
子からなり且つ該絶縁性粒子が表面から部分的に突き出
た状態にある誘電層が設けられた静電記録紙において、
該導電層の導電性物質が、針状の導電性微粒子であるこ
とを特徴とする静電記録紙にある。
【0010】本発明の静電記録紙の好ましい態様は下記
のとおりである。 1)針状の導電性微粒子の長径(長軸)が0.2〜4μ
m(好ましく0.2〜2μm)である。 2)針状の導電性微粒子の長径の短径(軸径)に対する
比が3〜50の範囲(好ましくは20〜40の範囲)に
ある。 3)針状の導電性微粒子の短径(軸径)が0.01〜
0.04μmである。 4)上記導電層の導電性微粒子が、金属酸化物微粒子
(好ましくはアンチモンがドープされた二酸化錫(特に
アンチモンが0.2〜2.0%ドープされた二酸化
錫))である。 5)静電記録紙がカラー画像形成用(カラーグラフィッ
ク用)である。 6)導電層が、導電性微粒子を0.05〜1.0g/m
2 の範囲(好ましくは0.2〜0.9g/m2 の範囲)
で含む。 7)導電層の高分子バインダが、ポリエステル、アクリ
ル樹脂及び/又はゼラチンである。 8)静電記録紙が長尺状フィルムであり、その幅が、2
4〜54インチの範囲にある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の静電記録紙は、紙上に導
電層、及び誘電層が設けられた基本構成を有する。図1
に、本発明の静電記録紙の基本構成の断面図を示す。紙
11、その表面に設けられた導電層12、そして導電層
上に設けられた誘電層13から静電記録紙は構成され
る。誘電層13には、電圧印加により負の電荷の潜像が
形成される層である。この電圧印加の際、導電層12に
もこの負の電荷の潜像と反対の電荷の正の電荷が生じ、
これにより誘電層の負の電荷の潜像が固定される。従っ
て、導電層12は、電圧印加時の余剰の負の電荷をアー
スにより除去する機能も有するが、この潜像の固定する
機能が大きい。本発明では、上記導電層を有する紙の表
面抵抗が充分低く(例えば1.0×105 〜8.0×1
6 Ω程度)抑えられているので、大型の静電カラープ
ロッタを用いて、即ち幅広の静電記録紙に、静電記録を
行なっても、かぶりの発生がほとんどない。また導電層
の透明性が高いため、導電層を有する紙が着色がほとん
どなく輝かしい白さを示す。得られる静電記録紙に静電
記録した場合、高い画像濃度の鮮明なカラー画像が得ら
れる。
【0012】本発明の静電記録紙は、例えば、下記のよ
うにして製造することができる。静電記録紙の支持体と
して使用できる材料としては、紙であるが、原紙(例、
上質紙)、コート紙(例、アート紙、上質コート紙)、
合成紙を挙げることができる。紙の厚さは、特に制限は
ないが、100〜200μm、あるいは坪量30〜65
g/m2のものが取り扱い易く好ましい。
【0013】本発明の導電層は、針状の導電性微粒子
(好ましくは金属酸化物微粒子)と高分子バインダから
なる層である。紙上に導電層が設けられた状態で、その
表面抵抗率は低く、一般に1.0×105 〜8.0×1
6 Ωの範囲を示す。また、導電層自体が高い透明性を
有するので、得られる静電記録紙は紙の白さをそのまま
保持することができる。上記針状の導電性微粒子は、長
径(長軸)が0.2〜4μm(特に0.2〜2μm)の
範囲、短径が0.01〜0.04μmの範囲、そしてそ
の長径の短径(軸径)に対する比が3〜50の範囲(特
に20〜40の範囲)であることが好ましい。上記針状
の導電性微粒子としては金属酸化物微粒子が好ましい。
特に、アンチモンドープ二酸化錫(好ましくはアンチモ
ンが0.2〜2%ドーピングされた二酸化錫)を挙げる
ことができる。例えば、上記にような極めて微粒子の針
状金属酸化物を用いることにより、微粒子であることと
共に、微粒子により金属酸化物微粒子の均一な分散状態
が得られ、高い透明性が得られ易いと考えられる。ま
た、従来の略球状の金属酸化物微粒子は、紙の繊維間に
入り込み易く、大量に存在させないと導電性が現れ難い
が、本発明の針状の金属酸化物微粒子の場合、針状であ
るため紙内に入り込み難く、導電性が得られ易いと考え
られる。さらに、針状の金属酸化物微粒子は、細長い形
状のため、数が少なくても互いに接触し易いことから
も、導電層の電気抵抗も低下し易くなると考えられる。
【0014】上記導電層に使用される針状の導電性微粒
子は、アンチモンドープ二酸化錫からるものでなくて
も、例えばFe、Cu、Ni、Ag等の金属、Ni−C
r等の合金、ZnO、SiO2 、TiO2 、Al2
3 、In23 、MgO、BaO及びMoO3 等の金属
酸化物でもよい。上記導電層は、一般に、上記のように
針状の金属酸化物微粒子が高分子バインダ中に分散され
た層であるが、針状の金属酸化物微粒子に共に、必要に
応じて、Fe、Cu、Ni、Ag等の金属粉末、Ni−
Cr等の合金粉末、ZnO、SiO2 、TiO2 、Al
23 、In23 、MgO、BaO及びMoO3 等の
金属酸化物;あるいは四級アンモニウム塩、スルホン酸
塩を有するポリマー等のなど高分子電解質を、使用する
ことができる。
【0015】導電層の形成に使用される高分子バインダ
としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、
スチレン、メチルスチレン、ブタジエン、アクリル酸、
アクリル酸アルキルエステル(炭素原子数2〜4のアル
キル基)、メタクリル酸アルキルエステル(炭素原子数
2〜4のアルキル基)、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、無水マレイン酸あるいはアクリロニトリルの各単独
重合体、及びこれらのモノマーから選ばれる少なくとも
二種からなる共重合体(例、アクリル樹脂、スチレン・
ブタジエン共重合体);ポリエステル、ゼラチン及びポ
リアミド(例、ナイロン)を挙げることができる。アク
リル樹脂、ポリエステル、ゼラチンが好ましい。本発明
の導電層は、例えば、上記針状の金属酸化物粒子を上記
ポリマー溶液(好ましくは水溶液)に分散させた塗布液
を、紙の表面に塗布、乾燥することにより形成すること
ができる。導電層は、金属酸化物粒子等の導電性微粒子
を0.05〜1.0g/m2 の範囲で含むことが好まし
く、特には0.2〜0.9g/m2 の範囲で含むことが
好ましい。
【0016】誘電層は、高分子バインダ及び絶縁性粒子
(絶縁性スペーサ粒子)からなる層であるが、さらに導
電性微粒子を含むことが、かぶりの発生防止の点から好
ましい。上記高分子バインダとしては、体積固有抵抗が
1×1012Ω・cm以上(好ましくは1×1012〜1×1
15Ω・cm)の樹脂を使用することが好ましい。そのよ
うな樹脂例としては、酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂/
塩化ビニリデン共重合体、アクリル樹脂((メタ)アク
リル酸エステルの重合体又は共重合体)、ブチラール樹
脂、シリコン樹脂、ポリエステレル樹脂、フッ化ビニリ
デン樹脂、ニトロセルロース樹脂、スチレン樹脂、スチ
レン/アクリル系モノマー共重合体(例、スチレン/ア
クリロニトリル共重合体)、ウレタン樹脂、塩素化ポリ
エチレン樹脂、ロジン、ロジン誘導体及びロジンを挙げ
ることができる。これらは単独で使用しても、二種以上
混合して使用してもよい。
【0017】上記絶縁性粒子としては、一般に体積固有
抵抗が1×108 Ω・cm以上(好ましくは1×1010
1×1015Ω・cm)の無機粒子又は有機ポリマー粒子が
使用される。無機微粒子の材料しては、酸化ケイ素、酸
化チタン、アルミナ、酸化鉛、酸化ジルコニウム等の金
属酸化物;炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、硫酸バ
リウム等の塩類;を挙げることができる。有機ポリマー
粒子の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン;でんぷん;スチレン/ジビニルベン
ゼン共重合体;メラミン樹脂;エポキシ樹脂;フェノー
ル樹脂;フッ素樹脂;を挙げることができる。これらの
絶縁性粒子は、単独でも、2種以上混合して用いても良
い。上記絶縁性粒子の平均粒径は、安定した放電を得る
ために誘電層の表面から突出していることが必要であ
り、通常誘電層の膜厚より大きい。一般に、1〜20μ
mの範囲である。絶縁性スペーサ粒子と高分子バインダ
ーとの重量比は、0.5/100〜100/100の範
囲にあることが好ましい。絶縁性スペーサ粒子の量がこ
の範囲より少ない場合は、放電の安定性が低下し、この
範囲より多いと透明性が損なわれる。
【0018】上記導電性微粒子としては、体積固有抵抗
が1×10-6〜1×104 Ω・cmを有する材料が一般に
使用される。その材料の例としては、Al、Cr、C
d、Ti、Fe、Cu、In、Ni、Pd、Pt、R
h、Ag、Au、Ru、W、Sn、Zr及びIn等の金
属、ステンレス、真鍮及びNi−Crなどの合金;酸化
インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バ
ナジウム、酸化ルテニウム及び酸化タンタルなどの金属
酸化物;ヨウ化銅などのハロゲン化金属を挙げることが
できる。
【0019】好ましい導電性微粒子として、表面が導電
性物質で被覆された中空構造を有する無機微粒子又有機
ポリマー微粒子、表面が導電性物質で被覆された有機ポ
リマー微粒子を挙げることができる。これら分散安定性
が良好で、好ましい。導電性物質を被覆する前の中空構
造を有する微粒子は、無機微粒子でも、有機ポリマー微
粒子でも良い。無機微粒子の材料としては、SiO2
Na2 O−B23 、SiO2 −Na2 O、SiO2
23 を挙げることができ、SiO 2 −Na2 O−B
23 が好ましい。有機ポリマー微粒子としては、アク
リル樹脂(例、ポリメチルメタクリレート);ポリスチ
レン;エポキシ樹脂等を挙げることができ、アクリル樹
脂が好ましく、特にポリメチルメタクリレートが好まし
い。上記微粒子の表面を被覆する導電性物質としては、
前記導電性微粒子の材料を挙げることができる。上記無
機又は有機微粒子と金属等の導電性物質の重量比は、1
0/1〜10/50の範囲が好ましい。
【0020】上記導電性微粒子の平均粒径は、一般に1
〜20μmの範囲であり、1〜10μmが好ましい。導
電性微粒子と高分子バインダの重量比が、0.0002
/100〜0.02/100の範囲にあることが好まし
い。導電性粒子が上記範囲より少ないと、かぶりの発生
を充分に抑え難く、この範囲より多い場合は、画線の肥
大化及び掻き傷状の画像抜けが発生し易い。
【0021】誘電層は、例えば、高分子バインダーを適
当な有機溶剤に溶解し、この溶液に絶縁性スペーサ粒子
と導電性微粒子、あるいはこれらの分散物を加え、ボー
ルミル等の分散機を用いて分散させることにより誘電層
形成用塗布液を得、そしてこの塗布液を絶縁性フィルム
上に設けられた導電層上に塗布、乾燥することによって
得られる。
【0022】有機溶剤の例としては、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類を挙げ
ることができる。また塗布液の固形分は、一般に5〜2
5重量%であり、10〜20重量%が好ましい。誘電層
の層厚は、一般に0.5〜20μmの範囲である。
【0023】このようにして得られる本発明の静電記録
紙は、前記図2で示した大型の静電記録カラープロッタ
のみならず、大型の種々のプロッタあるいはプリンタ
に、有利に使用することができる。
【0024】
【実施例】
【0025】 [実施例1] (導電層形成用塗布液) ポリエステル樹脂(固形分として) 5 重量部 (ペスレジンA515GB、高松油脂(株)製) 針状酸化スズ(Sbドープされたもの、Sb:0.95 wt %) 100 重量部 (FS−10D、長径:0.2〜2.0μm、 短径(軸径):0.01〜0.2μm、 長径/短径:20〜30、固形分20wt%、石原産業(株)製) 界面活性剤 5 重量部 (EMALEX−W160、日本エマルジョン(株)製) 水 890 重量部 この塗布液を、坪量40g/m2 の上質紙の表面に、塗
布し、130℃で2分間乾燥して、膜厚0.56μm
(針状酸化スズ量が500mg/m2 )の導電層を形成
した。
【0026】 (誘電層形成用塗布液) ポリエステル樹脂(固形分として) 25 重量部 (バイロン300、東洋紡(株)製) ポリエステル樹脂(固形分として) 80 重量部 (バイロン200、東洋紡(株)製) ロジンエステルガム(固形分として) 5 重量部 (AA−L、荒川化学工業(株)製) 絶縁性粒子(平均粒径:8.6μm、 10 重量部 ユニストロールR100K、三井石油化学(株)製) 塩化リチウム 1 重量部 トルエン 640 重量部 メチルエチルケトン 125 重量部 シクロヘキサノン 70 重量部
【0027】この塗布液を、上質紙上の上記導電層の表
面に塗布した後、120℃で2分間乾燥して、乾燥膜厚
が3μm(3g/m2 )の誘電層を形成した。こうして
上質紙の上に、導電層及び誘電層が設けられた静電記録
紙を得た。
【0028】[比較例1]導電層形成用塗布液として、
Sbドープされた針状SnO2 の代わりにSbドープさ
れた球状SnO2 (商品名:T−1、Sb:0.95 wt
%、平均粒径:0.1μm、三菱マテリアル(株)製)
を同量用いた以外は実施例1と同様に作製し、この塗布
液を使用して実施例1と同様に導電層を形成した後、実
施例1と同様にして誘電層を形成して静電記録紙を得
た。
【0029】[比較例2]導電層形成用塗布液として下
記の塗布液を使用して、下記のように導電層を形成した
後、実施例1と同様にして誘電層を形成して静電記録紙
を得た。 (導電層形成用塗布液) ポリビニルベンジルトリメチルアンモニムクロライド 100 重量部 (15%水溶液) 導電性微粒子(商品名:T−1、球状SnO2 、 100 重量部 Sb:0.95 wt %、平均粒径:0.1μm、三菱マテリアル(株)製) 界面活性剤 5 重量部 (EMALEX W160、日本エマルジョン(株)製) 水 690 重量部 この塗布液を、上質紙の表面に、塗布し、140℃で1
分間乾燥して、膜厚0.5μm(酸化スズ量が200m
g/m2 )の導電層を形成した。
【0030】[静電記録紙の評価] (1)得られた静電記録紙の色相 得られた静電記録紙を、支持体として用いた上質紙の上
に置き、目視でその着色の程度を上質紙と比較して、下
記のように判定した。 AA:上質紙の白色に変化はなかった。 BB:上質紙の白色がややグレー色を示した。 CC:上質紙の白色がグレー色を示した。 (2)画像の鮮明さ(明るさ) 静電カラープロッター(8954SeriesIII 、ゼ
ロックスC.G.S.(株)製)を用いて、得られた静
電記録紙の誘電層上に、カラー画像を形成した。得られ
た画像の鮮明さ、目視で観察し、下記のように判定し
た。 AA:画像が極めて鮮明で、コントラストが明確であ
る。 BB:画像がやや不鮮明で、コントラストも充分でな
い。 CC:画像が不鮮明でコントラストが悪い。 (3)かぶり 静電カラープロッター(8954SeriesIII 、ゼ
ロックスC.G.S.(株)製)を用いて、得られた静
電記録フィルムの誘電層上に、カラー画像を形成した。
かぶりの発生の有無を目視で判定した。 AA:かぶりの発生が見られない。 CC:かぶりの発生が見られる。
【0031】上記評価結果を表1に示す。
【0032】 表1 ───────────────────────────── 色相 画像の鮮明さ かぶり ───────────────────────────── 実施例1 AA AA AA ───────────────────────────── 比較例1 BB BB BB 比較例2 CC CC BB ─────────────────────────────
【0033】
【発明の効果】本発明の静電記録紙は、上記導電層の表
面抵抗率が低く、透明性が高いため、誘電層を設ける前
の紙と同様な白さの記録紙が得られるので、静電記録に
より鮮明なカラー画像が得られる。また、本発明の静電
記録紙は、導電層の表面抵抗率が低く、かつ層全体が一
定の値に制御されているため、大型の静電カラープロッ
タを用いて、即ち幅広の静電記録紙に、静電記録を行な
っても、かぶりの発生がほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電記録フィルムの基本構成を示す断
面図である。
【図2】本発明に使用することができる大型の静電カラ
ープロッタを用いた静電記録システムの代表的な構成を
説明するための図である。
【符号の説明】
11 紙 12 導電層 13 誘電層 21、28 ローラ 22 静電記録紙 23 マルチピン電極ヘッド 24 対電極 25B 黒色の液体トナーのトナーヘッド 25C シアン色の液体トナーのトナーヘッド 25M マゼンタ色の液体トナーのトナーヘッド 25Y 黄色の液体トナーのトナーヘッド 27 乾燥機

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の表面に、導電性物質及び高分子バイ
    ンダからなる導電層が設けられ、そして該導電層上に、
    高分子バインダ及び絶縁性粒子からなり且つ該絶縁性粒
    子が表面から部分的に突き出た状態にある誘電層が設け
    られた静電記録紙において、該導電層の導電性物質が、
    針状の導電性微粒子であることを特徴とする静電記録
    紙。
  2. 【請求項2】 該導電性微粒子の長径が0.2〜4μm
    の範囲にあり、その短径が0.01〜0.04μmの範
    囲にあり、そして長径の短径に対する比が20〜40の
    範囲にある請求項1に記載の静電記録紙。
  3. 【請求項3】 該導電性微粒子が、金属酸化物微粒子で
    ある請求項1又は2に記載の静電記録紙。
  4. 【請求項4】 該導電性微粒子が、アンチモンがドープ
    された二酸化錫である請求項1〜3のいずれかに記載の
    静電記録紙。
  5. 【請求項5】 該静電記録紙がカラー画像形成用である
    請求項1〜4のいずれかに記載の静電記録紙。
JP27065397A 1997-09-16 1997-09-16 静電記録紙 Withdrawn JPH1195455A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011529198A (ja) * 2008-07-25 2011-12-01 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 液体電子写真印刷で使用される複合コーティング及び基体並びに方法

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JP2011529198A (ja) * 2008-07-25 2011-12-01 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 液体電子写真印刷で使用される複合コーティング及び基体並びに方法
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