JPH1186072A - 紙幣認証装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙幣を自動的に認証する装置を提供する。 【解決手段】 銀行紙幣（１）に対する紙幣認証装置
は、銀行紙幣（１）の表面に蛍光インクで印刷されてい
るバーコードを利用する。そのバーコードは読取りステ
ーション（４）を通してその紙幣を搬送することによっ
て読み出され、読取りステーションでは紫外線ランプ
（５）がその紙幣（１）を照明し、そして紙幣の上に印
刷されているバーコード化された情報が蛍光を発するよ
うにし、そしてその蛍光の波長に感じるホトダイオード
（９）によって検出されるようにする。そのバーコード
が紙幣の搬送される方向とは無関係に、そしてその紙幣
のどのエッジが前縁になるかには無関係に、確実に読ま
れるようにするために、追加の読取りステーションを設
けることができる。偽造紙幣を検出すること以外に、古
い、そして汚れた紙幣の読取りを支援するために、ホト
ダイオードの出力をニューラル・ネットワークに対して
供給することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、銀行紙幣及びそれに類
似するシート等の自動認証を行う紙幣認証装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】顧客の検証手続きの後、銀行顧客に対し
て銀行紙幣を払い出す自動金銭受け払い機（以下「ＡＴ
Ｍ」という）は世界中で使われている。そのような機械
は銀行紙幣を払い出すだけでなく、銀行紙幣を受け取
り、認証し、そして検証することができ、そして結果と
して銀行の顧客によって供給される銀行紙幣を受け入
れ、それらをリサイクルすることができるように適合さ
れていることも望ましい。

【０００３】そのような認証に対する前提として、銀行
紙幣には機械が読める形式で情報が入っている必要があ
る。この目的で、スコットランドの銀行紙幣を発行して
いる３つの銀行では既に、よく知られているバーコード
の符号を使って、紙幣の上に共通の形式のコードのマー
キングを導入している。

【０００４】これらのマーキングは銀行紙幣の額面金額
およびその発行している銀行を識別する情報を符号化し
ている。そのマーキングは普通の光では見えないが、紫
外線の光で蛍光を発する蛍光インクで印刷されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、銀行
紙幣及びそれに類似するシート等を自動的に認証するこ
とができる装置を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、銀行紙
幣を自動的に認証するための装置は、読取りステーショ
ンを次々に通過するそのような紙幣を運搬するための紙
幣運搬手段と、放射光線を発生し、そして紙幣が読取り
ステーションを次々に通過する際に、そのような発生さ
れた放射光線を紙幣上に放射するための放射光線ジェネ
レータ手段と、機械が読める形で紙幣上に符号化されて
いて、そのような放射光線に応答する情報を読み取るた
めの電子的読取り手段とを含む。

【０００７】放射光線ジェネレータ手段は、各紙幣が読
取りステーションを通過する際に放射光線を送り出すよ
うに配置されていて、電子的読取り手段はそのような紙
幣から発せられる放射光線を受け取るように配置され、
そして運搬手段は放射光線ジェネレータ手段と電子的読
取り手段との間を紙幣が通過するように構成されている
ことが好ましい。

【０００８】本発明を実行する際、電子的読取り手段は
発生された放射光線に対する異なる所定の波長の光に感
じることができ、その発生される放射光線は放射スペク
トルのうちの紫外線領域にあるようにすることができ
る。前記所定の波長は蛍光インクの放射波長であり、そ
のインクを使って、読み出される紙幣上にコードのマー
キングが印刷されており、その蛍光インクは紫外線に感
じるものとすることができる。

【０００９】読まれる紙幣は実際には四角形であり、一
対の長い方のエッジと一対の短い方のエッジとを備えて
いて、搬送手段は所定のペアのエッジのうちのいずれか
１つが前縁であるように、その紙幣の向きを揃えるよう
に適合されていることが好ましい。

【００１０】本発明の実施形態においては、複数の読取
りステーションが提供されていて、それらは紙幣のどの
面が上に向いているかにかかわらず、また、所定のペア
のどのエッジが前縁であるかどうかに関係なく、符号化
された情報を読むことができるように配置されているこ
とが好ましい。

【００１１】本発明の実施形態においては、１つの学習
システムが使われ、そのシステムは読取り手段が読むこ
とができる紙幣上に符号化された情報から、銀行紙幣お
よび同様な紙幣を識別するように学習する。これは認証
時間を減らすために必要なアルゴリズムの複雑性を減ら
す利点を有する。

【００１２】本発明をもっとよく理解してもらうため
に、添付の図面を参照する。

【００１３】

【発明の実施の形態】ここで図１を参照すると、スコッ
トランドの銀行紙幣発行銀行によって発行されるような
代表的な銀行紙幣の表面１が図式的な形式で示されてい
る。その紙幣の上に印刷されている普通の種類の目で読
める情報、たとえば発行銀行の名前、その紙幣の額面金
額または金種区分およびセキュリティの印刷の他に、符
号化された情報が、紫外線の下で蛍光を発する目では見
えないインクで印刷されている。その蛍光の波長は可視
光の緑の領域の中の５３０ｎｍにピークがある。その符
号化された情報は１３要素のバーコードの形式で印刷さ
れており、各バーの寸法は２ｍｍ×２６ｍｍである。そ
のコードは２つの領域２および３の中に重複している。
その２つの領域２および３は、それぞれ短い方および長
い方のエッジに平行な中心線に相対的に置かれており、
紙幣の前縁が短い方のエッジであるか、あるいは長い方
のエッジであるかのいずれの場合でも、コードを等しく
十分に読むことができるように配置されている。各バー
は「１」（緑の蛍光）または「０」（蛍光なし）のいず
れかである。

【００１４】発行銀行とは無関係に、符号化された情報
の最初の２つの要素は１、０であり、最後の２つは０、
１である。中間にある９個の要素は異なる銀行および異
なる金種区分を表している。以下の表１は各種の発行銀
行および金種区分に対するコードを示している。

【００１５】 表１ 発行銀行 金種区分 コード クリデスデール銀行 ５ポンド 1010001000101 クリデスデール銀行 １０ポンド 1011010110101 クリデスデール銀行 ２０ポンド 1000101010001 バンク・オブ・スコットランド ５ポンド 1001011001101 バンク・オブ・スコットランド １０ポンド 1010010100101 バンク・オブ・スコットランド ２０ポンド 1011011000101 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド ５ポンド 1011011111001 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド １０ポンド 1000010010001 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド ２０ポンド 1011101011101 図１に示されているような銀行紙幣の上に印刷されてい
る符号化された情報を読み取るための読取りステーショ
ン４が図２および図３に示されている。読取りステーシ
ョン４は、銀行紙幣１が適切な搬送手段によってその読
取りステーションを通って搬送される間に、紫外線を放
射するように配置されている紫外線管５を含んでいる。
適切な搬送手段の一例が以下に説明され、図６および図
７に示されている。搬送手段は長い方のエッジを前縁と
して銀行紙幣を移動させ、そして管５の幅は銀行紙幣が
読取りステーションを通過する際にその紙幣の全幅にわ
たって紫外線を確実に放射するのに十分な幅である。銀
行紙幣１の上の蛍光インクの上のマーキングは光を発す
る。そして図１を参照して上で説明したように、スコッ
トランドの銀行紙幣上のバーコードのマーキングは約５
３０ｎｍにピークがある緑の光を放射する。

【００１６】紙幣１の上のバーコード・マーキングから
発するそのような光を検出するために、電子的読取り手
段６が読取りステーション４に設けられている。読取り
手段６は読取りステーション４から管５へ紙幣が通過す
るのと反対側、そして管５の直ぐ上に配置されている。
読取り手段６の拡大された図が図４に示されている。読
取り手段６は、銀行紙幣１からの蛍光の放射のピーク周
波数に近い５００ｎｍ付近にピークの応答がある、選択
されたホトダイオード９を含んでいるハウジング８が存
在するプレート７を含む。ハウジング８は銀行紙幣１か
らの光がホトダイオード９へ到達する１ｍｍ幅のスロッ
ト１０を含んでいる。ホトダイオード９によって検出さ
れる信号の信号対ノイズ比を改善するために、干渉フィ
ルタ１３（図３の中に図式的に示されている）がホトダ
イオードの前に設けられていて、ダイオード９に到達す
る赤外線および低い青の信号のレベルを減少させる。

【００１７】長い方のエッジが前縁である読取りステー
ションにある時、紙幣の４つの可能な向きがあり、した
がって、バーコード情報の４つの可能な場所がある。表
面が上を向いている銀行紙幣の場合、２つの可能な場所
がある。読取り手段６はそれらのうちの１つに配置され
ている。読取り手段６に類似している第２の電子的読取
り手段１１が提供されていて、それは読取り手段６に平
行になっており、バーコードが第２の位置にある場合に
そのバーコードを読み取る。銀行紙幣の向きが反対方向
である時に発生する、バーコードの第３および第４の可
能な位置に対して、第２の読取りステーションが提供さ
れており、それは上記と同様であるが、反対の方向に向
かって配置されている。これはさらに明瞭に図３の中で
示されている。

【００１８】図３は長い方のエッジが前縁である銀行紙
幣１上のバーコードを、そのすべての可能な向きにおい
て読み取るために配置された２つの読取りステーション
４および４’の側面図を示している。読取りステーショ
ン４は反射器１２が背後にある紫外線ランプ５を備えて
いる。ランプ５に向かってホトダイオード９およびフィ
ルタ１３を含んでいる読取り手段（図２および図３の中
の読取り手段６）が設けられている。さらにもう１つの
読取り手段が読取り手段６と同じ直線上に位置されてい
るが、図３の中では見えない。（そのさらにもう１つの
読取り手段は読取り手段１１として図２および図３に示
されている。） 読取りステーション４’はすべての面
において、読取りステーション４と同じであるが、表面
を反対の方向に向けて装置を通過する銀行紙幣の上のバ
ーコードを読むことができるように、反対の向きに配置
されている。このようにして、長い方のエッジが前縁で
ある場合、銀行紙幣の向きとは無関係に、その上にある
バーコードが確実に読まれるようにすることができる。
短い方のエッジが前縁である場合、さらに４つの向きが
可能であり、それぞれ２つの読取り手段を備えているさ
らに２つの読取りステーションが必要となる。

【００１９】読取りステーション４は紙幣１の一方の側
に配置されている１つの光源と、紙幣１の反対側に配置
されている読取り手段とを有し、その紙幣１がそれらの
間を通過するように記述され、図示されている。しか
し、その光源と読取り手段の両方を、紙幣が通過する際
の紙幣の同じ側に配置することも可能である。

【００２０】図６および図７は読取りステーションを通
して銀行紙幣を搬送するために使われる銀行紙幣搬送手
段を示している。その搬送手段は４つのテンション制御
型の駆動ベルト２１、２２、２３、および２４を備えて
いる。駆動ベルト２１および２２は紙幣の通路の上側に
あり、駆動ベルト２３および２４は下側にある。（ベル
ト２４は図の中では見えていない）上側のベルト２１は
そのユニットを横切って延びているシャフト２８、２９
の上にあるホイール２５、２６および２７の上を通過す
る。下側のベルト２３はシャフト２８、２９および３０
の下にあるシャフト（図示せず）の上にあるホイール３
１、３２および３３の上を通過する。上側のベルト２２
はやはりそれぞれのシャフト２８、２９および３０の上
にあるが、それぞれのシャフトとはホイール２５、２６
および２７からシャフトに沿って隔てられているホイー
ルの上を通過する。下側のベルト２４は上側のベルト２
２の下に配置されており、下側のベルト２３と同じであ
るが、横方向にそれから隔てられている。各種のシャフ
トは運動パワーの発生源（図示せず）に対してドライブ
・トレインを通して連結されているギヤによって駆動さ
れる。シャフト２９および３２にはスプリングが付けら
れていて、ベルトの中の張力を維持している。

【００２１】上記の装置を使用する際、読取りステーシ
ョンにあるホトダイオードから受信された信号が、銀行
紙幣上にプリントされた１３桁のバーコードに対応して
いる１３個の等しいセグメントにシリアルに分割され、
各セグメントはしきい値ユニットに対して印加されるこ
とによってディジタル化される。しきい値以上の信号は
「１」としてディジタル化され、しきい値以下の信号は
「０」としてディジタル化される。清潔で有効な紙幣の
場合、これは表１に示されているコードの１つに対応し
ている信号を提供し、そしてそれぞれの額面金額および
発行銀行の指示を提供するのに十分である。しかし、装
置は古い、汚れた紙幣に応答する必要がある。そのよう
な場合、「１」は汚れまたは蛍光の劣化によって消さ
れ、「０」として変換される可能性がある。偽造の紙幣
を検出すること以外に、この問題を克服するために、ニ
ューラル・ネットワークを使って読取り手段からの出力
信号を処理することができる。

【００２２】エラーのバック・プロパゲーション・アー
キテクチャのニューラル・ネットワークが図８に示され
ている。それは層状に配置されたいくつかのノードを含
む。示されている例においては、入力層５１、中間層５
２および出力層５３を含んでいる３層のニューラル・ネ
ットワークが使われている。入力層におけるノードの数
は入力の数に対応している。（説明のために、入力層５
１の中には４つのノードが示されている。） 示されて
いる例においては、２つのノードが中間層５２の中に設
けられているが、この数は必要に応じて増減することが
できる。出力層５３の場合、ノードの数は必要とされる
出力の異なるクラスの数に対応する。図８においては、
出力層５３には４つのノードが用意されているが、これ
は単に説明の便宜上、そうしているだけである。表１の
中にリストされている可能な９種類の紙幣に対して、偽
造紙幣が既にリジェクトされている場合は９個の出力ノ
ードが必要であり、各種類の紙幣が偽札である可能性に
対処するためには１８個の出力ノードが必要である。ニ
ューラル・ネットワークにおいては、すべての入力ノー
ドからすべての中間層ノードに対する接続がなされ、す
べての中間層ノードからすべての出力層ノードに対する
接続がなされている。１つのノードに対する各入力接続
には重みが付けられている。すべてのノードはその重み
付けられている入力の合計を計算する。その計算された
合計がそのノードに対する所定のしきい値に対して比較
される。その合計がそのしきい値を超えていた場合、そ
のノードの出力は「１」となり、それ以外の場合は
「０」となる。

【００２３】ニューラル・ネットワークがその機能を果
たすためには、それは「教えられ」なければならない。
限定された動作のネットワークの一例は、３つの発行銀
行によって発行されたスコットランドの２０ポンド銀行
紙幣を認証し、本物の紙幣と偽造紙幣とを区別すること
によって認証された紙幣を検証するように教えられたネ
ットワークである。したがって、６種類の肯定的な結果
があり、したがって、そのニューラル・ネットワークの
出力層は６つのノードが必要である。さらに、蛍光が検
出されず、したがって、さらに「０」の出力が提供され
る可能性がある。出力層からの必要な出力コードは以下
の表２に示されている。

【００２４】 表２ 銀行紙幣 ステータス 出力コート゛ ２０ホ゜ント゛ ハ゛ンク・オフ゛・スコットラント゛ 有効 100000 ２０ホ゜ント゛ クライテ゛ス銀行 有効 010000 ２０ホ゜ント゛ ロイヤル・ハ゛ンク・オフ゛・スコットラント゛ 有効 001000 ２０ホ゜ント゛ ハ゛ンク・オフ゛・スコットラント゛ 偽札 000100 ２０ホ゜ント゛ クライテ゛ステ゛ール銀行 偽札 000010 ２０ホ゜ント゛ ロイヤル・ハ゛ンク・オフ゛・スコットラント゛ 偽札 000001 上記の例における入力ノードの数は１３であった。そし
て各入力ノードは、読出し信号がその中に分割される１
３個のセグメントのうちの１つのセグメントを受信して
いる。それぞれのノードに対する入力は有効な２０ポン
ド紙幣から完全に読み込まれた信号の場合、その種類の
紙幣に対して表１の中で示されているコードのディジッ
トのうちの１つに対応する。４つのノードの中間層が上
記のように使われ、６個の出力ノードがあった。

【００２５】学習プロセスに対して、ネットワークは最
初にランダムな重み付けおよびしきい値を備えているノ
ード、そして供給される既知の種類の２０ポンド紙幣か
ら開始された。出力信号が正しくなかった場合、バック
・プロパゲーション法によってその重み付けが調整さ
れ、それは最初は出力ノードであり、次に中間ノードが
その誤差を減らすように調整された。このバック・プロ
バゲーションの「学習」方法は適切なソフトウェアによ
って制御することができる。実際には、偽造された銀行
紙幣のバーコードは本物の紙幣とは十分に異なってい
て、適切に教えられたニューラル・ネットワークによっ
て区別することができる。しかし、必要であれば、バー
コードの蛍光以外のパラメータを検出するためにセンサ
を追加し、偽札の検出のために提供することができる。
そのようなセンサはバーコードの読取りステーションの
前または後のいずれかに置くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実現している装置が読むように意図さ
れている種類の代表的な銀行紙幣を示す。

【図２】本発明を具体化している装置の中で使われる読
取りステーションの平面図をそれぞれ示す。

【図３】本発明を具体化している装置の中で使われる読
取りステーションの端部の正面図をそれぞれ示す。

【図４】図３の詳細を拡大して示す。

【図５】図２および図３に提示されている読取りステー
ションの側面図である。

【図６】銀行紙幣搬送機構の側面図である。

【図７】銀行紙幣搬送機構の平面図である。

【図８】本発明の実施形態において使われるニューラル
・ネットワークを示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シーク ミーラン イギリス国 スコットランド ＤＤ２ ２ ＬＰ ダンディー イーソンズ アングル ７

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 銀行紙幣及びそれに類似するシート等を
   自動的に認証するための装置であって、 順次に紙幣（１）を読取りステーション（４）を通過さ
   せ搬送するための紙幣搬送手段（図６及び図７）と、 紙幣（１）が前記読取りステーション（４）を通過する
   際に、各紙幣（１）上に放射光線を放射するための放射
   光線ジェネレータ手段（５）と、 該放射光線に応答する、紙幣（１）上に符号化された情
   報を読み取るための電子的読取り手段（６）と、を含む
   紙幣認証装置。