JPH1191074A - インキ除去シート、印刷物のインキ除去方法、印刷物のインキ除去装置、印刷装置 - Google Patents

インキ除去シート、印刷物のインキ除去方法、印刷物のインキ除去装置、印刷装置

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JPH1191074A
JPH1191074A JP25455297A JP25455297A JPH1191074A JP H1191074 A JPH1191074 A JP H1191074A JP 25455297 A JP25455297 A JP 25455297A JP 25455297 A JP25455297 A JP 25455297A JP H1191074 A JPH1191074 A JP H1191074A
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雄介 根本
Yoshihiko Kudo
芳彦 工藤
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正寿 佐藤
Toshiya Matsubara
俊哉 松原
Hitoshi Kijimuta
等 雉子牟田
Masako Wakabayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷物上の未乾燥のエマルジョンインキの他
の部分への転移を防止するために、印刷物上の余分なエ
マルジョンインキの除去能力を高めるようにする。 【解決手段】 エマルジョンインキを顔料とそれ以外の
成分とに分離する多孔質層と、この多孔質層で分離され
た顔料以外の成分を吸収保持する保持層とでインキ除去
シートSを形成し、このインキ除去シートSで印刷直後
の印刷物P上の余分なエマルジョンインキを除去するよ
うにする。これにより、印刷物P上の余分なエマルジョ
ンインキの除去能力を高めるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷済みの印刷物
の印画部上の余分なエマルジョンインキを除去するイン
キ除去シート、印刷物のインキ除去方法、印刷物のイン
キ除去装置、印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エマルジョンインキを用いて印刷
する印刷装置として、平版印刷装置、凹版印刷装置、凸
版印刷装置、孔版印刷装置等があるが、孔版印刷装置で
は殆どエマルジョンインキを使用している。このような
印刷装置に使用されているエマルジョンインキは、不乾
性油や不揮発性油に顔料を均一に分散させた油相約10
〜50%に水相を約90〜50%乳化させたもの、いわ
ゆるW/O型(油中水型)エマルジョンであり、油相中
には、必要に応じて溶剤、樹脂、乳化剤、界面活性剤等
が含まれている。
【0003】ところで、このようなエマルジョンインキ
を用いる印刷装置において、印刷直後の印刷物の印画部
(転移されたエマルジョンインキによる像)は、通常そ
のまま放置させて自然乾燥によって乾燥している。具体
的には、印刷後は、エマルジョンインキ中の油相成分を
用紙中に自然に浸透させ、水相成分を自然に大気中に蒸
発させると言う、単なる放置に任せている。
【0004】そのため、印刷装置において連続的に印刷
された印刷物を排紙トレイの上に重ねて排紙すると、先
に排紙された印刷物上の印画部を構成するエマルジョン
インキの一部が、後から排紙された印刷物の裏面に付着
すると言ういわゆる「裏移り」と称せられる不具合が発
生する。また、印刷直後のエマルジョンインキに触れる
と、乾燥していないエマルジョンインキにより指や衣服
が汚れたり、印刷物上の画像が損なわれると言う不具合
が発生する。特に、孔版印刷装置によって形成されたエ
マルジョンインキの像は、その像の盛り上がりが他の印
刷装置により印刷されたエマルジョンインキの像に比し
て大きく、上述の不具合の発生は顕著なものとなってい
る。
【0005】このような不具合を解決するために、実開
昭55−159149号公報に記載されているように、
例えば、印刷物を放熱源からの熱により非接触状態で加
熱して乾燥することが知られている。
【0006】また、特開平2−16053号公報に記載
されているように、繰り出した帯状の余剰インキ転写紙
を印刷物に押し当てることにより、印刷物上の余剰イン
キを剥ぎ取るようにした発明、特開平1−202487
号公報に記載されているように、印刷物の余剰インキを
ローラに転写させ、それをシートによりクリーニングす
る発明、特開平7−132586号公報或いは特開平8
−258244号公報に記載されているように、インキ
に相容せず且つインキよりも表面張力の低い余剰インキ
除去液を塗布したローラを印刷物に接触させ、そのロー
ラにより印刷物上のインキを剥ぎ取る発明がある。ま
た、特開平9−39362号公報に記載されているよう
に、エマルジョンインキを用いて印刷した直後に、印刷
物(画像担持体)と剛体との間で印画部のエマルジョン
インキを押圧し、エマルジョンインキを破壊させて固定
像を得ることにより、裏移りを防止する発明がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】実開昭55−1591
49号公報に記載されているように、印刷物を放熱源か
らの熱だけで乾燥するようにした技術は、エマルジョン
インキに多量の水分が含まれているため、乾燥後の印刷
物に波打ちが生じたり、エマルジョンインキ中の顔料の
凝集が発生しチョーキングの悪い画像になると言う問題
がある。また、印刷物に波打ちが生ずると、排紙トレイ
上において印刷物が不揃いとなり易く、積層された印刷
物の間に隙間が生ずるため積層枚数が少なくなる不具合
もある。さらに、印刷物のインキの乾燥を加熱のみに依
存すると、加熱が連続して行われるため、加熱部でジャ
ムが発生すると印刷物が異常に加熱されるおそれがあ
り、さらに、放熱源の温度が乾燥可能状態に立ち上げる
ために長い準備時間を必要とする。
【0008】特開平2−16053号公報に記載されて
いるように、帯状の余剰インキ転写紙を印刷物に押し当
てることにより、印刷物上の余剰インキを剥ぎ取るよう
にした発明は、大量の余剰インキ転写紙を消費するため
不経済である。また、特開平1−202487号公報に
記載された発明は、ローラ上に転写させた余剰インキを
クリーニングするために大量のクリーニングシートを消
費するため不経済である。
【0009】特開平7−132586号公報或いは特開
平8−258244号公報に記載された発明は、印刷物
上のインキを剥ぎ取るための余剰インキ除去液の補充や
交換等のメンテナンスを必要とし、また、余剰インキ除
去液をこぼしてしまうことがあるので操作が煩わしい。
【0010】特開平9−39362号公報に記載された
発明は、エマルジョンインキを破壊させて固定像を得て
いるが、回収タンクに回収するエマルジョンインキが液
状であるため、廃棄及び清掃が困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1ないし4記載の
インキ除去シートは、エマルジョンインキを用いて印刷
された印刷物の印画部に接触させたときに、前記印画部
の表面に残存するエマルジョンインキを除去するインキ
除去シートであって、前記印画部に残存するエマルジョ
ンインキに接触してエマルジョンインキを顔料とそれ以
外の成分とに分離して前記印刷物から除去する多孔質層
を表面に有し、かつ分離された顔料以外の成分を吸収し
て保持する保持層を有する。したがって、印刷物の印画
部の余分なエマルジョンインキを多孔質層により顔料と
それ以外の溶媒成分等の成分とに分離して除去し、顔料
以外の溶媒成分等の成分を保持層で吸収して保持するこ
とができる。このため、印刷物上の余分なエマルジョン
インキの除去能力を高めることが可能となる。
【0012】請求項4記載のインキ除去シートは、請求
項3記載の発明において、多孔質層の細孔の実質的な半
径は、エマルジョンインキの顔料の粒子の半径より小さ
い1〜30nmである。したがって、多孔質層における
顔料とそれ以外の成分との分離性がさらに促進される。
【0013】請求項5記載の印刷物のインキ除去方法
は、エマルジョンインキを用いて印刷された印刷物を一
方向に搬送する過程で、請求項1ないし4の何れか一記
載のインキ除去シートを前記印刷物の印画部に接触さ
せ、前記インキ除去シートの多孔質層により前記印画部
の余分な前記エマルジョンインキを顔料とそれ以外の成
分とに分離して除去し、前記多孔質層により分離された
顔料以外の成分を保持層により吸収して保持するととも
に、前記多孔質層の表面に分離されて残った前記顔料を
除去するようにした。したがって、溶媒成分等と分離し
た顔料をインキ除去シートの多孔質層から速やかに除去
することができ、また、顔料と分離した溶媒成分等の成
分を保持層で吸収して保持することができるため、印刷
物上の余分なエマルジョンインキの除去能力を高めるこ
とが可能となる。
【0014】請求項6記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項1ないし4の何れか一記載のインキ除去シー
トを一方向に走行させるシート搬送手段と、エマルジョ
ンインキを用いて印刷された印刷物をその印画部を前記
インキ除去シートの多孔質層側に向けて一方向に導入す
る導入部と、この導入部により導入された前記印刷物を
前記シート搬送部により走行される前記インキ除去シー
トに圧接する圧接部材とを具備する。したがって、導入
部から導入された印刷物が走行されるインキ除去シート
の多孔質層に圧接部材により圧接されて移動する過程
で、印画部上の余分なエマルジョンインキを多孔質層に
より顔料とそれ以外の溶媒成分等の成分とに分離して除
去し、顔料と分離した溶媒成分等の成分を保持層で吸収
して保持することができるため、印刷物上の余分なエマ
ルジョンインキの除去能力を高めることが可能となる。
【0015】請求項7記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6記載の発明において、インキ除去シートの
多孔質層に残ったエマルジョンインキ中の顔料を除去す
るクリーニング手段を具備する。したがって、多孔質層
によるエマルジョンインキの分離除去作用を長期に亘り
促進させることが可能となり、また、インキ除去シート
から印刷物への顔料の再転写を防止することが可能とな
る。
【0016】請求項8記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6又は7記載の発明において、シート搬送手
段は、エンドレスのインキ除去シートを循環させて搬送
するように構成されている。したがって、インキ除去シ
ートを繰り返して使用することができるため、インキ除
去シートの全長を短くすることが可能となる。また、イ
ンキ除去シートの経路を自由に決めることができるた
め、デッドスペースを有効に利用し装置のコンパクト化
を図ることが可能となる。
【0017】請求項9記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6ないし8の何れか一記載の発明において、
シート搬送手段は、インキ除去シートを交換自在に支持
する。したがって、インキ除去シートを交換することに
より、長期間に亘り印刷物上の余分なエマルジョンイン
キを除去することが可能となる。
【0018】請求項10記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6ないし9の何れか一記載の発明において、
インキ除去シートの多孔質層に除去されたエマルジョン
インキの水分を蒸発させる乾燥手段を具備する。したが
って、多孔質層上のエマルジョンインキは水分が乾燥手
段により速やかに蒸発されて粘度が低くなるので、多孔
質層上のエマルジョンインキの浸透性が促進され、多孔
質層上のエマルジョンインキを短時間で顔料とそれ以外
の成分とに分離することが可能となる。
【0019】請求項11記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6ないし10の何れか一記載の発明におい
て、インキ除去シートの保持層に接触される転移部材を
有し、前記保持層に吸収された顔料以外の成分を前記転
移部材に転移させる転移手段を具備する。したがって、
保持層におけるエマルジョンインキの溶媒成分の吸収能
力をさらに高めることが可能となる。
【0020】請求項12記載の印刷装置は、エマルジョ
ンインキを用いて用紙に画像を印刷する印刷手段と、こ
の印刷手段に用紙を給紙する給紙手段と、請求項6ない
し11の何れか一記載の印刷物のインキ除去装置とを具
備する。したがって、インキ除去装置により裏移りの発
生を防止し、印刷手段により連続して印刷を行い得る印
刷装置を提供することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態におけ
るインキ除去シート及び印刷物のインキ除去装置を図1
に基づいて説明する。本実施の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置(以下実施の形態ではインキ除去装置と称
する)Aは、エンドレスのインキ除去シートSを一方向
に走行させるシート搬送手段1と、エマルジョンインキ
を用いて印刷された印刷物Pをその印画部aをインキ除
去シートSの多孔質層側に向けて一方向に導入する導入
部2と、この導入部2により導入された印刷物Pをシー
ト搬送部1により走行されるインキ除去シートSに圧接
する圧接部材3と、クリーニング手段4とを具備する。
また、この例では、この圧接部材3を通過する印刷物P
を一方向に排出する排出部5と、印刷物Pを排出部5側
に吸引する吸引ファン6とが設けられている。
【0022】前記シート搬送手段1は、エンドレスのイ
ンキ除去シートSが巻回された複数の搬送ローラ7,8
と、これらの搬送ローラ7,8の一方を駆動するモータ
(図示せず)とよりなる。圧接部材3はインキ除去シー
トSとの摩擦により追従回転するローラが用いられ、こ
の圧接部材3と下方の搬送ローラ8とは、両者の間でイ
ンキ除去シートSと印刷物Pとを弾性的に挾持するよう
にゴム硬度が20°〜60°に定められている。
【0023】前記クリーニング手段4は、クリーニング
ローラ9と、このクリーニングローラ9によりインキ除
去シートSから除去した顔料10を溜める回収ケース1
1とよりなる。クリーニングローラ9は回転することに
よりインキ除去シートSから顔料10を払拭することを
目的とするもので、インキ除去シートSに対して線速差
が得られる状態で駆動すればよく、回転方向は問わな
い。
【0024】前記排出部5は圧接部材3を通過する印刷
物Pを排紙トレイ12に向けて搬送するもので、この例
ではベルトコンベアが用いられている。
【0025】ところで、インキ除去シートSは、印刷時
に印刷物Pに転写された余分のエマルジョンインキを除
去することにより、印刷物Pの乾燥を促進するためのも
のである。本実施の形態におけるインキ除去シートS
は、印刷物P上の余分なエマルジョンインキを効率よく
除去するために次のように構成されている。
【0026】すなわち、インキ除去シートSは、印刷物
P上の印画部aを構成するエマルジョンインキを顔料と
それ以外の成分(エマルジョンインキの溶媒成分等)と
に分離して除去する多孔質層(図示せず)と、この多孔
質層で分離した顔料以外の溶媒成分等の成分を吸収保持
する保持層(図示せず)とを有する。保持層はシート基
材(図示せず)の一面に形成され、その表面に多孔質層
が形成されている。
【0027】この場合、多孔質層は、シリカ、アルミナ
等の無機顔料粒子とバインダとからなるもの、特に擬ベ
ーマイトを含むものが好適で、細孔構造としては細孔半
径が実質的にインキの顔料粒子の半径よりも小さいこと
が好ましく、本実施の形態では1〜30nmである。多
孔質層が擬ベーマイトを含む場合、ベーマイト結晶がシ
ート基材に対してb軸が垂直に配向していると高い吸収
作用が得られるので好ましい。
【0028】多孔質層は、例えば、擬ベーマイトゾルと
有機バインダとの混合液を塗工液としてシート基材に塗
布し、乾燥することにより形成される。具体的には、擬
ベーマイトゾルに有機バインダを加えてスラリ状とし、
ロールコータ、エアナイフコータ、ブレードコータ、ロ
ッドコータ、バーコータ、コンマコータ等を用いてシー
ト基材に塗布した後に乾燥する。
【0029】この場合、擬ベーマイトゾルに混合する有
機バインダとしては、澱粉やその変性物、ポリビニルア
ルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合
ゴム(SBR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合ゴム(NBR)ラテックス、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン等の使用が可能で
ある。このような有機バインダの使用量は、塗工液中に
含まれる擬ベーマイトゾルの3〜50重量%程度が好ま
しい。3重量%未満の場合には多孔質層の強度が不十分
となるおそれがあり、50重量%を超える場合には、イ
ンキの吸収性が損なわれるおそれがある。
【0030】さらに、擬ベーマイトを含む多孔質層に
は、インキの吸収性の向上等を目的として、シリカゲ
ル、アルミナゲル等の複数の顔料を併用することもでき
る。特に、多孔質層の表面の耐擦傷性を高めるために、
多孔質層の上にシリカゲル層を設けることもできる。シ
リカゲル層の平均粒径を10〜90nmとし、固形分濃
度を1〜20重量%のシリカゾルにバインダを加えて塗
布すると、塗工膜の耐擦傷性が高くなるので好ましい。
【0031】シリカゾルに加えるバインダとしては、多
孔質層の形成に使用するものと同様のバインダが使用さ
れるが、特に、珪素含有ポリマーを使用することが好ま
しい。この場合のバインダの使用量は、シリカゾルの固
形分(SiO2 換算)に対して1〜30重量%が好まし
い。すなわち、バインダの使用量が1重量%未満の場合
はシリカゲル層の機械的強度が不足し、擬ベーマイトの
保護効果が不十分になるおそれがあり、バインダの使用
量が30重量%を超えるとインキの吸収性が不足するお
それがある。
【0032】このように、上記の塗工液を擬ベーマイト
を含む多孔質層の上に塗布し乾燥することによりシリカ
ゲル層を形成するが、その厚さは0.1〜30μm程度
が好ましい。0.1μm未満の場合には、擬ベーマイト
を含む多孔質層の保護効果が充分に得られず耐擦傷性が
不足するおそれがあり、30μmを超えると塗工膜にお
けるインキ培養成分の吸収性が損なわれる。シリカゲル
層の厚さは0.2〜2μmであるとさらに好ましい。
【0033】さらに、多孔質層の表面は、印刷物Pから
吸収し表面に残った顔料を効率よく除去するために平滑
であることが好ましい。この場合、キャスト法により塗
工したり、その他の方法で塗工した後にカレンダリング
等の方法により多孔質層の表面を平滑にすることができ
る。
【0034】一方、保持層は、多孔質層が吸収したエマ
ルジョンインキの顔料以外の成分(溶媒成分等)を吸収
して保持するものであれば任意の材料を使用することが
できる。材料によってはシート基材そのものを保持層と
することもでき、或いはシート基材と多孔質層との間に
別の層として設けてもよい。具体的には、パルプを原料
とする紙や合成紙を用いた多孔質材が基材兼保持層とし
て使用できる。この場合、多孔質層の表面を平滑にする
観点から、ある程度平滑な材料を用いることが好まし
い。なかでも、エマルジョンインキの保持量が大きく、
且つ、エマルジョンインキ吸収時の変形が小さく繰り返
しの使用が可能な材料が好ましい。その一例としてはシ
リカとポリオレフィン樹脂との混合物からなる多孔質材
が挙げられる。
【0035】図1に示すインキ除去装置Aにおいて、搬
送ローラ7を時計方向に駆動すると、インキ除去シート
Sと搬送ローラ8とは時計方向に回転し、圧接部材3は
反時計方向に追従回転する。そして、クリーニングロー
ラ9を時計方向に、排出部6を反時計方向に駆動し、吸
引ファン6を駆動し、印刷物Pの印画部aをインキ除去
シートSの外周面(多孔質層)側に向けて導入部2によ
り印刷物Pを導入すると、この印刷物Pは回転するイン
キ除去シートSに圧接部材3によって圧接されて左方に
搬送される。この過程で、印刷物P上の余分なエマルジ
ョンインキがインキ除去シートSにより除去される。そ
の後、印刷物Pは回転する排出部5に吸引ファン6によ
り吸引され、この排出部5により排紙トレイ12に排出
される。
【0036】この場合、印刷物P上の余分なエマルジョ
ンインキは、次のようにしてインキ除去シートSにより
除去される。すなわち、印画部aの表面の未乾燥のエマ
ルジョンインキはインキ除去シートSの外層の多孔質層
に付着する。多孔質層のシリカゲル層下の擬ベーマイト
の細孔半径は、実質的にエマルジョンインキの顔料粒子
の半径よりも小さい1〜30nmであるので、エマルジ
ョンインキは顔料10と溶媒成分とに分離され、顔料1
0は多孔質層の表面に残り、溶媒成分は吸収性の高い保
持層に吸収されて保持される。これにより、インキ除去
シートSの表面(多孔質層)は液分で飽和しにくくな
り、その分インキ吸収能力が高くなるので、印刷物P上
の余分なエマルジョンインキの除去効率を高めることが
可能となる。
【0037】また、インキ除去シートSの多孔質層に付
着した顔料10はクリーニングローラ9により払拭され
回収ケース11に回収されるので、多孔質層によるエマ
ルジョンインキの分離除去作用を長期に亘り促進させる
ことができる。しかも、インキ除去シートSから印刷物
Pへの顔料10の再転写を防止することができる。回収
ケース11に回収された顔料10は、回収ケース11を
取り外すことにより所望の場所に捨てることができる。
【0038】さらに、シート搬送手段1は、エンドレス
のインキ除去シートSを循環させて搬送するので、イン
キ除去シートSを繰り返して使用することができる。こ
れにより、インキ除去シートSの全長を短くすることが
できる。また、インキ除去シートSの経路を自由に決め
ることができるため、デッドスペースを有効に利用して
インキ除去シートSを配置することができ、これによ
り、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0039】さらに、シート搬送手段1を構成する搬送
ローラ7,8に対して、インキ除去シートSを交換可能
にすることで、長期間に亘り印刷物P上の余分なエマル
ジョンインキを除去することができる。インキ除去シー
トSを交換可能に支持する構成例としては、例えば、ス
プリングを含む加圧機構(図示せず)により搬送ローラ
8を圧接部材3に弾性的に接触するように接離自在に支
持し、この搬送ローラ8を付勢力に抗して圧接部材3か
ら退避させることにより、搬送ローラ7,8からインキ
除去シートSを容易に外すことができる。
【0040】次に、本発明の実施の第二の形態における
インキ除去装置を図2に基づいて説明する。本実施の形
態におけるインキ除去装置Bは、図1に示すインキ除去
装置Aの構成の他に、インキ除去シートSの多孔質層に
付着するエマルジョンインキの水分を蒸発させる乾燥手
段13を具備する。この乾燥手段13は、ヒータ14と
このヒータ14の熱をインキ除去シートSに向けて送る
送風ファン15とよりなる。ヒータ14は、赤外線ヒー
タ、セラミックヒータ、ハロゲンランプ等を熱源とする
ランプヒータ、温風ヒータ等のうちの一つが用いられ、
発熱量が制御できるものである。
【0041】一般に、エマルジョンインキは、空気中に
放置すると表面から徐々に水分が蒸発し油相比が高くな
り低粘度になるが、インキ除去シートSの多孔質層上の
エマルジョンインキは水分が乾燥手段13により速やか
に蒸発されて粘度が低くなるので、多孔質層上のエマル
ジョンインキの浸透性が促進され、多孔質層上のエマル
ジョンインキを短時間で顔料とそれ以外の成分とに分離
することができる。
【0042】また、クリーニングローラ9でインキ除去
シートS上の顔料10を払拭する場合、水分を速く蒸発
させて固形化した顔料10を払拭する方が払拭し易い
が、本実施の形態では、インキ除去シートSが印刷物P
に接触するときからクリーニングローラ9に接触するま
での時間が短くても乾燥手段13により顔料10を速や
かに固形化することができるので、インキ除去シートS
の長さを短くし、装置全体の構造のコンパクト化に寄与
することができる。
【0043】さらに、本発明の実施の第三の形態におけ
るインキ除去装置を図3に基づいて説明する。本実施の
形態におけるインキ除去装置Cは、図2に示すインキ除
去装置Bの構成の他に、インキ除去シートSの保持層
(内層)に吸収された顔料10以外の成分を転移させる
転移手段16を具備する。この転移手段16は、インキ
除去シートSの保持層に接触する転移部材である回転自
在の転移ローラ17と、この転移ローラ17にインキ除
去シートSをスプリング等の加圧部材(図示せず)によ
り押圧する回転自在の押圧ローラ18とよりなる。転移
ローラ17は、ゴムやスポンジ等のようにエマルジョン
インキを吸収し易い材料により形成され、交換自在に支
持されている。また、転移ローラ17と押圧ローラ18
とは、回転するインキ除去シートSとの摩擦により追従
回転するように構成されている。
【0044】したがって、前述のように、印刷物P上の
余分のエマルジョンインキはインキ除去シートSの多孔
質層により顔料とそれ以外の成分とに分離して除去され
るが、保持層で吸収した顔料以外の成分を転移ローラ1
7に転移させることができるので、保持層におけるエマ
ルジョンインキの溶媒成分の吸収能力を高めることがで
きる。
【0045】さらに、本発明の実施の第四の形態におけ
るインキ除去装置を図4に基づいて説明する。本実施の
形態において、図1で示した構成と同一部分は同一符号
を用い説明も省略する。本実施の形態におけるインキ除
去装置Dは、印刷物Pの両面に印刷された余分のエマル
ジョンインキをインキ除去シートSで除去しようとする
ものである。すなわち、印刷物Pを挾持して搬送する複
数対のローラ19を備えて印刷物Pを導入する導入部2
0が設けられ、この導入部20を境とする上下の対称位
置に、それぞれエンドレスのインキ除去シートSを走行
させる二つのシート搬送手段1と、二つのクリーニング
手段4と、二つの乾燥手段13とが配設されている。上
下のシート搬送手段1の従動側の搬送ローラ8は、それ
ぞれ印刷物Pをインキ除去シートSに圧接させる圧接部
材として機能する。これにより、図1ないし図3で用い
た圧接部材3は本実施の形態では不要である。
【0046】したがって、上方のシート搬送手段1の搬
送ローラ7を時計方向に駆動し、下方のシート搬送手段
1の搬送ローラ7を反時計方向にすると、上下のインキ
除去シートSは搬送ローラ8とともに駆動側の搬送ロー
ラ7と同方向に回転する。印刷物Pをローラ19により
左方に向けて搬送すると、この印刷物Pは回転するイン
キ除去シートSに圧接されて左方に搬送される。この過
程で、印刷物Pの上下両面に印刷された余分のエマルジ
ョンインキがインキ除去シートSにより除去される。
【0047】さらに、本発明の実施の第五の形態におけ
るインキ除去装置を図5に基づいて説明する。図1にお
いて説明した部分と同一部分は同一符号を用い説明も省
略する。本実施の形態におけるインキ除去装置Eにおけ
るシート搬送手段1は、基本的に図1で示したシート搬
送手段1と同様である。異なる点は、モータに駆動され
る搬送ローラ7と、従動回転する二つの搬送ローラ8と
でエンドレスのインキ除去シートSを巻回保持している
点である。他の導入部2、圧接部材3、排出部5、クリ
ーニング手段4、吸引ファン6の構成は図1で示した構
成と同様である。
【0048】本実施の形態のインキ除去装置Eは、前述
したクリーニング手段4の前段にもクリーニング手段2
1を具備している。このクリーニング手段21は、布製
のエンドレスのクリーニングシート22を複数の支持ロ
ーラ23で巻回保持することにより形成されている。そ
してクリーニングシート22は、隣接する支持ローラ2
3の間において搬送ローラ8上のインキ除去シートSに
圧接されているとともに、一つの支持ローラ23の外周
上でクリーニングローラ9に圧接されている。このクリ
ーニングシート22は複数の支持ローラ23のうちの一
つをモータ(図示せず)で駆動することにより時計方向
に回転するように構成されている。
【0049】すなわち、本実施の形態では、インキ除去
シートS上の顔料10を回転するクリーニングシート2
2により払拭し、さらに、クリーニングシート22上の
顔料を回転するクリーニングローラ9により払拭するこ
とができる。このように複数のクリーニング手段4,2
1で顔料を回収するので、顔料の回収能力を向上させ、
その分インキ除去シートSのインキ除去能力を向上させ
ることができる。この場合、クリーニングシート22を
インキ除去シートSと同様に交換するようにしてもよ
い。
【0050】さらに、本発明の実施の第六の形態におけ
るインキ除去装置を図6に基づいて説明する。本実施の
形態は、基本的に図5で示した構成と同様であるので、
同一部分は同一符号を用い説明も省略する。本実施の形
態のインキ除去装置Fのシート搬送手段1は、モータに
駆動される搬送ローラ7と、従動回転する三つの搬送ロ
ーラ8とでエンドレスのインキ除去シートSを巻回保持
している。また、この例もクリーニング手段4の前段に
クリーニング手段21を具備している。このクリーニン
グ手段21のクリーニングシート22は、隣接する二つ
の支持ローラ23の外周において搬送ローラ8上のイン
キ除去シートSに圧接されているとともに、一つの支持
ローラ23の外周上でクリーニングローラ9に圧接され
ている。
【0051】したがって、第五の実施の形態と同様に、
インキ除去シートS上の顔料10を回転するクリーニン
グシート22により払拭し、さらに、クリーニングシー
ト22上の顔料を回転するクリーニングローラ9により
払拭することができる。
【0052】次に、本発明の実施の第七の形態を図7に
基づいて説明する。この例は、前述したインキ除去装置
AないしFのうちの一つのインキ除去装置Bが実装され
たインキ除去装置本体24を、印刷装置Gに接続配置し
た構成である。
【0053】この例での印刷装置Gは、原稿画像を読み
取るスキャナ25と、昇降自在な給紙台26と、この給
紙台26に積載された用紙pを一枚ずつ分離して給紙す
る給紙手段27と、原稿画像の読取データに基づいてマ
スタMを製版する製版部28と、この製版部28により
製版されたマスタMを版胴29に巻き付けて版胴29内
のエマルジョンインキを介して滲み出させて用紙pに転
写する印刷手段30と、この印刷手段30により印刷さ
れた印刷物Pをインキ除去装置Bの導入部2に受け渡す
ベルトコンベア31と、印刷物Pをベルトコンベア31
に吸引する吸引ファン32と、使用済みのマスタMを版
胴29から剥離する排版部33とを有する。
【0054】したがって、印刷装置Gでは、前回使用済
みのマスタMを排版部33により版胴29から剥離し、
原稿の画像をスキャナ25で読み取ると、その読取デー
タに基づいて製版部28がマスタMを製版する。印刷手
段30は製版されたマスタMを版胴29に巻き付けて用
紙pに印刷し、印刷済みの印刷物Pをベルトコンベア3
1により搬送する。
【0055】インキ除去装置Bでは、図2を用いて説明
したように、印刷物P上の余分な印画部aのエマルジョ
ンインキを除去する。
【0056】次に、本発明の実施の第八の形態を図8に
基づいて説明する。この例は、前述したインキ除去装置
AないしFのうちの一つのインキ除去装置Bを内蔵した
印刷装置Hの例である。なお、前実施の形態における印
刷装置Gの構成部品と同一機能を示す構成部品は同一符
号を用い説明も省略する。これは本実施の形態に続く他
の実施の形態においても同様である。
【0057】この例での印刷装置Hは、スキャナ25
と、給紙台26と、給紙手段27と、製版部28と、印
刷手段30とを有する。この例は、二色印刷をするため
に二つの印刷手段30が設けられている。そして、前段
の印刷手段30で一色目の画像を印刷した印刷物P上の
エマルジョンインキが、後段の印刷手段30のマスタM
に転写しないように、一色目の印刷を終えた印刷物P上
の余分のエマルジョンインキを除去するインキ除去装置
Bが二つの印刷手段30の間に設けられている。前段の
版胴29とシート搬送手段1との間には、印刷物Pを圧
接部材3側に導入する導入部(ベルトコンベア)34が
設けられ、圧接部材3と後段の版胴29との間、及び後
段の版胴29と排紙トレイ12との間には、印刷物Pを
搬送するベルトコンベア31がそれぞれ設けられてい
る。
【0058】したがって、前段の印刷手段30により印
刷された印刷物Pは後段の印刷手段30に搬送される途
中で、印刷物P上の余分のエマルジョンインキが回転す
るインキ除去シートSにより除去される。このような効
果は、3つ以上の印刷手段30を備えた多色印刷装置に
おいても言えるものである。
【0059】次に、本発明の実施の第九の形態を図9に
基づいて説明する。本実施の形態における印刷装置I
は、スキャナ25と、給紙台26と、給紙手段27と、
製版部28と、印刷手段30とを有する。この例は、両
面印刷をするために、用紙pの表面に印刷する印刷手段
30と、この印刷手段30の後段に配列されて印刷物P
の裏面に印刷する印刷手段30とが設けられている。そ
して、この印刷装置Iは、それぞれの印刷手段30によ
り印刷された印刷物P上の余分のエマルジョンインキを
除去する二つのインキ除去装置Bを内蔵する例である。
【0060】したがって、前段の印刷手段30により印
刷された印刷物Pが後段の印刷手段30に搬送される過
程で、表面の余分なエマルジョンインキがインキ除去シ
ートSにより除去され、後段の印刷手段30により印刷
された印刷物Pが排紙トレイ12に搬送される前に裏面
の余分なエマルジョンインキがインキ除去シートSによ
り除去される。
【0061】なお、図8及び図9で示したインキ除去装
置Bのシート搬送手段1、クリーニング手段4、乾燥手
段13は、図2で示した場合と向きが異なるが、これは
部品配置の関係で異なるだけで機能は図2で説明したも
のと全く同様である。
【0062】さらに、本発明の実施の第十の形態を図1
0に基づいて説明する。前実施の形態における印刷装置
Iは用紙pの両面に印刷する場合に片面ずつ時間を分け
て印刷するが、本実施の形態における印刷装置Jは、用
紙pの両面に同時に印刷するように、版胴29を同一垂
直面内で対向配置することで印刷手段30が形成されて
いる。そして、この印刷装置Jは、両面印刷された印刷
物Pの両面の余分なエマルジョンインキを除去するため
に、図4で説明したインキ除去装置Dを内蔵している。
【0063】したがって、印刷手段30により印刷され
た印刷物Pが排紙トレイ12に搬送される前に表裏両面
の余分なエマルジョンインキが上下で対向配置されたイ
ンキ除去シートSにより除去される。
【0064】
【発明の効果】請求項1ないし4記載のインキ除去シー
トは、印刷物の印画部のエマルジョンインキを顔料とそ
れ以外の成分とに分離して除去する多孔質層と、この多
孔質層により分離された顔料以外の成分を吸収して保持
する保持層とを具備するので、印刷物上の余分なエマル
ジョンインキを多孔質層により顔料とそれ以外の溶媒成
分等の成分とに分離して除去し、顔料以外の溶媒成分等
の成分を保持層で吸収して保持することができる。この
ため、印刷物上の余分なエマルジョンインキの除去能力
を高めることができる。この場合、請求項3記載のよう
に、多孔質層の実質的な細孔半径は、エマルジョンイン
キの顔料の粒子の半径より小さい1〜30nmであるの
で、多孔質層における顔料とそれ以外の成分との分離性
をさらに促進し、多孔質層上の顔料を短時間で固形化す
ることができる。
【0065】請求項5記載の印刷物のインキ除去方法
は、印刷物を一方向に搬送する過程で、請求項1ないし
4の何れか一記載のインキ除去シートを印刷物の印画部
に接触させ、インキ除去シートの多孔質層により印刷物
の印画部上のエマルジョンインキを顔料とそれ以外の成
分とに分離して除去し、多孔質層により分離された顔料
以外の成分を保持層により吸収して保持するとともに、
多孔質層の表面に分離されて残った顔料を除去するよう
にしたので、溶媒成分等と分離した顔料をインキ除去シ
ートの多孔質層から速やかに除去することができ、ま
た、顔料と分離した溶媒成分等の成分を保持層で吸収し
て保持することができるため、印刷物上の余分なエマル
ジョンインキの除去能力を高めることができる。
【0066】請求項6記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項1ないし4の何れか一記載のインキ除去シー
トを一方向に走行させるシート搬送手段と、印刷物をそ
の印画部をインキ除去シートの多孔質層側に向けて一方
向に導入する導入部と、この導入部により導入された印
刷物をインキ除去シートに圧接する圧接部材とを具備す
るので、印刷物上の余分なエマルジョンインキを多孔質
層により顔料とそれ以外の溶媒成分等の成分とに分離し
て除去し、顔料以外の溶媒成分等の成分を保持層で吸収
して保持することができるため、印刷物上の余分なエマ
ルジョンインキの除去能力を高めることができる。
【0067】請求項7記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6記載の発明において、インキ除去シートの
多孔質層に残ったエマルジョンインキ中の顔料を除去す
るクリーニング手段を具備するので、多孔質層によるエ
マルジョンインキの分離除去作用を長期に亘り促進させ
ることができ、また、インキ除去シートから印刷物への
顔料の再転写を防止することができる。
【0068】請求項8記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6又は7記載の発明において、シート搬送手
段は、エンドレスのインキ除去シートを循環させて搬送
するように構成されているので、インキ除去シートを繰
り返して使用することができるため、インキ除去シート
の全長を短くすることができる。また、インキ除去シー
トの経路を自由に決めることができるため、デッドスペ
ースを有効に利用し装置のコンパクト化を図ることがで
きる。
【0069】請求項9記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6ないし8の何れか一記載の発明において、
シート搬送手段は、インキ除去シートを交換自在に支持
するので、インキ除去シートを交換することにより、長
期間に亘り印刷物上の余分なエマルジョンインキを除去
することができる。
【0070】請求項10記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6ないし9の何れか一記載の発明において、
インキ除去シートの多孔質層に除去されたエマルジョン
インキの水分を蒸発させる乾燥手段を具備するので、多
孔質層上のエマルジョンインキは水分が乾燥手段により
速やかに蒸発されて粘度が低くなるため、多孔質層上の
エマルジョンインキの浸透性を促進し、多孔質層上のエ
マルジョンインキを短時間で顔料とそれ以外の成分とに
分離することが可能となり、インキ除去シートによる印
刷物上のエマルジョンインキの除去速度を加速すること
ができる。
【0071】請求項11記載の印刷物のインキ除去装置
は、請求項6ないし10の何れか一記載の発明におい
て、インキ除去シートの保持層に接触される転移部材を
有し、前記保持層に吸収された顔料以外の成分を前記転
移部材に転移させる転移手段を具備するので、保持層に
おけるエマルジョンインキの溶媒成分の吸収能力をさら
に高めることができる。
【0072】請求項12記載の印刷装置は、エマルジョ
ンインキを用いて用紙に画像を印刷する印刷手段と、こ
の印刷手段に用紙を給紙する給紙手段と、請求項6ない
し11の何れか一記載の印刷物のインキ除去装置とを具
備するので、インキ除去装置により裏移りの発生を防止
し、印刷手段により連続して印刷を行い得る印刷装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置の概略構成を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の実施の第二の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置の概略構成を示す縦断正面図である。
【図3】本発明の実施の第三の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置の概略構成を示す縦断正面図である。
【図4】本発明の実施の第四の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置の概略構成を示す縦断正面図である。
【図5】本発明の実施の第五の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置の概略構成を示す縦断正面図である。
【図6】本発明の実施の第六の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置の概略構成を示す縦断正面図である。
【図7】本発明の実施の第七の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置と印刷装置との接続状態を概略的に示す縦
断正面図である。
【図8】本発明の実施の第八の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置を内蔵した印刷装置の内部構造を概略的に
示す縦断正面図である。
【図9】本発明の実施の第九の形態における印刷物のイ
ンキ除去装置を内蔵した印刷装置の内部構造を概略的に
示す縦断正面図である。
【図10】本発明の実施の第十の形態における印刷物の
インキ除去装置を内蔵した印刷装置の内部構造を概略的
に示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 シート搬送手段 2,34 導入部 3,8 圧接部材 4,21 クリーニング手段 13 乾燥手段 16 転移手段 17 転移部材 30 印刷手段 27 給紙手段 A〜F 印刷物のインキ除去装置 a 印画部 P 印刷物 p 用紙 S インキ除去シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 芳彦 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1 東北リコー株式会社内 (72)発明者 佐藤 正寿 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1 東北リコー株式会社内 (72)発明者 松原 俊哉 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 雉子牟田 等 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 若林 昌子 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エマルジョンインキを用いて印刷された
    印刷物の印画部に接触させたときに、前記印画部の表面
    に残存するエマルジョンインキを除去するインキ除去シ
    ートであって、前記印画部に残存するエマルジョンイン
    キに接触してエマルジョンインキを顔料とそれ以外の成
    分とに分離して前記印刷物から除去する多孔質層を表面
    に有し、かつ分離された顔料以外の成分を吸収して保持
    する保持層を有することを特徴とするインキ除去シー
    ト。
  2. 【請求項2】 多孔質層が、無機顔料粒子とバインダと
    を含んでいる請求項1記載のインキ除去シート。
  3. 【請求項3】 多孔質層の実質的な細孔半径が、1〜3
    0nmである請求項1又は2記載のインキ除去シート。
  4. 【請求項4】 多孔質層が、擬ベーマイトを含んでいる
    請求項1,2又は3記載のインキ除去シート。
  5. 【請求項5】 エマルジョンインキを用いて印刷された
    印刷物を一方向に搬送する過程で、請求項1ないし4の
    何れか一記載のインキ除去シートを前記印刷物の印画部
    に接触させ、前記インキ除去シートの多孔質層により前
    記印画部の余分な前記エマルジョンインキを顔料とそれ
    以外の成分とに分離して除去し、前記多孔質層により分
    離された顔料以外の成分を保持層により吸収して保持す
    るとともに、前記多孔質層の表面に分離されて残った前
    記顔料を除去するようにしたことを特徴とする印刷物の
    インキ除去方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4の何れか一記載のイン
    キ除去シートを一方向に走行させるシート搬送手段と、
    エマルジョンインキを用いて印刷された印刷物をその印
    画部を前記インキ除去シートの多孔質層側に向けて一方
    向に導入する導入部と、この導入部により導入された前
    記印刷物を前記シート搬送部により走行される前記イン
    キ除去シートに圧接する圧接部材とを具備することを特
    徴とする印刷物のインキ除去装置。
  7. 【請求項7】 インキ除去シートの多孔質層に残ったエ
    マルジョンインキ中の顔料を除去するクリーニング手段
    を具備する請求項6記載の印刷物のインキ除去装置。
  8. 【請求項8】 シート搬送手段は、エンドレスのインキ
    除去シートを循環させて搬送するように構成されている
    請求項6又は7記載の印刷物のインキ除去装置。
  9. 【請求項9】 シート搬送手段は、インキ除去シートを
    交換自在に支持することを特徴とする請求項6ないし8
    の何れか一記載の印刷物のインキ除去装置。
  10. 【請求項10】 インキ除去シートの多孔質層に除去さ
    れたエマルジョンインキの水分を蒸発させる乾燥手段を
    具備する請求項6ないし9の何れか一記載の印刷物のイ
    ンキ除去装置。
  11. 【請求項11】 インキ除去シートの保持層に接触され
    る転移部材を有し、前記保持層に吸収された顔料以外の
    成分を前記転移部材に転移させる転移手段を具備する請
    求項6ないし10の何れか一記載の印刷物のインキ除去
    装置。
  12. 【請求項12】 エマルジョンインキを用いて用紙に画
    像を印刷する印刷手段と、この印刷手段に用紙を給紙す
    る給紙手段と、請求項6ないし11の何れか一記載の印
    刷物のインキ除去装置とを具備することを特徴とする印
    刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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