JPH1189925A - 空気中の菌類の除去方法及び装置 - Google Patents

空気中の菌類の除去方法及び装置

Info

Publication number
JPH1189925A
JPH1189925A JP9270353A JP27035397A JPH1189925A JP H1189925 A JPH1189925 A JP H1189925A JP 9270353 A JP9270353 A JP 9270353A JP 27035397 A JP27035397 A JP 27035397A JP H1189925 A JPH1189925 A JP H1189925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
electrode
fungi
photocatalyst
photoelectrons
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9270353A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3761302B2 (ja
Inventor
Toshiaki Fujii
敏昭 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP27035397A priority Critical patent/JP3761302B2/ja
Publication of JPH1189925A publication Critical patent/JPH1189925A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3761302B2 publication Critical patent/JP3761302B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気中の菌類を効果的に捕集・除菌(殺菌)
できる方法及び装置を提供する。 【解決手段】 空気中の菌類を除去する方法において、
殺菌すべき空気を殺菌線が照射されている網状又は線状
に設けられた電極に通すこととしたものであり、また、
空気中の菌類を除去する装置において、除菌すべき空気
を通す流路7-1、7-2中に、網状又は線状の電極6と、
該電極に殺菌線を照射する殺菌灯5を設けたものであ
り、そして、前記電極6は、少なくとも一部が光触媒で
構成されているのが良く、前記流路7-1、7-2には、電
極6の前方に、光電子12あるいは放電により除菌すべ
き菌類13を荷電する荷電手段9、10、11を設ける
のが良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中の菌類の除
去に係り、特に、病院、食品工場、デパート、製薬工場
や一般家庭等で空気中の菌類が問題となる空間の菌類を
除去(殺菌・滅菌)する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空間の清浄化技術として、病院に
おける空気清浄器を例に説明する。該空気清浄器は、ろ
過フィルタによる粒子状物質(菌類を含む)の捕集部、
活性炭(繊維状)による臭気性物質の捕集部、及び被処
理空気を該捕集部に夫々強制通気するためのファンによ
り構成されていた。このような構成では、菌類はフィル
タ上に捕集されるが、フィルタ上では、殺菌(滅菌)さ
れないので、フィルタ上での菌類の増殖、及び後方への
流出などの問題があり、菌の存在が課題となる技術分野
では問題であった。また、オゾンを用いる除菌(殺菌)
装置も提案されているが、オゾンは人体(生体)に有害
であるため、使用に限界があり、問題であった。このよ
うに、現状の空気清浄方式は、フィルタ状あるいは繊維
状のろ過機構のため、該表面上への菌類の付着による増
殖、後方への流出、また、発生オゾン等の問題があり、
さらに、ファンによる騒音発生の問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記従来技術の問題点を解決し、空気中の菌類を効果的に
捕集・除菌できる方法及び装置を提供することを課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、空気中の菌類を除去する方法におい
て、除菌すべき空気を殺菌線が照射されている網状又は
線状に設けられた電極に通すことを特徴とする空気中の
菌類の除去方法としたものである。また、本発明では、
空気中の菌類を除去する装置において、除菌すべき空気
を通す流路中に、網状又は線状の電極と、該電極に殺菌
線を照射する殺菌灯を設けたことを特徴とする空気中の
菌類の除去装置としたものである。前記本発明におい
て、電極は、少なくとも一部を光触媒で構成するのが良
く、また、除菌すべき菌類は、予め光電子又は放電によ
って荷電されているのが良く、そのため、流路の電極の
前方に、光電子又は放電による荷電手段を設けるのが良
い。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、次の5つの知見に基づ
いてなされたものである。 即ち、(1)空気中の菌類は、フィルタや繊維などを用
いるろ過機構により捕集されるが、表面上で増殖するの
で、実用上の問題となる。 (2)空気中の菌類は、わずかの荷電を有するので、電
極により捕集されるが、通常の電極材や形状ではその表
面上で増殖するので、実用上の問題となる。 (3)上記の問題に対して、殺菌線(254nm)が、
照射さた網状又は線状電極を用いると、空気中の菌類は
捕集されると同時に、殺菌線により殺菌(滅菌)され、
実用上好ましい形態となる。ここで網状又は線状電極を
用いる理由は、殺菌灯からの殺菌線を効果的に照射し、
電極上の捕集菌類を殺菌するためである。 (4)前記電極上に、光触媒を付加あるいは一体化する
と、光触媒は光触媒作用を発揮し、殺菌効果が一層効果
的となる。 (5)空気中の菌類の前記電極上への捕集において、除
菌すべき菌類に予め光電子及び/又は放電によるイオン
により荷電(多くの電荷の付与)を行うと、該菌類の電
極上への捕集効果が向上する。
【0006】次に、本発明を各構成ごとに詳細に説明す
る。先ず、電極について説明すると、形状は殺菌灯から
の放出殺菌線(254nm)が、電極全体に、照射され
るものであれば何れでも良く、網状(繊維状)、線状、
格子状等があり、この内、網状、線状が効果が高いこと
から好ましい。材質は、電極として電界形成できるもの
であれば良く、例としてSUS、Cu−Zn、Al、W
がある。電極と空間との開口率(電極材と空間面積の比
率で、平面にした場合に電極材の面積と、電極間の面積
の比率)は、紫外線が空間を通り電極に達するものであ
れば良く、菌の耐UV照射強度によって適宜予備試験を
行い決めることができる。通常、開口率は電極材面積に
対する空間の面積比で、0.3〜20、好ましくは1〜
10である。電極における電界は、菌類が捕集される電
界であれば良く、適宜予備試験を行い決めることができ
る。通常500〜3000V/cmである。
【0007】光触媒は、電極上に一体化(同一面上に配
置)され、殺菌線(紫外線)の照射により、電極上に捕
集された菌類(ウイルス、バクテリヤ、酵母、カビ、ビ
ールス、グラム陰性菌、グラム陽性菌等)や微生物を殺
菌(滅菌)するものであれば何れでもよい。光触媒を電
極上に一体化する方法としては、次の4つの方法があ
る。 (1) 電極材上への光触媒材の付加、(2) 光触媒
材への電極の付加、(3) 電極材と光触媒材の混合、
又は多層化(4) 光触媒材(Tiの酸化)の電極とし
ての利用、
【0008】光触媒は、通常、半導体材料が効果的であ
り、容易に入手出来、加工性も良いことから好ましい。
効果や経済性の面から、Se,Ge,Si,Ti,Z
n,Cu,Al,Sn,Ga,In,P,As,Sb,
C,Cd,S,Te,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,
Sr,W,Cr,Ba,Pbのいずれか、又はこれらの
化合物、又は合金、又は酸化物が好ましく、これらは単
独で、また2種類以上を複合して用いる。例えば、元素
としてはSi,Ge,Se、化合物としてはAlP,A
lAs,GaP,AlSb,GaAs,InP,GaS
b,InAs,InSb,CdS,CdSe,ZnS,
MoS2 ,WTe2 ,Cr2 Te3 ,MoTe,Cu2
S,WS2 、酸化物としてはTiO2 ,Bi2 3 ,C
uO,Cu2 O,ZnO,MoO3 ,InO3 ,Ag2
O,PbO,SrTiO3 ,BaTiO3 ,Co
34 ,Fe2 3 ,NiOなどがある。
【0009】上記TiやZnは、例えば網状Tiを酸化
することにより、光触媒とすることができるので、利用
先の種類によっては好適に用いることができる。また、
このような材料は、電極としても用いることができるの
で、利用先によってせ好ましい。電極材料への前記光触
媒の固定(付加)の方法は、適宜の材料(電極材)に蒸
着法、スパッタリング法、焼結法、ゾルーゲル法、塗布
による方法、焼付け塗装による方法など、周知の付加方
法を適宜に用いることができる。付加の形状は、薄膜
状、線状、網状、帯状、くし状、粒状、島状などを電極
材料の種類などにより適宜に選択し、用いることができ
る。光触媒の固定化の例として、光触媒を母材としての
公知の導電性材料、例えばSUS,Cu−Zn,Alの
表面へコーティングしたり、あるいは包み、又は挟み込
んで固定して用いてもよい。例として、ゾルゲル法によ
るSUS材への二酸化チタンのコーティングがある。
【0010】また、光触媒作用の向上のために、上記光
触媒にPt,Ag,Pd,RuO2,Co3 4 の様な
物質を加えて使用することも出来る。該物質の添加は、
光触媒作用が促進されるので好ましい。これらは、一種
類又は複数組合せて用いることができる。通常、添加量
は、光触媒に対して、0.01〜10重量%であり、適
宜添加物質の種類や要求性能などにより、予備試験を行
い適正濃度を選択することができる。添加の方法は、含
浸法、光還元法、スパッタ蒸着法、混練法など周知手段
を適宜用いることができる。電極材への殺菌線(254
nm)の照射は、周知の殺菌灯(水銀灯)を該電極材の
近傍に適宜設置することにより行うことができる。
【0011】次に、菌類に電荷の付与を行う(荷電)の
ための光電子による方法について説明する。本発明者ら
は、先に光電子による微粒子(粒子状物質)の荷電につ
いて、多くの提案を行っており、(例、特公平3−58
57号、特公平6−34941号、特公平8−211号
各公報参照)、それらを適宜用いることができる。菌類
は、粒子状物質とみなすことができることから、前記光
電子により同様に効果的に荷電される。光電子は光電子
放出材に紫外線を照射することにより放出される。
【0012】上記光電子を放出するための各構成につい
て説明する。光電子放出材は、紫外線の照射により光電
子を放出するものであれば何れでも良く、光電的な仕事
関数が小さなもの程好ましい、効果や経済性の面から、
Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,Ce,Nd,T
h,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,A
g,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,Au,In,
Bi,Nb,Si,Ta,Ti,U,B,Eu,Sn,
P,Wのいずれか又はこれらの化合物又は合金が好まし
く、これらは単独で又は二種以上を複合して用いられ
る。複合材としては、アマルガムの如く物理的な複合材
も用いうる。化合物としては酸化物、ほう化物、炭化物
があり、酸化物にはBaO,SrO,CaO,Y
2 5 ,Gd2 3 ,Nd2 3 ,ThO2 ,Zr
2 ,Fe2 3 ,ZnO,CuO,Ag2 O,La2
3 ,PtO,PbO,Al2 3 ,MgO,In2
3 ,BiO,NbO,BeOなどがあり、またほう化物
にはYB6 ,GdB6 ,LaB5 ,NdB6 ,Ce
6 ,EuB6 ,PrB6 ,ZrB2などがあり、さら
に炭化物としてはUC,ZrC,TaC,TiC,Nb
C,WCなどがある。
【0013】また、合金としては黄銅、青銅、リン青
銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、C
uとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaと
Alとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの
合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好
ましい。これらの物質は、バルク状(固体状、板状)
で、また適宜の母材(支持体)へ付加して使用できる
(特開平3−108698号公報)。例えば、紫外線透
過性物質の表面又は該表面近傍に付加する(特公平7−
93098号公報)。付加の方法は、紫外線の照射によ
り光電子が放出されれば何れでも良い。例えば、ガラス
板上へコーティングして使用する方法、他の例として板
状物質表面近傍へ埋込んで使用する方法や板状物質上に
付加し更にその上に別の材料をコーティングして使用す
る方法、紫外線透過性物質と光電子を放出する物質を混
合して用いる方法等がある。また、付加は、薄膜状に付
加する方法、網状、線状、粒状、島状、帯状に付加する
方法等適宜用いることが出来る。
【0014】光電子放出材の付加の方法は、適宜の材料
の表面に周知の方法でコーティング、あるいは付着させ
て作ることができる。例えば、イオンプレーティング
法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、メッキによ
る方法、塗布による方法、スタンプ印刷による方法、ス
クリーン印刷による方法を適宜用いることができる。薄
膜の厚さは、紫外線照射により光電子が放出される厚さ
であれば良く、5Å〜5,000Å、通常20Å〜50
0Åが一般的である。母材の使用形状は、板状、プリー
ツ状、円筒状、棒状、線状、網状等、があり表面の形状
を適宜凹凸状とし使用することが出来る。また、凸部の
先端を先鋭状あるいは球面状とすることも出来る(特公
平6−74908号公報)。母材への薄膜の付加は、本
発明者がすでに提案したように、1種類又は2種類以上
の材料を1層又は多層重ねて用いることができる。すな
わち、薄膜を適宜複数(複合)で使用し、2重構造ある
いはそれ以上の多重構造とすることができる。
【0015】これらの最適な形状や紫外線照射により光
電子を放出する材料の種類や付加法、薄膜厚は、装置、
種類、規模、形状、光電子放出性物質の種類、母材の種
類、光触媒の種類後述電場の強さ、かけ方、効果、経済
性等で適宜予備試験を行い決めることが出来る。光電子
放出材への照射用紫外線は、殺菌灯、ブラックライト、
キセノンランプ、蛍光ケミカルランプ、UV−B紫外線
ランプなどがある。この内殺菌灯は殺菌作用があり、本
発明の殺菌作用が一層完全になることから好ましい。ま
た、光電子放出材への紫外線の照射は電場において行う
と、光電子放出材からの光電子発生が効果的に起こる。
電場の形成方法としては、荷電部の形状、構造、適用分
野或いは期待する効果(精度)等によって適宜選択する
ことが出来る。電場の強さ(電界)は、光電子放出材の
種類等で適宜決めることが出来、このことについては本
発明者の別の発明がある。電場の強さは、一般に0.1
V/cm〜2kV/cmである。電極材料とその構造は
通常の荷電装置において使用されているもので良く、例
えば電極材料としてタングステン線あるいは棒が用いら
れる。
【0016】次に、放電による菌類の荷電について説明
する。放電による荷電は、放電によりイオンを発生さ
せ、該イオンを菌類に付与する(帯電化)ことにより実
施できる。放電によるイオン発生法としては、コロナ放
電、グロー放電、アーク放電、火花放電、沿面放電、パ
ルス放電、高周波放電、レーザ放電、トリガ放電、プラ
ズマ放電など、周知の方法を用いることができる。沿面
放電、パルス放電はイオン濃度が高いので、装置がコン
パクト化することから適用先によっては好ましい。この
内、コロナ放電は、簡易性、操作性、効果などの点で好
ましい。発生イオンの選択として、オゾンの共存が好ま
しくないものは正のコロナ電圧による正イオンを発生さ
せて用いることができる。すなわち、正に比較し、負の
コロナ放電ではオゾンが発生し易いためである。人の近
傍の利用においては、オゾン発生は健康に良くないの
で、正イオンを用いるのが好ましい。
【0017】一方、工業的な利用等において、オゾンの
共存があっても良い場合は、負イオンを用いることがで
きる。通常負イオンは、正イオンに比べて移動度が大き
いことにより、工業上効果的な荷電ができることから、
オゾンの共存があっても良い利用では好ましい。放電に
用いる放電電極や対向電極は、周知の材質・形状を用い
ることができ、斜状、板状、網状、線状、球状、凹凸
状、プリーツ状、くし状など適宜の形状の電極を組合せ
て用いることができる。コロナ放電の印加電圧は、一般
に1kV〜80kVである。本発明の菌類の除去は、処
理気体をファンを用いずに処理できる点に特徴がある。
即ち、(1)殺菌灯照射により、生ずる本装置の上下の
温度差で処理気体を通気する方法、(2)処理先に既に
気流がある場合は、該気流中への本装置の設置を行う方
法(本装置は圧力損失がないので、わずかの気流の場へ
の設置で処理できる)を用いることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではな
い。 実施例1 図1は、病院における病室1の空気清浄を示す説明図で
ある。図1において、菌類(黄色ぶどう株菌、枯草菌、
カビ菌類)を含む粒子状物質2は本発明の菌類の除去装
置(空気清浄器)Aにて捕集除去され、病室1内の空気
は清浄化される。病室1では人(病人)3及びその周辺
から菌類2が発生している。本例は個室の場合である
が、特に1つの部屋に複数の人が入院する場合は、人か
らの発生菌により院内感染(別の人に菌が感染)の問題
が生じる。病室では、前記菌類の他に塵埃(いわゆるゴ
ミ)4の発生があり、これらにより汚染されている。こ
れらの汚染物(菌類、塵埃)2,4は図2にその構成が
示される本発明の菌類の除去装置Aにて捕集・除去され
る。
【0019】次に、除去装置Aを図2を用いて説明す
る。該除去装置Aは、中心に殺菌ランプ5と、その廻り
に網状のSUS製電極6が配置されており、入口7-1
ら浸入した汚染物、特に電荷を有する汚染物は電極6上
に捕集され、出口7-2は清浄空気が得られる。この電極
6は、電界が形成されており、電荷を有する菌類(通
常、菌類は負の電荷を有する)や病室における電荷を有
する塵埃(通常、病室内の塵埃の40〜60%程度は電
荷を有する)は、効果的に捕集・除去される。電極6上
に捕集された菌類は、近傍の殺菌ランプ(主波長:25
4nmの殺菌線)の照射を受け死滅する。
【0020】図1における矢印、7-1,7-2,7-3は、
紫外線ランプ(殺菌ランプ)5の円周方向への照射によ
り生ずる本発明の菌類の除去装置Aの上下間の温度差
(熱)によって引き起こされる空気の流れである。該流
れ7-1,7-2,7-3により、病室1中の汚染物2,4
は、ゆるやかな循環流により、該除去装置Aに運ばれ、
順次処理される。このようにして、殺菌ランプ5を中心
に、網状電極6で囲み、一体化(ユニット化)した構造
をなすことによって、美観が良く、紫外線照射により発
生する自然循環7-1,7-2,7-3によって、病室内の汚
染物が効果的に除去される。得られた清浄空気7-2は、
空中浮遊菌類、微生物類2及び塵埃4が除去(殺菌)さ
れ、人(病人)に対して安全な除菌空気となった。図2
において、8は外枠を示す。
【0021】実施例2 実施例1において、図2の網状電極6を網状TiO2
作成した。該TiO2は、Ti材を1000℃で焼成し
て製造したもので、紫外線照射により光触媒作用を発揮
する。本例は、電極材6で光触媒を兼ねるもので、電極
上に捕集された菌類は、殺菌線の照射とともに、光触媒
作用を受けて殺菌(滅菌)が完全になる。本例は、枯草
菌やカビ類のように耐UV性に優れている菌類(単に殺
菌線の照射のみでは殺菌が困難なもの)が多く存在する
利用分野に対して、効果的である。
【0022】実施例3 実施例1の除去装置Aにおてい、網状電極6による汚染
物2,4の捕集にあたり、予め該汚染物2,4に光電子
により電荷を与える(多荷電にする)場合を図3に示
す。図3に示す本発明の菌類の除去装置Aは、光電子放
出材9、光電子放出のための電界形成用電極10、紫外
線ランプ11より成る汚染物の荷電部(B-1)、網状の
SUS製電極6と殺菌灯5よりなる帯電物質の捕集部
(B-2)より構成される。即ち、入口空気7-1中の汚染
物2,4は光電子放出材9への紫外線ランプ11からの
紫外線照射により放出される光電子12により荷電され
(多くの電荷を受け取り、多荷電となる)、多荷電の荷
電汚染物13となる。次いで、該荷電汚染物13は、後
方の網状電極6に捕集され、出口では清浄空気7-2が得
られる。菌類の自然現象による電荷は少ないが(通常、
電荷数1〜3)、上記のごとく、光電子により電荷を与
える(多荷電にする例えば、5〜10の荷電数)ことに
より、菌類の捕集が完全になる。ここで、該電極6上に
捕集された各種菌類、微生物類は、紫外線ランプ(殺菌
ランプ:主波長254nm)5からの紫外線の照射を受
け殺菌(滅菌)される。このようにして、安全な除菌空
気が容易に得られることが本発明の特徴の1つである。
【0023】実施例4 実施例3において、図3の網状電極6を網状TiO2
作成した。該TiO2は、Ti材を1000℃で焼成し
て製造したもので、紫外線照射により光触媒作用を発揮
する。本例は、電極材6が光触媒を兼ねるもので、電極
上に捕集された菌類は、殺菌線の照射とともに、光触媒
作用を受けて殺菌(滅菌)が完全になる。本例は、枯草
菌やカビ類のように耐UV性に優れている菌類(単に殺
菌線の照射のみでは殺菌が困難なもの)が多く存在する
利用分野に対して、効果的である。
【0024】実施例5 病院において、図1に示した病室のモデルを作り、図3
の本発明の菌類の除去装置Aを設置し、菌類の捕集・除
去を行い、病室内における空中浮遊菌について調べた。 1)病室の大きさ ; 15m3 2)菌類の除去装置の条件 (1)装置の大きさ ; 約30リットル、 (2)菌類の捕集部(B-2); 電極材 ; 網状のTiO2 を、1000℃で焼成
した。 電界 ; 600V/cm、 殺菌ランプ: 10W(主波長254nm)、 (3)光電子による、予めの汚染物への荷電部
(B-1); 光電子放出材; Cu−Zn板にAuメッキした材
料。 紫外線ランプ; 殺菌ランプ5W、 電界 ; 光電子放出用の電極材Cu−Zn、1
00V/cm、 3)空中浮遊菌の測定法; 落下細菌法
【0025】結果 病室の中央部及びその左右の合計5個所に、寒天培地の
シャーレを設置し落下菌の採取を行い(1時間)、その
後培養を行い、コロニー数を観察した。その結果を図4
に示す。図4中の−○−は、菌類の捕集部のみの作動の
場合、−◎−は菌類の捕集にあたり光電子による予めの
荷電を行う場合のコロニー数(個数)を示す。また、−
●−は、比較として、本発明の除去装置の作動が無しの
場合である。図4のコロニーの個数は、測定個所5箇所
の平均値を示す。試験3ケ月後に、菌類の捕集部の電極
上捕集物を寒天培地で培養したが、コロニーは出現しな
かった。
【0026】次に、比較として網状SUS電極について
同様に試験し、調べたところ、1〜2個のコロニーが出
現した。また、上記において殺菌ランプの照射がない場
合も同様に調べたところ、無数のコロニー(少なくとも
100個以上)が出現した。即ち、これは、本発明の殺
菌ランプ照射下で、網状電極を用い、菌類の捕集を行う
と、該電極上で菌類は死滅することを示す。また、除去
装置Aの出口空気中オゾン濃度の測定を行った(測定
器:化学発光式オゾン濃度計)が、入口空気と同じレベ
ル(<0.01ppm)であり、オゾン発生は認められ
なかった。
【0027】
【発明の効果】上記のように、本発明の菌類の除去装置
を、例えば病院等の菌類が存在する空間に設置すること
により、次のような効果を生じた。 (1)空気中の浮遊菌類が電極上に捕集・除去され、か
つ、電極上の菌類は殺菌(滅菌)された。また、共存す
る粒子状物質も同時に除去された。 (2)上記において、電極材を光触媒と一体化すること
により、上記の殺菌効果が一層効果的となった。 (3)上記の電極による捕集にあたり、空気中の菌類を
予め光電子又は放電により荷電することにより、上記の
菌類や粒子状物質の捕集効率が向上した。
【0028】(4)上記したように、ファンレスのた
め、無騒音で効果的に菌類を除去した安全な(人や食品
類、植物に対して菌類、微生物、ビールスなどによる汚
染を防止)清浄空間を創出できた。 (5)上記により、美観の優れた空間の清浄方式となっ
た。 (6)本発明の装置は、従来のファンで汚染空気を強制
通気する清浄器に比べ、基本的な構成が紫外線ランプと
電極とからなるファンレスの簡易な装置となった。 また、オゾンレスで除菌空気(気体)が得られることか
ら、適用範囲が広がり、実用性が向上した。そして、上
記により、実用上効果的な除菌空間創出技術となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除去装置を設置した病院における病室
の概略構成図。
【図2】図1の除去装置Aの一例を示す拡大構成図で
(a)平面図、(b)正面図。
【図3】図1の除去装置Aの他の例を示す拡大構成図で
(a)平面図、(b)正面図。
【図4】処理結果を示す経過日数によるコロニー数(個
数)の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1:病室、2:菌類を含む粒子状物質、3:人(病
人)、4:塵埃、5:殺菌ランプ、6:電極、7-1:入
口気流、7-2:出口気流、8:外枠、9:光電子放出
材、10:電界形成用電極、11:紫外線ランプ、1
2:光電子、13:荷電汚染物、A:除去装置、B-1
汚染物の荷電部、B-2:帯電物質の捕集部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気中の菌類を除去する方法において、
    除菌すべき空気を殺菌線が照射されている網状又は線状
    に設けられた電極に通すことを特徴とする空気中の菌類
    の除去方法。
  2. 【請求項2】 前記電極が、光触媒を有することを特徴
    とする請求項1記載の空気中の菌類の除去方法。
  3. 【請求項3】 前記除菌すべき菌類は、予め光電子又は
    放電によって荷電されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の空気中の菌類の除去方法。
  4. 【請求項4】 空気中の菌類を除去する装置において、
    除菌すべき空気を通す流路中に、網状又は線状の電極
    と、該電極に殺菌線を照射する殺菌灯を設けたことを特
    徴とする空気中の菌類の除去装置。
  5. 【請求項5】 前記電極は、少なくとも一部が光触媒で
    構成されていることを特徴とする請求項4記載の空気中
    の菌類の除去装置。
  6. 【請求項6】 前記流路には、電極の前方に、光電子又
    は放電により除菌すべき菌類を荷電する荷電手段が設け
    られていることを特徴とする請求項4又は5記載の空気
    中の菌類の除去装置。
JP27035397A 1997-09-18 1997-09-18 空気中の菌類の除去方法及び装置 Expired - Fee Related JP3761302B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27035397A JP3761302B2 (ja) 1997-09-18 1997-09-18 空気中の菌類の除去方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27035397A JP3761302B2 (ja) 1997-09-18 1997-09-18 空気中の菌類の除去方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1189925A true JPH1189925A (ja) 1999-04-06
JP3761302B2 JP3761302B2 (ja) 2006-03-29

Family

ID=17485092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27035397A Expired - Fee Related JP3761302B2 (ja) 1997-09-18 1997-09-18 空気中の菌類の除去方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3761302B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101044783B1 (ko) 2009-02-20 2011-06-29 크린시스템스코리아(주) 반도체 분진 처리용 전기 집진기 및 이를 구비하는 스크러버

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101044783B1 (ko) 2009-02-20 2011-06-29 크린시스템스코리아(주) 반도체 분진 처리용 전기 집진기 및 이를 구비하는 스크러버

Also Published As

Publication number Publication date
JP3761302B2 (ja) 2006-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH035859B2 (ja)
US5225000A (en) Method for cleaning closed spaces with ultraviolet rays
JP2623290B2 (ja) 気体の清浄方法及びその装置
JP3460475B2 (ja) 太陽光を用いる空気清浄化生活空間
JP3460500B2 (ja) 気体の清浄装置とそれを用いた密閉空間の清浄方法及び密閉空間
JP3761302B2 (ja) 空気中の菌類の除去方法及び装置
JP3543593B2 (ja) 気体の清浄化方法及び装置
JP3815901B2 (ja) 食品収納ケース
JP3797845B2 (ja) 光電子放出材及び負イオン発生装置
JPH07256141A (ja) 室内の無菌化方法及び無菌室
JP3696038B2 (ja) 粒子状物質の捕集装置と捕集方法
JP2750694B2 (ja) 気体の清浄方法及びその装置
JP2000167435A (ja) 負イオンの発生方法及びその装置
JPH0674910B2 (ja) 気体の清浄方法及びその装置
JP2000312713A (ja) 負イオン富化空気の供給方法及び装置
JPS63100955A (ja) 紫外線又は放射線照射による空気の清浄方法及びその装置
JP3570612B2 (ja) 負イオンの発生方法と装置及び微粒子の荷電方法と捕集装置
JPS62244459A (ja) 放射線照射による空気の清浄方法及びその装置
JPH01262953A (ja) 空気中の微生物を殺菌除去する方法及びその装置
JPH10281511A (ja) 快適空気発生器とそれを用いた快適空間
JP2000283520A (ja) 快適空気発生装置
JPH028638A (ja) 気体の清浄方法及びその装置
JP2000153179A (ja) 負イオンの発生方法及びその装置
JPH028639A (ja) 気体の清浄方法及びその装置
JPS63100956A (ja) 気流の清浄装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees