JPH1193801A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JPH1193801A
JPH1193801A JP9253058A JP25305897A JPH1193801A JP H1193801 A JPH1193801 A JP H1193801A JP 9253058 A JP9253058 A JP 9253058A JP 25305897 A JP25305897 A JP 25305897A JP H1193801 A JPH1193801 A JP H1193801A
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JP
Japan
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fuel
shock
passage
chamber
supply
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JP9253058A
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English (en)
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Kiminaga Otome
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】衝撃的伸長素子を長時間使用しても温度が上昇
しないように冷却可能な燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】燃料に接する先端部にプランジャ17bを
配置した電歪素子あるいは磁歪素子からなる衝撃的伸長
素子17aに直流電源から電力を供給して伸長させるこ
とにより加圧室50内の燃料を衝撃的に加圧し、噴射通
路から噴射口41に燃料を導き、この噴射口41から燃
料を噴射する燃料噴射装置において、燃料タンクから衝
撃的伸長素子17aを収納する収納室43に燃料を導く
燃料供給路と、収納室43から燃料タンクあるいは燃料
供給路の途中に燃料を戻す燃料戻し路とからなる燃料循
環路Kを設け、燃料タンクと燃料供給路の内燃料戻し路
が連結される箇所より下流部、あるいは燃料戻し路の内
少なくとも一方に燃料を循環させる燃料ポンプを設け、
収納室43と加圧室50とを連通させる連通路51を設
けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、衝撃的高圧によ
り燃料を噴射する燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】出願人は燃料噴射装置として、特願平8
−219672号において内燃機関の燃焼室に高圧で燃
料を噴射する燃料噴射装置を提案しており、この燃料噴
射は衝撃的な高圧で噴射でき噴霧の微粒化の面で有利で
ある。このような燃料噴射装置で加圧源部分に圧電素子
あるいは磁歪素子などの衝撃的伸長素子を用いると、比
較的簡単な構造で燃料を衝撃的に高圧にでき噴霧の微粒
化を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、衝撃的
伸長素子を充電、放電のサイクルで長時間使用すると衝
撃的伸長素子の温度が上昇し、衝撃的伸長素子の変位特
性が変化することが知られている。このように、衝撃的
伸長素子の変位特性が変化すると燃料の噴***度が損な
われる。
【0004】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
ので、衝撃的伸長素子を長時間使用しても温度が上昇し
ないように冷却可能な燃料噴射装置を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するため、この発明は以下のように構成され
る。
【0006】請求項1記載の発明は、『燃料に接する先
端部にプランジャを配置した電歪素子あるいは磁歪素子
からなる衝撃的伸長素子に直流電源から電力を供給して
伸長させることにより加圧室内の燃料を衝撃的に加圧
し、噴射通路から噴射口に燃料を導き、この噴射口から
燃料を噴射する燃料噴射装置において、燃料タンクから
前記衝撃的伸長素子を収納する収納室に燃料を導く燃料
供給路と、前記収納室から前記燃料タンクあるいは前記
燃料供給路の途中に燃料を戻す燃料戻し路とからなる燃
料循環路を設け、前記燃料タンクと前記燃料供給路の内
前記燃料戻し路が連結される箇所より下流部、あるいは
前記燃料戻し路の内少なくとも一方に燃料を循環させる
燃料ポンプを設け、前記収納室と前記加圧室とを連通さ
せる連通路を設けたことを特徴とする燃料噴射装置。』
である。
【0007】この請求項1記載の発明によれば、衝撃的
伸長素子を収納する収納室へ燃料を循環させることで、
特別な冷却装置を備えることなく、簡単な構造で衝撃的
伸長素子を冷却することができる。従って、衝撃的伸長
素子を長時間使用しても温度が上昇しないため、衝撃的
伸長素子の変位特性が変化することがなく燃料の噴***
度が向上する。
【0008】請求項2記載の発明は、『前記加圧室に燃
料を供給する通路に、燃料供給時に前記燃料循環路から
燃料を前記加圧室に供給可能にし、前記加圧室内の燃料
を衝撃的に加圧するときに加圧室内から前記燃料循環路
への燃料の逆流を規制する逆止弁を設けたことを特徴と
する請求項1記載の燃料噴射装置。』である。
【0009】この請求項2記載の発明によれば、加圧室
内の燃料を衝撃的に加圧するときに加圧室内から燃料循
環路の一部への燃料が逆流することを防止でき、より燃
料の噴***度が向上する。
【0010】請求項3記載の発明は、『燃料に接する先
端部にプランジャを配置した電歪素子あるいは磁歪素子
からなる衝撃的伸長素子に直流電源から電力を供給する
ことにより加圧室内の燃料を衝撃的に加圧し、噴射通路
から噴射口に燃料を導き、この噴射口から燃料を噴射す
る燃料噴射装置において、前記衝撃的伸長素子を収納す
る収納室と前記加圧室とを連通させる連通路を設けると
ともに、燃料タンクから前記収納室あるいは前記加圧室
の内の一方に燃料を導く燃料供給路と、前記収納室ある
いは前記加圧室の内の他方から前記燃料タンクあるいは
前記燃料供給路の途中に燃料を戻す燃料戻し路とからな
る燃料循環路を設け、前記燃料タンクと前記燃料供給路
の内前記燃料戻し路が連結される箇所より下流部、ある
いは前記燃料戻し路の内少なくとも一方に燃料を循環さ
せる燃料ポンプを設けたことを特徴とする燃料噴射装
置。』である。
【0011】この請求項3記載の発明によれば、簡単な
構造で衝撃的伸長素子を冷却できるとともに加圧室の空
気抜きを可能とする。
【0012】請求項4記載の発明は、『燃料に接する先
端部にプランジャを配置した電歪素子あるいは磁歪素子
からなる衝撃的伸長素子に直流電源から電力を供給して
伸長させることにより加圧室内の燃料を衝撃的に加圧
し、噴射口から燃料を噴射する燃料噴射装置において、
前記加圧室に燃料を供給する燃料循環路を設け、この燃
料循環路の途中に前記衝撃的伸長素子を収納する収納室
を設け、前記燃料循環路の供給側を第1分岐供給側燃料
通路と第2分岐供給燃料通路に分岐し、前記第1分岐供
給側燃料通路を前記加圧室に連通させ、前記第2分岐供
給燃料通路を前記収納室に連通させ、一方前記燃料循環
路の戻り側を第1分岐戻り側燃料通路と第2分岐戻り側
燃料通路に分岐し、前記第1分岐戻り側燃料通路を前記
加圧室に連通させ、前記第2分岐戻り側燃料通路を前記
収納室に連通させたことを特徴とする燃料噴射装置。』
である。
【0013】この請求項4記載の発明によれば、燃料循
環路を加圧室に燃料を供給する経路と収納室に燃料を供
給する経路に分岐したから、特別な冷却装置を備えるこ
となく、簡単な構造で衝撃的伸長素子を冷却することが
でき、しかも、加圧室内の燃料を衝撃的に加圧するとき
に収納室への燃料が逆流することを防止でき、より燃料
の噴***度が向上する。また、加圧室の空気抜きを可能
とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の燃料噴射装置に
ついて説明する。図1はこの発明に係る燃料噴射装置を
2サイクル内燃機関に適用した例を示す。このエンジン
1は、燃焼室40の上部を構成するシリンダヘッド2、
燃焼室40の筒体を構成するシリンダブロック3、クラ
ンク室を形成するクランクケース4等により構成され
る。クランク室内のクランク軸5は、クランクピン6及
びピストンピン7に連結されたコンロッド100を介し
てピストン8に連結される。シリンダヘッド2の中央部
には点火プラグ13が装着される。
【0015】また、エンジン1は、クランク室に連通す
る吸気通路9及びシリンダ内の燃焼室40に連通する排
気通路11を備えている。クランク室と燃焼室40と
を、掃気通路642で連通している。吸気通路9内には
スロットル弁648及び吸気の逆流阻止のためのリード
弁647が設けられる。シリンダヘッド2には、燃焼室
40に臨んで、燃料噴射ユニット44が設けられる。
【0016】この燃料噴射ユニット44は、インジェク
タ14と高圧発生装置16が一体化されており、高圧発
生装置16は、後述の衝撃的伸長素子17aの圧電素
子、磁歪素子、圧電素子と磁歪素子を直列に連結したも
の等とプランジャを含むもので構成される衝撃的高圧発
生源17を有する。この衝撃的高圧発生源17は制御装
置18に連結され所定のタイミングで駆動制御される。
【0017】この燃料噴射ユニット44は、燃料供給パ
イプ21を介して、燃料噴射ユニット44より高い位置
に設けた上部に不図示のブリーザ穴を設けた気液分離フ
ロート室646に連通する。この気液分離フロート室6
46は、液面を一定とするためのフロート式弁646
a、燃料ポンプ19A及びフィルタ20を介して、燃料
タンク22に連通する。燃料噴射ユニット44は、制御
装置18により制御され、制御装置18は交流電源及び
交直変換回路からなる電源回路645に接続される。な
お、この燃料噴射ユニット44は、図1の一点鎖線で示
したように、シリンダブロック3の側壁面あるいは吸気
通路9に設けてもよい。さらに、燃料噴射ユニット44
と気液分離フロート室646の上部を結ぶ戻り燃料パイ
プ23が設けられる。
【0018】この構成により、燃料噴射ユニット44内
の後述する収納室43の気泡は、エンジン1停止中に戻
り燃料パイプ23へ入り、フロート室646方向に浮力
により移動する。気泡が収納室43から戻り燃料パイプ
23へ入るのは、戻り燃料パイプ23の加圧室側開口
が、収納室43の上部にあるからである。戻り燃料パイ
プ23の収納室43側開口が、燃料供給パイプ21端部
の不図示の導入ポートより上位にあると、確実に戻り燃
料パイプ23内へ気泡を導くことができる。一方、燃料
供給パイプ21中の気泡は、エンジン1停止中に浮力に
よりフロート室646内に移動する。
【0019】また、燃料供給パイプ21に本願特許請求
の範囲に記載の燃料ポンプ19Bを設け、戻り燃料パイ
プ23に調圧弁101を設ける。エンジン運転中、戻り
燃料パイプ23からの循環に拘らず調圧弁101により
燃料循環経路Kは所定圧力に維持され、安定した余圧を
負荷することが可能であるため、高圧ポンプの作動によ
り正確な噴射ができる。また、燃料ポンプ19Bによる
燃科の循環により収納室43内の気泡は戻り燃料パイプ
23の方に排出され、エンジン運転中確実に収納室43
内の気泡が排出され、確実な衝撃的伸長素子17aの冷
却が可能となる。
【0020】この場合には気液分離フロート室646
は、液面を一定とするためのフロート式弁646aが不
要となるが、上限レベル検知センサS11と下限レベル
検知センサS21から構成される燃料レベルメータを設
ける。気液分離フロート室646の燃料レベルが下限レ
ベル検知センサS21の位置より下がると、燃料ポンプ
19Aを駆動してフィルタ20を介して燃料を燃料タン
ク22から供給し、上限レベル検知センサS11が燃料
を検知すると燃料の供給を停止する。なお、調圧弁10
1とフロート室646と収納室43の間の燃料供給パイ
プ21の燃料ポンプ19Bを廃止する一方、燃料ポンプ
19Bを戻り燃料パイプ23の途中に配置するようにし
ても良い。
【0021】この実施例のエンジン1ではさらに、オイ
ルを供給するために潤滑油噴射装置を用いている。64
9はオイル噴射ユニットであり、前述の高圧発生装置1
6が用いられる。このオイル噴射ユニット649からオ
イル配管653、654を介してインジェクタ655か
らクランク室及びシリンダ内にオイルが噴射される。オ
イル噴射ユニット649にはストレーナ652を介して
オイルタンク651からオイルポンプ650によりオイ
ルが供給される。このオイル噴射ユニット649は、前
述と同様に、高圧発生源を有し、衝撃的高圧によりイン
ジェクタ655からオイルを噴射するものであり、その
構成や衝撃的高圧波の発生原理や作用及び噴射動作は前
記各実施例と同じである。なお、加圧室には一つの衝撃
的高圧発生部に対向した位置にオイル配管653に各々
連通する複数の潤滑油吐出ポートが設けられる。この潤
滑油噴射装置にも、上記したようなエア抜き手段を配置
することにより、簡単にエア抜きが可能となる。
【0022】以下、この発明の燃料噴射装置について説
明する。図2は燃料噴射装置の概略構成図である。この
実施の形態では、図1で示す気液分離フロート室646
は廃止され、燃料タンク22から直接燃料が燃料ポンプ
19により導かれて燃料噴射ユニット44に送られるよ
うにされる。また、燃料噴射ユニット44からの戻し燃
料パイプ23は燃料タンク22の上部に連結される。
【0023】一方、燃料噴射ユニット44は、高圧発生
装置16とインジェクタ14が一体化され、燃料噴射の
応答性がよく、かつコンパクトな構造になっている。イ
ンジェクタ14は、先端に噴射口41が形成されたケー
ス本体24を有し、この噴射口41に噴射弁25が装着
される。噴射弁25はスプリング26により常に閉方向
に付勢されている。
【0024】このインジェクタ14のケース本体24と
高圧発生装置16のケース本体42とが接合されてお
り、ケース本体24とケース本体42とによりシリンダ
27が形成されている。ケース本体42には収納室43
が設けられ、この収納室43に衝撃的伸長素子17aの
圧電素子が収納されている。
【0025】ケース本体42には下部に燃料入口46及
び上部に燃料出口47が設けられ、燃料供給パイプ21
からの燃料が燃料入口46から収納室43に供給され、
収納室43からの燃料が燃料出口47から戻り燃料パイ
プ23へ戻される。このように、燃料循環路Kの途中に
衝撃的伸長素子17aを収納する収納室43を設け、こ
の収納室43に燃料を循環させるように構成されてい
る。この時気泡は燃料タンク22に戻され、燃料中から
分離される。
【0026】衝撃的伸長素子17aを収納する収納室4
3へ燃料を循環させることで、特別な冷却装置を備える
ことなく、簡単な構造で衝撃的伸長素子17aを冷却す
ることができる。従って、衝撃的伸長素子17aを長時
間使用しても温度が上昇しないため、衝撃的伸長素子1
7aの変位特性が変化することがなく燃料の噴***度が
向上する。
【0027】衝撃的伸長素子17aの先端部にはプラン
ジャ17bが設けられ、このプランジャ17bはシリン
ダ27に摺動可能に設けられている。プランジャ17b
の外周部に環状の凹部48aが形成され、この凹部48
aに衝撃的伸長素子17a側と加圧室50とを区画する
シール部材49が設けられ、シール部材49によりシリ
ンダ27の内壁がシールされて加圧室50が形成され
る。
【0028】シール部材49はOリング等で構成され、
シール部材49の位置は、プランジャ17bの途中部に
設けられる。シール部材49としてOリング等を用いる
ことで、プランジャ17bのストローク長は、衝撃的伸
長素子17aのストロークや変形量に対して十分確保で
き、反力は燃料圧と摩擦力によるもので余分な力は掛か
らない。また、ケースである筒状のケース本体42が熱
変形を起こした場合でも作動ストロークの変位量は衝撃
的伸長素子17aの変位だけとなるため計量精度には影
響しない。また、加圧室50の形状の自由度が高い。な
お、この実施の形態においては、加圧室内壁50aを漏
斗状にしている。
【0029】プランジャ17bには、燃料循環路Kの一
部の収納室43と加圧室50とを連通させる連通路51
が設けられ、この加圧室50に燃料を供給する通路であ
る連通路51には逆止弁52が設けられている。逆止弁
52は、連通路51を開閉する弁体52aと、この弁体
52aを常に閉じ方向へ付勢するスプリング52bと、
このスプリング52bを支持するストッパー52cとか
ら構成される。燃料供給時に燃料循環路Kの一部の収納
室43から燃料を加圧室50に供給可能にし、加圧室5
0内の燃料を衝撃的に加圧するときに加圧室50内から
燃料循環路Kの一部への燃料の逆流を規制するから、よ
り燃料の噴射量が増加する。
【0030】このインジェクタ14に、噴射通路53を
衝撃的高圧波が伝播してくると、噴射弁25の内側面に
衝突しさらに昇圧する。そして、そのエネルギーによ
り、スプリング26に抗して噴射弁25が押し開かれ、
燃料が噴射される。
【0031】プランジャ17bは、衝撃的伸長素子17
aの断面より大きい衝撃的加圧面48bを有し、プラン
ジャ17bは、衝撃的伸長素子17aと別部品であり、
衝撃的伸長素子17aの燃料側端部に圧入固定して設け
られる。
【0032】衝撃的高圧発生源17の衝撃的伸長素子1
7aは、端部を締め上げるナット403によりケース本
体42に固定されている。401はナット締め上げ時の
衝撃的伸長素子17aの回り止めである。衝撃的高圧発
生源17は、ケース本体42を介して高圧発生装置16
のケース本体42に接続され一体になっている。衝撃的
伸長素子17aは、リード線30により制御装置18
(図1)に連結される。
【0033】このような構成の燃料噴射装置において、
加圧室50内に燃料を充填した状態で、衝撃的高圧発生
源17の衝撃的伸長素子17aに駆動電圧を印加し始め
ると、衝撃的伸長素子17aが形状変化する瞬間に衝撃
的高圧波が発生する。この衝撃的高圧波は、漏斗状の加
圧室内壁50aにより集められ、さらに昇圧した衝撃的
高圧波は、噴射通路53に向かって伝播する。この噴射
通路53に導かれた衝撃的高圧波は、スプリング26に
抗して噴射弁25を開き噴射口41から高圧燃料を噴射
させる。
【0034】噴射後、衝撃的伸長素子l7aへの駆動電
圧の印加がなくなると衝撃的伸長素子17aが収縮し、
加圧室50が負圧となり逆止弁52が開となり、収納室
43から燃料が連通路51を通って供給される。収納室
43と加圧室50はプランジャ17bに設けた連通路5
1により結ばれるので、ケース本体24やケース本体4
2に複雑な形状の連通路51を設ける必要がなくなり、
構造が簡略にできる。
【0035】図3は燃料噴射装置の他の実施の形態の概
略構成図である。この実施の形態の燃料噴射ユニット4
4は、高圧発生装置16とインジェクタ14が一体化さ
れ、高圧発生装置16の密閉ケース71には収納室43
が設けられ、この収納室43に衝撃的高圧発生源17が
収納されている。
【0036】密閉ケース71には燃料入口46及び燃料
出口47が設けられ、燃料供給パイプ21からの燃料が
燃料入口46から収納室43に供給され、収納室43か
らの燃料が燃料出口47から戻り燃料パイプ23へ戻さ
れる。このように、燃料循環路Kの途中に衝撃的高圧発
生源17を収納する収納室43を設け、この収納室43
に燃料を循環させるように構成されている。
【0037】衝撃的高圧発生源17を収納する収納室4
3へ燃料を循環させることで、特別な冷却装置を備える
ことなく、簡単な構造で衝撃的高圧発生源17を冷却す
ることができる。従って、衝撃的高圧発生源17を長時
間使用しても温度が上昇しないため、衝撃的高圧発生源
17の変位特性が変化することがなく燃料の噴***度が
向上する。
【0038】衝撃的高圧発生源17は、密閉ケース71
内に設けた複数枚の圧電素子73を有し、各圧電素子7
3間には、第1極板15laと第2極板151bが交互
に配設される。これらの圧電素子73、第1極板15l
a及び第2極板15lbは、積層された状態で、保持具
74及びプランジャ152間に挟持され、ボルト72に
より相互に固定保持される。
【0039】このようにボルト72で一体的に固定保持
された圧電素子73は、その保持具74を介して、ねじ
部材75により、密閉ケース71内に取付けられる。各
第1極板15la同士及び第2極板15lb同士は、そ
れぞれ導電板76で連結され、第1電荷供給線303及
び第2電荷供給線304を介して電圧調整器302に接
続される。密閉ケース71からの各電荷供給線303、
304の取り出し部には、シール用グロメット77が装
着され、ケース内の密封性が保持される。シール用グロ
メット77は更に燃料洩れ防止に寄与する。電圧調整器
302はECU95に接続され、後述のように駆動制御
される。300は交流電源、301は交直変換回路であ
る。
【0040】ここで、圧電素子とは、いわゆる圧電効果
を有する素子からなる公知の圧電アクチュエータであ
る。なお、圧電効果を有する材料には、水晶から高分子
まで各種のものがあるが、圧電アクチュエータの材料と
しては圧電セラミックスの一種であるチタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)が代表的である。
【0041】プランジャ152は、衝撃的伸長素子を構
成する圧電素子73の断面より大きい衝撃的加圧面15
2aを有し、プランジャ152は、圧電素子73と別部
品であり、圧電素子73の燃料側端部に設けられる。圧
電素子73の断面より大きい衝撃的加圧面152aを有
するプランジャ152を用いることで、簡単な構成でよ
り大きな衝撃的圧力を得て効率よく燃料を供給すること
ができる。
【0042】また、プランジャ152の外周には、環状
の凹部152bが形成され、この凹部152bに密閉ケ
ース71に対するプランジャ152の摺動を円滑にし、
摩耗を防止する摺動部材153を備えている。シール部
材153の位置は、プランジャ152の途中部に設けら
れる。プランジャ152のストローク長は、圧電素子7
3のストロークや変形量に対して十分確保するようにす
るとともに、摺動部材153によりプランジャ152の
移動を円滑にして衝撃的高圧を発生しやすくする。
【0043】プランジャ152には、燃料循環路Kの一
部を構成する収納室43と加圧室50とを連通させる連
通路160が設けられ、この連通路160は、加圧室5
0が負圧となる燃料供給時に燃料循環路Kの一部を構成
する収納室43から燃料を加圧室50に供給可能にし、
加圧室50内の燃料を衝撃的に加圧するときには絞りと
なり加圧室50内から収納室43への燃料の逆流を軽減
するように機能する。
【0044】複数枚(この例では7枚)の圧電素子(圧
電セラミックス)73及びこれらを挟み込むように配置
され、一体化された第1極板151aと第2極板15l
bとにより電歪素子が形成される。交流電源300から
の交流電流は交直変換回路301を経て直流電圧に変換
され、電圧調整器302に入力される。電圧調整器30
2は、ECU95により制御され、第1電荷供給線30
3あるいは第2電荷供給線304とそれぞれ接続される
2つのアウトプットの内、第1電荷供給線303側を所
定の電圧の正電圧に調整する一方、第2電荷供給線30
4側をアースする。あるいは、第1電荷供給線303側
をアースする一方、第2電荷供給線304側を所定の正
電圧に調整したり、第1電荷供給線303側及び第2電
荷供給線304側の両方をアースしたりする。
【0045】このように、燃料噴射ユニット44は、液
体燃料供給源と燃料入り口により連通する加圧室50
と、少なくとも一つの圧電体の両側の一方に第1の電極
と他方に第2の電極を配置した圧電素子73からなり、
この圧電素子73は複数配置されるが、第1電荷供給線
303の端子TAlと第2電荷供給線304側の端子T
A2に、端子TA1が所定の正電圧になり、端子TA2
がアースするように電圧印加すると、第1極板151a
から第2極板15lbの方向すなわち実線矢印方向に電
界が発生し、第l極板15laと第2極板151bの間
の圧電セラミックは、電界の大きさに略比例して伸長す
る。一方、第1電荷供給線303側をアースし、第2電
荷供給線304側を所定の正電圧にすると、第2極板1
5lbから第1極板15laの方向すなわち破線矢印方
向に電界が発生し、第1極板151aと第2極板151
bの間の圧電セラミックは、電解の大きさに略比例して
収縮する。
【0046】図3において、第1極板151aと第2極
板151bは交互に配置されるため、各圧電セラミック
に作用する電界の方向は、圧電セラミックの配列の順に
180°づつ反転する。このため、この実施の形態にお
いては同一板状の圧電セラミックを配列の順に表裏を1
80°づつ反転して配置しており、第1電荷供給線30
3側及び第2電荷供給線303側ヘの電圧の負荷に応じ
て各圧電セラミックを同時に伸長あるいは収縮させるこ
とが可能となる。各圧電セラミックの変位は集積されて
(図3のものでは7つの変位が集積されて)大きな変位
となる。なお、誤った組立を防ぐため、同一の圧電素子
73の側面外周に2種の色を塗布し、且つ一方の色の圧
電素子73に伸長する時の電解の方向と同じ方向の矢印
を側面外周に付け、他方の色の圧電素子73に収縮する
時の電解の方向と同じ方向の矢印を側面外周に付け、こ
れらを端部の第1極板151aにまず指定色のものを配
置し、その後は順に色の違うものを交互に並べ、旦つ矢
印が所定の一定方向を向くように組み立てることによ
り、確実に各圧電素子73を配列順に180°づつ反転
させて並べていることが可能となる。
【0047】図4は燃料噴射装置のさらに他の実施の形
態の概略構成図であり、図4(a)は燃料噴射ユニット
の断面図、図4(b)はプランジャの断面図である。こ
の実施の形態の燃料噴射ユニット44は、高圧発生装置
16とインジェクタ14が一体化され、高圧発生装置1
6のケース本体71aとインジェクタ14のケース本体
24とで圧力室50が形成されている。
【0048】高圧発生装置16には、ケース本体71a
と蓋体71bとで収納室43が設けられ、この収納室4
3に衝撃的高圧発生源17が収納され、衝撃的高圧発生
源17は前述の圧電素子に代えて、磁歪素子を用いた構
成である。
【0049】この磁歪素子とは、磁界発生コイル80
と、その中心部に配置され磁場の中で磁力に対応して伸
び縮みする磁気歪材79(例えばテレビウム、ジスプロ
シウム、鉛の三元系合金からなるもの)とからなるもの
である。磁界発生コイル80への通電量(例えば電圧
値、電流値)を制御することにより磁気歪材79が伸縮
する。図4において、磁気歪材79の周囲に磁界発生コ
イル80が巻回され、その周囲に円筒状の鉄心84が装
着される。鉄心84、蓋体71b及びプランジャ17b
は珪素鋼板製であり、磁気歪材79とともに磁気回路を
構成する。これにより、ケース本体71aより外部への
洩れ磁束を無くし、磁界発生コイル80の中心部に大き
な磁界を発生させることができる。そして、磁気歪材7
9の一端が蓋体71bに固着され、他端にはプランジヤ
152が固定される。このプランジヤ152はスプリン
グ82の作用により常に加圧室50から引込む方向に付
勢される。磁界発生コイル80はリード線78を介して
電圧調整器に接続され、リード線78はシール用グロメ
ット77によりシールされ、燃料が外部に洩れることを
防止できる。
【0050】プランジャ152は、磁歪素子からなる衝
撃的伸長素子17aを構成する磁気歪材79の断面より
大きい衝撃的加圧面152aを有し、プランジャ152
は、磁気歪材79と別部品であり、磁気歪材79の燃料
側端部に設けられる。磁気歪材79の断面より大きい衝
撃的加圧面152aを有するプランジャ152を用いる
ことで、簡単な構成でより大きな衝撃的圧力を得て効率
よく燃料を供給することができる。
【0051】また、プランジャ152には凹状の連通路
152bが形成され、この連通路152bが収納室43
と圧力室50とを連通する。連通路152bにはプラン
ジャ152を支持する耐摩耗用リング170が配置さ
れ、この耐摩耗用リング170はケース本体71aの開
口71cに圧接し、連通路152bとは所定の間隙を有
して配置され、この隙間から燃料が圧力室50から収納
室43に流れるようになっている。
【0052】耐摩耗用リング170の位置は、プランジ
ャ152の途中部に設けられ、耐摩耗用リング170を
用いることで、プランジャ152のストローク長は、磁
気歪材79のストロークや変形量に対して十分確保で
き、反力は燃料圧と摩擦力によるもので余分な力は掛か
らない。また、ケース本体71aが熱変形を起こした場
合でも作動ストロークの変位量は磁気歪材79の変位だ
けとなるため計量精度には影響しない。
【0053】なお、磁気歪材79の燃料側端部の断面積
を他の部分より大きくし、燃料側端部の端面で衝撃的圧
力を発生させるようにしても良い。すなわち、磁気歪材
79の端部がプランジャを兼ね、端面が衝撃的加圧面と
なる。
【0054】電圧調整器は前述の例と同様にECUに接
続され、磁界発生コイル80への駆動電流を制御して磁
歪素子からなる衝撃的伸長素子17aへの印加電圧を調
整する。磁界発生コイル80の駆動電圧を大きくすると
磁界発生コイル80を流れる駆動電流も大きくなりコイ
ルが発生する磁界の大きさも大きくなり、磁歪素子から
なる衝撃的伸長素子17aへの印加電圧が大きくなっ
て、大きな衝撃的高圧波が発生する。その他の構成及び
作用効果は前述の圧電素子を用いた実施例と同様であ
る。磁歪素子からなる衝撃的伸長素子17aの駆動にお
いては、電圧調整器の替わりに電流調整器を配置し、定
電圧ながら大電流をステップ的に磁界発生コイル80に
加えるようにしてもよい。
【0055】インジェクタ14のケース本体24には、
燃料入口46が設けられ、高圧発生装置16のケース本
体71aには、燃料出口47が設けられ、燃料供給パイ
プ21からの燃料が燃料入口46から加圧室50に供給
され、プランジャ152の側面に設けられた燃料通路溝
152b、152bを通過して上方の収納室43に入
り、収納室43からの燃料が燃料出口47から戻り燃料
パイプ23へ戻される。燃料入口46には、逆止弁18
0が設けられ、燃料供給時に燃料供給パイプ21からの
燃料を下方の加圧室50に供給可能にし、加圧室50内
の燃料を衝撃的に加圧するときに加圧室50内から燃料
供給パイプ21への燃料の逆流を規制するから、より燃
料の噴***度が向上する。
【0056】また、燃料出口47には、調圧弁181が
設けられ、燃料が戻り燃料パイプ23から収納室43内
へ逆流することを防止するとともに、スプリング181
aのバネ定数により所定燃料圧に調整することができ、
燃料予圧調整機能を有する。
【0057】このように、燃料循環路Kの途中に衝撃的
高圧発生源17を収納する収納室43に燃料を循環させ
るように構成され、収納室43へ燃料を循環させること
で、特別な冷却装置を備えることなく、簡単な構造で衝
撃的高圧発生源17を冷却することができる。従って、
衝撃的高圧発生源17を長時間使用しても温度が上昇し
ないため、衝撃的高圧発生源17の変位特性が変化する
ことがなく燃料の噴***度が向上する。また、加圧室5
0内の空気抜きも可能とする。
【0058】なお、この実施の形態では、燃料を加圧室
50から収納室43に循環するようにしているが、収納
室43から加圧室50に循環させてもよく、この場合に
はこの実施例とは逆に逆止弁180を収納室43側に設
け、調圧弁181を加圧室50側に設ける。
【0059】図5は燃料噴射装置のさらに他の実施の形
態の概略構成図である。この実施の形態では、高圧発生
装置16とインジェクタ14が、一体にユニットに形成
され、この燃料噴射ユニット44は、燃料噴射の応答性
がよく、かつコンパクトな構造になっている。インジェ
クタ14は、先端に噴射口41が形成されたケース本体
24を有し、この噴射口41に噴射弁25が装着され
る。噴射弁25はスプリング26により常に閉方向に付
勢される。このインジェクタ14には、ケース200を
介してケース本体31に接続され一体になっている。イ
ンジェクタ14において、衝撃的高圧波が伝播してくる
と、噴射弁25の内側面に衝突しさらに昇圧する。そし
て、そのエネルギーにより、スプリング26に抗して噴
射弁25が押し開かれ、燃料が噴射される。
【0060】ケース本体31の内部に加圧室50が形成
される。この加圧室50の一方の端部側には、衝撃的伸
長素子17a及びプランジャ17b等を含むもので構成
される衝撃的高圧発生源17がケース400及びケース
本体31により形成される収納室43に配置され、加圧
室50内に衝撃的高圧波を発生させ加圧室50内の燃料
に衝撃的圧力を付与する。プランジャ17bは、衝撃的
伸長素子17aの断面より大きい衝撃的加圧面17b1
を有し、プランジャ17bは、衝撃的伸長素子17aと
別部品であり、衝撃的伸長素子17aの燃料側端部に圧
入固定して設けられる。衝撃的伸長素子17aは、圧電
素子で構成される。
【0061】また、プランジャ17bの外周には環状の
凹部17b2が形成され、この凹部17b2に衝撃的伸
長素子17a側の収納室43と加圧室50とを区画する
シール部材102を備えている。シール部材102はO
リング等で構成され、シール部材102の位置は、プラ
ンジャ17bの途中部に設けられる。
【0062】また、プランジャ17bのストローク長
は、衝撃的伸長素子17aのストロークや変形量に対し
て十分確保でき、反力は燃料圧と摩擦力によるもので余
分な力は掛からない。また、筒状のケース本体31が熱
変形を起こした場合でも作動ストロークの変位量は衝撃
的伸長素子17aの変位だけとなるため計量精度には影
響しない。また、加圧室50の形状の自由度が高く、し
かもエアが溜りにくい。なお、この実施の形態において
は、加圧室内壁50aを漏斗状にしている。
【0063】この加圧室内燃料に対する衝撃高圧波を付
与する衝撃的加圧面17b1に対向する側の加圧室内壁
32aの端部に加圧室32に臨んで燃料吐出ポート33
が開口する。この燃料吐出ポート33は、インジェクタ
14に連通する。
【0064】衝撃的高圧発生源17の衝撃的伸長素子1
7aは、端部を締め上げるナット403によりケース4
00に固定されている。401はナット締め上げ時の衝
撃的伸長素子17aの回り止めである。衝撃的高圧発生
源17は、ケース400を介してケース本体31に接続
され一体になっている。衝撃的伸長素子17aは、リー
ド線30により電源制御回路18(図1)に連結され
る。衝撃的高圧発生源17の衝撃的加圧面17b1に直
交する筒状のケース本体31の側面、即ち、高圧波が伝
播する進行方向に対する直角な側面には、燃料入口46
aが加圧室50に臨んで開口する。この燃料入口46a
には燃料供給パイプ21に連通する第1分岐供給側燃料
通路21aが接続される。燃料入口46aの近傍上流部
にはスプリングでバックアップされた逆止弁21a1が
配置される。
【0065】また、ケース本体31の側面には、燃料出
口47aが加圧室50に臨んで開口する。この燃料出口
47aには戻り燃料パイプ23に連通する第1分岐戻り
側燃料通路23aが接続される。燃料出口47aの近傍
上流部にはスプリングでバックアップされた調圧弁23
a1が配置されている。
【0066】このような構成の燃料噴射装置において、
加圧室50内に燃料を充填した状態で、衝撃的高圧発生
源17の衝撃的伸長素子17aに駆動電圧を印加し始め
ると、衝撃的伸長素子17aが形状変化する瞬間に衝撃
的加圧面17b1直近の燃料に衝撃的高圧波が発生す
る。この衝撃的高圧波は、衝撃的加圧面17b1側から
その衝撃的加圧面17b1に対し直角方向に、加圧室5
0の反対面側の対向する位置の燃料吐出ポート33に向
かって瞬時に伝播する。この圧力波が加圧室50内を進
行中に加圧室の側面に開口する燃料入口46aを通過す
るが、この燃料入口46aの開口方向は高圧波の進行方
向に対し直角方向であるため、これを瞬時に通過し高圧
波の圧力は、燃料入口46a内の燃料及び調圧弁23a
1に対し実質上何等作用せず、高圧波のエネルギーはほ
とんど消費されない。衝撃的高圧発生源17の衝撃的加
圧面17b1から発せられ、漏斗状の加圧室内壁50a
により集められ、さらに昇圧した衝撃的高圧波は、この
面に唯一形成された燃料吐出ポート33内に進入し、イ
ンジェクタ14に向かって伝播する。インジェクタ14
に到達した衝撃的高圧波は、スプリング26に抗して弁
25を開き噴射口41から高圧燃料を噴射させる。
【0067】ケース400の一端側には、燃料入口46
bが形成され、この燃料入口46bには燃料供給パイプ
21に連通する第2分岐供給側燃料通路21bが接続さ
れる。また、ケース400の他端側には、燃料出口47
bが形成され、この燃料出口47bには戻り燃料パイプ
23に連通する第2分岐戻り側燃料通路23bが接続さ
れている。ケース400には、燃料出口47bより外側
の位置にシール部材190が設けられ、収納室43内の
燃料が外部に漏れないようになっている。
【0068】このように、この実施の形態では、燃料循
環路Kの供給側を第1分岐供給側燃料通路21aと第2
分岐供給燃料通路21bに分岐し、第1分岐供給側燃料
通路21aは逆止弁21a1及び燃料入口46aを介し
て加圧室50に連通させ、第2分岐供給燃料通路21b
は燃料入口46bを介して収納室43に連通させてい
る。一方燃料循環路Kの戻り側を第1分岐戻り側燃料通
路23aと第2分岐戻り側燃料通路23bに分岐し、第
1分岐戻り側燃料通路23aは調圧弁23a1及び燃料
出口47aを介して加圧室50に連通させ、第2分岐戻
り側燃料通路23bは燃料出口47bを介して収納室4
3に連通させている。このように、燃料循環路Kを加圧
室50に燃料を供給する経路と収納室43に燃料を供給
する経路に分岐したから、特別な冷却装置を備えること
なく、簡単な構造で衝撃的伸長素子17aを冷却するこ
とができ、しかも、調圧弁23a1により加圧室50内
の予圧を一定にでき、且つ加圧室50内の燃料を衝撃的
に加圧するときに収納室43に燃料が逆流することを防
止でき、より燃料の噴***度が向上する。
【0069】図6乃至図10は電力供給装置を示し、図
6はエンジンに備えられる発電機の断面図、図7は図6
のVII-VII線に沿う断面図、図8は電力供給装置の回路
図、図9は充電信号、放電信号及び点火信号のタイミン
グを説明する図、図10は充電信号、放電信号、衝撃的
伸長素子のTA2端子電圧に対するTA1端子電圧の波
形及び衝撃的伸長素子の作動による圧力変動を示す図で
ある。
【0070】エンジン1のクランクケース4とシリンダ
ブロック3に軸受5aを介してクランク軸5が回動可能
に軸支されている。クランク軸5の先端部には、発電機
60が配置されている。発電機60のフライホイール6
1がクランク軸5の先端部にキー62を介して係合さ
れ、さらにナット63により締付固定してフライホイー
ル61がクランク軸5と一体回転可能になっている。フ
ライホイール61の内側には、永久磁石64が取り付け
られている。
【0071】クランクケース4とシリンダブロック3の
端面には、絶縁プレート65を介してエンジン1の点火
用発電コイルL1と、衝撃的伸長素子駆動用発電コイル
L2が取り付けられている。点火用発電コイルL1と衝
撃的伸長素子駆動用発電コイルL2は、フライホイール
61の内側に永久磁石64に対向して位置している。点
火用発電コイルL1から発電され、ダイオードD1で直
流にされて、その電荷は点火コンデンサC1に充電さ
れ、点火スイッチを構成する点火用サイリスタSCR1
のONで点火コイル68により高電圧を発生され、エン
ジン1に設けた点火プラグ13をスパークさせる。
【0072】フライホイール61の開口側の外周には、
磁性体である鉄製のサイリスタ起動コイル発電突起69
が設けられ、このサイリスタ起動コイル発電突起69に
対向して残留磁気を有する磁心を配した点火サイリスタ
起動コイルL3が設けられ、この点火サイリスタ起動コ
イルL3にサイリスタ起動コイル発電突起69が接近す
ることにより、点火サイリスタ起動コイルL3が起電さ
れ点火信号が生み出される。この点火サイリスタ起動コ
イルL3の点火信号により点火用サイリスタSCR1が
ONする。
【0073】点火サイリスタ起動コイルL3は、点火側
可動ベース81に取り付けられ、点火側可動ベース81
は、クランクケース4とシリンダブロック3に設けられ
た絶縁リング182に対して回動可能に設けれている。
点火側可動ベース81には点火時期調整用レバー83が
設けられ、点火時期調整用レバー83は、スロットルに
連動して操作される。この点火時期調整用レバー83の
操作により点火サイリスタ起動コイルL3の位置を可変
することで、点火信号による点火用サイリスタSCR1
の動作タイミングを変えて、エンジン1の点火時期を調
整可能になっている。
【0074】また、発電手段を構成する衝撃的伸長素子
駆動用発電コイルL2から発電され、ダイオードD2で
直流に変換され、これらで直流電源を構成しており、電
荷は衝撃的伸長素子充電コンデンサC2に充電される。
衝撃的伸長素子充電用コンデンサC2と、燃料噴射ユニ
ット44の衝撃的伸長素子17aとの間に、充電スイッ
チとしての衝撃的伸長素子充電用サイリスタSCR2と
抵抗R1が接続され、図7に示すように、直流電源の第
1電極から衝撃的伸長素子17aの第1電極、誘電体で
ある衝撃的伸長素子17a(許しくは誘電体である圧電
素子)を介して衝撃的伸長素子17aの第2電極、この
衝撃的伸長素子17aの第2電極から直流電源の負極に
到る第1の閉回路K1を形成している。
【0075】但し、第1の閉回路K1内の衝撃的伸長素
子17aは直流的には絶縁されたコンデンサを構成して
いる。すなわち、第1の閉回路Klには充電開始から充
電終了までの間電流が流れるが、充電完了後においては
電圧は付加されてはいるが、衝撃的伸長素子17aを通
過して電流は流れない。
【0076】また、衝撃的伸長素子17aとアースとの
間に放電スイッチとしての衝撃的伸長素子放電用サイリ
スタSCR3、抵抗R2が接続され、図8に示すよう
に、第1の閉回路K1と並列に、衝撃的伸長素子17a
の第1電極と第2電極を結ぶ第2の閉回路K2を形成し
ている。
【0077】衝撃的伸長素子充電用サイリスタSCR2
は、サイリスタ起動コイル発電突起69が接近すること
により、発電しクランク位置検出手段S2を構成する衝
撃的伸長素子充電サイリスタ起動コイルL4からの充電
信号によりONし、この充電信号は、図9に示すように
クランク角下死点B.D.C後に出力される。即ち、充
電波形は、排気口が開く排気タイミングEx及び掃気口
が開く掃気タイミングScの終了後に、所定のクランク
角の衝撃的伸長素子充電サイリスタ起動コイルL4の充
電信号により衝撃的伸長素子充電用サイリスタSCR2
がONすることで立ち上がりx1出力され、衝撃的伸長
素子充電用コンデンサC2よりの充電が終了し、衝撃的
伸長素子充電用サイリスタSCR2のアノード、カソー
ド間の電位差がなくなった時にOFFして立ち下がりx
2出力が停止される。
【0078】また、衝撃的伸長素子放電用サイリスタS
CR3は、サイリスタ起動コイル発電突起69が接近す
ることにより、発電しクランク位置検出手段S3を構成
する所定のクランク角の衝撃的伸長素子放電サイリスタ
起動コイルL5からの放電信号によりONし、この放電
信号は、図9に示すように、充電信号の出力後に出力さ
れる。即ち、放電波形は、充電波形の停止後に衝撃的伸
長素子放電サイリスタ起動コイルL5の放電信号により
衝撃的伸長素子放電用サイリスタSCR3がONするこ
とで立ち上がりy1出力され、衝撃的伸長素子17aよ
りの放電が終了し、衝撃的伸長素子放電用サイリスタS
CR3のアノード、カソード間の電位差がなくなった時
にOFFして立ち下がりy2出力が停止される。
【0079】これにより図10に示すように圧電素子か
らなる衝撃的伸長素子17aが伸長して燃料噴射ユニッ
ト44から燃料が噴射される。この燃料が噴射された後
の上死点T.D.C前で、点火信号が出力されて点火プ
ラグ13がスパークする。
【0080】即ち、図10に示すように所定のクランク
角で充電信号と放電信号が出力され、充電信号の出力に
より衝撃的伸長素子17aのTA1端子にTA2端子に
対してTA1端子電圧−TA2端子電圧が印加され、こ
のTA1端子電圧は充電信号がONした後、所定時間t
1遅れて立ち上がる。そして、放電信号が出力される
と、TA1端子電圧は放電信号がONした後、所定時間
t2遅れて立ち下がる。このTA1端子電圧の印加によ
り衝撃的伸長素子17aが伸長して加圧室50が加圧さ
れて噴射口から燃料を噴射させるが、圧力室50内の圧
力は、図10に示すように変動する。即ち、衝撃的伸長
素子17aの伸長により圧力室50内の圧力が噴射弁の
開弁圧P1以上になると噴射可能とする衝撃波a1が発
生し、これにより噴射弁が開き噴射口から燃料が噴射さ
れ、このときの圧力室50の圧力変動は調圧器や調圧弁
により調圧P0になる。また、燃料を噴射した後、次の
燃料噴射にそなえるために、放電信号を出力するが、こ
の放電信号によりTA1端子電圧が立ち下がり衝撃的伸
長素子17aが縮む時に圧力室50の圧力が変動し、衝
撃波a2が発生する。この圧力変動はその後減衰し同様
に調圧器や調圧弁により調圧P0になる。
【0081】また、この衝撃的伸長素子17aが縮む時
に圧力室50に発生する衝撃波a2の圧力が、図10に
示すように噴射弁の開弁圧P1以上にさせるように設定
すると噴射弁が開き噴射口から燃料が噴射され、2次噴
射を行うことができる。
【0082】なお、衝撃的伸長素子充電用サイリスタS
CR2を流れる電流は、衝撃的伸長素子17aへの充電
が完了すると停止する。且つ、サイリスタ起動コイル発
電突起69は、衝撃的伸長素子放電サイリスタ起動コイ
ルL5に接近する前に、衝撃的伸長素子充電サイリスタ
起動コイルL4より離間する。これにより、衝撃的伸長
素子充電用サイリスタSCR2はオフ状態となる。その
後、サイリスタ起動コイル発電突起69が衝撃的伸長素
子放電サイリスタ起動コイルL5に接近し、衝撃的伸長
素子放電用サイリスタSCR3がオンとなる。そして、
衝撃的伸長素子放電用サイリスタSCR3を流れる電流
は、衝撃的伸長素子17aからの放電が完了すると停止
する。且つ、サイリスタ起動コイル発電突起69は、再
び衝撃的伸長素子充電サイリスタ起動コイルL4に接近
する遥か前に、衝撃的伸長素子放電サイリスタ起動コイ
ルL5より離間する。これにより、衝撃的伸長素子放電
用サイリスタSCR3はオフ状態となる。なおさらに、
サイリスタ起動コイル発電突起69を磁性体の一種であ
る永久磁石で構成しても良い。この場合、各コイルL
3,L4,L5の鉄心を残留磁気のないものとしても良
い。
【0083】このように、第1の閉回路K1の途中に、
放電スイッチを構成する衝撃的伸長素子放電用サイリス
タSCR3のオフより先行において所定のクランク角に
おいてオンする充電スイッチを構成する衝撃的伸長素子
充電用サイリスタSCR2を配置しているが、直流電源
そのものを所定のクランク角範囲のみ電力を供給し、放
電スイッチを構成する衝撃的伸長素子放電用サイリスタ
SCR3は、充電スイッチを構成する衝撃的伸長素子充
電用サイリスタSCR2がオンした後にオンするように
し、充電スイッチを構成する衝撃的伸長素子充電用サイ
リスタSCR2は、少なくとも放電スイッチを構成する
衝撃的伸長素子放電用サイリスタSCR3オフより以前
にオフするように構成してもよい。
【0084】衝撃的伸長素子充電サイリスタ起動コイル
L4と、衝撃的伸長素子放電サイリスタ起動コイルL5
は、サイリスタ起動コイル発電突起69に対向して衝撃
的伸長素子側可動ベース86に取り付けられている。衝
撃的伸長素子充電サイリスタ起動コイルL4と、衝撃的
伸長素子放電サイリスタ起動コイルL5は、所定間隔を
隔てて配置され、この所定間隔が充電と放電の時間間隔
を設定している。衝撃的伸長素子側可動ベース86は、
クランクケース4とシリンダブロック3に設けられた絶
縁リング182に対して回動可能に設けれている。衝撃
的伸長素子側可動ベース86には、噴射時期調整用レバ
ー87が設けられ、噴射時期調整用レバー87により衝
撃的伸長素子側可動ベース86を回転させて、燃料の噴
射時期を進角または遅角制御する。
【0085】なお、衝撃的伸長素子側可動ベース86
は、図7に示すようにクランク軸5の周りにクランク角
K5の範囲で回動可能とされる。すなわち、衝撃的伸長
素子17aの充電と、充電により発生する衝撃的伸長
と、衝撃的伸長による衝撃的高圧の発生と、衝撃的高圧
による燃料噴射の各タイミングの全てがクランク角Kの
範囲で可変とされる。点火サイリスタ起動コイルL3よ
り衝撃的伸長素子充電サイリスタ起動コイルL4が常に
先行するので、燃料噴射後燃焼室40内に混合気が形成
後点火することとなる。また、充電のタイミング即ち燃
料噴射のタイミングを可変することにより、圧力が異な
る燃焼室40内に噴射することとなり、一定の衝撃的高
圧を発生させるように衝撃的伸長素子17aを充電させ
ても、燃料噴射量が変化する。すなわち、エンジンの要
求負荷が低負荷時すなわち低アクセル時(さらには低速
低負荷時)、充電のタイミングを遅らせ燃料噴射のタイ
ミングを点火時期に近づけることにより、燃料噴射量を
減らし、且つ噴射から点火までのクランク角を小さくて
成層燃焼とすることができる。また、エンジンの要求負
荷が高負荷時すなわち高アクセル時(さらには高速高負
荷時)、充電のタイミングを進め燃料噴射のタイミング
を点火時期から十分先行させること(例えば掃気口が閉
となる前まで先行させること)と、TA1端子電圧−T
A2端子電圧を大きくし、燃料噴射量を増加し、且つ噴
射から点火までのクランク角を大きくすることにより予
混合燃焼とすることができる。
【0086】次に、この電力供給装置の作動について説
明する。エンジン1の起動時に、キックあるいはリコイ
ルスタータ等によりクランク軸5を回転させると、これ
に連動して発電機60のフライホイール61が回転す
る。フライホイール61内の永久磁石64が点火用発電
コイルL1と、衝撃的伸長素子駆動用発電コイルL2を
通過するとそれぞれ発電され、電荷は点火コンデンサC
1及び衝撃的伸長素子充電コンデンサC2へそれぞれ蓄
えられる。
【0087】一方、サイリスタ起動コイル発電突起69
が衝撃的伸長素子充電サイリスタ起動コイルL4を通過
すると、衝撃的伸長素子充電サイリスタ起動コイルL4
がONとなり、衝撃的伸長素子充電コンデンサC2から
衝撃的伸長素子17aヘ電荷が流れる。この充電によ
り、前記したように燃料が噴射される。サイリスタ起動
コイル発電突起69が衝撃的伸長素子放電サイリスタ起
動コイルL5を通過すると、衝撃的伸長素子放電用サイ
リスタSCR3がONとなり、衝撃的伸長素子17aの
電荷が抵抗R2へ流れる。
【0088】そして、サイリスタ起動コイル発電突起6
9が点火サイリスタ起動コイルL3を通過すると、点火
サイリスタ起動コイルL3の点火信号により点火用サイ
リスタSCR1がONして、点火コイル68により点火
プラグ13がスパークしてエンジン1が起動する。エン
ジン1が起動後も、この噴射、点火が継続する。
【0089】このように、バッテリを用いないで直流電
源から簡単な回路構成で、かつ所定のタイミングで衝撃
的伸長素子17aへの電力供給を可能にし、クランク軸
5の回転に対応して衝撃的伸長素子17aを伸長して燃
料を噴射し、次の噴射に備え適切なタイミングで燃料噴
射を行うことができる。
【0090】なお、バッテリを用いる場合には、図7あ
るいは図8において衝撃的伸長素子駆動用発電コイルL
2は廃止することができる。替わってオルタネータと整
流回路を配置してバッテリを充電するようにし、衝撃的
伸長素子充電コンデンサC2の替わりにバッテリを配置
する。この場合でも、所定のタイミングで衝撃的伸長素
子17aへの電力供給を可能とし、クランク軸の回転に
対応して衝撃的伸長素子を伸長して燃料を噴射し、次の
噴射に備え、衝撃的伸長素子を収縮させることができ
る。
【0091】図11は電力供給装置の他の実施の形態を
示す概略構成図である。制御装置500には、パルサー
コイル501あるいはクランク角センサからクランク角
情報が、スロットル開度センサ502からスロットル開
度情報が、エンジン回転数センサ503からエンジン回
転数情報がそれぞれ入力される。これらの情報に基づき
制御装置500は、メモリ510に予め記憶されている
点火制御マップにより点火制御回路520に制御指令を
送り、エンジンの運転状態に応じた点火タイミングで点
火プラグをスパークさせる。
【0092】また、御装置500は、メモリ510に予
め記憶されている衝撃的伸長素子制御マップにより衝撃
的伸長素子端子電圧制御回路530に制御指令を送る。
この衝撃的伸長素子端子電圧制御回路530には、電源
回路531から所定の電源電圧が与えられている。衝撃
的伸長素子端子電圧制御回路530では、制御指令に基
づき衝撃的伸長素子17aの端子TA1及び端子TA1
の電圧を制御して所定のタイミングで衝撃的伸長素子1
7aを伸長させて噴射口41からエンジン1の燃焼室4
0に燃料を噴射させる。
【0093】圧電素子からなる衝撃的伸長素子17aで
は、端子TA1に所定の端子電圧印加することで、衝撃
的伸長素子17aを伸長させて噴射口41からエンジン
1の燃焼室40に燃料を噴射させる。
【0094】また、磁歪素子からなる衝撃的伸長素子1
7aでは、端子TA1及び端子TA1の電圧を制御し、
衝撃的伸長素子17aの磁界を付与あるいは磁界の方向
を変えることで衝撃的伸長素子17aを伸長させて噴射
口41からエンジン1の燃焼室40に燃料を噴射させ
る。
【0095】図12はこの発明に係る燃料噴射装置を適
用した4サイクル内燃機関の構成図である。エンジン1
は、燃焼室40の上部を構成するシリンダヘッド2と、
燃焼室40の筒体を構成するシリンダブロック3と、ク
ランク室を形成するクランクケース4とにより構成され
る。クランク室内のクランク軸5は、クランクピン6及
びピストンピン7に連結されたコンロッド100を介し
てピストン8に連結される。シリンダヘッド2には吸気
通路9が設けられ、その端部に燃焼室40に臨んで吸気
弁10が装着され、吸気通路9の開口部を開閉する。ま
た、シリンダヘッド2には、排気通路11が設けられ、
その端部に燃焼室40に臨んで排気弁12が装着され、
排気通路11の開口部を開閉する。シリンダヘッド2の
中央部には点火プラグ13が装着される。
【0096】この実施の形態では、燃焼室40内に直接
燃料を噴射するための燃料噴射ユニット44がシリンダ
ヘッド2の上面から燃焼室40内に臨んで設けられる
が、燃料噴射ユニット44を吸気通路9に燃料を噴射す
るように設けてもよく、あるいはシリンダブロック3か
ら気筒内に燃料を噴射するように設けてもよい。
【0097】この燃料噴射ユニット44は、インジェク
タ14と高圧発生装置16が一体化されており、高圧発
生装置16は、後述の衝撃的伸長素子17aの圧電素
子、磁歪素子、圧電素子と磁歪素子を直列に連結したも
の等とプランジャを含むもので構成される衝撃的高圧発
生源17を有する。この衝撃的高圧発生源17は制御装
置18に連結され所定のタイミングで、例えば燃焼室4
0内に直接燃料を噴射するものでは、爆発膨張、排気、
吸気、圧縮の4行程の内、吸気行程あるいは圧縮行程に
おいて噴射すべく、駆動制御される。燃料噴射ユニット
44には、燃料供給パイプ21を介して燃料ポンプ19
により、燃料タンク22から燃料が導入される。燃料タ
ンク22内の燃料供給パイプ21の吸入口には、フィル
ター20が設けられている。燃料噴射ユニット44に
は、戻り燃料パイプ23が接続され、戻り燃料パイプ2
3には圧力を調整する調圧弁101が設けられている。
【0098】燃料噴射ユニット44が閉となる間中、燃
料ポンプ19により常時燃料が供給され、戻り燃料パイ
プ23に配置した調圧弁101の上流側の圧力が所定以
上の場合に調圧弁101が開となり、燃料供給パイプ2
1及び燃料噴射ユニット44内部の空気および気化燃料
等の気泡は燃料とともに、調圧弁101を通過して不図
示のエアベント孔を上部に持つ燃料タンク側の上部に戻
され循環し、燃料を供給する燃料循環路Kが形成され
る。
【0099】気液分離手段を兼ねる燃料タンク22で気
泡が分離され、再び燃料供給パイプ21へ気泡が流れる
ことはない。このように、燃料循環路Kに空気が混入し
てもあるいは圧力低下により空気泡あるいは蒸気の気泡
が発生しても、早期に空気あるいは蒸気の気泡を排出す
ることができる。これにより、空気が混入してもあるい
は気泡が発生しても、燃料供給パイプ21及び燃料噴射
ユニット44内部は燃料で満たされ、しかも、戻り燃料
パイプ23からの循環に拘らず調圧弁101により燃料
循環路Kは所定圧力に維持され、安定した余圧を負荷に
することが可能であるため、燃料噴射ユニット44の作
動による衝撃的高圧波が確実に伝播するとともに、衝撃
的高圧波が燃料噴射ユニット44内の噴射口直前部に衝
突してさらに圧力上昇するのを可能とし、正確な噴射が
できる。なお、衝撃的高圧波の一部が調圧弁101に到
達する時にも気泡は、調圧弁101を通過する。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明では、燃料タンクから衝撃的伸長素子を収納する収納
室に燃料を導く燃料供給路と、収納室から燃料タンクあ
るいは燃料供給路の途中に燃料を戻す燃料戻し路とから
なる燃料循環路を設け、燃料タンクと燃料供給路の内前
記燃料戻し路が連結される箇所より下流部、あるいは燃
料戻し路の内少なくとも一方に燃料を循環させる燃料ポ
ンプを設け、収納室と加圧室とを連通させる連通路を設
け、衝撃的伸長素子を収容する収納室へ燃料を循環させ
ることで、特別な冷却装置を備えることなく、簡単な構
造で衝撃的伸長素子を冷却することができる。従って、
衝撃的伸長素子を長時間使用しても温度が上昇しないた
め、衝撃的伸長素子の変位特性が変化することがなく燃
料の噴***度が向上する。
【0101】請求項2記載の発明では、加圧室内の燃料
を衝撃的に加圧するときに加圧室内から燃料循環路の一
部への燃料が逆流することを防止でき、より燃料の噴射
精度が向上する。
【0102】請求項3記載の発明では、衝撃的伸長素子
を収納する収納室と加圧室とを連通させる連通路を設け
るとともに、燃料タンクから収納室あるいは加圧室の内
の一方に燃料を導く燃料供給路と、収納室あるいは加圧
室の内の他方から燃料タンクあるいは燃料供給路の途中
に燃料を戻す燃料戻し路とからなる燃料循環路を設け、
燃料タンクと燃料供給路の内燃料戻し路が連結される箇
所より下流部、あるいは燃料戻し路の内少なくとも一方
に燃料を循環させる燃料ポンプを設けたから、簡単な構
造で衝撃的伸長素子を冷却できるとともに加圧室の空気
抜きが可能である。
【0103】請求項4記載の発明では、燃料循環路の供
給側を第1分岐供給側燃料通路と第2分岐供給燃料通路
に分岐し、第1分岐供給側燃料通路を加圧室に連通さ
せ、第2分岐供給燃料通路を収納室に連通させ、一方燃
料循環路の戻り側を第1分岐戻り側燃料通路と第2分岐
戻り側燃料通路に分岐し、第1分岐戻り側燃料通路を加
圧室に連通させ、第2分岐戻り側燃料通路を収納室に連
通させ、燃料循環路を加圧室に燃料を供給する経路と収
納室に燃料を供給する経路に分岐したから、特別な冷却
装置を備えることなく、簡単な構造で衝撃的伸長素子を
冷却することができ、しかも、加圧室内の燃料を衝撃的
に加圧するときに収納室への燃料が逆流することを防止
でき、より燃料の噴***度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る燃料噴射装置を適用した2サイ
クル内燃機関の構成図である。
【図2】燃料噴射装置の概略構成図である。
【図3】燃料噴射装置の他の実施の形態の概略構成図で
ある。
【図4】燃料噴射装置のさらに他の実施の形態の概略構
成図である。
【図5】燃料噴射装置のさらに他の実施の形態の概略構
成図である。
【図6】エンジンに備えられる発電機の断面図である。
【図7】図6のVII-VII線に沿う断面図である。
【図8】電力供給装置の回路図である。
【図9】充電信号、放電信号及び点火信号のタイミング
を説明する図である。
【図10】充電信号、放電信号、衝撃的伸長素子TA1
端子電圧の波形及び衝撃的伸長素子の作動による圧力変
動を示す図である。
【図11】電力供給装置の他の実施の形態を示す概略構
成図である。
【図12】この発明に係る燃料噴射装置を4サイクル内
燃機関に適用した例を示す。
【符号の説明】
5 クランク軸 16 高圧発生装置 17 衝撃的高圧発生源 17a 衝撃的伸長素子 17b プランジャ 41 噴射口 43 収納室 50 加圧室 51 連通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 51/06 F02M 51/06 N 37/00 311Z 57/02 330A 330C 53/00 E 55/00 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料に接する先端部にプランジャを配置し
    た電歪素子あるいは磁歪素子からなる衝撃的伸長素子に
    直流電源から電力を供給して伸長させることにより加圧
    室内の燃料を衝撃的に加圧し、噴射通路から噴射口に燃
    料を導き、この噴射口から燃料を噴射する燃料噴射装置
    において、燃料タンクから前記衝撃的伸長素子を収納す
    る収納室に燃料を導く燃料供給路と、前記収納室から前
    記燃料タンクあるいは前記燃料供給路の途中に燃料を戻
    す燃料戻し路とからなる燃料循環路を設け、前記燃料タ
    ンクと前記燃料供給路の内前記燃料戻し路が連結される
    箇所より下流部、あるいは前記燃料戻し路の内少なくと
    も一方に燃料を循環させる燃料ポンプを設け、前記収納
    室と前記加圧室とを連通させる連通路を設けたことを特
    徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】前記加圧室に燃料を供給する通路に、燃料
    供給時に前記燃料循環路から燃料を前記加圧室に供給可
    能にし、前記加圧室内の燃料を衝撃的に加圧するときに
    加圧室内から前記燃料循環路への燃料の逆流を規制する
    逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の燃料噴
    射装置。
  3. 【請求項3】燃料に接する先端部にプランジャを配置し
    た電歪素子あるいは磁歪素子からなる衝撃的伸長素子に
    直流電源から電力を供給することにより加圧室内の燃料
    を衝撃的に加圧し、噴射通路から噴射口に燃料を導き、
    この噴射口から燃料を噴射する燃料噴射装置において、
    前記衝撃的伸長素子を収納する収納室と前記加圧室とを
    連通させる連通路を設けるとともに、燃料タンクから前
    記収納室あるいは前記加圧室の内の一方に燃料を導く燃
    料供給路と、前記収納室あるいは前記加圧室の内の他方
    から前記燃料タンクあるいは前記燃料供給路の途中に燃
    料を戻す燃料戻し路とからなる燃料循環路を設け、前記
    燃料タンクと前記燃料供給路の内前記燃料戻し路が連結
    される箇所より下流部、あるいは前記燃料戻し路の内少
    なくとも一方に燃料を循環させる燃料ポンプを設けたこ
    とを特徴とする燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】燃料に接する先端部にプランジャを配置し
    た電歪素子あるいは磁歪素子からなる衝撃的伸長素子に
    直流電源から電力を供給して伸長させることにより加圧
    室内の燃料を衝撃的に加圧し、噴射口から燃料を噴射す
    る燃料噴射装置において、前記加圧室に燃料を供給する
    燃料循環路を設け、この燃料循環路の途中に前記衝撃的
    伸長素子を収納する収納室を設け、前記燃料循環路の供
    給側を第1分岐供給側燃料通路と第2分岐供給燃料通路
    に分岐し、前記第1分岐供給側燃料通路を前記加圧室に
    連通させ、前記第2分岐供給燃料通路を前記収納室に連
    通させ、一方前記燃料循環路の戻り側を第1分岐戻り側
    燃料通路と第2分岐戻り側燃料通路に分岐し、前記第1
    分岐戻り側燃料通路を前記加圧室に連通させ、前記第2
    分岐戻り側燃料通路を前記収納室に連通させたことを特
    徴とする燃料噴射装置。
JP9253058A 1997-09-18 1997-09-18 燃料噴射装置 Pending JPH1193801A (ja)

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