JPH1192976A - 防錆製剤及び防錆方法 - Google Patents
防錆製剤及び防錆方法Info
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- JPH1192976A JPH1192976A JP25191697A JP25191697A JPH1192976A JP H1192976 A JPH1192976 A JP H1192976A JP 25191697 A JP25191697 A JP 25191697A JP 25191697 A JP25191697 A JP 25191697A JP H1192976 A JPH1192976 A JP H1192976A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 防錆効果が高く、かつ長期間にわたって錆を
防ぐことができる実用的な防錆製剤とそれを用いた防錆
方法を提供すること。 【解決手段】 吸湿量及び長期にわたる吸湿性に優れた
乾燥剤組成物と、ニトロ安息香酸、Ｃ７〜Ｃ１５のアル
キルカルボン酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2ＯＨ
（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１〜３ ）で表される第３級アミ
ンのアンモニウム塩又はアミン塩の群から選ばれる１種
又は２種以上の気化性防錆剤とを含む防錆製剤を、実質
的に外気と遮断された被防錆物質が存在する空間内に存
在させる。
防ぐことができる実用的な防錆製剤とそれを用いた防錆
方法を提供すること。 【解決手段】 吸湿量及び長期にわたる吸湿性に優れた
乾燥剤組成物と、ニトロ安息香酸、Ｃ７〜Ｃ１５のアル
キルカルボン酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2ＯＨ
（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１〜３ ）で表される第３級アミ
ンのアンモニウム塩又はアミン塩の群から選ばれる１種
又は２種以上の気化性防錆剤とを含む防錆製剤を、実質
的に外気と遮断された被防錆物質が存在する空間内に存
在させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製品、特に鉄
及び鉄合金に対して、防錆性能が高く、長期間にわたっ
て錆を防ぐことができる実用的な防錆製剤及びそれを用
いた防錆方法に関する。
及び鉄合金に対して、防錆性能が高く、長期間にわたっ
て錆を防ぐことができる実用的な防錆製剤及びそれを用
いた防錆方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、数カ月にわたって金属製品の錆を
防ぐ必要があるような場合、例えば、自動車部品を船で
輸出するようなときのために、種々の防錆製剤や防錆方
法が提案されている。
防ぐ必要があるような場合、例えば、自動車部品を船で
輸出するようなときのために、種々の防錆製剤や防錆方
法が提案されている。
【０００３】例えば、特開昭５７−６７１７９号にはジ
イソプロピルアンモニウムナイトライト［（ｉ−Ｃ
3Ｈ7）2 ＮＨ2 ＮＯ2 ］（以下、ＤＩＰＡＮという）、
ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト［（Ｃ6Ｈ
11）2 ＮＨ2 ＮＯ2］（以下、ＤＩＣＨＡＮという）、
ベンゾトリアゾールなどからなる気化性防錆剤と、硫酸
カルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、活性ア
ルミナ、酸化マグネシウム、水酸化カリウム、五酸化リ
ン、硫酸銅、シリカゲルなどの乾燥剤と、鉄、銅、ニッ
ケル、コバルトなどの金属とを混合した、気化性防錆剤
の防錆作用の消滅を簡単に感知することができる防錆剤
が開示されている。
イソプロピルアンモニウムナイトライト［（ｉ−Ｃ
3Ｈ7）2 ＮＨ2 ＮＯ2 ］（以下、ＤＩＰＡＮという）、
ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト［（Ｃ6Ｈ
11）2 ＮＨ2 ＮＯ2］（以下、ＤＩＣＨＡＮという）、
ベンゾトリアゾールなどからなる気化性防錆剤と、硫酸
カルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、活性ア
ルミナ、酸化マグネシウム、水酸化カリウム、五酸化リ
ン、硫酸銅、シリカゲルなどの乾燥剤と、鉄、銅、ニッ
ケル、コバルトなどの金属とを混合した、気化性防錆剤
の防錆作用の消滅を簡単に感知することができる防錆剤
が開示されている。
【０００４】特開昭５７−１１０６７５号公報には、ニ
トロ安息香酸のアンモニウム塩又はアミン塩とエチレン
尿素を含有する鉄及び鉄合金に対して優れた防錆効果を
有する気化性防錆剤が開示されている。
トロ安息香酸のアンモニウム塩又はアミン塩とエチレン
尿素を含有する鉄及び鉄合金に対して優れた防錆効果を
有する気化性防錆剤が開示されている。
【０００５】特開昭６１−２２７１８７号公報には、一
般式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１
〜３ ）で表される第３級アミンと、カプリル酸、及び
安息香酸の等モル反応生成物を含有する気化性防錆剤が
開示されている。
般式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１
〜３ ）で表される第３級アミンと、カプリル酸、及び
安息香酸の等モル反応生成物を含有する気化性防錆剤が
開示されている。
【０００６】特開平３−８８８８０号には、ＤＩＣＨＡ
Ｎとシクロヘキシルアンモニウム−Ｎ−シクロヘキシル
カーバメート［ Ｃ6Ｈ11ＮＨ3ＯＣＯＮＨＣ6Ｈ11 ］
（以下、ＣＨＣという）とを有効成分とする気化性防錆
剤が開示されている。
Ｎとシクロヘキシルアンモニウム−Ｎ−シクロヘキシル
カーバメート［ Ｃ6Ｈ11ＮＨ3ＯＣＯＮＨＣ6Ｈ11 ］
（以下、ＣＨＣという）とを有効成分とする気化性防錆
剤が開示されている。
【０００７】
【発明が解決すべき課題】しかし、これらの防錆剤で
は、防錆性能に優れていても短期間しか防錆効果が維持
できなかったり、あるいは防錆性能が低かったりして、
実質的に外気と遮断した空間で金属製品を数カ月間保存
した場合に、錆が生じるという問題があった。そこで、
本発明の課題は、従来よりも防錆性能が高く、長期間に
わたって錆を防ぐことができる実用的な防錆製剤及びそ
れを用いた防錆方法を提供することにある。
は、防錆性能に優れていても短期間しか防錆効果が維持
できなかったり、あるいは防錆性能が低かったりして、
実質的に外気と遮断した空間で金属製品を数カ月間保存
した場合に、錆が生じるという問題があった。そこで、
本発明の課題は、従来よりも防錆性能が高く、長期間に
わたって錆を防ぐことができる実用的な防錆製剤及びそ
れを用いた防錆方法を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】鉄等の金属の錆は、主に
空気中の湿気（水分）や酸素によって生成した金属の水
酸化物または酸化物であり、水分や酸素が金属表面に付
着することを何らかの方法で防ぐことができれば錆を防
ぐこともできるが、水分や酸素を雰囲気から除去すれば
錆の生成が少なくなる。本発明者らは、湿気（水分）と
酸素のうち、錆の発生速度により関与する湿気（水分）
に注目し、吸湿量及び長期にわたる吸湿性に優れた乾燥
剤組成物を用いると、防錆性能が高く、長期間にわたっ
て錆を防ぐことができる実用的な防錆製剤が得られるの
ではないかと考え、実用的な防錆製剤の開発に着手し
た。
空気中の湿気（水分）や酸素によって生成した金属の水
酸化物または酸化物であり、水分や酸素が金属表面に付
着することを何らかの方法で防ぐことができれば錆を防
ぐこともできるが、水分や酸素を雰囲気から除去すれば
錆の生成が少なくなる。本発明者らは、湿気（水分）と
酸素のうち、錆の発生速度により関与する湿気（水分）
に注目し、吸湿量及び長期にわたる吸湿性に優れた乾燥
剤組成物を用いると、防錆性能が高く、長期間にわたっ
て錆を防ぐことができる実用的な防錆製剤が得られるの
ではないかと考え、実用的な防錆製剤の開発に着手し
た。
【０００９】そして、ニトロ安息香酸、Ｃ７〜Ｃ１５の
アルキルカルボン酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2ＯＨ
（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１〜３ ）で表される第３級アミ
ンのアンモニウム塩又はアミン塩の群から選ばれる１種
又は２種以上の気化性防錆剤と塩化カルシウム、シリカ
ゲル等の従来の乾燥剤とを含む防錆製剤を種々試作した
ところ、十分に満足のいく防錆作用を有するものが得ら
れなかったが、上記気化性防錆剤と、本発明者らにより
開発された、塩化マグネシウムと酸化マグネシウムから
なり、吸湿量及び長期にわたる吸湿性に優れた顆粒状の
乾燥剤組成物（日本曹達株式会社製「ＮＩＳＳＯ−ＤＲ
Ｙ Ｍ」）とを配合して、防錆試験を実施したところ、
防錆性能が高く、かつ長期間にわたって錆を防ぐことが
できる実用的な防錆製剤が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
アルキルカルボン酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2ＯＨ
（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１〜３ ）で表される第３級アミ
ンのアンモニウム塩又はアミン塩の群から選ばれる１種
又は２種以上の気化性防錆剤と塩化カルシウム、シリカ
ゲル等の従来の乾燥剤とを含む防錆製剤を種々試作した
ところ、十分に満足のいく防錆作用を有するものが得ら
れなかったが、上記気化性防錆剤と、本発明者らにより
開発された、塩化マグネシウムと酸化マグネシウムから
なり、吸湿量及び長期にわたる吸湿性に優れた顆粒状の
乾燥剤組成物（日本曹達株式会社製「ＮＩＳＳＯ−ＤＲ
Ｙ Ｍ」）とを配合して、防錆試験を実施したところ、
防錆性能が高く、かつ長期間にわたって錆を防ぐことが
できる実用的な防錆製剤が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【００１０】すなわち本発明は、吸湿量及び長期にわた
る吸湿性に優れた乾燥剤組成物と、ニトロ安息香酸、Ｃ
７〜Ｃ１５のアルキルカルボン酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−Ｃ
Ｈ2ＣＨ2ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１〜３ ）で表され
る第３級アミンのアンモニウム塩又はアミン塩の群から
選ばれる１種又は２種以上の気化性防錆剤とを含む防錆
製剤、好ましくは乾燥剤組成物と上記気化性防錆剤とを
混合した混合物からなる防錆製剤であって、乾燥組成
物、好ましくは塩化マグネシウム等の潮解性塩類及び該
潮解性による影響を解消しうる酸化マグネシウム等の物
質とからなる乾燥剤組成物１００重量部に対して上記気
化性防錆剤を１重量部〜３００重量部含有することを特
徴とする防錆性能が高く長期間にわたって錆を防ぐこと
ができる実用的な防錆製剤に関する。
る吸湿性に優れた乾燥剤組成物と、ニトロ安息香酸、Ｃ
７〜Ｃ１５のアルキルカルボン酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−Ｃ
Ｈ2ＣＨ2ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１〜３ ）で表され
る第３級アミンのアンモニウム塩又はアミン塩の群から
選ばれる１種又は２種以上の気化性防錆剤とを含む防錆
製剤、好ましくは乾燥剤組成物と上記気化性防錆剤とを
混合した混合物からなる防錆製剤であって、乾燥組成
物、好ましくは塩化マグネシウム等の潮解性塩類及び該
潮解性による影響を解消しうる酸化マグネシウム等の物
質とからなる乾燥剤組成物１００重量部に対して上記気
化性防錆剤を１重量部〜３００重量部含有することを特
徴とする防錆性能が高く長期間にわたって錆を防ぐこと
ができる実用的な防錆製剤に関する。
【００１１】また本発明は、実質的に外気と遮断された
被防錆物質が存在する空間内に、上記防錆製剤を存在さ
せることを特徴とする長期間にわたって錆を防ぐことが
できる実用的な防錆方法に関する。
被防錆物質が存在する空間内に、上記防錆製剤を存在さ
せることを特徴とする長期間にわたって錆を防ぐことが
できる実用的な防錆方法に関する。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明の防錆製剤は、乾燥剤組成
物とニトロ安息香酸、Ｃ７〜Ｃ１５のアルキルカルボン
酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1
ｎ＝１〜３）で表される第３級アミンのアンモニウム
塩又はアミン塩の群から選ばれる１種又は２種以上の気
化性防錆剤とを含んでいる。
物とニトロ安息香酸、Ｃ７〜Ｃ１５のアルキルカルボン
酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1
ｎ＝１〜３）で表される第３級アミンのアンモニウム
塩又はアミン塩の群から選ばれる１種又は２種以上の気
化性防錆剤とを含んでいる。
【００１３】本発明において用いられる上記気化性防錆
剤は、常温で固体であるが気化性があり、吸湿量及び長
期にわたる吸湿性に優れた乾燥剤組成物を用いることに
より低湿度状態下において、気化した成分が金属表面に
緻密な吸着膜を作り水分や酸素が金属表面に付着するの
を防止する作用を有するものと考えられる。そして、上
記気化性防錆剤としては、ニトロ安息香酸、Ｃ７〜Ｃ１
５のアルキルカルボン酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2
ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１〜３ ）で表される第３級
アミンのアンモニウム塩の方がそれらのアミン塩より好
ましく、また、Ｃ７〜Ｃ１５のアルキルカルボン酸とし
てはカプリル酸、ラウリン酸が好ましい。
剤は、常温で固体であるが気化性があり、吸湿量及び長
期にわたる吸湿性に優れた乾燥剤組成物を用いることに
より低湿度状態下において、気化した成分が金属表面に
緻密な吸着膜を作り水分や酸素が金属表面に付着するの
を防止する作用を有するものと考えられる。そして、上
記気化性防錆剤としては、ニトロ安息香酸、Ｃ７〜Ｃ１
５のアルキルカルボン酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2
ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１〜３ ）で表される第３級
アミンのアンモニウム塩の方がそれらのアミン塩より好
ましく、また、Ｃ７〜Ｃ１５のアルキルカルボン酸とし
てはカプリル酸、ラウリン酸が好ましい。
【００１４】本発明における乾燥剤組成物としては、吸
湿量及び長期にわたる吸湿性に優れたものであればどの
ような組成物でも使用しうるが、硫酸カルシウム、塩化
カルシウム、酸化カルシウム、活性アルミナ、酸化マグ
ネシウム、水酸化カリウム、五酸化リン、硫酸銅、シリ
カゲル等を単独で用いる場合は、本発明における乾燥剤
組成物を用いる場合と異なり、優れた防錆効果を達成す
ることができない。そして、かかる乾燥剤組成物として
は、吸湿性に優れた潮解性塩類と該潮解性による影響を
解消しうる物質とからなる組成物を例示することができ
る。
湿量及び長期にわたる吸湿性に優れたものであればどの
ような組成物でも使用しうるが、硫酸カルシウム、塩化
カルシウム、酸化カルシウム、活性アルミナ、酸化マグ
ネシウム、水酸化カリウム、五酸化リン、硫酸銅、シリ
カゲル等を単独で用いる場合は、本発明における乾燥剤
組成物を用いる場合と異なり、優れた防錆効果を達成す
ることができない。そして、かかる乾燥剤組成物として
は、吸湿性に優れた潮解性塩類と該潮解性による影響を
解消しうる物質とからなる組成物を例示することができ
る。
【００１５】吸湿性に優れた潮解性塩類としては、塩化
マグネシウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、五酸化
リン等を例示することができる。潮解性塩類は極めて吸
湿性が高く、空気中の湿気を吸収することによって空気
中の湿度を下げ、結果として金属表面に付着する水分を
減らすことができるが、吸湿性を持続させるためには、
潮解性による潮解液の漏出を防止するなど、潮解性によ
る影響を解消しうる物質との併用が必要である。
マグネシウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、五酸化
リン等を例示することができる。潮解性塩類は極めて吸
湿性が高く、空気中の湿気を吸収することによって空気
中の湿度を下げ、結果として金属表面に付着する水分を
減らすことができるが、吸湿性を持続させるためには、
潮解性による潮解液の漏出を防止するなど、潮解性によ
る影響を解消しうる物質との併用が必要である。
【００１６】かかる潮解性による影響を解消する物質と
しては、例えば、セピオライトのような無機多孔性物
質、酸化マグネシウム、水溶性高分子あるいは増粘剤を
例示することができる。そして、吸湿性に優れた潮解性
塩類として塩化マグネシウムを用い、潮解性による影響
を解消する物質として酸化マグネシウムを用いると、吸
湿した塩化マグネシウムが酸化マグネシウムと共にセメ
ント化し実質的に潮解することを防ぐことができ、吸湿
量及び長期にわたる吸湿性に一層優れた乾燥剤組成物と
することができる。
しては、例えば、セピオライトのような無機多孔性物
質、酸化マグネシウム、水溶性高分子あるいは増粘剤を
例示することができる。そして、吸湿性に優れた潮解性
塩類として塩化マグネシウムを用い、潮解性による影響
を解消する物質として酸化マグネシウムを用いると、吸
湿した塩化マグネシウムが酸化マグネシウムと共にセメ
ント化し実質的に潮解することを防ぐことができ、吸湿
量及び長期にわたる吸湿性に一層優れた乾燥剤組成物と
することができる。
【００１７】乾燥剤組成物と上記気化性防錆剤の配合比
は、乾燥剤組成物１００重量部に対して、気化性防錆剤
が１〜３００重量部、好ましくは５〜１００重量部、さ
らに好ましくは１０〜３０重量部である。この配合比な
らば、乾燥剤組成物と気化性防錆剤との相乗効果によ
り、防錆性能が高く長期間にわたって錆を防ぐことがで
きる実用的な防錆製剤を得ることができる。
は、乾燥剤組成物１００重量部に対して、気化性防錆剤
が１〜３００重量部、好ましくは５〜１００重量部、さ
らに好ましくは１０〜３０重量部である。この配合比な
らば、乾燥剤組成物と気化性防錆剤との相乗効果によ
り、防錆性能が高く長期間にわたって錆を防ぐことがで
きる実用的な防錆製剤を得ることができる。
【００１８】本発明の防錆製剤は金属製品、特に鉄製品
の錆止めに有用であり、その製剤の調製方法としては、
本発明の防錆製剤の乾燥剤組成物が湿気を吸収し、金属
製品表面に上記気化性防錆剤が吸着するような状態にな
ればよく、好ましくは、乾燥剤組成物及び気化性防錆剤
のそれぞれをペレット状、顆粒状あるいは高分子シート
等に染み込ませてシート状に成形した後混合・積層する
か、あるいは乾燥剤組成物及び気化性防錆剤をあらかじ
め混合した後にペレット状、顆粒状あるいは高分子シー
ト等に染み込ませてシート状に成形することことにより
実施することができる。このように調製された防錆製剤
は通気性の包材に入れ、通常金属製品が存在する空間に
設置して使用される。
の錆止めに有用であり、その製剤の調製方法としては、
本発明の防錆製剤の乾燥剤組成物が湿気を吸収し、金属
製品表面に上記気化性防錆剤が吸着するような状態にな
ればよく、好ましくは、乾燥剤組成物及び気化性防錆剤
のそれぞれをペレット状、顆粒状あるいは高分子シート
等に染み込ませてシート状に成形した後混合・積層する
か、あるいは乾燥剤組成物及び気化性防錆剤をあらかじ
め混合した後にペレット状、顆粒状あるいは高分子シー
ト等に染み込ませてシート状に成形することことにより
実施することができる。このように調製された防錆製剤
は通気性の包材に入れ、通常金属製品が存在する空間に
設置して使用される。
【００１９】また、上記の乾燥剤組成物と気化性防錆剤
との混合製剤に比べて防錆性能の点で少し劣るが、乾燥
剤組成物と気化性防錆剤とを混合することなく、例えば
乾燥剤組成物と気化性防錆剤をそれぞれ別々の通気性の
包材に入れて両方の包材を金属製品が存在する空間に設
置してもよい。
との混合製剤に比べて防錆性能の点で少し劣るが、乾燥
剤組成物と気化性防錆剤とを混合することなく、例えば
乾燥剤組成物と気化性防錆剤をそれぞれ別々の通気性の
包材に入れて両方の包材を金属製品が存在する空間に設
置してもよい。
【００２０】本発明の防錆製剤の使用量は、使用環境
や、どのくらいの期間錆止めするか、あるいは金属製品
が存在する空間の広さ、外気に対する密封の程度などに
よって適宜決められる。
や、どのくらいの期間錆止めするか、あるいは金属製品
が存在する空間の広さ、外気に対する密封の程度などに
よって適宜決められる。
【００２１】本発明の防錆方法は、被防錆物質が存在す
る実質的に外気と遮断された空間内に、乾燥剤組成物と
気化性防錆剤とを存在することにより行うことができ
る。ここで、実質的に外気と遮断された空間とは、外部
から湿気を含んだ空気がほとんど侵入してこない空間を
いい、単に密閉されている空間だけでなく、例えば、大
気圧に対して若干加圧状態になっているような空間であ
ってもよい。具体的には、ゴム等のパッキング材により
密閉可能になっている金属製あるいはプラスチック製の
容器、シーリング可能な防湿性プラスチックフィルム等
により実現することができる。また、本発明の防錆方法
では、乾燥剤組成物と気化性防錆剤は、上記のように、
それぞれをペレット状、顆粒状あるいは高分子シート等
に染み込ませてシート状に成形した後混合したものや、
あるいはあらかじめ混合した後にペレット状、顆粒状あ
るいは高分子シート等に染み込ませてシート状に成形し
たものを、通気性の包材に入れたり、あるいは別々の包
材に入れて、金属製品等の被防錆物質が存在する空間に
設置される。
る実質的に外気と遮断された空間内に、乾燥剤組成物と
気化性防錆剤とを存在することにより行うことができ
る。ここで、実質的に外気と遮断された空間とは、外部
から湿気を含んだ空気がほとんど侵入してこない空間を
いい、単に密閉されている空間だけでなく、例えば、大
気圧に対して若干加圧状態になっているような空間であ
ってもよい。具体的には、ゴム等のパッキング材により
密閉可能になっている金属製あるいはプラスチック製の
容器、シーリング可能な防湿性プラスチックフィルム等
により実現することができる。また、本発明の防錆方法
では、乾燥剤組成物と気化性防錆剤は、上記のように、
それぞれをペレット状、顆粒状あるいは高分子シート等
に染み込ませてシート状に成形した後混合したものや、
あるいはあらかじめ混合した後にペレット状、顆粒状あ
るいは高分子シート等に染み込ませてシート状に成形し
たものを、通気性の包材に入れたり、あるいは別々の包
材に入れて、金属製品等の被防錆物質が存在する空間に
設置される。
【００２２】以上説明したように本発明の防錆製剤によ
ると、吸湿量及び長期にわたる吸湿性に優れた乾燥剤組
成物を用いることによる低湿度状態下において、気化性
防錆剤が気化し、金属表面に緻密な吸着膜を生成するこ
とにより金属表面を水分や酸素から保護する結果、長期
間にわたって錆を防ぐことができる。また、乾燥剤組成
物として、吸湿性の高い塩化マグネシウムと、塩化マグ
ネシウムの潮解性による影響を解消する酸化マグネシウ
ムとを用いると、吸湿した塩化マグネシウムが酸化マグ
ネシウムと共にセメント化し実質的に潮解することを防
ぎ、空気中の湿気を効率よく長期にわたり吸収すること
から、金属表面に付着する水分を更に減らすことがで
き、上記防錆効果がより一層向上する。
ると、吸湿量及び長期にわたる吸湿性に優れた乾燥剤組
成物を用いることによる低湿度状態下において、気化性
防錆剤が気化し、金属表面に緻密な吸着膜を生成するこ
とにより金属表面を水分や酸素から保護する結果、長期
間にわたって錆を防ぐことができる。また、乾燥剤組成
物として、吸湿性の高い塩化マグネシウムと、塩化マグ
ネシウムの潮解性による影響を解消する酸化マグネシウ
ムとを用いると、吸湿した塩化マグネシウムが酸化マグ
ネシウムと共にセメント化し実質的に潮解することを防
ぎ、空気中の湿気を効率よく長期にわたり吸収すること
から、金属表面に付着する水分を更に減らすことがで
き、上記防錆効果がより一層向上する。
【００２３】また、本発明の防錆方法は、被防錆物質が
存在する実質的に外気と遮断された空間内で乾燥剤組成
物と気化性防錆剤を使用することから長期間被防錆物質
の錆を防ぐことができる。
存在する実質的に外気と遮断された空間内で乾燥剤組成
物と気化性防錆剤を使用することから長期間被防錆物質
の錆を防ぐことができる。
【００２４】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。 （１）防錆製剤の調製 （実施例１）顆粒状のニトロ安息香酸アンモニウム０．
９ｇと、塩化マグネシウムと酸化マグネシウムとを含有
する顆粒状の乾燥剤組成物（日本曹達株式会社製「ＮＩ
ＳＳＯ−ＤＲＹ Ｍ」）１５ｇとを混合したものを通気
性の包材に充填し、本発明の防錆製剤を調製した。 （実施例２）ニトロ安息香酸アンモニウム０．９ｇと、
塩化マグネシウムと酸化マグネシウムとを含有する顆粒
状の乾燥剤組成物（日本曹達株式会社製「ＮＩＳＳＯ−
ＤＲＹ Ｍ」）１５ｇとをそれぞれ別の通気性の包材に
充填し、本発明の防錆製剤を調製した。
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。 （１）防錆製剤の調製 （実施例１）顆粒状のニトロ安息香酸アンモニウム０．
９ｇと、塩化マグネシウムと酸化マグネシウムとを含有
する顆粒状の乾燥剤組成物（日本曹達株式会社製「ＮＩ
ＳＳＯ−ＤＲＹ Ｍ」）１５ｇとを混合したものを通気
性の包材に充填し、本発明の防錆製剤を調製した。 （実施例２）ニトロ安息香酸アンモニウム０．９ｇと、
塩化マグネシウムと酸化マグネシウムとを含有する顆粒
状の乾燥剤組成物（日本曹達株式会社製「ＮＩＳＳＯ−
ＤＲＹ Ｍ」）１５ｇとをそれぞれ別の通気性の包材に
充填し、本発明の防錆製剤を調製した。
【００２５】（比較例１）塩化マグネシウムと酸化マグ
ネシウムとを含有する顆粒状の乾燥剤組成物（日本曹達
株式会社製「ＮＩＳＳＯ−ＤＲＹ Ｍ」）の代わりに、
塩化マグネシウムを用いた以外は実施例１と全く同様に
防錆製剤を調製した。 （比較例２）塩化マグネシウムと酸化マグネシウムとを
含有する顆粒状の乾燥剤組成物（日本曹達株式会社製
「ＮＩＳＳＯ−ＤＲＹ Ｍ」）の代わりに、シリカゲル
を用いた以外は実施例１と全く同様に防錆製剤を調製し
た。
ネシウムとを含有する顆粒状の乾燥剤組成物（日本曹達
株式会社製「ＮＩＳＳＯ−ＤＲＹ Ｍ」）の代わりに、
塩化マグネシウムを用いた以外は実施例１と全く同様に
防錆製剤を調製した。 （比較例２）塩化マグネシウムと酸化マグネシウムとを
含有する顆粒状の乾燥剤組成物（日本曹達株式会社製
「ＮＩＳＳＯ−ＤＲＹ Ｍ」）の代わりに、シリカゲル
を用いた以外は実施例１と全く同様に防錆製剤を調製し
た。
【００２６】（２）防錆試験 ８０ｍｍ×６０ｍｍ×５ｍｍの大きさで直方体のねずみ
鋳鉄（ＦＣ−２００）の表面をメタノールで洗浄後、Ｊ
Ｋワイパーで拭き再度メタノールで洗浄後、窒素ガスを
吹き付けて乾燥させた。マスクキャリアに上記のねずみ
鋳鉄を、その８０ｍｍ×６０ｍｍの両面がマスクキャリ
ア底に対して垂直になるように入れた。上記（１）で調
製した防錆製剤を充填した包材を（実施例２では２つの
包材を共に）マスクキャリア内にセットした。これら全
体を３００ｍｍ×３００ｍｍの大きさで１００μｍの厚
さのポリエチレン袋で密閉した。このポリエチレン袋
を、６時間毎に５℃と６０℃に温度をコントロールしな
がら相対湿度９０％Ｒ．Ｈ．に保持した空間に置いた。
２０日後に取り出して、ＪＩＳ Ｋ １９９４に基づい
て、試験片中央の５０×５０ｍｍを１００等分したマス
目（１つのマス目は５ｍｍ×５ｍｍ）のうち、錆の発生
したマス目の数を両面について数えて発生率を計算し
た。結果を表１に示す。
鋳鉄（ＦＣ−２００）の表面をメタノールで洗浄後、Ｊ
Ｋワイパーで拭き再度メタノールで洗浄後、窒素ガスを
吹き付けて乾燥させた。マスクキャリアに上記のねずみ
鋳鉄を、その８０ｍｍ×６０ｍｍの両面がマスクキャリ
ア底に対して垂直になるように入れた。上記（１）で調
製した防錆製剤を充填した包材を（実施例２では２つの
包材を共に）マスクキャリア内にセットした。これら全
体を３００ｍｍ×３００ｍｍの大きさで１００μｍの厚
さのポリエチレン袋で密閉した。このポリエチレン袋
を、６時間毎に５℃と６０℃に温度をコントロールしな
がら相対湿度９０％Ｒ．Ｈ．に保持した空間に置いた。
２０日後に取り出して、ＪＩＳ Ｋ １９９４に基づい
て、試験片中央の５０×５０ｍｍを１００等分したマス
目（１つのマス目は５ｍｍ×５ｍｍ）のうち、錆の発生
したマス目の数を両面について数えて発生率を計算し
た。結果を表１に示す。
【００２７】
【表１】
【００２８】表１からわかるように、乾燥剤組成物とニ
トロ安息香酸アンモニウムとの混合物を通気性包材に充
填したもの（実施例１）は極めて優れた防錆効果を示
し、また乾燥剤組成物と安息香酸アンモニウムとを別の
通気性包材に充填したもの（実施例２）も比較例の塩化
マグネシウムやシリカゲルの単独使用の場合に比べて良
好な防錆効果を示した。
トロ安息香酸アンモニウムとの混合物を通気性包材に充
填したもの（実施例１）は極めて優れた防錆効果を示
し、また乾燥剤組成物と安息香酸アンモニウムとを別の
通気性包材に充填したもの（実施例２）も比較例の塩化
マグネシウムやシリカゲルの単独使用の場合に比べて良
好な防錆効果を示した。
【００２９】
【発明の効果】本発明によれば、従来の防錆製剤よりも
防錆性能が高く、かつ長期間にわたって錆を防ぐことが
できることから、より実用的な防錆製剤やそれを用いた
防錆方法を提供することができる。
防錆性能が高く、かつ長期間にわたって錆を防ぐことが
できることから、より実用的な防錆製剤やそれを用いた
防錆方法を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項１】 乾燥剤組成物と、ニトロ安息香酸、Ｃ７
〜Ｃ１５のアルキルカルボン酸もしくは式 Ｒ2Ｎ−ＣＨ
2ＣＨ2ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1 ｎ＝１〜３ ）で表される
第３級アミンのアンモニウム塩又はアミン塩の群から選
ばれる１種又は２種以上の気化性防錆剤とを含む防錆製
剤であって、乾燥剤組成物１００重量部に対して上記気
化性防錆剤を１重量部〜３００重量部含有することを特
徴とする防錆製剤。 - 【請求項２】 防錆製剤が、乾燥剤組成物と、ニトロ安
息香酸、Ｃ７〜Ｃ１５のアルキルカルボン酸もしくは式
Ｒ2Ｎ−ＣＨ2ＣＨ2ＯＨ（Ｒ：ＣnＨ2n+1ｎ＝１〜３ ）
で表される第３級アミンのアンモニウム塩又はアミン塩
の群から選ばれる１種又は２種以上の気化性防錆剤とを
混合した混合物を含むことを特徴とする請求項１記載の
防錆製剤。 - 【請求項３】 乾燥剤組成物が、潮解性塩類及び該潮解
性による影響を解消しうる物質を含むことを特徴とする
請求項１又は２記載の防錆製剤。 - 【請求項４】 潮解性塩類が塩化マグネシウムであり、
潮解性による影響を解消しうる物質が酸化マグネシウム
である請求項３記載の防錆製剤。 - 【請求項５】 被防錆物質が存在する実質的に外気と遮
断された空間内に、請求項１〜４のいずれか記載の防錆
製剤を存在させることを特徴とする防錆方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25191697A JPH1192976A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 防錆製剤及び防錆方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25191697A JPH1192976A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 防錆製剤及び防錆方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1192976A true JPH1192976A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17229879
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25191697A Pending JPH1192976A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 防錆製剤及び防錆方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1192976A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100644793B1 (ko) | 2004-12-21 | 2006-11-14 | 신두호 | 기화성 방청제 및 이를 이용한 성형물 |
| JP2009197322A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-09-03 | Excor Korrosionsforschung Gmbh | 気相腐食防止剤およびその製造方法 |
| WO2015093542A1 (ja) * | 2013-12-17 | 2015-06-25 | ニッソーファイン株式会社 | 気化性防錆剤組成物 |
| JP2017190260A (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 旭化成株式会社 | ハロゲン化合物粉体混合物 |
| JP2020059874A (ja) * | 2018-10-09 | 2020-04-16 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 | 鉄系部材の製造方法 |
-
1997
- 1997-09-17 JP JP25191697A patent/JPH1192976A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100644793B1 (ko) | 2004-12-21 | 2006-11-14 | 신두호 | 기화성 방청제 및 이를 이용한 성형물 |
| JP2009197322A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-09-03 | Excor Korrosionsforschung Gmbh | 気相腐食防止剤およびその製造方法 |
| WO2015093542A1 (ja) * | 2013-12-17 | 2015-06-25 | ニッソーファイン株式会社 | 気化性防錆剤組成物 |
| JPWO2015093542A1 (ja) * | 2013-12-17 | 2017-03-23 | ニッソーファイン株式会社 | 気化性防錆剤組成物 |
| JP2017190260A (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 旭化成株式会社 | ハロゲン化合物粉体混合物 |
| JP2020059874A (ja) * | 2018-10-09 | 2020-04-16 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 | 鉄系部材の製造方法 |
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