JP3761302B2 - 空気中の菌類の除去方法及び装置 - Google Patents

空気中の菌類の除去方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気中の菌類の除去に係り、特に、病院、食品工場、デパート、製薬工場や一般家庭等で空気中の菌類が問題となる空間の菌類を除去(殺菌・滅菌)する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空間の清浄化技術として、病院における空気清浄器を例に説明する。
該空気清浄器は、ろ過フィルタによる粒子状物質(菌類を含む)の捕集部、活性炭(繊維状)による臭気性物質の捕集部、及び被処理空気を該捕集部に夫々強制通気するためのファンにより構成されていた。
このような構成では、菌類はフィルタ上に捕集されるが、フィルタ上では、殺菌(滅菌)されないので、フィルタ上での菌類の増殖、及び後方への流出などの問題があり、菌の存在が課題となる技術分野では問題であった。
また、オゾンを用いる除菌(殺菌)装置も提案されているが、オゾンは人体(生体)に有害であるため、使用に限界があり、問題であった。
このように、現状の空気清浄方式は、フィルタ状あるいは繊維状のろ過機構のため、該表面上への菌類の付着による増殖、後方への流出、また、発生オゾン等の問題があり、さらに、ファンによる騒音発生の問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、空気中の菌類を効果的に捕集・除菌できる方法及び装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、空気中の菌類を荷電をしないで除去する方法において、除菌すべき空気を殺菌線が照射されている網状又は線状に設けられた500〜3000V/cmの電界が付与された電極に通すことを特徴とする空気中の菌類の除去方法としたものである。
また、本発明では、空気中の菌類を荷電をしないで除去する装置において、除菌すべき空気を通す流路中に、網状又は線状の500〜3000V/cmの電界が付与された電極と、該電極に殺菌線を照射する殺菌灯を設けたことを特徴とする空気中の菌類の除去装置としたものである。
前記本発明において、電極は、少なくとも一部を光触媒で構成するのが良い。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、次の5つの知見に基づいてなされたものである。
即ち、(1)空気中の菌類は、フィルタや繊維などを用いるろ過機構により捕集されるが、表面上で増殖するので、実用上の問題となる。
(2)空気中の菌類は、わずかの荷電を有するので、電極により捕集されるが、通常の電極材や形状ではその表面上で増殖するので、実用上の問題となる。
(3)上記の問題に対して、殺菌線(254nm)が、照射さた網状又は線状電極を用いると、空気中の菌類は捕集されると同時に、殺菌線により殺菌(滅菌)され、実用上好ましい形態となる。ここで網状又は線状電極を用いる理由は、殺菌灯からの殺菌線を効果的に照射し、電極上の捕集菌類を殺菌するためである。
(4)前記電極上に、光触媒を付加あるいは一体化すると、光触媒は光触媒作用を発揮し、殺菌効果が一層効果的となる。
(5)空気中の菌類の前記電極上への捕集において、除菌すべき菌類に予め光電子及び/又は放電によるイオンにより荷電(多くの電荷の付与)を行うと、該菌類の電極上への捕集効果が向上する。
【0006】
次に、本発明を各構成ごとに詳細に説明する。
先ず、電極について説明すると、形状は殺菌灯からの放出殺菌線(254nm)が、電極全体に、照射されるものであれば何れでも良く、網状(繊維状)、線状、格子状等があり、この内、網状、線状が効果が高いことから好ましい。材質は、電極として電界形成できるものであれば良く、例としてSUS、Cu−Zn、Al、Wがある。
電極と空間との開口率(電極材と空間面積の比率で、平面にした場合に電極材の面積と、電極間の面積の比率)は、紫外線が空間を通り電極に達するものであれば良く、菌の耐UV照射強度によって適宜予備試験を行い決めることができる。
通常、開口率は電極材面積に対する空間の面積比で、0.3〜20、好ましくは1〜10である。
電極における電界は、菌類が捕集される電界であれば良く、適宜予備試験を行い決めることができる。通常500〜3000V/cmである。
【0007】
光触媒は、電極上に一体化(同一面上に配置)され、殺菌線(紫外線)の照射により、電極上に捕集された菌類(ウイルス、バクテリヤ、酵母、カビ、ビールス、グラム陰性菌、グラム陽性菌等)や微生物を殺菌(滅菌)するものであれば何れでもよい。
光触媒を電極上に一体化する方法としては、次の4つの方法がある。
(1) 電極材上への光触媒材の付加、
(2) 光触媒材への電極の付加、
(3) 電極材と光触媒材の混合、又は多層化
(4) 光触媒材(Tiの酸化)の電極としての利用、
【0008】
光触媒は、通常、半導体材料が効果的であり、容易に入手出来、加工性も良いことから好ましい。効果や経済性の面から、Se,Ge,Si,Ti,Zn,Cu,Al,Sn,Ga,In,P,As,Sb,C,Cd,S,Te,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,Sr,W,Cr,Ba,Pbのいずれか、又はこれらの化合物、又は合金、又は酸化物が好ましく、これらは単独で、また2種類以上を複合して用いる。
例えば、元素としてはSi,Ge,Se、化合物としてはAlP,AlAs,GaP,AlSb,GaAs,InP,GaSb,InAs,InSb,CdS,CdSe,ZnS,MoS2 ,WTe2 ,Cr2 Te3 ,MoTe,Cu2 S,WS2 、酸化物としてはTiO2 ,Bi2 3 ,CuO,Cu2 O,ZnO,MoO3 ,InO3 ,Ag2 O,PbO,SrTiO3 ,BaTiO3 ,Co3 4 ,Fe2 3 ,NiOなどがある。
【0009】
上記TiやZnは、例えば網状Tiを酸化することにより、光触媒とすることができるので、利用先の種類によっては好適に用いることができる。また、このような材料は、電極としても用いることができるので、利用先によってせ好ましい。
電極材料への前記光触媒の固定(付加)の方法は、適宜の材料(電極材)に蒸着法、スパッタリング法、焼結法、ゾルーゲル法、塗布による方法、焼付け塗装による方法など、周知の付加方法を適宜に用いることができる。付加の形状は、薄膜状、線状、網状、帯状、くし状、粒状、島状などを電極材料の種類などにより適宜に選択し、用いることができる。
光触媒の固定化の例として、光触媒を母材としての公知の導電性材料、例えばSUS,Cu−Zn,Alの表面へコーティングしたり、あるいは包み、又は挟み込んで固定して用いてもよい。例として、ゾルゲル法によるSUS材への二酸化チタンのコーティングがある。
【0010】
また、光触媒作用の向上のために、上記光触媒にPt,Ag,Pd,RuO2 ,Co3 4 の様な物質を加えて使用することも出来る。該物質の添加は、光触媒作用が促進されるので好ましい。これらは、一種類又は複数組合せて用いることができる。通常、添加量は、光触媒に対して、0.01〜10重量%であり、適宜添加物質の種類や要求性能などにより、予備試験を行い適正濃度を選択することができる。
添加の方法は、含浸法、光還元法、スパッタ蒸着法、混練法など周知手段を適宜用いることができる。
電極材への殺菌線(254nm)の照射は、周知の殺菌灯(水銀灯)を該電極材の近傍に適宜設置することにより行うことができる。
【0011】
次に、菌類に電荷の付与を行う(荷電)のための光電子による方法について説明する。
本発明者らは、先に光電子による微粒子(粒子状物質)の荷電について、多くの提案を行っており、(例、特公平3−5857号、特公平6−34941号、特公平8−211号各公報参照)、それらを適宜用いることができる。
菌類は、粒子状物質とみなすことができることから、前記光電子により同様に効果的に荷電される。光電子は光電子放出材に紫外線を照射することにより放出される。
【0012】
上記光電子を放出するための各構成について説明する。
光電子放出材は、紫外線の照射により光電子を放出するものであれば何れでも良く、光電的な仕事関数が小さなもの程好ましい、効果や経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,Ce,Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,Au,In,Bi,Nb,Si,Ta,Ti,U,B,Eu,Sn,P,Wのいずれか又はこれらの化合物又は合金が好ましく、これらは単独で又は二種以上を複合して用いられる。複合材としては、アマルガムの如く物理的な複合材も用いうる。
化合物としては酸化物、ほう化物、炭化物があり、酸化物にはBaO,SrO,CaO,Y2 5 ,Gd2 3 ,Nd2 3 ,ThO2 ,ZrO2 ,Fe2 3 ,ZnO,CuO,Ag2 O,La2 3 ,PtO,PbO,Al2 3 ,MgO,In2 3 ,BiO,NbO,BeOなどがあり、またほう化物にはYB6 ,GdB6 ,LaB5 ,NdB6 ,CeB6 ,EuB6 ,PrB6 ,ZrB2 などがあり、さらに炭化物としてはUC,ZrC,TaC,TiC,NbC,WCなどがある。
【0013】
また、合金としては黄銅、青銅、リン青銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、CuとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaとAlとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好ましい。
これらの物質は、バルク状(固体状、板状)で、また適宜の母材(支持体)へ付加して使用できる(特開平3−108698号公報)。例えば、紫外線透過性物質の表面又は該表面近傍に付加する(特公平7−93098号公報)。
付加の方法は、紫外線の照射により光電子が放出されれば何れでも良い。
例えば、ガラス板上へコーティングして使用する方法、他の例として板状物質表面近傍へ埋込んで使用する方法や板状物質上に付加し更にその上に別の材料をコーティングして使用する方法、紫外線透過性物質と光電子を放出する物質を混合して用いる方法等がある。また、付加は、薄膜状に付加する方法、網状、線状、粒状、島状、帯状に付加する方法等適宜用いることが出来る。
【0014】
光電子放出材の付加の方法は、適宜の材料の表面に周知の方法でコーティング、あるいは付着させて作ることができる。例えば、イオンプレーティング法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、メッキによる方法、塗布による方法、スタンプ印刷による方法、スクリーン印刷による方法を適宜用いることができる。
薄膜の厚さは、紫外線照射により光電子が放出される厚さであれば良く、5Å〜5,000Å、通常20Å〜500Åが一般的である。母材の使用形状は、板状、プリーツ状、円筒状、棒状、線状、網状等、があり表面の形状を適宜凹凸状とし使用することが出来る。また、凸部の先端を先鋭状あるいは球面状とすることも出来る(特公平6−74908号公報)。
母材への薄膜の付加は、本発明者がすでに提案したように、1種類又は2種類以上の材料を1層又は多層重ねて用いることができる。すなわち、薄膜を適宜複数(複合)で使用し、2重構造あるいはそれ以上の多重構造とすることができる。
【0015】
これらの最適な形状や紫外線照射により光電子を放出する材料の種類や付加法、薄膜厚は、装置、種類、規模、形状、光電子放出性物質の種類、母材の種類、光触媒の種類後述電場の強さ、かけ方、効果、経済性等で適宜予備試験を行い決めることが出来る。
光電子放出材への照射用紫外線は、殺菌灯、ブラックライト、キセノンランプ、蛍光ケミカルランプ、UV−B紫外線ランプなどがある。この内殺菌灯は殺菌作用があり、本発明の殺菌作用が一層完全になることから好ましい。
また、光電子放出材への紫外線の照射は電場において行うと、光電子放出材からの光電子発生が効果的に起こる。
電場の形成方法としては、荷電部の形状、構造、適用分野或いは期待する効果(精度)等によって適宜選択することが出来る。電場の強さ(電界)は、光電子放出材の種類等で適宜決めることが出来、このことについては本発明者の別の発明がある。電場の強さは、一般に0.1V/cm〜2kV/cmである。
電極材料とその構造は通常の荷電装置において使用されているもので良く、例えば電極材料としてタングステン線あるいは棒が用いられる。
【0016】
次に、放電による菌類の荷電について説明する。
放電による荷電は、放電によりイオンを発生させ、該イオンを菌類に付与する(帯電化)ことにより実施できる。
放電によるイオン発生法としては、コロナ放電、グロー放電、アーク放電、火花放電、沿面放電、パルス放電、高周波放電、レーザ放電、トリガ放電、プラズマ放電など、周知の方法を用いることができる。
沿面放電、パルス放電はイオン濃度が高いので、装置がコンパクト化することから適用先によっては好ましい。この内、コロナ放電は、簡易性、操作性、効果などの点で好ましい。
発生イオンの選択として、オゾンの共存が好ましくないものは正のコロナ電圧による正イオンを発生させて用いることができる。すなわち、正に比較し、負のコロナ放電ではオゾンが発生し易いためである。
人の近傍の利用においては、オゾン発生は健康に良くないので、正イオンを用いるのが好ましい。
【0017】
一方、工業的な利用等において、オゾンの共存があっても良い場合は、負イオンを用いることができる。通常負イオンは、正イオンに比べて移動度が大きいことにより、工業上効果的な荷電ができることから、オゾンの共存があっても良い利用では好ましい。
放電に用いる放電電極や対向電極は、周知の材質・形状を用いることができ、斜状、板状、網状、線状、球状、凹凸状、プリーツ状、くし状など適宜の形状の電極を組合せて用いることができる。
コロナ放電の印加電圧は、一般に1kV〜80kVである。
本発明の菌類の除去は、処理気体をファンを用いずに処理できる点に特徴がある。
即ち、(1)殺菌灯照射により、生ずる本装置の上下の温度差で処理気体を通気する方法、(2)処理先に既に気流がある場合は、該気流中への本装置の設置を行う方法(本装置は圧力損失がないので、わずかの気流の場への設置で処理できる)を用いることができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
図1は、病院における病室1の空気清浄を示す説明図である。
図1において、菌類(黄色ぶどう株菌、枯草菌、カビ菌類)を含む粒子状物質2は本発明の菌類の除去装置(空気清浄器)Aにて捕集除去され、病室1内の空気は清浄化される。
病室1では人(病人)3及びその周辺から菌類2が発生している。本例は個室の場合であるが、特に1つの部屋に複数の人が入院する場合は、人からの発生菌により院内感染(別の人に菌が感染)の問題が生じる。
病室では、前記菌類の他に塵埃(いわゆるゴミ)4の発生があり、これらにより汚染されている。
これらの汚染物(菌類、塵埃)2,4は図2にその構成が示される本発明の菌類の除去装置Aにて捕集・除去される。
【0019】
次に、除去装置Aを図2を用いて説明する。
該除去装置Aは、中心に殺菌ランプ5と、その廻りに網状のSUS製電極6が配置されており、入口7-1から浸入した汚染物、特に電荷を有する汚染物は電極6上に捕集され、出口7-2は清浄空気が得られる。この電極6は、電界が形成されており、電荷を有する菌類(通常、菌類は負の電荷を有する)や病室における電荷を有する塵埃(通常、病室内の塵埃の40〜60%程度は電荷を有する)は、効果的に捕集・除去される。
電極6上に捕集された菌類は、近傍の殺菌ランプ(主波長:254nmの殺菌線)の照射を受け死滅する。
【0020】
図1における矢印、7-1,7-2,7-3は、紫外線ランプ(殺菌ランプ)5の円周方向への照射により生ずる本発明の菌類の除去装置Aの上下間の温度差(熱)によって引き起こされる空気の流れである。該流れ7-1,7-2,7-3により、病室1中の汚染物2,4は、ゆるやかな循環流により、該除去装置Aに運ばれ、順次処理される。
このようにして、殺菌ランプ5を中心に、網状電極6で囲み、一体化(ユニット化)した構造をなすことによって、美観が良く、紫外線照射により発生する自然循環7-1,7-2,7-3によって、病室内の汚染物が効果的に除去される。
得られた清浄空気7-2は、空中浮遊菌類、微生物類2及び塵埃4が除去(殺菌)され、人(病人)に対して安全な除菌空気となった。
図2において、8は外枠を示す。
【0021】
実施例2
実施例1において、図2の網状電極6を網状TiO2 で作成した。該TiO2 は、Ti材を1000℃で焼成して製造したもので、紫外線照射により光触媒作用を発揮する。
本例は、電極材6で光触媒を兼ねるもので、電極上に捕集された菌類は、殺菌線の照射とともに、光触媒作用を受けて殺菌(滅菌)が完全になる。
本例は、枯草菌やカビ類のように耐UV性に優れている菌類(単に殺菌線の照射のみでは殺菌が困難なもの)が多く存在する利用分野に対して、効果的である。
【0022】
実施例3
実施例1の除去装置Aにおてい、網状電極6による汚染物2,4の捕集にあたり、予め該汚染物2,4に光電子により電荷を与える(多荷電にする)場合を図3に示す。
図3に示す本発明の菌類の除去装置Aは、光電子放出材9、光電子放出のための電界形成用電極10、紫外線ランプ11より成る汚染物の荷電部(B-1)、網状のSUS製電極6と殺菌灯5よりなる帯電物質の捕集部(B-2)より構成される。
即ち、入口空気7-1中の汚染物2,4は光電子放出材9への紫外線ランプ11からの紫外線照射により放出される光電子12により荷電され(多くの電荷を受け取り、多荷電となる)、多荷電の荷電汚染物13となる。次いで、該荷電汚染物13は、後方の網状電極6に捕集され、出口では清浄空気7-2が得られる。菌類の自然現象による電荷は少ないが(通常、電荷数1〜3)、上記のごとく、光電子により電荷を与える(多荷電にする例えば、5〜10の荷電数)ことにより、菌類の捕集が完全になる。
ここで、該電極6上に捕集された各種菌類、微生物類は、紫外線ランプ(殺菌ランプ:主波長254nm)5からの紫外線の照射を受け殺菌(滅菌)される。このようにして、安全な除菌空気が容易に得られることが本発明の特徴の1つである。
【0023】
実施例4
実施例3において、図3の網状電極6を網状TiO2 で作成した。該TiO2 は、Ti材を1000℃で焼成して製造したもので、紫外線照射により光触媒作用を発揮する。
本例は、電極材6が光触媒を兼ねるもので、電極上に捕集された菌類は、殺菌線の照射とともに、光触媒作用を受けて殺菌(滅菌)が完全になる。
本例は、枯草菌やカビ類のように耐UV性に優れている菌類(単に殺菌線の照射のみでは殺菌が困難なもの)が多く存在する利用分野に対して、効果的である。
【0024】
実施例5
病院において、図1に示した病室のモデルを作り、図3の本発明の菌類の除去装置Aを設置し、菌類の捕集・除去を行い、病室内における空中浮遊菌について調べた。
1)病室の大きさ ; 15m3
2)菌類の除去装置の条件
(1)装置の大きさ ; 約30リットル、
(2)菌類の捕集部(B-2);
▲1▼ 電極材 ; 網状のTiO2 を、1000℃で焼成した。
▲2▼ 電界 ; 600V/cm、
▲3▼ 殺菌ランプ: 10W(主波長254nm)、
(3)光電子による、予めの汚染物への荷電部(B-1);
▲1▼ 光電子放出材; Cu−Zn板にAuメッキした材料。
▲2▼ 紫外線ランプ; 殺菌ランプ5W、
▲3▼ 電界 ; 光電子放出用の電極材Cu−Zn、100V/cm、
3)空中浮遊菌の測定法; 落下細菌法
【0025】
結果
病室の中央部及びその左右の合計5個所に、寒天培地のシャーレを設置し落下菌の採取を行い(1時間)、その後培養を行い、コロニー数を観察した。
その結果を図4に示す。
図4中の−○−は、菌類の捕集部のみの作動の場合、−◎−は菌類の捕集にあたり光電子による予めの荷電を行う場合のコロニー数(個数)を示す。また、−●−は、比較として、本発明の除去装置の作動が無しの場合である。図4のコロニーの個数は、測定個所5箇所の平均値を示す。
試験3ケ月後に、菌類の捕集部の電極上捕集物を寒天培地で培養したが、コロニーは出現しなかった。
【0026】
次に、比較として網状SUS電極について同様に試験し、調べたところ、1〜2個のコロニーが出現した。
また、上記において殺菌ランプの照射がない場合も同様に調べたところ、無数のコロニー(少なくとも100個以上)が出現した。
即ち、これは、本発明の殺菌ランプ照射下で、網状電極を用い、菌類の捕集を行うと、該電極上で菌類は死滅することを示す。
また、除去装置Aの出口空気中オゾン濃度の測定を行った(測定器:化学発光式オゾン濃度計)が、入口空気と同じレベル(<0.01ppm)であり、オゾン発生は認められなかった。
【0027】
【発明の効果】
上記のように、本発明の菌類の除去装置を、例えば病院等の菌類が存在する空間に設置することにより、次のような効果を生じた。
(1)空気中の浮遊菌類が電極上に捕集・除去され、かつ、電極上の菌類は殺菌(滅菌)された。また、共存する粒子状物質も同時に除去された。
(2)上記において、電極材を光触媒と一体化することにより、上記の殺菌効果が一層効果的となった。
(3)上記の電極による捕集にあたり、空気中の菌類を予め光電子又は放電により荷電することにより、上記の菌類や粒子状物質の捕集効率が向上した。
【0028】
(4)上記したように、ファンレスのため、無騒音で効果的に菌類を除去した安全な(人や食品類、植物に対して菌類、微生物、ビールスなどによる汚染を防止)清浄空間を創出できた。
(5)上記により、美観の優れた空間の清浄方式となった。
(6)本発明の装置は、従来のファンで汚染空気を強制通気する清浄器に比べ、基本的な構成が紫外線ランプと電極とからなるファンレスの簡易な装置となった。
また、オゾンレスで除菌空気(気体)が得られることから、適用範囲が広がり、実用性が向上した。
そして、上記により、実用上効果的な除菌空間創出技術となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除去装置を設置した病院における病室の概略構成図。
【図2】図1の除去装置Aの一例を示す拡大構成図で(a)平面図、(b)正面図。
【図3】図1の除去装置Aの他の例を示す拡大構成図で(a)平面図、(b)正面図。
【図4】処理結果を示す経過日数によるコロニー数(個数)の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1:病室、2:菌類を含む粒子状物質、3:人(病人)、4:塵埃、5:殺菌ランプ、6:電極、7-1:入口気流、7-2:出口気流、8:外枠、9:光電子放出材、10:電界形成用電極、11:紫外線ランプ、12:光電子、13:荷電汚染物、A:除去装置、B-1:汚染物の荷電部、B-2:帯電物質の捕集部

Claims (4)

  1. 空気中の菌類を荷電をしないで除去する方法において、除菌すべき空気を殺菌線が照射されている網状又は線状に設けられた500〜3000V/cmの電界が付与された電極に通すことを特徴とする空気中の菌類の除去方法。
  2. 前記電極が、光触媒を有することを特徴とする請求項1記載の空気中の菌類の除去方法。
  3. 空気中の菌類を荷電をしないで除去する装置において、除菌すべき空気を通す流路中に、網状又は線状の500〜3000V/cmの電界が付与された電極と、該電極に殺菌線を照射する殺菌灯を設けたことを特徴とする空気中の菌類の除去装置。
  4. 前記電極は、少なくとも一部が光触媒で構成されていることを特徴とする請求項3記載の空気中の菌類の除去装置。
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