JPH1195265A - 電子輸送性積層膜またはホール輸送性積層膜、それを用いたエレクトロクロミック素子および有機エレクトロルミネッセント素子 - Google Patents

電子輸送性積層膜またはホール輸送性積層膜、それを用いたエレクトロクロミック素子および有機エレクトロルミネッセント素子

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JPH1195265A
JPH1195265A JP9270490A JP27049097A JPH1195265A JP H1195265 A JPH1195265 A JP H1195265A JP 9270490 A JP9270490 A JP 9270490A JP 27049097 A JP27049097 A JP 27049097A JP H1195265 A JPH1195265 A JP H1195265A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なった電子輸送性材料を積層することによ
り、または異なったホール輸送層を積層することにより
電子輸送性やホール輸送性を強化したり、抑制したりす
るための技術および前記技術を応用したエレクトロクロ
ミック素子、有機エレクトロルミネッセント素子の提
供。 【解決手段】 異種の電子輸送性材料の積層膜または異
種のホール輸送性材料の積層膜であって、分子平面が基
板と平行になるような状態で、かつその分子の酸化電位
または還元電位の順番に積層されていることを特徴とす
る電子輸送性積層膜またはホール輸送性積層膜、それを
用いたエレクトロクロミック素子および有機エレクトロ
ルミネッセント素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な電子輸送性
積層膜またはホール輸送性積層膜、それを用いたエレク
トロクロミック素子、および有機エレクトロルミネッセ
ント素子(有機EL素子)に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック材料はその種類に
よって無機エレクトロクロミック材料と有機エレクトロ
クロミック材料に大別される。無機EC材料の中で、酸
化タングステン(tungsten oxide、WO
3)系は最も詳しく研究されており、安定な表示性能が
その特徴である。そのほか、酸化イリジウム(irid
ium oxide)、プルシアンブルーなど高速応答
性を特徴とする材料が研究されている。有機系では、ビ
オロゲン誘導体が最もよく検討されており、鮮明な表示
色が得られるのが特徴である。このほかに、多色化・高
速応答性などをめざして、有機金属錯体系、ビオロゲン
ポリマー、バソフェナントロリンスルホン酸(BP
2-)の高分子錯体などのエレクトロクロミック材料の
研究が進められている。
【0003】ビオロゲン誘導体(viologen d
erivatives)系エレクトロクロミック素子
は、表示電極と対向電極の間に、支持電解質を含むビオ
ロゲン系EC材料溶液が入った構造をとっている。表示
電極側に負電圧を印加すると、無色状態で溶媒に溶けて
いるビオロゲンジカチオンが還元されてラジカルカチオ
ンとなり、これは溶媒に対する溶解度が低いため、電極
上に析出する。このラジカルカチオンが可視領域に吸収
をもつため着色し、表示を行なうことができるものであ
る。そして、極く一般的なエレクトロクロミック素子の
構造は図1に示すようなものである。
【0004】従来から有機エレクトロルミネッセンス
(EL)素子の発光層、電子輸送層あるいはホール輸送
層として使用できる有機化合物としては、発光材料ある
いは電子輸送材料としては、p−テルフェニルやクアテ
ルフェニルなどの多環化合物およびそれらの誘導体;ナ
フタレン、テトラセン、ピレン、コロネン、クリセン、
アントラセン、ジフェニルアントラセン、ナフタセン、
フェナントレンなどの縮合多環炭化水素化合物およびそ
れらの誘導体;フェナントロリン、バソフェナントロリ
ン、フェナントリジン、アクリジン、キノリン、キノキ
サリン、フェナジンなどの縮合複素環化合物およびそれ
らの誘導体;フルオロセイン、ペリレン、フタロペリレ
ン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナ
フタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニ
ルブタジエン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベ
ンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペン
タジエン、オキシン、アミノキノリン、イミン、ジフェ
ニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾ
ール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニ
ン、キナクリドン、ルブレン等およびそれらの誘導体な
どが知られている。
【0005】また、特開昭63−295695号公報、
特開平8−22557号公報、特開平8−81472号
公報、特開平5−9470号公報、特開平5−1776
4号公報には、金属キレート錯体化合物、特に金属キレ
ート化オキサイド化合物である、トリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネ
シウム、ビス[ベンゾ(f)−8−キノリノラト]亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ム、トリス(8−キノリノラト)インジウム、トリス
(5−メチル−8−キノリノラト)アミルニウム、8−
キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノ
リノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノ
ラト)カルシウムなどの8−キノリノラトあるいはその
誘導体を配位子として少なくとも一つ有する金属錯体も
発光層および電子輸送層として好適に使用できる旨報じ
られている。
【0006】さらに、特開平5−202011号公報、
特開平7−179394号公報、特開平7−27812
4号公報、特開平7−228579号公報ではオキサジ
アゾール類、特開平7−157473号公報ではトリア
ジン類、特開平6−203963号公報ではスチルベン
誘導体およびジスチリルアリーレン誘導体、特開平6−
132080号公報や特開平6−88072号公報では
スチリル誘導体、特開平6−100857号公報や特開
平6−207170号公報ではジオレフィン誘導体が発
光層、電子輸送層として好適に使用できる旨報じられて
いる。
【0007】また、ホール輸送材料としては、例えばト
リアゾール誘導体(米国特許第3,112,197号明
細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国特許第
3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘
導体(特公昭37−16096号公報等参照)、ポリア
リールアルカン誘導体(特開昭55−156953号公
報、同56−36656号公報等参照)、ピラゾリン誘
導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,7
29号明細書、同4,278,746号明細書、特開昭
55−88064号公報、同56−88141号公報、
同57−45545号公報等参照)、フェニレンジアミ
ン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特
公昭51−10105号公報、特開昭54−11992
5号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第
3,180,703号明細書、同3,240,597号
明細書、同4,232,103号明細書、特開昭56−
22437号公報等参照)、アミノ置換カルコン誘導体
(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オ
キサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明
細書などに記載のもの)、スチリルアントラセン誘導体
(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノ
ン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、
ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明
細書、特開昭57−11350号公報、同57−148
749号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61
−210363号公報、同61−228451号公報等
参照)、ポルフィン、1,10,15,20−テトラフ
ェニル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、1,1
0,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポ
ルフィン亜銅(II)、5,10,15,20−テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)−21H,23H−ポル
フィン、シリコンフタロシアニンオキシド、アルミニウ
ムフタロシアニンクロリド、フタロシアニン(無金
属)、ジリチウムフタロシアニン、銅テトラメチルフタ
ロシアニン、銅フタロシアニン、クロムフタロシアニ
ン、亜鉛フタロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニウ
ムフタロシアニンオキシド、マグネシウムフタロシアニ
ン、銅オクタメチルフタロシアニンなどが知られてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、異なった電子輸送性材料を積層することにより、ま
たは異なったホール輸送層を積層することにより電子輸
送性やホール輸送性を強化したり、抑制したりするため
の技術を提供する点にある。
【0009】本発明の第二の目的は、前記技術を応用し
たエレクトロクロミック素子を提供する点にある。
【0010】本発明の第三の目的は、前記技術を応用し
た有機エレクトロルミネッセント素子を提供する点にあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、異種の
電子輸送性材料の積層膜または異種のホール輸送性材料
の積層膜であって、分子平面が基板と平行になるような
状態で、かつその分子の酸化電位または還元電位の順番
に積層されていることを特徴とする電子輸送性積層膜ま
たはホール輸送性積層膜に関する。
【0012】本発明の第二は、前記電子輸送性積層膜が
下記一般式(1)
【化12】 (式中、R1は、水素、アルキル基、
【化13】 よりなる群から選ばれた基であり、R2、R3、R4
5、R7およびR8は、水素、アルキル基およびアルコ
キシ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であ
り、R6は、水素、アルキル基、アルコキシ基およびア
ミノ基よりなる群から選ばれた基である)で示されるペ
リレンテトラカルボン酸イミド誘導体、下記一般式
(2)
【化14】 (式中、R2、R3、R4およびR5は、水素、アルキル基
およびアルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立して選
ばれた基である)で示されるペリレンテトラカルボン酸
無水物誘導体、下記一般式(3)
【化15】 (式中、R2、R3は、水素、アルキル基およびアルコキ
シ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であ
る)で示されるナフタレンテトラカルボン酸無水物誘導
体および、下記一般式(4)
【化16】 (式中、R11、R12、R13およびR14は、水素、アルキ
ル基およびアルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立し
て選ばれた基である)で示されるテトラピリジル−ポル
フィン誘導体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
化合物よりなる電子輸送性材料よりなる膜を含有するも
のである請求項1記載の電子輸送性積層膜に関する。
【0013】本発明の第三は、前記電子輸送性積層膜が
下記一般式(5)
【化17】 (式中、R1は、
【化18】 よりなる群から選ばれた基である)で示されるペリレン
テトラカルボン酸イミド誘導体、下記式(6)
【化19】 で示されるペリレンテトラカルボン酸無水物、下記式
(7)
【化20】 で示されるナフタレンテトラカルボン酸無水物、および
下記式(8)
【化21】 で示されるテトラピリジル−ポルフィンよりなる群から
選ばれた少なくとも1種の化合物よりなる電子輸送性材
料よりなる膜を含有するものである請求項1記載の電子
輸送性積層膜に関する。
【0014】本発明の第四は、前記ホール輸送性積層膜
が下記一般式(9)
【化22】 (式中、X1、X2、X3およびX4は、ハロゲンよりなる
群から選ばれた基であり、nは、0〜4の整数であり、
Mは、Li、Na、K、Cu、Ag、Be、Mg、C
a、Ba、Zn、Cd、Hg、Al、Ti、Sn、P
b、V、Sb、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、
PtおよびPdよりなる群から選ばれた金属または2原
子の水素である)で示されるフタロシアニン錯塩を含む
ものである請求項1記載のホール輸送性積層膜に関す
る。
【0015】本発明の第五は、請求項1、2、3または
4記載の電子輸送性またはホール輸送性積層膜を含むエ
レクトロクロミック素子に関する。
【0016】本発明の第六は、請求項1、2、3または
4記載の電子輸送性またはホール輸送性積層膜を含む有
機エレクトロルミネッセント素子に関する。
【0017】前記分子平面が基板と平行になるような状
態で電子輸送性材料またはホール輸送性材料を積層させ
る一つの方法は、NaCl単結晶のような規則性を有す
るベース基板上に第1の電子輸送性材料または第1のホ
ール輸送性材料をエピタキシャル成長させ、ついでこの
第1の電子輸送性材料または第1のホール輸送性材料よ
りなるエピタキシャル成長膜上に、第2の電子輸送性材
料または第2のホール輸送性材料をエピタキシャル成長
させることにより形成することができる。なお、仮の基
板となっている単結晶のような規則性をもつベース基板
は、第1の層をエピタキシャル成長させた後、第2の層
をエピタキシャル成長させた後あるいはそれ以上の複数
層をエピタキシャル成長させた後、任意の段階で溶解除
去し、液中に浮かんだ膜をITO被覆ガラス基板に写し
とることにより形成することができる。これに対して、
ITOガラス基板上に直接蒸着法により形成した膜は、
ITOガラス基板が無定形であるため、蒸着分子同志の
親和力が強く、分子同志が引き合う結果、蒸着された分
子平面はITO基板に対して垂直に並んだ状態となる。
本発明にかかる前記一般式(1)〜(8)で示される化
合物はいずれもn型半導性π電子系平面分子(電子輸送
性化合物の平面分子)を形成することができる。
【0018】本発明にかかる前記一般式(9)で示され
る化合物は、P型半導性π電子系平面分子(ホール輸送
性化合物の平面分子)を形成することができる。
【0019】前記特定の電子輸送性有機化合物のエピタ
キシャル成長積層薄膜は、繰り返しの電位掃引に対して
還元・再酸化を受け、電子移動が行われ、一方、ホール
輸送性有機化合物のエピタキシャル成長積層薄膜は、繰
り返しの電位掃引に対して酸化・再還元を受け、ホール
移動が行われる。
【0020】また、このようなエピタキシャル成長積層
薄膜は、積層順序によって電子輸送性積層膜の場合は電
子の流れを、ホール輸送性積層膜の場合はホールの流れ
を制御することができる。このような挙動は積層薄膜内
の電子移動による還元・再酸化挙動(サイクリックボル
タングラム)および電子スペクトルあるいはホール移動
による酸化・再還元化挙動および電子スペクトルの違い
に焦点を当てることにより解明することができる。
【0021】本発明の電子輸送性積層膜やホール輸送性
積層膜を電子輸送層あるいはホール輸送層として用いた
有機EL素子の具体的な構造としては何ら制限はないが
具体例を示すと、陽極/発光層/陰極、陽極/ホール輸
送層/発光層/陰極、陽極/ホール輸送層/発光層/電
子輸送層/陰極、陽極/ホール注入層/発光層/陰極、
陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/陰極、陽
極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層
/陰極、などが挙げられる。
【0022】本発明のエレクトロクロミック材料を用い
たエレクトロクロミック素子としては、公知のエレクト
ロクロミック素子の構造を採用することができる。その
1つの代表例を図2に示す。この素子は、セル全体の形
は結晶セルに似ており、透明電極とエレクトロクロミッ
ク材料の薄膜が積層されているガラス板と、必ずしも透
明であるとは限らない薄膜電極が付いているガラス板と
を対向させ、その間を電解液が充填されている構造であ
る。透明電極などの電極と電解液が接触すると腐蝕がお
こる場合には、このような個所は絶縁膜で覆うのが通例
である。また対向電極は無色であるとは限らないので、
この場合には背景層を設け、対向電極が見えないように
する。この背景層としては多孔質のアルミナ(白色)な
どを用いる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を説明するが、
本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0024】参考例1 ITOガラス基板をジクロルメタンおよび2−プロパノ
ールで超音波洗浄後乾燥し、実施例で用いるITOガラ
ス基板とした。この基板を250℃で1時間30分ベー
キングした後、真空機工社製の真空蒸着装置(VPC−
260)内に一定温度に保ち、10-5Torr下、蒸着
速度を1〜10nm/分に制御して一般式(5)におけ
るR1=Hで示されるペリレンテトラカルボン酸イミド
を60nmの厚みに蒸着した。このものを0.2モルd
-3LiClO4水溶液中、0〜−1.0Vの範囲で電
位を掃引したところ、電位掃引に伴い電流応答が得ら
れ、蒸着膜の色は表1に示すように変化し、エレクトロ
クロミック特性を有することが立証された。この蒸着膜
は図3に示すように繰り返しの電位掃引に対して安定な
サイクリックボルタンモグラム(CV)曲線が得られ、
可逆的エレクトロクロミズムを示すとともに電子輸送性
をもつことが分かる。
【0025】参考例2 参考例1のR1=Hの化合物のかわりに、R1=CH3
化合物を用いた以外は、参考例1を繰り返した。その結
果を表1に示す。図4は図3の作成と同様に得られた本
実施例蒸着膜の還元・再酸化に伴うCV曲線であり、可
逆的エレクトロクロミズムを示すとともに電子輸送性を
有することが分かった。
【0026】参考例3 参考例1のR1=Hの化合物のかわりに、R1=フェニル
基の化合物を用いた以外は、参考例2を繰り返した。そ
の結果を表1に示す。この蒸着膜もエレクトロクロミズ
ムを示すとともに電子輸送性を有することが分かった。
【0027】参考例4 参考例1のR1=Hの化合物のかわりに、
【化23】 の化合物を用いた以外は、参考例1を繰り返した。その
結果を表1に示す。この蒸着膜もエレクトロクロミズム
を示すとともに電子輸送性をもつことが分かった。
【表1】
【0028】参考例5 一般式(5)におけるR1=Hの化合物とR1=CH3
化合物とを参考例1の要領で共蒸着した。この共蒸着膜
は、それぞれの単独膜では得られない特異な電流応答が
得られた(図5参照)。この共蒸着膜は、2つの化合物
が非常に均一に分散しており、エレクトロクロミズムを
示し、また電子輸送性をもつことが分かった。
【0029】比較例1 一般式(5)におけるR1=Hの化合物であるペリレン
テトラカルボン酸イミドを同様の要領でまず蒸着し、つ
いで一般式(5)におけるR1=CH3化合物をさらに蒸
着して、積層蒸着膜を作った。積層蒸着膜の還元・再酸
化に伴うCV曲線は図6に示す。この積層蒸着膜もエレ
クトロクロミズムを示し、電子輸送性をもつことが分か
った。
【0030】比較例2 蒸着の順序を逆にした以外は比較例1を繰り返した。得
られた積層蒸着膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を図7
に示す。この積層蒸着膜もエレクトロクロミズムを示
し、電子輸送性をもつことが分かった。
【0031】参考例6 有機化合物として一般式(6)で示されるペリレンテト
ラカルボン酸無水物を選び、電位掃引範囲を0〜−0.
8Vとした以外は参考例1を繰り返した。この蒸着膜の
還元・再酸化に伴うCV曲線を図8に示す。この蒸着膜
もエレクトロクロミズムを示し、電子輸送性をもつこと
が分かった。
【0032】参考例7 一般式(6)の化合物のかわりに一般式(7)に示すナ
フタレンテトラカルボン酸無水物を用いる以外は参考例
6を繰り返した。この蒸着膜の還元・再酸化に伴うCV
曲線を図9に示す。この蒸着膜もエレクトロクロミズム
を示し、電子輸送性をもつことが分かった。またこの蒸
着膜の水溶液中における第一還元電位は−0.42Vを
示した。
【0033】比較例3 一般式(5)におけるR1=CH3で示されるジメチルペ
リレンテトラカルボン酸(Me−PTC)を参考例1の
要領でまず蒸着し、ついで一般式(7)で示されるナフ
タレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)を蒸着
し、積層蒸着膜を作った。この積層蒸着膜は基板面に対
して分子平面が垂直に配列された構造であった。この積
層蒸着膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を図10に示
す。この積層蒸着膜もエレクトロクロミズムを示し、電
子輸送性をもつことが分かった。
【0034】比較例4 積層順序を比較例3と逆にした以外は比較例3を繰り返
した。得られた積層蒸着膜の還元・再酸化に伴うCV曲
線を図11に示す。この積層蒸着膜もエレクトロクロミ
ズムを示し、電子輸送性をもつことが分かった。
【0035】比較例5 比較例1と同様にして、一般式(8)で示されるテトラ
ピリジル−ポルフィン(TPyPor)を先ず蒸着し、
ついで一般式(6)で示されるペリレンテトラカルボン
酸無水物(PTCDA)を蒸着して積層蒸着膜を作っ
た。この積層蒸着膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を図
12に示す。この積層蒸着膜もエレクトロクロミズムを
示し、電子輸送性をもつことが分かった。なお、この積
層蒸着膜の還元電位差は0.18Vを示した。
【0036】比較例6 比較例5の蒸着順序を逆にして積層蒸着膜を作った。こ
の積層蒸着膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を図13に
示す。この積層蒸着膜もエレクトロクロミズムを示し、
電子輸送性をもつことが分かった。なお、この積層蒸着
膜の還元電位差は0.69Vであった。
【0037】参考例8 KCl単結晶へき開面をもつKCl基板上に、一般式
(5)のR1=CH3で示されるジメチルペリレンテトラ
カルボン酸イミドのエピタキシャル成長薄膜をつくり、
これを水面に浮かべてKCl基板を溶解し、水面に残っ
た前記エピタキシャル成長薄膜をITOガラス基板に移
し取り、エピタキシャル成長薄膜を得た。このエピタキ
シャル成長膜のX線回折図を図14に示す。このエピタ
キシャル成長膜の0.2モルdm-3LiClO4アセト
ニトリル溶液中におけるCV曲線を図15に示す。この
エピタキシャル成長膜はエレクトロクロミズムを示すと
ともに電子輸送性を有する。このものの還元電位は−
0.51Vであった。
【0038】参考例9 参考例8のジメチルペリレンテトラカルボン酸イミドの
かわりに一般式(6)に示すペリレンテトラカルボン酸
無水物を用いた以外は参考例8と同様にしてペリレンテ
トラカルボン酸無水物のエピタキシャル成長膜を得た。
このエピタキシャル成長膜のX線回折図を図16に示
す。このエピタキシャル成長膜の0.2モルdm-3Li
ClO4アセトニトリル溶液中におけるCV曲線を図1
7に示す。このエピタキシャル成長膜はエレクトロクロ
ミズムを示すとともに電子輸送性を有する。このものの
還元電位は−0.43Vであった。
【0039】参考例10 参考例8のジメチルペリレンテトラカルボン酸イミドの
かわりに一般式(8)に示すテトラピリジル−ポルフィ
ンを用いた以外は参考例8と同様にしてテトラピリジル
−ポルフィンのエピタキシャル成長膜を得た。このエピ
タキシャル成長膜のX線回折図を図18に示す。このエ
ピタキシャル成長膜の0.2モルdm-3LiClO4
セトニトリル溶液中におけるCV曲線を図19に示す。
このエピタキシャル成長膜はエレクトロクロミズムを示
すとともに電子輸送性を有する。このものの還元電位は
−1.12Vであった。
【0040】実施例1 参考例8の要領で、まずテトラピリジル−ポルフィンの
エピタキシャル成長膜をつくり、さらにその上にペリレ
ンテトラカルボン酸無水物のエピタキシャル成長膜を形
成して、積層エピタキシャル成長膜を得た。このエピタ
キシャル成長膜のX線回折図を図20に示し、参考例8
と同様にして測定したCV曲線を図21に示す。このC
V曲線が示すように、図21によればテトラピリジル−
ポルフィン層とペリレンテトラカルボン酸無水物層の両
方が還元されており、電子が両層を通して移動すること
が可能であることが分かる。この積層エピタキシャル成
長膜はエレクトロクロミズムを示すとともに電子輸送性
を有し、この場合の還元電位差は0.69Vであった。
【0041】実施例2 積層順序を逆にした以外は実施例1を繰り返し、ペリレ
ンテトラカルボン酸無水物/テトラピリジル−ポルフィ
ンの積層エピタキシャル成長膜を得た。このエピタキシ
ャル成長膜のX線回折図を図22に示し、参考例8と同
様にして測定したCV曲線を図23に示す。このCV曲
線が示すように、図23はペリレンテトラカルボン酸無
水物層のみが還元されており、還元層の制御が可能であ
ることが分る。実施例1と2から積層順序をかえること
によって還元を制御できることが分かる。この積層エピ
タキシャル成長膜はペリレンテトラカルボン酸無水物の
みのエレクトロクロミズムを示し、テトラピリジル−ポ
ルフィリン膜には電子が輸送されていない。
【0042】実施例3 参考例8の要領で、まずテトラピリジル−ポルフィンの
エピタキシャル成長膜をつくり、さらにその上にジメチ
ルペリレンテトラカルボン酸イミドのエピタキシャル成
長膜を形成して、積層エピタキシャル成長膜を得た。こ
のエピタキシャル成長膜のX線回折図を図24に示し、
参考例8と同様にして測定したCV曲線を図25に示
す。このCV曲線が示すように、図25によればテトラ
ピリジル−ポルフィン層とジメチルペリレンテトラカル
ボン酸イミド層の両方が還元されており、電子が両層を
通して流れることが可能であることが分かる。この積層
エピタキシャル成長膜はエレクトロクロミズムを示すと
ともに電子輸送性を有し、この場合の還元電位差は0.
61Vであった。
【0043】実施例4 積層順序を逆にした以外は実施例3を繰り返し、ジメチ
ルペリレンテトラカルボン酸イミド/テトラピリジル−
ポルフィンの積層エピタキシャル成長膜を得た。このエ
ピタキシャル成長膜のX線回折図を図26に示し、参考
例8と同様にして測定したCV曲線を図27に示す。こ
のCV曲線が示すように、図27はジメチルペリレンテ
トラカルボン酸イミドのみが還元されており、還元層の
制御が可能であることが分る。この積層エピタキシャル
成長膜はジメチルペリレンテトラカルボン酸イミド膜の
みがエレクトロクロミズムを示し、テトラピリジル−ポ
ルフィン膜には電子が輸送されていない。
【0044】実施例1と実施例2、および実施例3と実
施例4から積層順序を、電子の流れる順序にしたがって
還元電位を大きく(貴に)してゆくことにより、電子を
スムーズに流すことができ、また逆に積層順序を電子の
流れる順序にしたがって還元電位を小さく(卑に)して
ゆくことにより、電子の流れを抑制できることが分か
る。
【0045】参考例11 下記式(A)
【化24】 で示されるトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯
体(以下A1qと省略することがある)を発光層とし
て、有機EL素子を作製した。ホール輸送層には下記式
【化25】 で示されるアリールアミン誘導体(NPD)を蒸着速度
3Å/秒でITO基板上に400Å形成し、その上から
下記式
【化26】 で表されるトリス(4−メチル−8−キノリノラト)ア
ルミニウム(Almq)を発光層として蒸着速度3Å/
秒で300Å形成した。そのうえに電子輸送層としてジ
メチルペリレンテトラカルボン酸イミド層を同様にして
300Å形成した。陰極となるMg:Ag合金電極はM
g:Ag重量比が10:1となるように別々の蒸着源か
ら蒸着速度を制御しながら1500Å蒸着して、有機E
L素子を作った。ITOを陽極、Mg:Agを陰極とし
て直流電圧を素子に印加すると、ガラス基板をとおして
素子から一応の緑色発光が観測された。
【0046】参考例12 参考例11のジメチルペリレンテトラカルボン酸イミド
層のかわりに、ナフタレンテトラカルボン酸無水物層を
用いたほかは参考例11を繰り返した。この有機EL素
子も、一応の発光がみられた。
【0047】実施例5 参考例11のジメチルペリレンテトラカルボン酸イミド
層のかわりに、ペリレンテトラカルボン酸無水物のエピ
タキシャル成長膜150Åの層をのせ、ついでテトラピ
リジル−ポルフィンのエピタキシャル成長膜150Åの
層をのせて電子輸送層としたほかは、参考例11を繰り
返し、有機EL素子を作った。このEL素子は、強力な
発光を呈した。
【0048】参考例13 陽極となるITOガラス板上に、10-5Torrで銅フ
タロンアニン錯体およびトリス(8−キノリノラト)ア
ルミニウム錯体(Alq)を逐次それぞれ400Å厚に
蒸着し、最終に陰極となるAg−Mgの共蒸着を行い、
EL素子を得た。このEL素子は、駆動電圧15Vで1
277cd/m2の最高輝度を示した。
【0049】参考例14 銅フタロシアニン錯体のかわりに亜鉛フタロシアニン錯
体を用いた以外は参考例13を繰り返した。得られたE
L素子は、駆動電圧20Vで、1384cd/m2の最
高輝度を示した。
【0050】参考例15 ITOガラス板上に、10-5Torrで銅フタロシアニ
ン錯体(200Å)、亜鉛フタロシアニン錯体(200
Å)およびAlq(400Å)を蒸着し、最終にAg−
Mgの共蒸着を行い、EL素子を得た。このEL素子は
駆動電圧18Vで4485cd/m2の最高輝度を示し
た。
【0051】参考例16 ITOガラス板上に、10-5Torrで亜鉛フタロシア
ニン錯体(200Å)、銅フタロシアニン錯体(200
Å)およびAlq(400Å)を蒸着し、最終にAg−
Mgの共蒸着を行い、EL素子を得た。このEL素子は
駆動電圧18Vで872cd/m2の最高輝度を示し
た。
【0052】実施例6 KCl単結晶へき開面をもつKCl基板上に、銅フタロ
シアニン錯体のエピタキシャル成長薄膜200Åを形成
し、さらにその上に亜鉛フタロシアニン錯体のエピタキ
シャル成長薄膜200Åをつくり、積層エピタキシャル
成長膜を得た。これを水面に浮かべてKCl基板を溶解
し、水面に残った前記積層エピタキシャル成長薄膜をI
TOガラス基板に移し取り、この上にAlq膜400
Å、ついでAg−Mg陰極を蒸着し、EL素子を得た。
このものの最高輝度は、参考例15の最高輝度をも大幅
に上廻るものであった。
【0053】
【効果】本発明により、電子輸送性材料やホール輸送性
材料にπ共役平面分子を用いるときには、分子平面が基
板平面に対して垂直に配列した層よりなる積層膜に較べ
て分子平面が基板面に平行に、しかも酸化還元電位の順
で積層した膜を用いると電子またはホールの移動効率を
極めて高能率で制御できる。そのためこの積層膜を用い
たエレクトロクロミック素子や有機EL素子は高い性能
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】エレクトロクロミック素子の構成例を示す。
【図2】エレクトロクロミック素子の他の構成例を示
す。
【図3】一般式(5)のR1=Hの化合物であるペリレ
ンテトラカルボン酸イミドよりなる蒸着膜の還元・再酸
化に伴うCV曲線を示す。
【図4】一般式(5)のR1=CH3の化合物であるジメ
チルペリレンテトラカルボン酸イミドよりなる蒸着膜の
還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図5】一般式(5)のR1=Hの化合物とR1=CH3
の化合物との共蒸着膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を
示す。
【図6】一般式(5)のR1=Hの化合物をまず蒸着
し、ついでR1=CH3の化合物を蒸着した積層蒸着膜の
還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図7】一般式(5)のR1=CH3の化合物をまず蒸着
し、ついでR1=Hの化合物を蒸着した積層蒸着膜の還
元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図8】ペリレンテトラカルボン酸無水物よりなる蒸着
膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図9】ナフタレンテトラカルボン酸無水物よりなる蒸
着膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図10】ジメチルペリレンテトラカルボン酸イミド/
ナフタレンテトラカルボン酸無水物蒸着膜(ITO/M
e−PTC/NTCDA)の還元・再酸化に伴うCV曲
線を示す。
【図11】ナフタレンテトラカルボン酸無水物/ジメチ
ルペリレンテトラカルボン酸イミド蒸着膜(ITO/N
TCDA/Me−PTC)の還元・再酸化に伴うCV曲
線を示す。
【図12】テトラピリジル−ポルフィン/ペリレンテト
ラカルボン酸無水物蒸着膜(ITO/TPyPor/P
TCDA)の還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図13】ペリレンテトラカルボン酸無水物/テトラピ
リジル−ポルフィン蒸着膜(ITO/PTCDA/TP
yPor)の還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図14】ジメチルペリレンテトラカルボン酸イミドの
エピタキシャル成長膜のX線回折図である。横軸は2θ
〔 °〕を示す。
【図15】ジメチルペリレンテトラカルボン酸イミドの
エピタキシャル成長膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を
示す。
【図16】ペリレンテトラカルボン酸無水物のエピタキ
シャル成長膜のX線回折図である。
【図17】ペリレンテトラカルボン酸無水物のエピタキ
シャル成長膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図18】テトラピリジル−ポルフィンのエピタキシャ
ル成長膜のX線回折図である。
【図19】テトラピリジル−ポルフィンのエピタキシャ
ル成長膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図20】テトラピリジル−ポルフィンのエピタキシャ
ル成長膜、その上に形成されたペリレンテトラカルボン
酸無水物のエピタキシャル成長膜よりなる積層エピタキ
シャル成長膜のX線回折図である。
【図21】テトラピリジル−ポルフィンのエピタキシャ
ル成長膜、その上に形成されたペリレンテトラカルボン
酸無水物のエピタキシャル成長膜よりなる積層エピタキ
シャル成長膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図22】ペリレンテトラカルボン酸無水物のエピタキ
シャル成長膜、その上に形成されたテトラピリジル−ポ
ルフィンのエピタキシャル成長膜よりなる積層エピタキ
シャル成長膜のX線回折図である。
【図23】ペリレンテトラカルボン酸無水物のエピタキ
シャル成長膜、その上に形成されたテトラピリジル−ポ
ルフィンのエピタキシャル成長膜よりなる積層エピタキ
シャル成長膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を示す。
【図24】テトラピリジル−ポルフィンのエピタキシャ
ル成長膜、その上に形成されたジメチルペリレンテトラ
カルボン酸イミドのエピタキシャル成長膜よりなる積層
エピタキシャル成長膜のX線回折図である。
【図25】テトラピリジル−ポルフィンのエピタキシャ
ル成長膜、その上に形成されたジメチルペリレンテトラ
カルボン酸イミドのエピタキシャル成長膜よりなる積層
エピタキシャル成長膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を
示す。
【図26】ジメチルペリレンテトラカルボン酸イミドの
エピタキシャル成長膜、その上に形成されたテトラピリ
ジル−ポルフィンのエピタキシャル成長膜よりなる積層
エピタキシャル成長膜のX線回折図である。
【図27】ジメチルペリレンテトラカルボン酸イミドの
エピタキシャル成長膜、その上に形成されたテトラピリ
ジル−ポルフィンのエピタキシャル成長膜よりなる積層
エピタキシャル成長膜の還元・再酸化に伴うCV曲線を
示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異種の電子輸送性材料の積層膜または異
    種のホール輸送性材料の積層膜であって、分子平面が基
    板と平行になるような状態で、かつその分子の酸化電位
    または還元電位の順番に積層されていることを特徴とす
    る電子輸送性積層膜またはホール輸送性積層膜。
  2. 【請求項2】 前記電子輸送性積層膜が下記一般式
    (1) 【化1】 (式中、R1は、水素、アルキル基、 【化2】 よりなる群から選ばれた基であり、R2、R3、R4
    5、R7およびR8は、 水素、アルキル基およびアルコキシ基よりなる群からそ
    れぞれ独立して選ばれた基であり、R6は、水素、アル
    キル基、アルコキシ基およびアミノ基よりなる群から選
    ばれた基である)で示されるペリレンテトラカルボン酸
    イミド誘導体、 下記一般式(2) 【化3】 (式中、R2、R3、R4およびR5は、水素、アルキル基
    およびアルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立して選
    ばれた基である)で示されるペリレンテトラカルボン酸
    無水物誘導体、 下記一般式(3) 【化4】 (式中、R2、R3は、水素、アルキル基およびアルコキ
    シ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であ
    る)で示されるナフタレンテトラカルボン酸無水物誘導
    体および、 下記一般式(4) 【化5】 (式中、R11、R12、R13およびR14は、水素、アルキ
    ル基およびアルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立し
    て選ばれた基である)で示されるテトラピリジル−ポル
    フィン誘導体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の
    化合物よりなる電子輸送性材料よりなる膜を含有するも
    のである請求項1記載の電子輸送性積層膜。
  3. 【請求項3】 前記電子輸送性積層膜が下記一般式
    (5) 【化6】 (式中、R1は、 【化7】 よりなる群から選ばれた基である)で示されるペリレン
    テトラカルボン酸イミド誘導体、 下記式(6) 【化8】 で示されるペリレンテトラカルボン酸無水物、 下記式(7) 【化9】 で示されるナフタレンテトラカルボン酸無水物、および
    下記式(8) 【化10】 で示されるテトラピリジル−ポルフィンよりなる群から
    選ばれた少なくとも1種の化合物よりなる電子輸送性材
    料よりなる膜を含有するものである請求項1記載の電子
    輸送性積層膜。
  4. 【請求項4】 前記ホール輸送性積層膜下が記一般式
    (9) 【化11】 (式中、X1、X2、X3およびX4は、ハロゲンよりなる
    群から選ばれた基であり、nは、0〜4の整数であり、
    Mは、Li、Na、K、Cu、Ag、Be、Mg、C
    a、Ba、Zn、Cd、Hg、Al、Ti、Sn、P
    b、V、Sb、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、
    PtおよびPdよりなる群から選ばれた金属または2原
    子の水素である)で示されるフタロシアニン錯塩を含む
    ものである請求項1記載のホール輸送性積層膜。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の電子輸
    送性またはホール輸送性積層膜を含むエレクトロクロミ
    ック素子。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3または4記載の電子輸
    送性またはホール輸送性積層膜を含む有機エレクトロル
    ミネッセント素子。
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