JPH1180292A - 親水性で光硬化可能な樹脂組成物 - Google Patents

親水性で光硬化可能な樹脂組成物

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JPH1180292A
JPH1180292A JP25045597A JP25045597A JPH1180292A JP H1180292 A JPH1180292 A JP H1180292A JP 25045597 A JP25045597 A JP 25045597A JP 25045597 A JP25045597 A JP 25045597A JP H1180292 A JPH1180292 A JP H1180292A
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JP
Japan
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unsaturated polyester
acid
hydrophilic
resin composition
Prior art date
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Application number
JP25045597A
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English (en)
Inventor
Minoru Fujishima
稔 藤島
Tomoaki Aoki
知明 青木
Yukari Mihara
ゆかり 三原
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装後の機械、容器等の洗浄が水または水/
アルコール系の溶媒に可能であり、同時に高膜厚におい
ても塗膜の表面と内部の硬化バランスに優れ、耐久性お
よび研磨性等に優れた塗膜を形成することができる親水
性で光硬化可能な樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)α,β−不飽和多塩基酸成分およ
び5−(スルホン酸ナトリウム)イソフタル酸を必須成
分とし、酸価が25〜100である不飽和ポリエステル
に(メタ)アクリロイルグリシジル含有化合物を反応さ
せて得られるアクリロイル変性不飽和ポリエステル、
(B)親水性重合性単量体ならびに(C)光重合開始剤
を含有してなる親水性で光硬化可能な樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は親水性で光硬化可能
な樹脂組成物に関し、さらに詳しくは高膜厚においても
優れた特性を有すると同時に、この樹脂組成物を用いて
塗装された機械、容器等を水で洗浄することができる親
水性で硬化可能な樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線等の光照射によって硬化す
る樹脂組成物は、プラスチックス、紙、木工、無機質材
などに対する塗料および接着剤、印刷インキ、電気絶縁
関係など種々の用途に実用化されている。光による硬化
は、i)硬化速度がきわめて速く生産性が高い、ii)素
材に対する熱の影響が小さい等の特徴を有する。光照射
で硬化する樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エ
ポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート、ポリ
エステルアクリレート樹脂などが知られており、安価な
ことから不飽和ポリエステルと光重合性単量体からなる
不飽和ポリエステル樹脂が多く使用されている。しか
し、この樹脂組成物を使用した塗装機械や容器等の洗浄
には芳香族系、ケトン、エステル系等の溶剤を使用しな
ければならず、有機溶剤規制の対象となる。さらに、こ
の樹脂組成物を塗膜が500μm以上となるように用い
ると、塗膜表面にクラックが発生したり、熱および冷却
の繰返しにより基材から塗膜が剥離し、さらに塗膜表面
部が空気の影響により充分に硬化せず、研磨が容易にで
きない等の欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の欠点を解消し、塗装後の機械、容器等の洗浄が水
または水/アルコール系の溶媒に可能であり、同時に高
膜厚においても塗膜の表面と内部の硬化バランスに優
れ、耐久性および研磨性等に優れた塗膜を形成すること
ができる親水性で光硬化可能な樹脂組成物を提供するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)α,β
−不飽和多塩基酸成分および5−(スルホン酸ナトリウ
ム)イソフタル酸を必須成分とし、酸価が25〜100
である不飽和ポリエステルに(メタ)アクリロイルグリ
シジル含有化合物を反応させて得られるアクリロイル変
性不飽和ポリエステル、(B)親水性光重合性単量体な
らびに(C)光重合開始剤を含有してなる親水性で光硬
化可能な樹脂組成物に関する。本発明は、また、この樹
脂組成物において、アクリロイル変性不飽和ポリエステ
ル(A)と親水性光重合性単量体(B)の総量に対して
(A)成分を95〜20重量%含有させ、光重合開始剤
(C)を(A)成分と(B)成分の総量に対して0.0
1〜10重量%含有させる親水性で光硬化可能な樹脂組
成物に関する。
【0005】本発明に用いられる(A)成分であるアク
リロイル変性不飽和ポリエステルは、(a)酸成分と
(b)グリコール成分とを反応させ、該反応物に(c)
(メタ)アクリロイルグリシジル含有化合物を反応させ
て得られる。上記酸成分(a)は、α,β−不飽和多塩
基酸成分と下記の構造式で表される5−(スルホン酸ナ
トリウム)イソフタル酸(以下、5SSIPAと略す)
が必須成分として使用される。
【化1】
【0006】5SSIPAは、酸成分全体を1モルとし
て、好ましくは0.03〜0.25モルの範囲、さらに
好ましくは0.03〜0.20モル、特に好ましくは
0.03〜0.18モルの範囲で使用される。5SSI
PAの使用割合が0.03モル未満では親水性の付与が
不十分になる傾向があり、0.25モルを超えると親水
性が強くなり過ぎて塗膜の耐水性、耐アルカリ性が低下
する傾向がある。
【0007】5SSIPAは、飽和多塩基酸成分の一つ
であるが、他の飽和多塩基酸成分として、無水フタル
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハ
イドロ無水フタル酸、ヘット酸、アジピン酸、セバシン
酸等を併用することができ、これらは1種または2種以
上組み合わせて使用される。飽和多塩基酸成分全体は、
酸成分全体を1モルとして、好ましくは0.03〜0.
70モル、さらに好ましくは0.03〜0.50モル、
特に好ましくは0.03〜0.40モルの割合で使用さ
れる。飽和多塩基酸成分が少なくなりすぎると塗装機
械、塗装容器等の洗浄の際に水の使用が不可能になり、
一方、飽和多塩基酸成分が多くなりすぎると光照射塗膜
の硬化性が不十分で、塗膜の耐溶剤性、硬さ、耐薬晶等
の性能が低下する傾向がある。
【0008】酸成分中、前記の5SSIPA又は飽和多
塩基酸成分の残部は、α,β−不飽和多塩基酸成分が使
用される。α,β−不飽和多塩基酸成分としては、例え
ばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン
酸、無水イタコン酸などを用いることができる。これら
は1種または2種以上組み合わせて使用される。
【0009】上記グリコール成分(b)は、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、
1,6−ヘキサングリコール、水添ビスフェノールA等
があり、さらに、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジプロピレングリコールなどエーテル基含
有グリコール(アレキレングリコールの縮合二量体又は
縮合多量体)を使用することができる。エーテル基含有
グリコールが多くなると縮合反応時に酸成分中の5SS
IPAにより酸分解が生じやすくなるため、エーテル基
含有グリコールは、グリコール成分全体1モルに対して
好ましくは0〜0.70モル、さらに好ましくは0〜
0.60モル、特に好ましくは0〜0.50モルの割合
で使用される。
【0010】本発明において、不飽和ポリエステルは、
酸価が25〜100、好ましくは30〜70に調製され
る。不飽和ポリエステルの酸価が25未満では後述する
(c)成分の(メタ)アクリロイルグリシジル含有化合
物との反応点(導入点)が少なくなり、光照射後の塗膜
の硬化速度が極度に低下し、逆に酸価が100を超える
と分子量が充分に大きくならず、光照射後の準膜は熱お
よび冷却繰返し試験で塗膜にクラックが生じやすくな
る。不飽和ポリエステルの酸価を25〜100に調製す
るために、前記(a)成分と(b)成分は、(a)成分
1モルに対して(b)成分を、好ましくは1.2〜0.
7モル、さらに好ましくは1.15〜0.8モルとなる
ように配合して常法により反応させる。
【0011】上記(a)成分と(b)成分とを反応させ
て得られた不飽和ポリエステルに、(c)成分である
(メタ)アクリロイルグリシジル含有化合物を反応させ
ることにより、(A)成分であるアクリロイル変性不飽
和ポリエステルが得られる。(c)成分は、不飽和ポリ
エステルのカルボキシル基に対してグリシジル基が好ま
しくは1.00〜0.50当量(グリシジル基/カルボ
キシル基)、より好ましくは1.00〜0.80の量で
使用され、常温で反応させてアクリロイル変性不飽和ポ
リエステル(A)を得る。
【0012】(メタ)アクリロイルグリシジル含有化合
物(c)の使用量が不飽和ポリエステルのカルボキシル
基に対して当量を超えると、アクリロイル変性不飽和ポ
リエステル(A)中に遊離の(メタ)アクリロイルグリ
シジル含有化合物が存在することになるため、樹脂組成
物の親水性が低下する傾向がある。また0.50当量未
満では、アクリロイル変性不飽和ポリエステル(A)の
光硬化に対する自己硬化性が低下し、前記(B)成分と
して親水性溶媒を単独で使用すると光照射後の塗膜は充
分硬化しないため、硬さ、耐水性、耐薬品性等が著しく
低下する傾向がある。(メタ)アクリロイルグリシジル
含有化合物(c)としては、例えばグリシジルメタクリ
レート、グリシジルアクリレートが挙げられる。
【0013】アクリロイル変性不飽和ポリエステル
(A)は公知の方法により合成される。例えば(a)成
分の5SSIPAと(b)成分の一部または全部および
反応触媒として少量の錫化合物を反応釜に仕込み、15
0〜220℃で反応水を除きながら1〜5時間加熱し、
酸価を2以下になるまで反応させる。その後残りの
(a)成分および(b)成分を仕込み、同様に反応水を
除きながら150〜220℃で3〜20時間加熱し、所
定の酸価になるように調整し、不飽和ポリエステルを得
る。不飽和ポリエステルと(メタ)アクリロイルグリシ
ジル含有化合物を反応させることにより、アクリロイル
変性不飽和ポリエステル(A)を得ることができる。反
応は(メタ)アクリロイルグリシジル含有化合物のグリ
シジル基がなくなるまで反応させることが好ましく、反
応温度は50〜120℃が好ましい。この反応に際し
て、反応触媒を存在させることが好ましい。反応触媒と
しては、アンモニウムクロライド、ドデシルベンジルア
ンモニウムクロライド等のアンモニウム塩、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン等の第三級アミン化合物、
安息香酸カリウム等のアルカリ金属の有機酸塩等があ
る。反応触媒の使用量は(メタ)アクリロイルグリシジ
ル含有化合物に対して0.1〜1重量%が好ましい。
【0014】本発明には親水性光重合性単量体(B)が
用いられる。親水性光重合性単量体としては、例えば2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基
含有(メタ)アクリル酸エステル類、ジメチルアミノエ
チルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸アミノ
エステル類が挙げられる。上記の親水性光重合性単量体
はいずれか1種を用いても、またはこれらを2種以上組
合わせて使用してもよい。
【0015】本発明に用いられる(C)成分である光重
合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等の
ベンゾインアルキルエーテル系;2,2−ジエトキシア
セトフェノン、4′−フェノキシ−2,2−ジクロロア
セトフェノン等のアセトフェノン;2−ヒドロキシ−2
−メチル−プロピオフェノン、4′−イソプロピル−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4′−ド
デシル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン
等のプロピオフェノン系;ベンジルジメチルケタール、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−エ
チルアントラキノン、2−クロルアントラキノン等のア
ントラキノン系;チオキサントン系などが挙げられ、こ
れらは1種でまたは2種以上組合わせて使用することが
できる。さらに、光重合開始剤の光吸収エネルギーの重
合開始遊離基への転換を強めるための相乗剤、例えば第
三級アミンを用いることもできる。
【0016】本発明の樹脂組成物において、アクリロイ
ル変性不飽和ポリエステル(A)の使用量は、該(A)
成分と(B)成分の親水性光重合性単量体の総量に対し
て好ましくは95〜20重量%、より好ましくは80〜
30重量%であり、親水性光重合性単量体(B)の使用
量は上記(A)と(B)の総量に対して好ましくは5〜
80重量%、より好ましくは20〜70重量%である。
(B)成分の使用量が5重量%未満では樹脂組成物の粘
度が高くなり取り扱いにくくなる傾向にある。また80
重量部を超えるとアクリロイル変性不飽和ポリエステル
(A)の量が少なくなり、光照射時の酸素による硬化阻
害防止が充分でなく、高膜厚の際塗膜表面に粘着を帯
び、さらに厚肉特性および塗膜靱性等が低下する傾向に
ある。
【0017】光重合開始剤(C)の使用量は、アクリロ
イル変性不飽和ポリエステル(A)と親水性光重合性単
量体(B)の総量に対して好ましくは0.01〜10重
量%、より好ましくは0.05〜7重量%である。該使
用量が0.01重量%未満では光照射時の硬化が不充分
となり、塗膜表面に粘着性が残る傾向があり、また10
重量%を超えても光照射時の使用量が増加した分、硬化
は特に促進されず、経済的に不利である。
【0018】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
親水性溶媒を存在させることができる。親水性溶媒とし
ては、水および親水性有機溶剤、例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、第2−ブチルアルコール、第3−ブチルアルコー
ル等のアルコール類、メチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブ等のセロソルブ類、アセトン、ジアセトンアルコー
ル、エチルメチルケトン等のケトン、酢酸エチル等のエ
ステル化合物等がある。親水性溶媒は、(A)成分、
(B)成分及び親水性溶媒の総量に対して40重量%以
下が好ましく、さらに、親水性光重合性単量体(B)に
対して同重量以下で使用することが好ましい。親水性溶
媒は、あらかじめ(A)成分に流動性を付与するために
(A)成分と混合して使用することが好ましい。
【0019】本発明の樹脂組成物は、必要に応じてハイ
ドロキノン、トルキノン等の重合抑制剤、フェニルサリ
シレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート等の紫
外線吸収剤、炭酸カルシウム、タルク等の充填剤、ベン
ガラ、チタン白等の顔料、アニリンブラック等の染料、
シリコーン、セルロースアセテートブチレート等のレベ
リング剤、各種のシリコーン等の脱泡剤、二酸化珪素等
のチキソトロープ剤、溶融シリカ等の艶消し剤などを含
有することができる。本発明の樹脂組成物は、例えば基
材上にスプレ、ハケ塗り、フローコータ、ロールコー
タ、浸漬等によって塗布した後、窒素ガス等の不活性ガ
ス雰囲気下または空気雰囲気下で光を照射して硬化させ
ることができる。この際に使用される光源としては太陽
光、人工光源からなるカーボンアーク灯、水銀蒸気灯な
どがあり、200〜7500Å、特に200〜4000
Åの波長のものが使用され、電子線によっても硬化が可
能である。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。なお、下記の例中の「部」および「%」は特に
断らない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を
意味する。また例中で使用したアクリロイル変性不飽和
ポリエステル(A−1、A−2、A−3およびZ−2)
および不飽和ポリエステル(Z−1)は下記のようにし
て合成した。さらに表1には、これらの合成樹脂の各成
分の配合量をまとめて示した。
【0021】(1)アクリロイル変性不飽和ポリエステ
ル(A−1)の合成 攪拌機、ガス導入管、還流冷却器および温度計を備えた
2リットルのフラスコに5SSIPA(イーストマンケ
ミカル社製)149.1部(0.53モル)、ネオペン
チルグリコール468.0部(4.50モル)およびジ
ブチル錫ラウレート0.5部を仕込み、窒素ガスを吹込
みながら1時間で150℃に昇温し、さらに150℃か
ら200℃まで3時間で昇温し、同温度で釜内内容物の
酸価が2以下になるまで加熱した。200℃昇温後3時
間で酸価1.2(KOHmg/g)を示した。その後120℃
まで冷却し、テトラハイドロ無水フタル酸262.2部
(1.73モル)、フマル酸609.0部(5.25モ
ル)、ジエチレングリコール318.0部(3.00モ
ル)およびハイドロキノン0.2部を添加し、150℃
に昇温、さらに150℃から200℃まで4時間で昇温
し、同温度で釜内内容物の酸価が50になるまで加熱し
た。200℃昇温後6時間で酸価49.8を示し、また
反応縮合水量は205部であった(以下、この反応物を
樹脂X−1という)。
【0022】その後100℃に冷却後、窒素ガスを空気
吹込みに切り換え、グリシジルメタクリレート201.
9部(グリシジル基/カルボキシル基=1.0、当量
比)および塩化ベンザルコニウム1.1部を添加し、1
20℃に昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が3以下に
なるまで加熱した。120℃昇温後、12時間で酸価
2.6を示したアクリロイル変性不飽和ポリエステル
(以下、A−1という)が得られた。
【0023】(2)アクリロイル変性不飽和ポリエステ
ル(A−2)の合成 実施例1と同様の2リットルのフラスコに5SSIP
A、186.0部(0.66モル)、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール724.4部(4.58モル)およ
びジブチル錫ラウレート0.6部を仕込み、実施例1と
同様に200℃に昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が
2以下になるまで加熱した。200℃昇温後4.5時間
で酸価1.1を示した。その後120℃まで冷却し、フ
マル酸683.8部(4.50モル)およびジエチレン
グリコール208.3部(1.97モル)およびハイド
ロキノン0.2部を添加し、150℃に昇温、さらに1
50℃から180℃まで3時間で昇温し、同温度で釜内
内容物の酸価が65になるまで加熱した。180℃昇温
後9時間で酸価64.2を示し、反応縮合水量は230
部であった(樹脂X−2)。その後100℃に冷却し、
窒素ガスを空気吹込みに切り換え、グリシジルメタクリ
レート255.5部(グリシジル基/カルボキシル基=
1.0、当量比)および塩化ベンザルコニウム1.4部
を添加して120℃に昇温し、同温度で釜内内容物の酸
価が3以下になるまで加熱した。120℃昇温後、14
時間で酸価2.2を示したアクリロイル変性不飽和ポリ
エステル(A−2)が得られた。
【0024】(3)アクリロイル変性不飽和ポリエステ
ル(A−3)の合成 実施例1と同様の2リットルのフラスコに5SSIPA
230.0部(0.81モル)、ネオペンチルグリコ
ール421.2部(4.05モル)およびジブチル錫ラ
ウレート0.8部を仕込み、実施例1と同様に200℃
に昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が2以下になるま
で加熱した。200℃昇温後5時間で酸価1.2を示し
た。その後120℃まで冷却し、無水フタル酸359.
6部(2.43モル)、無水マレイン酸476.3部
(4.86モル)、プロピレングリコール308.7部
(4.05モル)およびハイドロキノン0.2部を添加
し、150℃に昇温、さらに150℃から210℃まで
6時間で昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が40にな
るまで加熱した。210℃昇温後6時間で酸価38.6
を示した。また反応縮合水量は151部であった(樹脂
X−3)。その後100℃に冷却し、窒素ガスを空気吹
込みに切り換え、グリシジルメタクリレート160.6
部(グリシジル基/カルボキシル基=1.0、当量比)
および塩化ベンザルコニウム0.9部を添加し、120
℃に昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が3以下になる
まで加熱した。120℃昇温後、8時間で酸価1.9を
示したアクリロイル変性不飽和ポリエステル(A−3)
が得られた。
【0025】(4)不飽和ポリエステル(Z−1)の合
成 実施例1と同様の2リットルのフラスコに5SSIPA
169.0部(0.60モル)、ネオペンチルグリコ
ール538.4部(5.61モル)およびジブチル錫ラ
ウレート0.6部を仕込み、実施例1と同様に200℃
に昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が2以下になるま
で加熱した。200℃昇温後3時間で酸価1.3を示し
た。その後120℃に冷却し、テトラハイドロ無水フタ
ル酸279.2部(1.84モル)、フマル酸690.
2部(5.95モル)、ジエチレングリコール396.
4部(3.74モル)およびハイドロキノン0.2部を
添加し、150℃に昇温、さらに150℃から200℃
まで5時間で昇温し、同温度で釜内内容物の酸価が15
になるまで加熱した。200℃昇温後5時間で酸価1
3.6を示した不飽和ポリエステル(Z−1)が得られ
た。
【0026】(5)アクリロイル変性不飽和ポリエステ
ル(Z−2)の合成 実施例1と同様の2リットルのフラスコにテトラハイド
ロ無水フタル酸353.4部(2.33モル)、フマル
酸629.3部(5.43モル)、ネオペンチルグリコ
ール483.6部(4.65モル)、ジエチレングリコ
ール328.6部(3.10モル)およびハイドロキノ
ン0.2部を仕込み、窒素ガスを通しながら150℃に
昇温。さらに150℃から200℃までを5時間で昇温
し、同温度で釜内内容物の酸価が45になるまで加熱し
た。200℃昇温後7時間で酸価44.8を示し、また
反応縮合水は208部であった(樹脂X−5)。その後
100℃に冷却し、窒素ガスを空気吹込みに切り換え、
グリシジルメタクリレート179.9部(グリシジル基
/カルボキシル基=1.0、当量比)および塩化ベンザ
ルコニウム1.0部を添加し、120℃に昇温し、同温
度で釜内内容物の酸価が3以下になるまで加熱した。1
20℃昇温後、12時間で酸価2.6のアクリロイル変
性不飽和ポリエステル(Z−2)が得られた。
【0027】
【表1】
【0028】実施例1〜5および比較例1〜2 表2に示す成分および配合量により光硬化可能な樹脂組
成物をそれぞれ作製し、下記の方法に従って得られた樹
脂組成物の水希釈性および塗膜性能評価を行い、その結
果を表3に示した。
【0029】
【表2】
【0030】(1)水希釈性 25℃の恒温室内で表2および表3に示した樹脂組成物
5gを三角フラスコにとり、徐々にイオン交換水を添加
し、三角フラスコ内溶物に沈降物が発生するまでのイオ
ン交換水量を測定し、結果を表3に示した。 (2)塗膜性能評価 まず得られた樹脂組成物を化粧紙貼り合板(10cm×1
5cm)上にアプリケータで500μm厚さに塗布し、1
0分間常温で放置後、高圧水銀ランプ(出力80W/cm、
ウシオ電気社製)の下方10cmのところをベルトスピー
ド2m/分で移動させて硬化させて試験板とし、塗膜の
外観および性能を下記のようにして評価した。
【0031】(a)外観:光照射硬化後の塗膜表面のク
ラックの状態を観察(目視)し、下記の基準で評価し
た。 ○:クラックなし △:1〜2本のクラックあり ×:全面クラックあり (b)研磨性:硬化面を耐水ペーパー#400を用いて
研磨し、研磨のし易さを比較し、下記の基準で評価し
た。 ○:軽く研磨してもよく塗膜が削れる △:研磨がやや重く感じる ×:研磨が重くよく削れない (c)鉛筆硬さ:三菱ユニ鉛筆を使用し、塗膜面上に4
5°の角度で強く押してキズが残らない上限の鉛筆の硬
さを示した。
【0032】(d)耐水性:試験板を40℃の温水に2
4時間浸漬し、外観を観察した。 ○:異常なし ×:白化 (e)ヒートサイクル性:試験板を80℃の恒温乾燥機
内に2時間放置した後、直ちに−20℃の冷凍庫に2時
間入れ、これを4回繰返して塗膜の素材(化粧紙貼り合
板)からの剥離状態を観察した。 ○:異常なし △:1〜2個所剥離 ×:全塗膜剥離
【0033】
【表3】
【0034】表3から、本発明の樹脂組成物(実施例1
〜5)は、塗膜厚を厚くした場合でも優れた塗膜特性を
有し、しかも水希釈性に優れることがわかる。これに対
し、従来の不飽和ポリエステルを使用した樹脂組成物
(比較例1)では塗膜の研磨性、鉛筆硬さ、耐水性およ
びヒートサイクル性が囮、また5−(スルホン酸ナトリ
ウム)イソフタル酸を使用していないアクリロイル変性
不飽和ポリエステルを含む樹脂組成物(比較例2)では
水希釈性に劣る。
【0035】
【発明の効果】本発明の親水性で光硬化可能な樹脂組成
物は水での希釈が可能であり、また光照射後の塗膜は高
硬度、耐久性および耐水性に優れ、しかも空気雰囲気下
でも500μmの厚さとしてもクラックを発生しない塗
膜を形成することができる。したがって、本発明の樹脂
組成物はインク、プラスチック塗料、紙印刷、フィルム
コーティング、金属コーティング、家具塗装等の種々の
コーティング分野、FRPライニング、さらにエレクト
ロニクス分野における絶縁ワニス、絶縁シート、積層
板、プリント基板、レジストインキ、半導体封止剤など
多くの産業分野への応用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 5/00 C09D 5/00 C 167/07 167/07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)α,β−不飽和多塩基酸成分およ
    び5−(スルホン酸ナトリウム)イソフタル酸を必須成
    分とし、酸価が25〜100である不飽和ポリエステル
    に(メタ)アクリロイルグリシジル含有化合物を反応さ
    せて得られるアクリロイル変性不飽和ポリエステル、
    (B)親水性重合性単量体ならびに(C)光重合開始剤
    を含有してなる親水性で光硬化可能な樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アクリロイル変性不飽和ポリエステル
    (A)と親水性光重合性単量体(B)の総量に対して
    (A)成分を95〜20重量%含有させ、光重合開始剤
    (C)を(A)成分と(B)成分の総量に対して0.0
    1〜10重量%含有させる請求項1記載の親水性で光硬
    化可能な樹脂組成物。
JP25045597A 1997-09-16 1997-09-16 親水性で光硬化可能な樹脂組成物 Pending JPH1180292A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1044777A1 (en) * 1999-04-15 2000-10-18 Showa Denko Kabushiki Kaisha Molding method for corrosion-resistant FRP
JP2014185274A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Dic Corp ラジカル硬化性組成物及び土木建築材

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