JPH1187061A - 電荷輸送材料の合成方法 - Google Patents

電荷輸送材料の合成方法

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JPH1187061A
JPH1187061A JP9340077A JP34007797A JPH1187061A JP H1187061 A JPH1187061 A JP H1187061A JP 9340077 A JP9340077 A JP 9340077A JP 34007797 A JP34007797 A JP 34007797A JP H1187061 A JPH1187061 A JP H1187061A
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Norikazu Nakamura
紀和 中村
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Shinko Electric Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジフェニルアミンとアリルハライドとのウル
マン縮合反応によってテトラフェニルジアミンを合成す
る際に、その反応速度と収率とを向上し得る電荷輸送材
料の合成方法を提供する。 【解決手段】 EL素子の電荷輸送層を形成する電荷輸
送材料として用いられるテトラフェニルジアミンを、ジ
フェニルアミンとアリルハライドとを含む溶液中で触媒
として銅を用いたウルマン縮合反応によって合成する際
に、該ウルマン縮合反応を塩基性の溶液中で行うべく、
KOH、NaOH、又はK2 CO3 とクラウンエーテル
とを、前記溶液中に添加することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電荷輸送材料の合成
方法に関し、更に詳細にはEL(electroluminescent)素
子の電荷輸送層を形成する電荷輸送材料として用いられ
るテトラフェニルジアミンを、ジフェニルアミンとアリ
ルハライドとを含む溶液中で触媒として銅を用いたウル
マン縮合反応により合成する電荷輸送材料の合成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電圧を印加することによって電界発光を
呈する発光材料を使用したEL素子としては、特開平7
−133281号公報や特開平7−133483号公報
において、図1に示すEL素子が提案されている。図1
に示すEL素子10は、透明ガラス板12に形成された
ITO透明電極14(インジウム・スズの合金)上に、
電荷輸送層16、発光層18、及びアルミニウム等の金
属から成る上部電極20の各々が順次形成されている。
このEL素子10によれば、ITO透明電極14を陽極
とし、上部電極20を陰極として、電源から直流又はパ
ルス電流を印加した際に、発光層18の発光材料が励起
されて発光する。
【0003】かかるEL素子10に用いられる電荷輸送
層16を形成する電荷輸送材料としては、〔化1〕に示
すテトラフェニルジアミン〔N、N’−ジフェニル−ビ
ス(3−メチルフェニル)−(1、1’−ビフェニル)
−4、4’−ジアミン;以下、TPDと称することがあ
る〕が使用される。
【化1】
【0004】このTPDは、ジフェニルアミンとアリル
ハライドとを含む溶液中で触媒として銅を用いたウルマ
ン縮合反応によって合成できる。かかる反応を、ジフェ
ニルアミンとしてN、N’−ジフェニルベンジジンを用
い、アリルハライドとしてm−ヨードトルエンを用いて
行った例を〔化2〕に示す。
【化2】 この反応は、触媒として銅粉末〔Cu(II)〕を用い、
且つ溶液の塩基性度を向上すべく無水炭酸カリウム(K
2 CO3 )を添加し、温度167℃の条件下で行った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この様に、ジフェニル
アミンとアリルハライドとをウルマン縮合反応させるこ
とによって、TPDを得ることができる。しかしなが
ら、〔化2〕に示すウルマン縮合反応は、反応速度が遅
く且つ収率が低いため、TPDの製造コストが高価とな
り、最終製品であるEL素子の製造コストも高価とな
る。そこで、本発明の課題は、ジフェニルアミンとアリ
ルハライドとのウルマン縮合反応によってテトラフェニ
ルジアミンを合成する際に、その反応速度と収率とを向
上し得る電荷輸送材料の合成方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく検討を重ねたところ、反応系内の塩基性度を
従来よりも高くすることによって、ウルマン縮合反応の
反応速度及び収率を向上できることを知った。更に、K
2 CO3 とクラウンエーテルとを添加することによっ
て、K2 CO3 を単独に添加した場合に比較して、反応
系内の塩基性度を容易に高くできることを知り、本発明
に到達した。すなわち、本発明は、EL素子の電荷輸送
層を形成する電荷輸送材料として用いられるテトラフェ
ニルジアミンを、ジフェニルアミンとアリルハライドと
を含む溶液中で触媒として銅を用いたウルマン縮合反応
によって合成する際に、該ウルマン縮合反応を塩基性の
溶液中で行うべく、KOH、NaOH、又はK2 CO 3
とクラウンエーテルとを、前記溶液中に添加することを
特徴とする電荷輸送材料の合成方法にある。
【0007】かかる本発明において、ジフェニルアミン
として、N、N’−ジフェニルベンジジンを用い、且つ
アリルハライドとして、m−ハロゲン化トルエンを用い
ることが好適である。また、クラウンエーテルとして、
18−クラウン−6を用いることによって、反応系内の
塩基性度を容易に高くできる。
【0008】本発明においては、高い塩基性度を呈する
溶液中でウルマン縮合反応を行うことができ、ジフェニ
ルアミンの窒素原子に連結されている水素原子の引き抜
きを容易に行うことができる。このため、ジフェニルア
ミンとアリルハライドとのウルマン縮合反応の反応速度
及び収率を向上できるものと推察される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、ジフェニルア
ミンとアリルハライドとのウルマン縮合反応を、KO
H、NaOH、及びK2 CO3 から成る化合物群から少
なくとも一種の化合物を塩基として用い、且つクラウン
エーテルの存在下で行うことが肝要である。ここで、ジ
フェニルアミンとしてN、N’−ジフェニルベンジジン
を用いると共に、アリルハライドとしてm−ヨードトル
エンを用い、且つ塩基としてのK2CO3 と触媒として
の銅粉末とを使用したウルマン縮合反応の一例を〔化
3〕に示す。
【化3】
【0010】この〔化3〕において用いたクラウンエー
テルは、環状のポリエーテルであって、電子供与性の酸
素によって環全体が多座配位子となり、金属イオンや有
機陽イオンを環の空孔内に取り込む機能を有するもので
ある。特に、18員環にエーテル酸素を6個含む18−
クラウン−6を好適に用いることができる。この18−
クラウン−6を〔化4〕に示す。
【化4】
【0011】ところで、上記〔化3〕において、塩基と
して用いたK2 CO3 は、クラウンエーテルが存在して
いないと、〔化5〕に示す如く、互いに平衡状態を保ち
つつ二段階で解離する。
【化5】 この点、〔化4〕に示す18−クラウン−6を添加する
と、18−クラウン−6は、〔化6〕に示す様に、K2
CO3 の第1段階の解離で生じたK+ を、その空孔内に
取り込む。
【化6】 このため、18−クラウン−6が存在する〔化6〕の場
合は、K2 CO3 の第2段階の解離が生じ難いため、
〔化5〕の場合に比較して、その塩基性度を向上でき
る。このため、KCO3 - が、〔化5〕の場合よりも高
濃度となり、ジフェニルアミンの窒素原子に連結されて
いる水素原子の引き抜きを容易に行うことができる。そ
の結果、ジフェニルアミンとアリルハライドとのウルマ
ン縮合反応の反応速度を向上でき、且つTPDの収率も
向上できる。
【0012】これまで述べてきた〔化3〕〜〔化6〕に
おいては、塩基としてK2 CO3 を使用したが、KOH
又はNaOHを塩基として使用できる。かかるKOH又
はNaOHを本発明のウルマン縮合反応の塩基として使
用できる詳細な理由は、明確ではないが、次のように推
察される。つまり、KOH又はNaOHは、水が充分に
存在すると完全に解離して強塩基を呈するが、本発明の
ウルマン縮合反応条件下では、水が充分に存在せず完全
に解離できない。この点、本発明においては、クラウン
エーテルを存在させることによって、KOH又はNaO
Hの一部が解離して生じたK+ 又はNa+ を、クラウン
エーテルの空孔内に取り込むことによって、塩基性度を
向上させてウルマン縮合反応を進行させることができ
る。更に、触媒として銅粉末(II)を用いたが、ヨウ化
銅(I)であってもよく、アリルハライドとしては、m
−ヨードトルエンを用いたが、〔化7〕に示すm−ハロ
ゲン化トルエンであれば使用できる。
【化7】 この〔化7〕に示すm−ハロゲン化トルエンにおいて、
Xはハロゲン原子を示し、I、Br、又はClであるこ
とが好ましい。
【0013】以上、述べてきたウルマン縮合反応によっ
て得られたTPDを用いて図1に示すEL素子を製造す
る。この際、透明ガラス板12に形成されたITO透明
電極14(インジウム・スズの合金)上に、得られたT
PDを用いて電荷輸送層16を形成し、更に発光層18
及びアルミニウム等の金属から成る上部電極20の各々
を順次形成する。ここで、電荷輸送層16、発光層1
8、及び上部電極20の各々は、真空蒸着法によって形
成する。特に、電荷輸送層16と発光層18とは、10
-6Torr程度の高真空下で真空状態を破ることなく連
続蒸着によって形成する。このため、電荷輸送層16と
発光層18との表面積は同一面積となる。この発光層1
8を形成する発光材料としては、下記〔化8〕〜〔化1
0〕の一般式で示す化合物を用いることができる。
【化8】
【化9】
【化10】
【0014】かかる化合物のうち、〔化8〕の一般式で
示される化合物は2−(O−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾオキサゾール金属錯体であり、高輝度で青色発色する
発光層18を形成できる。この〔化8〕の一般式中のM
は二価の金属を示し、亜鉛又は銅であることが好適であ
る。更に、〔化9〕の一般式で示される化合物は10−
ヒドロキシベンゾ〔h〕キノリン金属錯体であり、高輝
度で黄緑色から黄色の発色をする発光層18を形成でき
る。この〔化9〕の一般式中のR1 、R2 、R3 は水素
原子又は低級アルキル基を示し、Mは二価の金属を示
す。かかる〔化9〕の一般式で示される化合物のうち、
1 、R2 、R3 が水素原子であり且つMが亜鉛又は銅
である化合物が高輝度に発色することができ好ましい。
また、〔化10〕の一般式で示される化合物は2−(O
−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール亜鉛錯体であ
り、高輝度で青緑色発色する発光層18を形成できる。
尚、上部電極20と発光層18との間に電子輸送層を設
けてもよく、この電子輸送層には、例えば2−(4−ビ
フェニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール等から成る有機層を採用
できる。
【0015】図1に示すEL素子10は、TPDを用い
た電荷輸送層16と発光層18とを別々に形成している
が、図2に示すEL素子40の様に、TPD等の電荷輸
送材料と発光材料とをポリメタクリル酸メチル等の重合
体中に分散して成る発光層30を形成してもよい。発光
層30は、TPD等の電荷輸送材料と発光材料とをポリ
メタクリル酸メチル等の重合体中に分散した後、有機溶
媒で溶解して得られた溶液をディップコート法又はスピ
ンコート法によりITO透明電極14上に成膜すること
によって形成できる。このうち、ディップコート法は、
得られた溶液に、透明ガラス板12のITO透明電極1
4が形成された面をディップして薄膜を形成する方法で
あり、スピンコート法は、高速回転している透明ガラス
板12のITO透明電極14が形成された面に、得られ
た溶液を滴下して遠心力によって薄膜を形成する方法で
ある。この方法において、電荷輸送材料と発光材料との
混合モル比は4:6程度とすることが好ましく、重合体
と電荷輸送材料及び発光材料との混合比率は1:1程度
とすることが好ましい。更に、重合体としては、透明重
合体を用いることが好ましく、特に分子量が約10万程
度のポリメタクリル酸メチルを用いることが好ましい。
また、発光層30を形成する発光材料としては、前述し
た〔化8〕〜〔化10〕の一般式で示す化合物を使用で
きる。更に、電荷輸送材料としては、TPDの他に、T
PDの誘導体、ポリビニルカルバゾール、或いはポリカ
ーボネイトも使用可能ではあるが、TPDが最も好まし
い。尚、重合体には、前述した電子輸送物質、例えば2
−(4−ビフェニルイル)−5−(4−t−ブチルフェ
ニル)−1、3、4−オキサジアゾールを混合してもよ
い。
【0016】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明す
る。 実施例1 窒素置換した20mlのナス型フラスコに、N、N’−
ジフェニルベンジジン546mg(1.62mmo
l)、m−ヨードトルエン5mml(38.94mmo
l)、塩基としてのK2 CO3 995mg(7.20m
mol)及び触媒としての銅粉末276mg(4.34
mmol)を加え、更に18−クラウン−6を152m
g(0.58mg)加えた。次いで、窒素雰囲気下で攪
拌し且つ温度157〜171℃に保持して反応を行いつ
つ、反応の経時変化を薄層クロマトグラフィーによって
追跡した。反応開始から8時間後に原料であるN、N’
−ジフェニルベンジジンがなくなったことを確認し、ナ
ス型フラスコを放冷した。その後、室温に冷却されたナ
ス型フラスコの液体を、トルエンを加えてろ過して得ら
れたろ液を濃縮し淡黄色液体を得た。この淡黄色液体を
カラムクロマトグラフィーによって目的物を分離した
後、ヘキサンを加えて結晶化してろ過・乾燥を施した。
乾燥後に白色粉末が743mg得ら、収率は88.6%
であった。更に、得られた白色粉末の元素分析を行った
ところ、C88.0%、H6.30%、N5.30%で
あり、TPDの理論元素構成は、C88.3%、H6.
60%、N5.40%である。このため、両者の元素構
成は極めてよく一致しており、得られた白色粉末はTP
Dであることが確認できた。
【0017】実施例2及び比較例 窒素置換した20mlのナス型フラスコに、N、N’−
ジフェニルベンジジン、m−ヨードトルエン、塩基とし
てのK2 CO3 及び触媒としての銅粉末を表1に示す量
を加えると共に、18−クラウン−6を表1に示す量を
加えた。次いで、窒素雰囲気下で攪拌しつつ表1に示す
温度下において、反応を8時間行った後、ナス型フラス
コを放冷し、実施例1と同様にしてTPDの単離を行っ
た。TPDの収率を表1に併せて示した。
【表1】 表1から明らかな様に、本発明の実施例であるの収
率は、18−クラウン−6を添加しなかった比較例であ
るに比較して、高収率であった。
【0018】実施例3 10−ヒドロキシベンゾ〔h〕キノリン亜鉛錯体の合
成 10−ヒドロキシベンゾ〔h〕キノリン976mgを溶
解したメタノール溶液中に、酢酸亜鉛565mgを室温
下でゆっくり加えた。次いで、室温下で2時間攪拌して
から4時間煮沸し、放冷後に沈殿物を濾取した。濾取さ
れた沈殿物をメタノール中に分散しつつ1時間煮沸して
不溶物を濾別した後、ヘキサン洗浄してから真空乾燥し
た。収量は260mgであった。また、質量スペクトル
の測定によって、10−ヒドロキシベンゾ〔h〕キノリ
ン亜鉛錯体の特有のスペクトルである、質量数453の
近傍に主ピークが認められた。 EL素子の製造 透明ガラス板12に形成されたITO透明電極14(イ
ンジウム・スズの合金)上に、実施例1で得られたTP
Dから成る電荷輸送層16、上記で合成した10−ヒ
ドロキシベンゾ〔h〕キノリン亜鉛錯体から成る発光層
18、及びアルミニウム等の金属から成る上部電極20
の各々を順次形成し、図1に示すEL素子を形成した。
これら電荷輸送層16、発光層18、及び上部電極20
の各々は、真空蒸着によって形成した。このうち、電荷
輸送層16と発光層18とは、10-6Torr程度の高
真空下で真空状態を破ることなく連続蒸着によって形成
した。 発光試験 図1に示すEL素子10のITO透明電極14を陽極と
し、上部電極20を陰極として、電源から18Vの直流
又はパルス電圧を印加したところ、発光層18から10
00cd/m2 を越える輝度の黄色光が発光した。更
に、連続発光実験を行ったところ、黄色光の発光は安定
して数百時間以上持続した。
【0019】実施例4 2−(O−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール
亜鉛錯体の合成 300mlのナス型フラスコに採取した2.147g
(10.16mmol)の2−(O−ヒドロキシフェニ
ル)ベンズオキサゾールを、200mlのメタノールを
添加し50℃に加温しつつ攪拌して完全に溶解した。ま
た、100mlのナス型フラスコに採取した1.108
g(5.05mmol)の酢酸亜鉛二水和物を、50m
lのメタノールを添加し室温下で攪拌して完全に溶解し
た。次いで、2−(O−ヒドロキシフェニル)ベンゾオ
キサゾールのメタノール溶液に、酢酸亜鉛のメタノール
溶液をゆっくり加えた。直ちに白色の沈殿物が析出した
が、白色の沈殿物が析出した状態で50℃に加温しつつ
3時間攪拌を行った後、析出した白色の沈殿物を濾過し
た。濾過して得られた白色の沈殿物を、水、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液で洗浄した後、80℃の温水中で1
時間攪拌してから濾過した。更に、得られた沈殿物は、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、メタノール、ヘキ
サンの順序で洗浄液を変えて洗浄してから減圧乾燥を施
し、2.152gの白色粉末を得た。最終的に得られた
白色粉末の元素分析を行ったところ、C64.32%、
H3.21%、N5.43%であった。一方、2−(O
−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール亜鉛錯体の
理論値は、C64.28%、H3.32%、N5.77
%であり、両者はよい一致を見ているため、得られた白
色粉末は2−(O−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサ
ゾール亜鉛錯体であると判断した。 EL素子の製造 透明ガラス板12に形成されたITO透明電極14(イ
ンジウム・スズの合金)上に、実施例1で得られたTP
Dと上記で得られた2−(O−ヒドロキシフェニル)
ベンゾオキサゾール亜鉛錯体とを4:6のモル比で混合
した混合物に、更に分子量が約10万のポリメタクリル
酸メチルを添加し、更に溶媒としてジクロロメタンを添
加して溶解して得られた溶液をディップコートするディ
ップコート法によって、図2に示す発光層30を形成し
た。このディップコート法は、得られた溶液に、透明ガ
ラス板12のITO透明電極14が形成された面をディ
ップして薄膜を形成する方法であり、ポリメタクリル酸
メチルの添加量はTPDと2−(O−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾオキサゾール亜鉛錯体との混合物と同量とし
た。更に、形成した発光層30上にアルミニウム等の金
属から成る上部電極20を形成し、図2に示すEL素子
40を形成した。 発光試験 得られた図2に示すEL素子40のITO透明電極14
を陽極とし、上部電極20を陰極として、電源から30
Vの直流電圧を印加したところ、発光層30から暗所で
肉眼で確認できる程度の輝度の青色光が発光した。
【0020】実施例5 実施例4において、発光材料として使用した2−(O−
ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール亜鉛錯体に代
えて、2−(O−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾー
ル亜鉛錯体を使用した他は、実施例4と同様にして図2
に示すEL素子40を製造し、発光試験を行った。その
結果、発光層30から暗所で肉眼で確認できる程度の輝
度の青緑色が発光した。本実施例で用いた2−(O−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾチアゾール亜鉛錯体は下記に
示す方法で合成した。100mlのナス型フラスコに採
取した484mg(2.13mmol)の2−(O−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾチアゾールを、40mlのメ
タノールを添加し50℃に加温しつつ攪拌して完全に溶
解した。また、50mlのナス型フラスコに採取した2
26mg(1.03mmol)の酢酸亜鉛二水和物を、
20mlのメタノールを添加し50℃に加温しつつ攪拌
して完全に溶解した。次いで、2−(O−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾチアゾールのメタノール溶液に、酢酸亜
鉛のメタノール溶液をゆっくり加えた。直ちに黄緑色の
沈殿物が析出したが、沈殿物が析出した状態で50℃に
加温しつつ1時間45分間の攪拌を行った後、析出した
沈殿物を濾過した。濾過して得られた沈殿物を、水、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、メタノール、ヘキサ
ンの順序で洗浄液を変えて洗浄してから減圧乾燥を施
し、316mgの黄緑色粉末を得た。最終的に得られた
黄緑色粉末の元素分析を行ったところ、C59.40
%、H3.40%、N5.20%であった。一方、2−
(O−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール亜鉛錯体
の理論値は、C60.30%、H3.11%、N5.4
1%であり、両者はよい一致を見ているため、得られた
黄緑色粉末は2−(O−ヒドロキシフェニル)ベンゾチ
アゾール亜鉛錯体であると判断した。
【発明の効果】本発明によれば、電荷輸送材料であるT
PDを容易に且つ収率よく合成でき、EL素子の製造コ
スト等の低減に寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって製造した電荷輸送材料を用いる
EL素子の一例を説明するための説明図である。
【図2】本発明によって製造した電荷輸送材料を用いる
EL素子の他の例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10、40 EL素子 12 透明ガラス板 14 ITO透明電極 16 電荷輸送層 18、30 発光層 20 上部電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EL素子の電荷輸送層を形成する電荷輸
    送材料として用いられるテトラフェニルジアミンを、ジ
    フェニルアミンとアリルハライドとを含む溶液中で触媒
    として銅を用いたウルマン縮合反応によって合成する際
    に、 該ウルマン縮合反応を塩基性の溶液中で行うべく、KO
    H、NaOH、又はK 2 CO3 とクラウンエーテルと
    を、前記溶液中に添加することを特徴とする電荷輸送材
    料の合成方法。
  2. 【請求項2】 ジフェニルアミンとして、N、N’−ジ
    フェニルベンジジンを用いる請求項1記載の電荷輸送材
    料の合成方法。
  3. 【請求項3】 アリルハライドとして、m−ハロゲン化
    トルエンを用いる請求項1又は請求項2記載の電荷輸送
    材料の合成方法。
  4. 【請求項4】 クラウンエーテルとして、18−クラウ
    ン−6を用いる請求項1〜3のいずれか一項記載の電荷
    輸送材料の合成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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