JPH1182189A - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

エンジンの燃料供給装置

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JPH1182189A
JPH1182189A JP24864197A JP24864197A JPH1182189A JP H1182189 A JPH1182189 A JP H1182189A JP 24864197 A JP24864197 A JP 24864197A JP 24864197 A JP24864197 A JP 24864197A JP H1182189 A JPH1182189 A JP H1182189A
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JP
Japan
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fuel
engine
liquefied
fuel supply
recovery container
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Application number
JP24864197A
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English (en)
Inventor
Hideaki Itakura
秀明 板倉
Naoya Kato
直也 加藤
Kazuto Maeda
一人 前田
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンの低温始動時における未燃HCの排出
を抑制する。 【解決手段】エンジン吸気ポートには、燃料タンク13
内の燃料をエンジン本体1に噴射供給するメインインジ
ェクタ11と、液化燃料回収容器16内の燃料をエンジ
ン本体1に噴射供給するサブインジェクタ12とが配設
されている。燃料タンク13には、第1エバポ通路24
を介してキャニスタ26が接続され、このエバポ通路2
4の途中に液化燃料回収容器16が配設されている。液
化燃料回収容器16は、燃料タンク13から排出され第
1エバポ通路24内で液化した蒸発燃料を貯留する。こ
の貯留された燃料は、燃料タンク13内の燃料に比べて
沸点が低く気化し易い成分の割合が多い。ECU40
は、エンジンの低温始動状態下で且つ、液化燃料回収容
器16内の燃料量が所定レベルを越える際に、当該容器
16内で貯留した液化燃料をサブインジェクタ12から
エンジンに噴射供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの燃料供
給装置に係り、詳しくは燃料タンク内で発生した蒸発燃
料をキャニスタに一旦吸着させ、該キャニスタに吸着し
た蒸発燃料をエンジン吸気系に放出して当該エンジンに
て燃焼させるようにしたエンジンの燃料供給装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用ガソリンエンジンで
は燃料タンクにて発生する蒸発燃料(エバポガス)をキ
ャニスタに一旦吸着し、該吸着した蒸発燃料をエンジン
吸気系に放出する蒸発燃料放出機構が備えられている。
かかる場合、エンジンの停止時又は運転時において外気
温の上昇などに伴い燃料タンク内で蒸発燃料が発生する
と、タンク内圧が上昇して蒸発燃料がキャニスタに向け
て排出される。そして、キャニスタに吸着された蒸発燃
料は、パージ配管の途中に設けられたパージ弁の開閉動
作によってエンジン吸気系に放出され、インジェクタに
よる噴射燃料と共にエンジンで燃焼に供される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の燃料
供給システムでは以下の問題が生じる。つまり、エンジ
ン始動時の特に冷間時においては、インジェクタによる
噴射燃料が燃焼直前の吸気行程にて低温のシリンダ壁面
に付着し易く、排気行程にてこの付着燃料が未燃HCと
なって排ガスと共にエンジンから排出される。しかもエ
ンジン始動直後は触媒が活性化温度まで昇温していない
ため、未燃HCが浄化されないまま大気中に排出される
おそれがあった。
【0004】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、エンジンの低温
始動時における未燃HCの排出を抑制することができる
エンジンの燃料供給装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいて、液化燃料回収容器は、燃料タンクから排出され
た蒸発燃料のうち、燃料タンクとキャニスタとを結ぶ連
通路内で液化した蒸発燃料を貯留する。燃料量検出手段
は、液化燃料回収容器内の燃料量を検出する。第1の燃
料供給手段は、主に通常運転時において燃料タンク内の
燃料をエンジンに供給する。また、第2の燃料供給手段
は、エンジンの低温始動状態下で且つ、前記検出した液
化燃料回収容器内の燃料量が所定レベルを越える際に、
当該容器内で貯留した液化燃料をエンジンに供給する。
【0006】要するに、液化燃料回収容器内に貯留され
た燃料は、燃料タンクにて一旦蒸発したものを液化させ
て回収したものであり、燃料タンク内の燃料に比べて沸
点が低く気化し易い成分の割合が多い。そのため、この
燃料を用いて燃料供給を行った場合、沸点が高く気化せ
ずにシリンダ壁面に付着する成分が少ないことから、燃
料のシリンダ壁面への付着量(シリンダウエット量)が
低減する。つまり、従来既存の装置に比べて、排気行程
での未燃HCの排出が大幅に低減できる。その結果、エ
ンジンの低温始動時における未燃HCの排出を抑制する
といった本発明の目的が達せられる。
【0007】上記請求項1の発明は以下のように具体化
できる。つまり、請求項2に記載の発明では、前記第1
の燃料供給手段は、メインインジェクタを駆動して燃料
タンク内の燃料をエンジンに噴射供給し、前記第2の燃
料供給手段は、サブインジェクタを駆動して液化燃料回
収容器内の液化燃料をエンジンに噴射供給することとし
ている。この場合、メインインジェクタとサブインジェ
クタとを使い分けることで、液化燃料回収容器内の燃料
を好適にエンジンに噴射供給できる。
【0008】請求項3に記載の発明では、前記第1の燃
料供給手段による燃料の供給量と、前記第2の燃料供給
手段による燃料の供給量とを所定の割合で調整しつつ、
前記両方の燃料供給手段を併用する。この場合、請求項
4に記載したように、第1の燃料供給手段による燃料の
供給量と、第2の燃料供給手段による燃料の供給量との
割合を、前記検出した液化燃料回収容器内の燃料量に応
じて決定するとよい。
【0009】上記請求項3,4の構成によれば、液化燃
料回収容器内の燃料量が比較的少量であっても、エンジ
ンの運転に支障を来すことなくその燃料が有効に活用で
きる。かかる場合、液化燃料回収容器内から使われる燃
料量が少なくても、燃料タンク内の燃料だけをエンジン
に供給する場合(全供給量をタンク内燃料とする場合)
に比べてシリンダウエット量低減の効果が得られる。
【0010】請求項5に記載の発明では、前記第2の燃
料供給手段は、触媒コンバータの活性化が判定されるま
での期間にて液化燃料回収容器内の液化燃料をエンジン
に供給する。つまり、冷間状態にある触媒コンバータが
活性化し触媒本来の浄化機能を発揮するまでには30秒
程度の時間を要し、それまでは液化燃料回収容器内の燃
料を噴射する。触媒の活性化後は、仮にシリンダウエッ
トによる未燃HCがエンジンから排出されたとしてもそ
の未燃HCが触媒にて浄化されるため、液化燃料回収容
器内の燃料を使わなくても大気汚染を招くことはない。
【0011】請求項6に記載の発明では、液化燃料回収
容器は、キャニスタにできる限り近い位置に配設されて
いる。この場合、燃料タンクと液化燃料回収容器とを結
ぶ通路(管路)が長くなり、その通路内での熱交換によ
り蒸発燃料の液化が促進される。そのため、液化燃料回
収容器において燃料が効率良く回収できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明をガソリンエンジ
ンの燃料噴射システムに具体化した一実施の形態を図面
に従って説明する。
【0013】本実施の形態におけるエンジンの燃料噴射
システムは、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をキャニ
スタに一旦吸着させ、該キャニスタに吸着した蒸発燃料
をエンジン吸気系に放出する蒸発燃料放出機構を備え
る。そして、前記エンジン吸気系に放出した燃料をイン
ジェクタによる噴射燃料と共にエンジン燃焼室で燃焼さ
せることとしている。また本システムでは、燃料タンク
とキャニスタとの間において、燃料タンク内で発生した
蒸発燃料を液化させて回収するための液化燃料回収容器
を備える。かかる場合、既存のメインインジェクタを用
いて燃料タンク内の燃料をエンジンに噴射供給し、他
方、新たに設置したサブインジェクタを用いて前記液化
燃料回収容器内の液化燃料をエンジンに噴射供給する。
これら各インジェクタの駆動は電子制御装置(以下、E
CUという)により制御される。特にエンジンの低温始
動時においてサブインジェクタを駆動させ、液化燃料回
収容器内の燃料をエンジンに供給することで、エンジン
始動時の排気エミッションの改善を図るようにしてい
る。以下、図面を用いてその詳細な構成を説明する。
【0014】図1は、本実施の形態における燃料噴射シ
ステムの概要を示す全体構成図である。図1において、
エンジン本体1には吸気管2と排気管3とが接続されて
いる。吸気管2には、図示しないアクセルペダルに連動
するスロットル弁4が設けられている。エンジン本体1
のシリンダ5内には図の上下方向に往復動するピストン
6が配設されており、同ピストン6はコンロッド7を介
して図示しないクランク軸に連結されている。ピストン
6の上方には燃焼室8が形成されており、燃焼室8は、
吸気バルブ9及び排気バルブ10を介して前記吸気管2
及び排気管3に連通している。
【0015】吸気管2の吸気ポート部には、燃料タンク
13内の燃料をエンジン本体1(燃焼室8)に噴射供給
するためのメインインジェクタ11が配設されると共
に、その上流側において、後述する液化燃料回収容器1
6内の燃料をエンジン本体1(燃焼室8)に噴射供給す
るためのサブインジェクタ12が配設されている。燃料
タンク13内の燃料は燃料ポンプ14により汲み上げら
れ、プレッシャレギュレータ15により調圧された後、
メインインジェクタ11に供給される。また、液化燃料
回収容器16内の燃料は、燃料ポンプ17により燃料配
管18を介してプレッシャレギュレータ19に給送され
る。そして、プレッシャレギュレータ19にて調圧され
た後、サブインジェクタ12に供給される。なおここ
で、燃料配管18のポンプ側端部には燃料配管18から
液化燃料回収容器16内への燃料の逆流を阻止するため
の逆止弁20が設けられている。
【0016】排気管3には、排ガス中のCO(一酸化炭
素),HC(炭化水素),NOx (窒素酸化物)を浄化
するための三元触媒21が配設されている。また、三元
触媒21には、触媒温度を検出するための触媒温度セン
サ22が取り付けられている。触媒温度センサ22の出
力信号は適宜ECU40に取り込まれ、その出力信号か
ら触媒活性化の度合が判定されるようになっている。
【0017】次いで、蒸発燃料放出機構の構成について
説明する。燃料タンク13には、第1エバポ通路24及
び第2エバポ通路25を介してキャニスタ26が接続さ
れている。キャニスタ26には吸着剤としての活性炭が
収納されており、エンジン運転時及び停止時において燃
料タンク13内で発生する蒸発燃料(エバポガス)はこ
のキャニスタ26にて随時吸着される。第1エバポ通路
24とキャニスタ26との接続部には、燃料タンク13
内の圧力(タンク内圧)を調整し、同タンク13の破損
を防止するためのタンク内圧調整弁27が配設されてい
る。また、キャニスタ26には外気を導入するための大
気ポート26aが設けられている。
【0018】第2エバポ通路25には、燃料タンク13
からキャニスタ26に向かう蒸発燃料の通過のみを許容
する給油弁28が配設されている。この給油弁28は、
燃料タンク13への給油時において同タンク13内から
押し出される蒸発燃料により開弁する。この場合、給油
弁28が開弁すると、蒸発燃料は第2エバポ通路25を
通ってキャニスタ26に吸着され、それにより燃料タン
ク13から外部への蒸発燃料の漏洩が防止される。
【0019】なお、上記給油弁28は、電磁駆動式の常
閉型給油弁にて構成してもよい。具体的には、タンクキ
ャップ13aが開放された際に給油スイッチ(図示略)
がONされ、そのON信号に従い給油弁28が開放され
るようにする。これにより、燃料タンク13内とキャニ
スタ26との間が連通されて蒸発燃料がキャニスタ26
に吸着される。
【0020】キャニスタ26にはパージ通路29の一端
が接続され、同パージ通路29の他端は吸気管2内のス
ロットル弁4近傍に接続されている。この場合、キャニ
スタ26から給送される蒸発燃料はパージ通路29を介
して吸気管2の集合部(図示しないインテークマニホー
ルドの上流部)に放出される。また、パージ通路29に
は、電磁駆動式のパージ弁30が配設されており、この
パージ弁30はエンジン運転状態に応じて開放されその
開度に応じてパージ流量が調整される。つまり、パージ
弁30が開放されてキャニスタ26と吸気管2とがパー
ジ通路29を介して連通されると、大気ポート26aを
介して大気中の新気がキャニスタ26内に導入される。
このとき、キャニスタ26内が新気により換気され、そ
れに伴いキャニスタ26の吸着燃料が吸気管2内に送り
込まれることで、キャニスタ26の吸着機能が回復す
る。
【0021】ここで、液化燃料回収容器16は、第1エ
バポ通路24の途中に配設されている。液化燃料回収容
器16は、燃料タンク13内で発生する蒸発燃料のう
ち、第1エバポ通路24内で液化した燃料を回収し貯留
するものであって、その上部には吸入弁31と排出弁3
2とが設けられている。
【0022】吸入弁31は、液化燃料回収容器16の上
部空間に一定量の液化燃料が貯まったらその重量にて開
弁し容器16内に燃料を回収する役割を持つ。また、排
出弁32は、液化燃料回収容器16内の燃料が蒸発して
キャニスタ26に吸着されるのを最小限にすべく容器1
6内の圧力を保持する役割を持ち、容器16の耐圧近傍
まで圧力が上昇した際に蒸気をリリーフさせる。図2
は、上記吸入弁31の構成を示す断面図である。同図に
示すように、吸入弁31はゴム製の弾性変形可能なアン
ブレラ弁33を有し、その傘部33aの周囲が容器壁部
Wに当接していれば吸入弁31が閉弁状態に保持され
る。これに対し、液化燃料の重量により傘部33aが同
図の二点鎖線で示す如く弾性変形すると、吸入弁31が
開弁する。一方、排出弁32は、アンブレラ弁が上下逆
向きとなる以外は前記吸入弁31とほぼ同様の構成を有
するため、その説明を省略する。
【0023】また、液化燃料回収容器16には、その内
部の燃料残量を検出するためのレベルゲージ34が設け
られており、レベルゲージ34の出力信号は適宜ECU
40に取り込まれる。
【0024】液化燃料回収容器16の取付位置は、でき
る限り燃料タンク13から離しキャニスタ近くにすると
よい。これは、第1エバポ通路24内での熱交換により
蒸発燃料が液化するのに十分な区間を確保するためであ
る。但し、燃料タンク13とキャニスタ26とが共に車
両後部に配設される場合など、第1エバポ通路24の全
長が短くなる場合には、同通路24内(燃料タンク13
と液化燃料回収容器16との間)に冷却装置を設けるな
ど、蒸発燃料の液化を促進させるような構成を付加して
もよい。
【0025】ECU40は、周知の入力信号処理回路、
演算回路、出力信号処理回路(駆動回路)及び電源回路
等から構成されており、その主要な動作として、エンジ
ン運転状態に応じてその時々の燃料噴射量を決定し、メ
インインジェクタ11の駆動による「メイン噴射」とサ
ブインジェクタ12の駆動による「サブ噴射」とを選択
的に実施する。
【0026】ここで、メインインジェクタ11による
「メイン噴射」では燃料タンク13内の燃料がエンジン
本体1に噴射供給されるのに対し、サブインジェクタ1
2による「サブ噴射」では液化燃料回収容器16内の燃
料がエンジン本体1に噴射供給される。以下に、メイン
噴射とサブ噴射との主な相違点を図3を用いて説明す
る。
【0027】図3に、燃料タンク13内の燃料組成と液
化燃料回収容器16内の燃料組成とを概略的に示す。図
中のC4,C5,C6…は炭素数を表しており、一般に
炭素数の多い燃料ほど、沸点が高く燃料噴射時にシリン
ダ壁面などに付着し易い、すなわちウエットになり易い
ことが知られている。同図によれば、液化燃料回収容器
16内に貯留された燃料は、ウエットになり易い高沸点
成分の割合が極めて少ないことが分かり、このことは同
時に液化燃料回収容器16内の燃料が気化特性に優れた
燃料であることを意味する。つまり、サブ噴射によれ
ば、メイン噴射に比べてシリンダウエット量が低減で
き、シリンダ5の壁面温度が低い、エンジンの低温始動
時にも未燃HCの排出量が低減できることとなる。
【0028】次に、上記の如く構成される燃料噴射シス
テムの作用を図4及び図5のフローチャートを参照しつ
つ説明する。なお本実施の形態では、(1)メイン噴射
による燃料噴射、(2)サブ噴射による燃料噴射、
(3)メイン噴射とサブ噴射との併用による燃料噴射、
のいずれかを実施することとしており、上記(1)の場
合にはメインインジェクタ11だけが駆動される。ま
た、上記(2)の場合にはサブインジェクタ12だけが
駆動され、上記(3)の場合にはメインインジェクタ1
1とサブインジェクタ12とが同時に駆動されるように
なっている。
【0029】図4は、サブインジェクタ12による燃料
噴射を制御するためのサブ噴射ルーチンを示し、同ルー
チンはエンジン始動時のイグニッションキー(IGキ
ー)のオン操作に伴いECU40により実行される。ま
た、図5は、メインインジェクタ11による燃料噴射を
制御するためのメイン噴射ルーチンを示し、同ルーチン
は各気筒の燃焼毎(本実施の形態では、180°CA
毎)にECU40により実行される。
【0030】さて、IGキーがオン操作されると、それ
に伴い前記燃料タンク13側の燃料ポンプ14と液化燃
料回収容器16側の燃料ポンプ17とが共にオンされ
る。またこのIGオン時には図4のルーチンがスタート
し、ECU40は、先ずステップ101で触媒温度セン
サ22により検出された触媒温度Tcatと、液化燃料
回収容器16内のレベルゲージ34により検出された容
器内残量Qとを読み込む。
【0031】次に、ECU40は、ステップ102で前
記読み込んだ触媒温度Tcatが所定の触媒活性化温度
Tk未満であるか否かを判別する。Tcat≧Tkの場
合(ステップ102がNOの場合)、ECU40は、例
えばエンジンの高温再始動時であってサブ噴射が不要で
あるとみなし、ステップ109に進む。ステップ109
では、ECU40は、サブ噴射を実施することを表すサ
ブ噴射フラグFsを「0」にクリアすると共に、メイン
噴射を実施することを表すメイン噴射フラグFmに
「1」をセットする。その後、ECU40は、ステップ
110で液化燃料回収容器16側(サブ側)の燃料ポン
プ17をオフして本ルーチンを終了する。
【0032】また、Tcat<Tkの場合(ステップ1
02がYESの場合)、ECU40はステップ103に
進み、前記読み込んだ容器内残量Qのレベルを判定す
る。そして、その判定結果(容器内残量Q)に応じて、 ・サブ噴射のみを実施する、 ・サブ噴射とメイン噴射を併用する、 ・サブ噴射を実施しない、 の処理のうち、いずれかを選択する。具体的には、液化
燃料回収容器16とサブインジェクタ12との間の燃料
配管18の容量を「配管容量Qf」した場合、 ・Q≧2×Qfであれば、サブ噴射のみを実施すること
としてステップ104に進み、 ・Qf≦Q<2×Qfであれば、サブ噴射とメイン噴射
とを併用することとしてステップ106に進み、 ・Q<Qfであれば、サブ噴射を実施しない(メイン噴
射のみを実施する)こととしてステップ109に進む。
【0033】Q≧2×Qfであってステップ104に進
んだ場合、ECU40は、サブ噴射フラグFsを「1」
に、メイン噴射フラグFmを「0」に操作する。また、
ECU40は、続くステップ105でその時の燃料噴射
量の全てをサブインジェクタ12からエンジン本体1に
噴射供給する。実際には、所定の噴射時期でサブインジ
ェクタ12を駆動させて燃料噴射を実施する。なおこの
とき、エンジン本体1への燃料噴射量は、その時々のエ
ンジン回転数やエンジン負荷(例えば、吸気圧など)に
より決定され、空燃比制御が実施されるのであればスト
イキ制御が実施されるようにする。以降、前記ステップ
102がYES(Tcat<Tk)で且つ、Q≧2×Q
fの状態が続く限り、ECU40は、ステップ101〜
103→104→105→101の順に処理を繰り返し
実行する。
【0034】また、Qf≦Q<2×Qfであってステッ
プ106に進んだ場合、ECU40は、サブ噴射フラグ
Fs,メイン噴射フラグFmを共に「1」に操作する。
続くステップ107では、ECU40は図6の関係に従
い、全噴射量中のサブ噴射の割合(%)を決定する。図
6中の実線の特性によれば、容器内残量Qが「Qf〜2
×Qf」の範囲内ではその時々のQ値に応じてサブ噴射
の割合が決定される。その後、ECU40は、ステップ
108で前記決定したサブ噴射の割合に応じた噴射量を
サブインジェクタ12からエンジン本体1に噴射供給す
る。以降、前記ステップ102がYES(Tcat<T
k)で且つ、Qf≦Q<2×Qfの状態が続く限り、E
CU40は、ステップ101〜103→106→107
→108→101の順に処理を繰り返し実行する。
【0035】さらに、Q<Qfであってステップ109
に進んだ場合、ECU40は、供給可能な燃料量が液化
燃料回収容器16内に残っていないとみなす。そして、
ECU40は、サブ噴射フラグFsを「0」に、メイン
噴射フラグを「1」に操作すると共に(ステップ10
9)、サブ側燃料ポンプ17を停止させ(ステップ11
0)、その後本ルーチンを終了する。
【0036】一方、図5のルーチンがスタートすると、
ECU40は、先ずステップ201でメイン噴射フラグ
Fmの状態を判定する。また、ECU40は、ステップ
202でサブ噴射フラグFsの状態を判定する。Fm=
0の場合、全噴射量がサブインジェクタ12から供給さ
れている(前記図4のステップ105)。そのため、E
CU40はそのまま本ルーチンを一旦終了する。
【0037】また、Fm=1,Fs=1の場合、全噴射
量のうち一部がサブインジェクタ12から供給されてい
る(前記図4のステップ108)。そのため、ECU4
0はステップ203に進み、図6の関係に従って全噴射
量中のメイン噴射の割合(%)を決定する。このとき、
全噴射量中のメイン噴射の割合は、図6の二点鎖線の特
性に基づきその時々の容器内残量Qに応じて決定され
る。その後、ECU40は、ステップ204で前記決定
したメイン噴射の割合に応じた噴射量をメインインジェ
クタ11からエンジン本体1に噴射供給する。
【0038】さらに、Fm=1,Fs=0の場合、サブ
噴射が実施されていない。そのため、ECU40はステ
ップ205に進み、その時の燃料噴射量の全てをメイン
インジェクタ11からエンジン本体1に噴射供給する。
それ以降、エンジン本体1への燃料噴射はメインインジ
ェクタ11のみで実施される。
【0039】なお本実施の形態では、前記図5のステッ
プ204,205が請求項記載の第1の燃料供給手段に
相当し、前記図4のステップ105,108が第2の燃
料供給手段に相当する。また、図4のステップ102が
触媒活性化判定手段に相当する。
【0040】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、燃料タンク13から排出され
第1エバポ通路24内で液化した蒸発燃料を貯留する液
化燃料回収容器16を設け、エンジンの低温始動状態下
で且つ、液化燃料回収容器16内の燃料量が所定レベル
を越える際に、当該容器16内で貯留した液化燃料をエ
ンジンに噴射供給するようにした。
【0041】要するに、液化燃料回収容器16内に貯留
された燃料は、燃料タンク13にて一旦蒸発したものを
液化させて回収したものであり、燃料タンク13内の燃
料に比べて沸点が低く気化し易い成分の割合が多い。そ
のため、この燃料を用いて燃料供給を行った場合、気化
せずにシリンダ壁面に付着する成分(沸点の高い成分)
が少ないことから、燃料のシリンダ壁面への付着量(シ
リンダウエット量)が低減する。つまり、従来既存の装
置に比べて、排気行程での未燃HCの排出が大幅に低減
できる。その結果、エンジンの低温始動時における未燃
HCの排出を抑制するといった本発明の目的が達せられ
る。
【0042】(b)メインインジェクタ11によるメイ
ン噴射と、サブインジェクタ12によるサブ噴射とを選
択的に使い分けると共に、メイン噴射の割合とサブ噴射
の割合とを調整しつつ、メイン及びサブの各噴射を併用
するようにした。またこのとき、各噴射の割合を液化燃
料回収容器16内の燃料量(容器内残量Q)に応じて決
定するようにした。この場合、液化燃料回収容器16内
の燃料を好適にエンジンに噴射供給できる。また、液化
燃料回収容器16内の燃料量が比較的少量であっても、
エンジンの運転に支障を来すことなくその燃料が有効に
活用できる。すなわち、液化燃料回収容器16内から使
われる燃料量が少なくても、燃料タンク13内の燃料だ
けをエンジンに供給する場合(全供給量をタンク内燃料
とする場合)に比べてシリンダウエット量低減の効果が
得られる。
【0043】(c)三元触媒21の活性化の度合を触媒
温度Tcatから判定し、触媒活性化までの期間にてサ
ブ噴射を実施することとした。つまり、冷間状態にある
三元触媒21が活性化し本来の浄化機能を発揮するまで
には30秒程度の時間を要し、それまではサブ噴射を継
続する。触媒21の活性化後は、仮にシリンダウエット
による未燃HCがエンジンから排出されたとしてもその
未燃HCが触媒21にて浄化されるため、液化燃料回収
容器16内の燃料を使わなくても大気汚染を招くことは
ない。
【0044】(d)キャニスタ26にできる限り近い位
置に液化燃料回収容器16を配設するようにした。この
場合、燃料タンク13と液化燃料回収容器16とを結ぶ
第1エバポ通路24が長くなり、その通路24内での熱
交換により蒸発燃料の液化が促進される。そのため、液
化燃料回収容器16において燃料が効率良く回収でき
る。
【0045】(e)液化燃料回収容器16の無い従来既
存のシステムでは、エバポ通路内で液化した燃料も燃料
タンクの内圧の上昇と共に押し流され、キャニスタ26
に吸着されるようになっていた。これに対し、本実施の
形態のシステムでは、蒸発燃料の液化分がキャニスタ2
6の手前で貯留されるため、キャニスタ26への蒸気流
入量が低減される。これにより、キャニスタ26が小型
化できるという利点も兼ね備える。
【0046】(f)また、HC低減の従来技術として、
例えばエンジン始動時の触媒活性化を早めることも検討
されているが、触媒の活性化が早められても活性化の途
中ではやはりHC排出の問題が残る。これに対し、本実
施の形態では触媒の活性化を待たずともHC低減が実現
できる。
【0047】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて実現できる。上記実施の形態では、前記図
4のサブ噴射ルーチンにおいて、配管容量Qf(燃料配
管18の容量)を基にサブ噴射の実施の可否を判定して
いたが、それは一例であって、エンジン仕様などに応じ
てサブ噴射の実施条件を適宜変更してもよい。
【0048】上記実施の形態では、液化燃料回収容器1
6内の燃料量(容器内残量Q)に応じて、(1)メイン
噴射による燃料噴射、(2)サブ噴射による燃料噴射、
(3)メイン噴射とサブ噴射との併用による燃料噴射、
の3つの処理を選択的に実行していたが、この構成を変
更してもよい。例えば上記(1),(2)の燃料噴射を
切り換えるようにし、上記(3)の燃料噴射を行わない
ようにする。こうした実施の形態においても、本発明の
目的が達成できる。かかる場合には、前記図6の関係に
より噴射割合を決定するなどの処理が省略できる。
【0049】上記実施の形態では、触媒温度センサ22
により触媒温度を検出し、該検出した触媒温度に応じて
サブ噴射の要否を判断していたが(前記図4のステップ
102)、この構成を変更する。例えばエンジン水温や
エンジン始動時からの経過時間などにより触媒温度(触
媒活性化の度合)を推測し、その推測結果からサブ噴射
の要否を判断する。また、エンジンの低温始動時におい
て触媒の活性化時間(排ガスの浄化が可能となる時間)
を推定し、その活性化時間が経過するまでの期間内でサ
ブ噴射を実施する。この場合、図7に示す関係を用い、
IGオン時のエンジン水温に基づき触媒活性化時間を推
定すればよい。
【0050】本発明を、いわゆる直噴式エンジンに適用
する。この場合、エンジンシリンダヘッドに設けられた
インジェクタを「メインインジェクタ」として用いる。
またかかる場合、コールドスタート用インジェクタが吸
気ポートに設けられているのであれば、そのインジェク
タを「サブインジェクタ」として用いる。
【0051】サブインジェクタに代えて、吸気管のスロ
ットル近傍に設けたキャブレタを使用する。つまり、キ
ャブレタにより「サブ噴射」に代わる燃料供給が行われ
る。キャブレタはメカ式又は電子制御式のいずれであっ
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるエンジンの燃料噴射
システムの概要を示す全体構成図。
【図2】液化燃料回収容器に設けた吸入弁の構成を示す
断面図。
【図3】燃料タンク内の燃料組成と液化燃料回収容器内
の燃料組成との違いを示す図。
【図4】サブ噴射ルーチンを示すフローチャート。
【図5】メイン噴射ルーチンを示すフローチャート。
【図6】全噴射量中のサブ噴射の割合とメイン噴射の割
合とを設定するためのグラフ。
【図7】エンジン水温に応じて触媒活性化時間を推定す
るためのグラフ。
【符号の説明】
1…エンジン本体、2…吸気管、11…メインインジェ
クタ、12…サブインジェクタ、13…燃料タンク、1
6…液化燃料回収容器、21…三元触媒、22…触媒温
度センサ、24…第1エバポ通路、26…キャニスタ、
34…燃料量検出手段を構成するレベルゲージ、40…
第1の燃料供給手段,第2の燃料供給手段,触媒活性化
判定手段を構成するECU(電子制御装置)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 69/04 F02M 69/04 W (72)発明者 前田 一人 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンク内で発生した蒸発燃料をキャニ
    スタに一旦吸着させ、該キャニスタに吸着した蒸発燃料
    をエンジン吸気系に放出してエンジンで燃焼させるよう
    にしたエンジンの燃料供給装置において、 前記燃料タンクとキャニスタとの連通路の途中に設けら
    れ、燃料タンクから排出され連通路内で液化した蒸発燃
    料を貯留する液化燃料回収容器と、 前記液化燃料回収容器内の燃料量を検出する燃料量検出
    手段と、 前記燃料タンク内の燃料をエンジンに供給する第1の燃
    料供給手段と、 エンジンの低温始動状態下で且つ、前記検出した液化燃
    料回収容器内の燃料量が所定レベルを越える際に、当該
    容器内で貯留した液化燃料をエンジンに供給する第2の
    燃料供給手段とを備えることを特徴とするエンジンの燃
    料供給装置。
  2. 【請求項2】メインインジェクタとサブインジェクタと
    を有するエンジンの燃料供給装置において、 前記第1の燃料供給手段は、前記メインインジェクタを
    駆動して燃料タンク内の燃料をエンジンに噴射供給し、 前記第2の燃料供給手段は、前記サブインジェクタを駆
    動して液化燃料回収容器内の液化燃料をエンジンに噴射
    供給する請求項1に記載のエンジンの燃料供給装置。
  3. 【請求項3】前記第1の燃料供給手段による燃料の供給
    量と、前記第2の燃料供給手段による燃料の供給量とを
    所定の割合で調整しつつ、前記両方の燃料供給手段を併
    用する請求項1又は請求項2に記載のエンジンの燃料供
    給装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のエンジンの燃料供給装置
    において、 前記第1の燃料供給手段による燃料の供給量と、前記第
    2の燃料供給手段による燃料の供給量との割合を、前記
    検出した液化燃料回収容器内の燃料量に応じて決定する
    エンジンの燃料供給装置。
  5. 【請求項5】エンジンの排ガスを浄化するための触媒コ
    ンバータと、 前記触媒コンバータの活性化を判定する触媒活性化判定
    手段とを更に備え、 前記第2の燃料供給手段は、前記触媒コンバータの活性
    化が判定されるまでの期間にて前記液化燃料回収容器内
    の液化燃料をエンジンに供給する請求項1〜請求項4の
    いずれかに記載のエンジンの燃料供給装置。
  6. 【請求項6】前記液化燃料回収容器は、前記キャニスタ
    にできる限り近い位置に配設されている請求項1〜請求
    項5のいずれかに記載のエンジンの燃料供給装置。
JP24864197A 1997-09-12 1997-09-12 エンジンの燃料供給装置 Withdrawn JPH1182189A (ja)

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