JPH1182706A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JPH1182706A
JPH1182706A JP23460397A JP23460397A JPH1182706A JP H1182706 A JPH1182706 A JP H1182706A JP 23460397 A JP23460397 A JP 23460397A JP 23460397 A JP23460397 A JP 23460397A JP H1182706 A JPH1182706 A JP H1182706A
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雅弘 山本
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茂樹 島中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータの追従性が低下する低油温時
に、外乱が過大になるのを防いで安定した制御を行う。 【解決手段】 無段変速機の油温Tfに基づいてステッ
プモータ64の駆動速度PPSを制御するステップモー
タ駆動部と、予め設定した制御対象モデルから実プーリ
比に応じて演算した制御対象時定数に基づいて、外乱補
償量を演算する外乱補償器とを備え、外乱補償器は、ス
テップモータ64の駆動速度PPSが所定値未満の場合
には外乱補償入力を、指令プーリ比ipRからステップ
モータ64の実ステップ数ASTPに応じた換算プーリ
比ipSTPに切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる無段変速機の変速制御装置の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から車両に搭載される無段変速機と
しては、ベルト式やトロイダル型の無段変速機が知られ
ており、ステップモータなどのアクチュエータによって
変速制御弁を駆動し、油圧に基づいて変速比を連続的に
変更している。
【0003】このような、変速制御装置では、変速機構
に加わる外乱または経年変化の影響やステップモータの
応答遅れを抑制して、常時所定の応答特性が得られるよ
うに外乱補償器を備えたものがあり、本願出願人も特願
平8−144344号、特願平9−89494号、特願
平9−89496号等として提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の無段変速機の変速制御装置にあっては、変速機の油
温に応じてステップモータの駆動速度=パルスレートP
PSを可変制御しており、作動油の粘性が大きくなる低
油温時には駆動速度を低く設定して変速制御弁等の駆動
力を確保する一方、高油温時には駆動速度を高く設定し
て変速応答を向上させているが、低油温時には駆動速度
が低いためにステップモータの駆動量は指令値に追従で
きなくなる。そして、この指令値と実際の駆動量の偏差
が外乱として外乱補償器へ入力されてしまうため、外乱
の大きさが実際に生じる外乱よりも過大になって、制御
系の安定性が損なわれて発振などを招く場合があった。
【0005】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、変速機の油温に応じてアクチュエータ駆動
しながら、アクチュエータの追従性が低下する低油温時
に、外乱が過大になるのを防いで安定した制御を行うこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、油圧に基
づいて変速比が無段階に可変制御される無段変速機と、
アクチュエータに駆動されて前記油圧を可変制御する変
速制御弁と、車両の運転状態に応じて目標変速比を設定
する目標変速比設定手段と、実際の変速比を検出する実
変速比検出手段と、少なくとも変速機の油温に基づいて
前記アクチュエータの駆動速度を制御する駆動速度制御
手段と、予め設定した制御対象モデルから実変速比に応
じて演算した制御対象時定数に基づいて、目標変速比を
入力として外乱補償量を演算する外乱補償手段と、前記
目標変速比とこの外乱補償量に応じて前記アクチュエー
タの駆動量を演算する駆動量演算手段と、この駆動量と
前記駆動速度によってアクチュエータを駆動する駆動制
御手段とを備えた無段変速機の変速制御装置において、
前記アクチュエータの位置を検出する検出する位置検出
手段と、前記外乱補償手段は、駆動速度が所定値未満の
場合には外乱補償入力を、目標変速比からアクチュエー
タの位置に応じた値に切り換える入力切換手段を備え
る。
【0007】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記入力切換手段は、目標変速比と実変速比の偏
差に応じて演算した定数または駆動速度に応じて演算し
た定数によって、外乱補償入力を演算する。
【0008】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記入力切換手段は、外乱補償入力をアクチュエ
ータの位置に応じた値から目標変速比へ切り換える場合
には、目標変速比と実変速比の偏差が所定値未満のとき
にのみこの切り換えを許可する。
【0009】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、アクチュエ
ータの駆動速度が所定値以上の通常運転時では、目標変
速比を入力として外乱補償を行って、実変速比が目標変
速比に一致するようにアクチュエータが変速制御弁を駆
動する。一方、無段変速機の油温が低くアクチュエータ
の負荷が大きい場合などでは、駆動速度を所定値未満に
低下させて駆動力を確保するが、このとき、外乱補償の
入力を目標変速比からアクチュエータの位置に応じた値
に切り換えることで、駆動速度が低いためにアクチュエ
ータの駆動位置=実変速比が目標変速比に追従できない
状態となるが、外乱補償量はアクチュエータの現在位置
に応じた値に基づいて演算することになるため、実変速
比が目標変速比に追従できない状態を外乱の増大と捉え
ることがなくなって、前記従来例のように外乱補償量の
増大による制御系の発振を確実に防止して、安定した外
乱補償制御を行うことが可能となる。
【0010】また、第2の発明は、外乱補償入力の切り
換えは、駆動速度に加えて目標変速比と実変速比の偏差
に応じて行うことで、目標変速比からアクチュエータの
位置に応じた値への切り換えと、アクチュエータの位置
に応じた値から目標変速比への切り換えの双方向につい
て円滑に行うことができる。
【0011】また、第3の発明は、外乱補償入力をアク
チュエータの位置に応じた値から目標変速比へ切り換え
る場合には、目標変速比と実変速比の偏差が所定値未満
のときにのみこの切り換えを許可することで、外乱補償
入力の切り換えを変速比の偏差が小さい状態、すなわ
ち、アクチュエータの目標位置と実際の駆動位置がほぼ
一致した状態のときにのみ、外乱補償入力を目標変速比
へ切り換えることを許可するようにしたため、外乱補償
制御中に外乱補償入力が急激に切り換わるのを防いで、
外乱補償制御の安定性を向上させることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0013】図1〜図7に本発明の一実施形態を示し、
図1はVベルト式無段変速機の変速制御装置の概略構成
図を示し、図2は無段変速機油圧コントロールバルブ3
の概略構成図を、図3に変速リンク67とステップモー
タ64及び変速制御弁63の関係をそれぞれ示す。
【0014】図1において、無段変速機17は、一対の
可変プーリとして図示しないエンジンに連結されたプラ
イマリプーリ16と、駆動軸に連結されたセカンダリプ
ーリ26を備え、これら一対の可変プーリはVベルト2
4によって連結されている。
【0015】そして、無段変速機17の変速比(以下、
プーリ比とする)及びVベルト24の接触摩擦力は油圧
コントロールバルブ3によって制御され、油圧コントロ
ールバルブ3にはライン圧を調整する図示しないライン
圧制御手段と、図2に示すように、CVTコントロール
ユニット1からの目標プーリ比に応じて変速制御弁63
を駆動するアクチュエータとしてのステップモータ64
が収装される。
【0016】CVTコントロールユニット1は、無段変
速機17のプライマリプーリ16の回転数Npriを検出
するプライマリプーリ回転数センサ6、セカンダリプー
リ26の回転数Nsecを検出するセカンダリプーリ回転
数センサ7からの信号と、インヒビタースイッチ8から
の変速モードMode及びセレクト位置と、運転者が操作す
るアクセルペダルの踏み込み量に応じたスロットル開度
センサ5からのスロットル開度TVO(又は、アクセル
ペダルの踏み込み量)を読み込むとともに、図示しない
温度センサから無段変速機17の油温Tf及び車速VS
Pを読み込んで、車両の運転状態ないし運転者の要求に
応じて、プーリ比ip(以下、到達プーリ比とし、現在
のプーリ比から最終的に移行するプーリ比の目標値=目
標変速比である。)を可変制御している。なお、本実施
形態では、セカンダリ回転数Nsecに所定の定数を乗じ
たものを車速VSPとして読み込む。
【0017】Vベルト式の無段変速機17は、図示しな
いエンジンとの間にはロックアップクラッチ11を備え
たトルクコンバータ12が介装され、トルクコンバータ
12の出力は入力軸としてのプライマリプーリ16に伝
達される。
【0018】プライマリプーリ16は、一体となって回
転する固定円錐板18と、固定円錐板18と対向配置さ
れてV字状のプーリ溝を形成するとともに、プライマリ
プーリシリンダ室20へ作用する油圧(プライマリプー
リ油圧)によって軸方向へ変位可能な可動円錐板22か
ら構成される。
【0019】一方、セカンダリプーリ26は車軸側に連
結されており、セカンダリプーリ26と同軸上で一体と
なって回転する固定円錐板30と、この固定円錐板30
と対向配置されてV字状のプーリ溝を形成するととも
に、セカンダリプーリシリンダ室32へ作用する油圧
(ライン圧)に応じて軸方向へ変位可能な可動円錐板3
4から構成される。
【0020】プライマリプーリ16の可動円錐板22及
びセカンダリプーリ26の可動円錐板34を軸方向へ変
位させて、Vベルト24との接触半径を変更することに
より、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26と
のプーリ比、すなわちプーリ比ipを変えることができ
る。
【0021】例えば、プライマリプーリ16のV字状プ
ーリ溝の幅を減少すれば、セカンダリプーリ26側のV
ベルト24の接触半径は小さくなるので、プーリ比を小
さく(変速比はHi側)することができる。可動円錐板
22をこの逆方向へ変位させればプーリ比は大きく(変
速比はLow側)なる。
【0022】このような、プライマリプーリ16とセカ
ンダリプーリ26のV字状プーリ溝の幅を変化させる変
速制御は、プライマリプーリシリンダ室20への油圧制
御によって行われ、図2、図3に示すように、油圧コン
トロールバルブ3の変速制御弁63を駆動するステップ
モータ64を制御することで行われる。
【0023】ステップモータ64は、変速リンク67を
介してCVTコントロールユニット1からの指令に応じ
て変速制御弁63を駆動し、プライマリプーリ16のシ
リンダ室20に供給される油圧を調整することで実プー
リ比Aip(=実変速比)を目標プーリ比ipに一致さ
せるよう制御する。
【0024】油圧コントロールバルブ3及び変速リンク
67を主体とするフィードバック手段は前記従来例と同
様に構成されており、ステップモータ64はピニオン6
6を介してラック65と歯合しており、このラック65
は所定のレバー比の変速リンク67の一端に連結され
る。そして、この変速リンク67の途中には変速制御弁
63のスプールが連結されるとともに、リンク67の他
端にはプライマリプーリ16を構成する可動円錐板22
の軸方向の変位に応動するフィードバック部材158が
連結される。
【0025】このフィードバック部材158は、一端を
可動円錐板22の外周と軸方向で係合するとともに、所
定の位置にはライン圧制御弁60のロッド60aが連結
され、ステップモータ64の変位とフォードバック部材
158の相対的な変位に応じて変速リンク67が揺動す
ることで、変速制御弁63及びライン圧制御弁60が駆
動される。
【0026】変速制御弁63は、ステップモータ64の
駆動量(回転位置)に基づく変速リンク67の変位に応
じてプライマリプーリ16のシリンダ室20への供給油
圧を制御する。なお、セカンダリプーリ26のシリンダ
室32には、ライン圧制御弁60からのライン圧が常時
供給される。
【0027】したがって、ステップモータ64の変位に
基づく到達プーリ比ipに、実際のプーリ比Aipが一
致すると、可動円錐板22に連結された変速リンク67
が変速制御弁63のスプールを変位させて、シリンダ室
20の油圧を維持して所定の到達プーリ比ipを維持す
る。
【0028】なお、図2において、78はシフトレバー
に応動するマニュアル弁、76は負圧ダイアフラム、7
7は負圧ダイアフラム76に応動するスロットル弁で、
95はラック65が最Lowプーリ比(最Lo変速比)
まで変位するとONになるLoスイッチである。
【0029】次に、CVTコントロールユニット1で行
われる変速制御について、図4〜図7の制御概念図に基
づいて説明する。
【0030】到達プーリ比計算部100は、車速VSP
とスロットル開度TVO等の運転状態に基づいて到達変
速比ipを、図示しないマップから求める。一方、実プ
ーリ比計算部101では、プライマリプーリ16の回転
数Npriとセカンダリプーリ26の回転数Nsecから実際
のプーリ比Aipを演算する。
【0031】到達変速比ipは、フィルタ102でスロ
ットル開度TVO等の運転状態に応じて平滑化処理され
た後、追従性補償器103へ入力される。
【0032】追従性補償器103では、実プーリ比Ai
p等に基づいて目標時定数演算部104で設定された時
定数Ttによって、現在の実プーリ比Aipから時定数
Ttで到達プーリ比ipに追従可能な目標プーリ比ip
Tを演算する。
【0033】次に、フィードバック補償器105は、ス
テップモータ64及び変速機構の制御対象モデル106
が実プーリ比Aipに基づいて演算した時定数Tpと、
目標プーリ比ipTと実プーリ比Aipの偏差に基づい
て制御対象モデルの動特性を考慮した指令プーリ比ip
Rを求め、この指令プーリ比ipRが指示値リミッタ10
7へ入力される。
【0034】一方、指示値リミッタ107には、図5に
示すような外乱補償器108からの外乱補償量が入力さ
れて、指令プーリ比ipRはこの外乱補償量に応じて補
正された後、図6に示すようなステップ指示部109へ
入力され、所定のマップなどに基づいて指令プーリ比i
Rに応じたステップモータ64の目標位置DsrSTP
に変換される。この目標位置DsrSTPは、図2に示し
たラック65の目標変位量に相当する。
【0035】そして、この目標位置DsrSTPは、図7
に示すようなステップモータ駆動部110で、無段変速
機17の油温Tfに応じた駆動速度(パルスレート)P
PSとステップ数STPとして設定され、ステップモー
タ64に出力される。
【0036】したがって、運転状態に応じて演算された
到達プーリ比ipは、運転状態などの条件から設定され
た時定数Ttに応じて、現在の実プーリ比Aipを追従
させることが可能な目標変速比ipTを求め、この目標
変速比ipTにフィードバック補償を施した指令プーリ
比ipRに、さらに外乱補償を加えた値によってステッ
プモータ64のステップ数と駆動速度PPSを演算す
る。
【0037】ここで、外乱補償器108は、図5に示す
ように、制御対象の逆特性を備えたモデル200及びフ
ィルタ201と、フィルタ201への入力を切り換える
入力選択部202を主体に構成され、上記制御対象モデ
ル106の制御対象時定数Tpに応じた時定数THを演
算する時定数演算部203と、変速方向(アップシフト
またはダウンシフト)に応じて時定数補正部204で補
正された時定数THと、実プーリ比Aipに応じて逆特
性モデル200とフィルタ201での演算が行われる。
【0038】なお、上記逆特性モデル200及びフィル
タ201等は、本願出願人が提案した特願平9−894
94号、特願平9−89496号等の外乱補償を含む動
特性補償制御と同様である。
【0039】一方、フィルタ201への入力を選択する
入力選択部202は、フィードバック補償部105から
の指令プーリ比ipRと、ステップ数プーリ比変換部2
05で求めた換算プーリ比ipSTPのうちの一方を、後
述する入力切換フラグKに応じて切り換える。なお、ス
テップ数プーリ比変換部205は、予め設定したマップ
などに基づいて、ステップモータ駆動部110が出力し
た実ステップ数STP=ラック65の変位量を換算プー
リ比に変換する。
【0040】入力切換フラグKの演算は、到達プーリ比
ipと、実プーリ比Aipの偏差eに応じて入力切換フ
ラグKの値を設定する切換フラグ演算部206で演算さ
れるとともに、ステップモータ駆動部110が出力した
駆動速度PPSに応じて切換フラグ演算部206の出力
またはK=0を切り換えるフラグ切換スイッチ207で
選択される。このフラグ切換スイッチ207は、駆動速
度PPSが所定値(例えば、200PPS)以上であれ
ば切換フラグ演算部206の出力を入力選択部202へ
送出する一方、駆動速度PPSが所定値未満の場合には
入力切換フラグK=0とする。
【0041】そして、切換フラグ演算部206では、偏
差eの絶対値が0近傍にある場合はK=1に設定する一
方、偏差eの絶対値が所定値を超えるとK=0に設定す
るものである。
【0042】入力選択部202は、フラグ切換スイッチ
207が選択した入力切換フラグKに基づいて、制御入
力u1を指令プーリ比ipR、制御入力u2を換算プー
リ比ipSTPとすると、次式によってフィルタへの制御
入力uを決定する。
【0043】 u=K・u1+(1−K)・u2 ………(1) したがって、制御入力uは、駆動速度PPSが所定値未
満の低い場合や偏差eが大きい場合にはK=0となって
換算プーリ比ipSTPがフィルタ201へ入力され、駆
動速度PPSが所定値以上かつ偏差eの絶対値が所定値
未満の場合にはK=1となって指令プーリ比ipRがフ
ィルタ201へ入力される。
【0044】こうして、フィルタ201で処理された制
御入力uは、遅延回路208で制御対象の無駄時間に相
当する遅れを待ってから、逆特性モデル200の出力に
フィードバックしたものを外乱補償量として上記指示値
リミッタ107へ出力する。
【0045】指示値リミッタ107で外乱補償を施され
た指令プーリ比ipRは、図6に示すステップ指示部1
09で、ステップモータ64の目標位置DsrSTPに変換
される。
【0046】すなわち、ステップ指示部109は、変換
部120で予め設定したマップ等に基づいて、指令プー
リ比ipRをステップ数stepに変換した後、ヒステ
リシス設定部121で変速方向に応じたヒステリシスを
設定して目標位置DsrSTP(ステップ数)を出力する。
【0047】そして、ステップモータ駆動部110は、
この目標位置DsrSTPに基づいてステップモータ64へ
指令ステップ数STPを油温Tfに応じた駆動速度PP
Sで出力する。
【0048】出力する指令ステップ数STPは、カウン
タ131が演算した実ステップ数ASTPを、目標位置
DsrSTPから差し引いたものとして演算する。
【0049】そして、駆動速度PPSは、駆動速度選択
部132で決定され、予め設定したマップなどに基づい
て無段変速機17の油温Tfに応じた駆動速度PPSを
前記従来例と同様に設定する。すなわち、油温Tfが低
い場合には駆動速度PPSを低く設定してステップモー
タ64の駆動力を確保する一方、油温Tfが高い場合に
は、駆動速度PPSを高く設定して応答性を向上させ
る。そして、決定された駆動速度PPSはリミッタ13
3で、ステップモータ64の駆動特性に応じた最大駆動
速度以内に制限された後、パルス発生部130で上記演
算された指令ステップ数STPを駆動速度PPSでステ
ップモータ64に出力するのである。
【0050】次に、CVTコントロールユニット1をマ
イクロコンピュータで構成した場合に行われる上記制御
のフローチャートを図8〜図10に示す。なお、図8は
変速制御のメインルーチンを、図9はサーボ制御処理の
サブルーチンを、図10は外乱補償入力切換部のサブル
ーチンを示し、これらフローチャートは所定時間、例え
ば10msec毎に実行される。
【0051】図8のステップS1では、無段変速機17
からプライマリ回転数Npriとセカンダリ回転数Ns
ec(=車速VSP)と、運転者の操作に応じたスロッ
トル開度TVO並びに無段変速機17の油温Tfを読み
込み、この他、インヒビタスイッチ8からの信号(例え
ば、変速モードMode等)を読み込む。
【0052】ステップS2では、図示しない変速マップ
に基づいて、スロットル開度TVOと車速VSPに応じ
てプライマリプーリ16の目標回転数Npri、すなわ
ち、目標プーリ比ipを演算する。このステップS2
は、図4の制御ブロック図において、到達プーリ比計算
部100に相当する。
【0053】そして、ステップS3では、加減速など現
在の運転状態に応じたステップモータ64の時定数T
t、Tpの演算を行う。目標時定数Ttの演算は上記目
標時定数演算部104と同様であり、また、制御対象時
定数Tpは上記制御対象モデル106と同様に演算され
る。
【0054】そして、ステップS4では、上記到達プー
リ比ip及び目標時定数Tt、制御対象時定数Tpから
ステップモータ64のサーボ制御を行う。このステップ
S4のサーボ制御処理は、図9のサブルーチンによって
行われ、図4の制御概念図において、フィルタ102〜
ステップモータ駆動部110で行われる一連の処理と等
価である。
【0055】次に、上記ステップS4のサーボ制御処理
は、図9のサブルーチンように構成され、まず、ステッ
プS10において上記ステップS2で求めた到達プーリ
比ipの平滑化を行って過大な変速比の変動を抑制す
る。
【0056】ステップS11では、ステップモータ64
の追従性を補償するため、上記ステップS3で求めた目
標時定数Ttによる補償を、上記追従性補償器103と
同様にフィードフォワードにより行って、到達プーリ比
ipから目標プーリ比ipを演算する。
【0057】そして、ステップS12では、実プーリ比
Aipと目標プーリ比ipの偏差に基づいて上記フィー
ドバック補償器105と同様にフィードバック補償を行
って指令プーリ比ipを演算する。
【0058】次に、ステップS13では上記外乱補償器
108の入力選択部202と同様に、外乱補償入力を指
令プーリ比ipRまたは実ステップ数STPをプーリ比
に換算した換算プーリ比ipSTPのうちの一方を選択し
てから、ステップS14で上記逆特性モデル200及び
フィルタ201より制御対象時定数Tp、実プーリ比A
ipより外乱補償量を演算する。なお、ステップS13
の外乱補償入力切換処理は、図10のサブルーチンによ
り行われる。
【0059】そして、ステップS15では上記指示値リ
ミッタ107と同じく、指令プーリ比ipRを外乱補償
量に応じて補償してから、ステップS16で上記ステッ
プ指示部109と同様に指令プーリ比ipRをステップ
モータ目標位置DsrSTPに変換する。
【0060】ステップS17では、上記ステップモータ
駆動部110と同様に、変速機油温Tfに応じた駆動速
度PPSで目標位置DsrSTPに応じたステップ数STP
を演算するとともに、ステップモータ64へパルスを出
力して変速リンク67及び変速制御弁63の駆動を行
う。
【0061】次に、上記ステップS13で行われる外乱
補償入力の詳細について、図10のサブルーチンを参照
しながら詳述する。
【0062】まず、ステップS20では、プライマリ回
転数Npriとセカンダリ回転数Nsecより実プーリ比Ai
pを演算し、ステップS21では上記ステップS12で
フィードバック補償を行った到達プーリ比ipと実プー
リ比Aipの偏差eを演算する。
【0063】そして、ステップS22では、上記切換フ
ラグ演算部206と同様に、偏差eの絶対値の大きさに
応じて入力切換フラグKを演算しておく。
【0064】一方、ステップS23では上記カウンタ1
31よりステップモータ64への実ステップ数ASTP
を読み込むとともに、ステップS24で上記ステップ数
プーリ比変換部205と同様に、実ステップ数ASTP
に対応した換算プーリ比ipSTPを演算する。
【0065】次に、ステップS25では、現在の駆動速
度PPSを読み込んでから、ステップS26で駆動速度
PPSが所定値C1(例えば、200pps)以上である
かを判定し、所定値C1未満の場合にはステップS27
へ進んで入力切換フラグKを0に設定した後にステップ
S30へ進む一方、所定値C1以上の場合にはステップ
S28へ進んで、上記ステップS22で演算した入力切
換フラグKの値が1であるか否かを判定する。
【0066】ステップS28の判定で、K=1の場合に
は、ステップS29へ進んで外乱補償入力uを指令プー
リ比ipRとしてステップS14の外乱補償量演算を行
う一方、K=0の場合には外乱補償入力uを換算プーリ
比ipSTPとしてステップS14の外乱補償量演算を行
うのである。
【0067】以上の制御により、変速機の油温Tfが所
定値C1以上の場合では、前記従来例と同様に、指令プ
ーリ比ipRを外乱補償入力uとして、制御対象の逆特
性モデル200及びフィルタ201によって外乱補償を
行う一方、変速機油温Tfが低いためにステップモータ
64の駆動速度PPSが所定値C1未満となる場合で
は、外乱補償量入力uを実ステップ数ASTPから換算
した換算プーリ比ipSTPを外乱補償入力uとするた
め、駆動速度PPSが低いためにステップモータ64の
位置=実プーリ比Aipが指令プーリ比ipRに追従で
きない状態となるが、外乱補償量は実ステップ数AST
P、すなわち、ステップモータ64の現在位置を指令値
として演算することになるため、実プーリ比Aipが指
令プーリ比ipRに追従できない状態を外乱の増大と捉
えることがなくなって、前記従来例のように外乱補償量
の増大による制御系の発振を確実に防止して、安定した
外乱補償制御を行うことが可能となる。
【0068】一方、外乱補償入力uを常時ステップモー
タ64の現在位置に対応する換算プーリ比ipSTPとす
ると、駆動速度PPSが所定値C1を超えて速くなった
場合、ステップモータ64の応答遅れ分が外乱補償量に
加算されて、変速機油温Tfが上昇した通常運転時の変
速応答性が低下してしまう。
【0069】そこで、外乱補償入力uを油温Tfに対応
する駆動速度PPSに応じて、低油温時には換算プーリ
比ipSTPとする一方、高油温時には従来と同様に指令
プーリ比ipRとすることで、通常運転時の変速応答性
の低下を防ぎながら、低油温時の制御の安定性を確保す
ることができる。
【0070】さらに、外乱補償入力uを切り換える入力
切換フラグKを、上記切換フラグ演算部206及びステ
ップS22のように、実プーリ比Aipの偏差eの絶対
値に応じて演算することで、偏差eの絶対値が所定値を
超えて大きい場合には、駆動速度PPSが所定値C1以
上であっても、外乱補償入力uをステップモータ64の
現在位置に対応した換算プーリ比ipSTPとして、指令
プーリ比ipRへの切り換えを規制する一方、偏差eが
所定値未満の場合のみ換算プーリ比ipSTPから指令プ
ーリ比ipRへの切り換えを許可することで、外乱補償
入力uの切り換えをプーリ比の偏差eが小さい状態、す
なわち、実ステップ数ASTPが目標位置DsrSTPにほ
ぼ一致した状態のときにのみ、換算プーリ比ipSTPか
ら指令プーリ比ipRへ外乱補償入力uの切り換えを許
可するようにしたため、外乱補償制御中に外乱補償入力
uが急激に切り換わるのを防いで、外乱補償制御の安定
性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すVベルト式無段変速機
の概略構成図。
【図2】同じく、油圧コントロールバルブの概略図。
【図3】同じく、Vベルト式無段変速機の要部概略図。
【図4】CVTコントロールユニットの制御概念図。
【図5】同じく、外乱補償器の制御概念図。
【図6】同じく、ステップ指示部の制御概念図。
【図7】同じく、ステップモータ駆動部の制御概念図。
【図8】CVTコントロールユニットで行われる変速比
制御の一例を示すフローチャート。
【図9】同じくサーボ制御部のフローチャート。
【図10】同じく、外乱補償入力切換処理のフローチャ
ート。
【符号の説明】
1 CVTコントロールユニット 6 プライマリ回転数センサ 7 セカンダリ回転数センサ 16 プライマリプーリ 17 無段変速機 18 固定円錐板 20 プライマリプーリシリンダ室 22 可動円錐板 24 Vベルト 26 セカンダリプーリ 30 固定円錐板 32 セカンダリプーリシリンダ室 34 可動円錐板 63 変速制御弁 64 ステップモータ 67 変速リンク 108 外乱補償器 110 ステップモータ駆動部 202 入力選択部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧に基づいて変速比が無段階に可変制
    御される無段変速機と、 アクチュエータに駆動されて前記油圧を可変制御する変
    速制御弁と、 車両の運転状態に応じて目標変速比を設定する目標変速
    比設定手段と、 実際の変速比を検出する実変速比検出手段と、 少なくとも変速機の油温に基づいて前記アクチュエータ
    の駆動速度を制御する駆動速度制御手段と、 予め設定した制御対象モデルから実変速比に応じて演算
    した制御対象時定数に基づいて、目標変速比を入力とし
    て外乱補償量を演算する外乱補償手段と、 前記目標変速比とこの外乱補償量に応じて前記アクチュ
    エータの駆動量を演算する駆動量演算手段と、 この駆動量と前記駆動速度によってアクチュエータを駆
    動する駆動制御手段とを備えた無段変速機の変速制御装
    置において、 前記アクチュエータの位置を検出する検出する位置検出
    手段と、 前記外乱補償手段は、駆動速度が所定値未満の場合には
    外乱補償入力を、目標変速比からアクチュエータの位置
    に応じた値に切り換える入力切換手段を備えたことを特
    徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記入力切換手段は、目標変速比と実変
    速比の偏差に応じて演算した定数または駆動速度に応じ
    て演算した定数によって、外乱補償入力を演算すること
    を特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記入力切換手段は、外乱補償入力をア
    クチュエータの位置に応じた値から目標変速比へ切り換
    える場合には、目標変速比と実変速比の偏差が所定値未
    満のときにのみこの切り換えを許可することを特徴とす
    る請求項2に記載の無段変速機の変速制御装置。
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