JPH1180032A - 複合体 - Google Patents

複合体

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JPH1180032A
JPH1180032A JP9249132A JP24913297A JPH1180032A JP H1180032 A JPH1180032 A JP H1180032A JP 9249132 A JP9249132 A JP 9249132A JP 24913297 A JP24913297 A JP 24913297A JP H1180032 A JPH1180032 A JP H1180032A
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JP
Japan
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group
phenyl
acetimidoyl
oxy
amidino
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Pending
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JP9249132A
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English (en)
Inventor
Masakatsu Yonese
政勝 米勢
Shuichi Sugie
修一 杉江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Medicinal Preparation (AREA)
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩基性薬物の新たなドラッグ・デリバリ
ー・システム(DDS)キャリヤーとなる複合体を提供
する。 【解決手段】 塩基性薬物と酸性多糖を構成成分とする
複合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新たなドラッグ・デリ
バリー・システム(DDS)キャリヤーとして利用可能
な複合体に関し、さらに詳しくは塩基性薬物と酸性多糖
を構成成分とする複合体に関する。
【0002】
【従来技術】従来、高分子を用いたドラッグ・デリバリ
ー・システムの試みが数多くなされている。こういった
試みとしては、高分子に薬物を共有結合させ、生体内で
の薬物の動態を制御(例えば、プロドラッグ化)した
り、高分子と薬物の複合体をキャリヤーとして利用し
て、薬物の標的部位への送達や放出を制御することが行
われている。これらの複合体は、複雑な操作(例えば、
乳化重合法、相分離法、水中乾燥法等)により調製さ
れ、その調製においては、有機溶媒(例えば、クロロホ
ルムやジメチルスルホオキシドなど)を用いることが必
要であった。しかし、生体にとって、有機溶媒は好まし
いものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新たなDD
Sキャリヤーとなる塩基性薬物と高分子として酸性多糖
を構成成分とする複合体を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、塩基性薬物が持つ塩基性基と酸性多糖の持つ酸
性基との静電的な結合などにより、ある条件で水不溶性
の複合体が形成され、この複合体は球状の粒状物とな
り、この複合体が新たなDDSキャリヤーとなり得るこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0005】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明は塩基性薬物が
持つ塩基性基と酸性多糖の持つ酸性基との静電的な結合
などにより形成される複合体に関する。
【0006】以下に、本発明につき説明する。
【0007】本発明において、酸性多糖と複合体になり
得る塩基性薬物とは、その化学構造中に塩基性基を少な
くとも1つ有する化合物や、生薬等の抽出物(エキス、
チンキなど)であって、その抽出物中に含まれる化合物
のその化学構造中に塩基性基を少なくとも1つ有するも
の等を意味する。塩基性薬物は単独でもよいし、2種以
上の混合物でもよい。また、本発明の複合体を製するに
際して、塩基性薬物は化合物の塩、該化合物の水和物お
よび医薬的に許容し得る各種溶媒和物、該化合物の塩の
水和物、該化合物の塩の溶媒和物等であってもよい。ま
た、化合物はその結晶多形も含む。化合物の構造中に不
斉炭素が存在し、それに基づく光学異性体あるいは立体
異性体が存在するときには、これらの光学異性体、立体
異性体およびこれらの混合物のいずれであってもよい。
【0008】化合物の塩としては、医薬的に許容しうる
塩であれば特に限定されるべきものではない。具体的に
は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、りん酸
塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩類、メタンスルホン酸
塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、p−トルエン
スルホン酸塩等の有機スルホン酸塩類、酢酸塩、プロピ
オン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グル
タル酸塩、アジピン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リ
ンゴ酸塩、マンデル酸塩等の有機カルボン酸塩類等を挙
げることができる。
【0009】化合物の溶媒和物としては、医薬的に許容
しうる溶媒和物であれば特に限定されるべきものではな
く、具体的な溶媒としてエタノール等を挙げることがで
きる。
【0010】本発明における塩基性薬物としての芳香族
アミジン誘導体は、上述の塩基性薬物の一例であり、そ
の化学構造中に芳香族アミジン構造を有する化合物を意
味する。具体的には、特開平5−208946号公報お
よび国際公開WO96/16940号公報に記載されて
いるような一般式(1)で表わされる芳香族アミジン誘
導体を挙げることができる。
【0011】一般式(1)
【0012】
【化7】 〔式中、Rは水素原子または低級アルコキシル基を示
し、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
ル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カル
ボキシアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル
基を示し、Rは水素原子、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカ
ルボニルアルキル基、カルボキシアルコキシ基またはア
ルコキシカルボニルアルコキシ基を示し、Rは水素原
子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、水
酸基、低級アルキル基または低級アルコキシル基を示
し、nは0〜4の数を示し、Aは1〜2個のヒドロキシ
アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、カルボキシアルキル基もしくはアルコキシカルボニ
ルアルキル基が置換していてもよい炭素数1〜4のアル
キレン基または式
【0013】
【化8】 で表わされる基{式中、Bは低級アルキレン基またはカ
ルボニル基を示し、Rは水素原子または式−D−W−
で表わされる基(式中、Dは式
【0014】
【化9】 で表わされる基(式中、Zは酸素原子または硫黄原子を
示す。)、式
【0015】
【化10】 で表わされる基またはスルホニル基を示し、Wは単結合
または−NR−で表わされる基(式中、Rは水素原
子、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニル基、モ
ノ−もしくはジ−低級アルキルアミノカルボニル基、低
級アルキルスルホニル基、モノ−もしくはジ−低級アル
キルアミノチオカルボニル基、置換基を有していてもよ
い低級アルキル基または置換基を有していてもよい低級
アルカノイル基を示す。)を示し、Rは水酸基、低級
アルコキシル基、置換基を有していてもよい低級アルキ
ル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換
基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)}を
示し、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子またはカルボニ
ル基を示し、Yは置換基を有していてもよい飽和もしく
は不飽和の5〜6員の複素環式基もしくは環状炭化水素
基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を
有していてもよいアミノアルキル基を示し、
【0016】
【化11】 で表わされる基は、インドリル、ベンゾフラニル、ベン
ゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリ
ル、ベンゾチアゾリル、ナフチル、テトラヒドロナフチ
ルおよびインダニルより選ばれる基を示す〕。
【0017】さらに以下に示す化合物等をも芳香族アミ
ジン誘導体として挙げることができる。
【0018】
【化12】
【0019】これらの化合物はすでに公知のものであ
り、公知の製造方法により製造することができる。
【0020】中でも、芳香族アミジン誘導体としては、
一般式(1)で表わされる誘導体が薬物としては好まし
い。
【0021】本発明にかかる一般式(1)で表わされる
芳香族アミジン誘導体において、低級アルキル基として
は、炭素数1〜6の直鎖状、分枝状または環状のアルキ
ル基のいずれをも挙げることができ、具体例としてはメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、低級ア
ルキル基は置換基を有していてもよい。
【0022】なお、低級アルキル基に置換し得る基とし
ては、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルバモイル
基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、低級アルカノイル
基、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル
基、モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノ基、アリー
ル基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、メルカ
プト基、低級アルキルチオ基、低級アルキチオカルボニ
ル基、水酸基、カルバモイル基、モノ−もしくはジ−低
級アルキルアミノカルボニル基等が挙げられる。
【0023】低級アルコキシル基としては、炭素数1〜
6のものを挙げることができ、具体例としてはメトキシ
ル基、エトキシル基、プロポキシル基、イソプロポキシ
ル基、ブトキシル基、第二級ブトキシル基および第三級
ブトキシル基等が挙げられる。
【0024】アルコキシカルボニル基としては、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカ
ルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0025】カルボキシアルキル基としては、カルボキ
シメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル
基等が挙げられる。
【0026】アルコキシカルボニルアルキル基として
は、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニル
メチル基、プロポキシカルボニルメチル基、メトキシカ
ルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、メト
キシカルボニルプロピル基、エトキシカルボニルプロピ
ル基等が挙げられる。
【0027】カルボキシアルコキシル基としては、カル
ボキシメトキシル基、カルボキシエトキシル基、カルボ
キシプロポキシル基等が挙げられ、アルコキシカルボニ
ルアルコキシル基としては、メトキシカルボニルメトキ
シル基、エトキシカルボニルメトキシル基、プロポキシ
カルボニルメトキシル基、メトキシカルボニルエトキシ
ル基、エトキシカルボニルエトキシル基等が挙げられ
る。
【0028】ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキ
シメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル
基、ヒドロキシブチル基等が挙げられる。炭素数1〜4
のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ト
リメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
【0029】モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノカ
ルボニル基としては、モノ−低級アルキルアミノカルボ
ニル基として、メチルアミノカルボニル基、エチルアミ
ノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、イソプ
ロピルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル
基、イソブチルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカ
ルボニル基、イソペンチルアミノカルボニル基、ヘキシ
ルアミノカルボニル基、イソヘキシルアミノカルボニル
基等が挙げられる。また、ジアルキルアミノカルボニル
基として、ジメチルアミノカルボニル基、ジエチルアミ
ノカルボニル基、ジプロピルアミノカルボニル基、ジイ
ソプロピルアミノカルボニル基、ジブチルアミノカルボ
ニル基、ジペンチルアミノカルボニル基等の低級アルキ
ル基でジ置換された対称型のジアルキルアミノカルボニ
ル基、ならびに、エチルメチルアミノカルボニル基、メ
チルプロピルアミノカルボニル基、エチルプロピルアミ
ノカルボニル基、ブチルメチルアミノカルボニル基、ブ
チルエチルアミノカルボニル基、ブチルプロピルアミノ
カルボニル基等の相異なる低級アルキル基でジ置換され
た非対称型のジアルキルアミノカルボニル基が挙げられ
る。
【0030】低級アルキルスルホニル基としては、メチ
ルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホ
ニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル
基、イソブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、
イソペンチルスルホニル基、ヘキシルプロピル基、イソ
ヘキシルプロピル基等が挙げられる。
【0031】モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノチ
オカルボニル基としては、モノ−低級アルキルアミノチ
オカルボニル基として、メチルアミノチオカルボニル
基、エチルアミノチオカルボニル基、プロピルアミノチ
オカルボニル基、イソプロピルアミノチオカルボニル
基、ブチルアミノチオカルボニル基、イソブチルアミノ
チオカルボニル基、ペンチルアミノチオカルボニル基、
イソペンチルアミノチオカルボニル基、ヘキシルアミノ
チオカルボニル基、イソヘキシルアミノチオカルボニル
基等が挙げられる。また、ジアルキルアミノチオカルボ
ニル基として、ジメチルアミノチオカルボニル基、ジエ
チルアミノチオカルボニル基、ジプロピルアミノチオカ
ルボニル基、ジイソプロピルアミノチオカルボニル基、
ジブチルアミノチオカルボニル基、ジペンチルアミノチ
オカルボニル基等の低級アルキル基でジ置換された対称
型のジアルキルアミノチオカルボニル基、ならびに、エ
チルメチルアミノチオカルボニル基、メチルプロピルア
ミノチオカルボニル基、エチルプロピルアミノチオカル
ボニル基、ブチルメチルアミノチオカルボニル基、ブチ
ルエチルアミノチオカルボニル基、ブチルプロピルアミ
ノチオカルボニル基等の相異なる低級アルキル基でジ置
換された非対称型のジアルキルアミノチオカルボニル基
が挙げられる。
【0032】低級アルカノイル基としては、ホルミル
基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブ
チリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル
基、ヘキサノイル基等が挙げられ、好ましくは、アセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基であり、更に好まし
くはアセチル基、プロピオニル基である。低級アルカノ
イル基は置換基を有していてもよい。
【0033】なお、低級アルカノイル基に置換し得る基
としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、カルバモイ
ル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、低級アルカノイ
ル基、低級アルコキシル基、低級アルコキシカルボニル
基、モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノ基、アリー
ル基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、メルカ
プト基、低級アルキルチオ基、低級アルキチオカルボニ
ル基、水酸基、カルバモイル基、モノ−もしくはジ−低
級アルキルアミノカルボニル基等が挙げられる。
【0034】アリール基としては、フェニル基、ナフチ
ル基、ビフェニル基、アントリル基等が挙げられ、アリ
ール基は置換基を有していてもよい。
【0035】ヘテロアリール基としては、フリル基、チ
エニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル
基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル
基、ピリミジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キ
ナゾリニル基、キノリジニル基、キノキサリニル基、シ
ンノリニル基、ベンズイミダゾリル基、イミダゾピリジ
ル基、ベンゾフラニル基、ナフチリジニル基、1,2−
ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベン
ゾチアゾリル基、オキサゾロピリジル基、イソチアゾロ
ピリジル基、ベンゾチエニル基等が挙げられ、好ましく
は、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル
基、ピリジル基等が挙げられ、アリール基は置換基を有
していてもよい。
【0036】なお、これらのアリール基またはヘテロア
リール基に置換し得る基としては、ハロゲン原子、カル
ボキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、
低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、モノ
−もしくはジ−低級アルキルアミノ基、低級アルカノイ
ル基、置換基を有していてもよい低級アルキル基が挙げ
られる。
【0037】また、飽和もしくは不飽和の5〜6員の複
素環式基としては、ヘテロ原子として1〜2個の窒素原
子または酸素原子を含む複素環式基が好ましい。このよ
うな複素環の具体例としてはピロリジン、ピペリジン、
イミダゾリン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、ヘキ
サヒドロピリミジン、ピロール、イミダゾール、ピラジ
ン、ピロリジノン、ピペリジノン、モルホリン等が挙げ
られる。また、飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基と
しては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げ
られる。また、アミノアルキル基としては、アミノメチ
ル基、アミノエチル基、アミノプロピル基等が挙げら
れ、複素環式基または環状炭化水素基は置換基を有して
いてもよい。
【0038】なお、これらの複素環式基または環状炭化
水素基に置換し得る基としては低級アルキル基、低級ア
ルカノイル基、カルバモイル基、モノアルキルカルバモ
イル基、ジアルキルカルバモイル基、ホルムイミドイル
基、アルカノイミドイル基、ベンズイミドイル基、カル
ボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシアル
キル基、アルキルカルボニルアルキル基、アミノアルキ
ル基、アルカノイルアミノ基、アルカノイルアミノアル
キル基、イミノ基、アルコキシカルボニルイミノ基等が
挙げられる。
【0039】また、アミノ基またはアミノアルキル基の
アミノ部分に置換し得る基としては、低級アルキル基、
ピロリジニル基、ピラジル基、カルバモイル基、モノア
ルキルカルバモイル基、ジアルキルカルバモイル基、低
級アルカノイル基、ホルムイミドイル基、アルカノイミ
ドイル基、ベンズイミドイル基、アルコキシカルボニル
基等が挙げられる。なお、ここで示したアルキル基、ア
ルコキシル基、アルカノイル基等の炭素数は1〜6が好
ましい。
【0040】本発明にかかる一般式(1)で表わされる
芳香族アミジン誘導体には、不斉炭素原子が存在するこ
とがあり、当該不斉炭素原子に基づく光学異性体あるい
は立体異性体が存在するが、これらの光学異性体、立体
異性体およびこれらの混合物のいずれも本発明に含まれ
る。
【0041】本発明においては、一般式(1)で表わさ
れる芳香族アミジン誘導体の中でも、一般式(1)中、
【0042】
【化13】 で示される基が、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリ
ル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、
ナフチルおよびテトラヒドロナフチルより選ばれる基で
ある芳香族アミジン誘導体が好ましい。また、一般式
(1)中、飽和または不飽和の5〜6員環の複素環式基
が、ヘテロ原子として1〜2個の窒素原子または酸素原
子を含む基である芳香族アミジン誘導体が好ましく、ま
た、一般式(1)中、飽和または不飽和の5〜6員環の
複素環式基が、ピロリジニル基またはピペリジル基であ
る芳香族アミジン誘導体が好ましい。
【0043】より具体的には、芳香族アミジン誘導体を
好ましいものとして以下のものを挙げることができる。
【0044】2−[4−[((3S)−1−アセトイミ
ドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フェニル]−3−
(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、(+)
−2−[4−[((3S)−1−アセトイミドイル−3
−ピロリジニル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミ
ジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、(2S)−2−
[4−[((3S)−1−アセトイミドイル−3−ピロ
リジニル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−
2−ナフチル)プロピオン酸、(2R)−2−[4−
[((3R)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニ
ル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナ
フチル)プロピオン酸、2−[4−[(1−アセトイミ
ドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−3−
(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、(+)
−2−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジ
ル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナ
フチル)プロピオン酸、2−[4−[(1−アセトイミ
ドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−3−
(5−アミジノベンゾ[b]チエン−2−イル)プロピ
オン酸、2−[4−[((2S)−1−アセトイミドイ
ル−2−ピロリジニル)メロキシ]フェニル]−3−
(5−アミジノベンゾ[b]チエン−2−イル)プロピ
オン酸、(+)−2−[4−[((2S)−1−アセト
イミドイル−2−ピロリジニル)メトキシ]フェニル]
−3−(5−アミジノベンゾ[b]チエン−2−イル)
プロピオン酸、3−[4−[((3S)−1−アセトイ
ミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フェニル]−4
−(5−アミジノベンゾ[b]チエン−2−イル)酪
酸、2−[4−[((3S)−1−アセトイミドイル−
3−ピロリジニル)オキシ]フェニル]−3−(6−ア
ミジノ−1−エチル−2−インドリル)プロピオン酸、
2−[4−[((3R)−1−アセトイミドイル−3−
ピロリジニル)オキシ]フェニル]−3−(6−アミジ
ノ−1−エチル−2−インドリル)プロピオン酸、2−
[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジニル)
オキシ]フェニル]−3−(6−アミジノ−1−エチル
−2−インドリル)プロピオン酸、N−[4−[(1−
アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニ
ル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]
−N’−メチルスルファミド、エチル N−[N−4−
[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]
フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メ
チル]スルファモイル]カルバメート、4−[N−4−
[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]
フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メ
チル]スルファモイル]ベンゾイックアシッド、N−
[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オ
キシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチ
ル)メチル]スルファモイルアセティックアシッド、エ
チル N−[N−[4−[(1−アセトイミドイル−4
−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミ
ジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]グリシ
ネート、N−[N−4−[(1−アセトイミドイル−4
−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミ
ジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]−N−
エトキシカルボニルグリシン、およびN−[N−4−
[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]
フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メ
チル]スルファモイル]グリシン。
【0045】特に好ましいものは、(2S)−2−[4
−[((3S)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジ
ニル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−
ナフチル)プロピオン酸、(+)−2−[4−[(1−
アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニ
ル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン
酸、(+)−2−[4−[((2S)−1−アセトイミ
ドイル−2−ピロリジニル)メトキシ]フェニル]−3
−(5−アミジノベンゾ[b]チエン−2−イル)プロ
ピオン酸、エチル N−[N−[4−[(1−アセトイ
ミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−
[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモ
イル]グリシネート、およびN−[N−4−[(1−ア
セトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]
−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スル
ファモイル]グリシンである。
【0046】さらには、(2S)−2−[4−[((3
S)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキ
シ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)
プロピオン酸 塩酸塩 5水和物、(+)−2−[4−
[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]
フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロ
ピオン酸 2塩酸塩、(+)−2−[4−[((2S)
−1−アセトイミドイル−2−ピロリジニル)メトキ
シ]フェニル]−3−(5−アミジノベンゾ[b]チエ
ン−2−イル)プロピオン酸 2塩酸塩、エチル N−
[N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジ
ル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−
ナフチル)メチル]スルファモイル]グリシネート 2
塩酸塩、およびN−[N−4−[(1−アセトイミドイ
ル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7
−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]
グリシン 2塩酸塩が好ましい。
【0047】本発明において、酸性多糖とは構成単糖に
カルボキシル基や硫酸基等の酸性基を少なくとも1つ含
むものであればよく、塩基性薬物と複合体を形成するこ
とができ得れば特に限定されるものではない。例えば、
ヒアルロン酸、α−ヘパリン、ω−ヘパリン、ヘパラン
硫酸、ヘパリチン硫酸、コンドロイチン、コンドロイチ
ン硫酸A、コンドロイチン硫酸B、コンドロイチン硫酸
C、コンドロイチン硫酸D、コンドロイチン硫酸E、コ
ンドロイチン硫酸F、コンドロイチン硫酸H、ケラタン
硫酸、ケラタンポリ硫酸、リマコイチン硫酸、サクシニ
アン硫酸、ロレンザン硫酸、ホラチン硫酸、リボフラナ
ン硫酸、キシロフラナン硫酸、デキストラン硫酸、ペン
トサンポリ硫酸、レンチナン硫酸およびカードラン硫
酸、さらにはこれらの誘導体等を挙げることができ、本
発明においてはデキストラン硫酸が好ましい。なお、本
発明の複合体を調製するに際して、これら酸性多糖はア
ルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の塩類であっても
よい。例えば、アルカリ金属塩としては、リチウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩等を挙げることができ、ま
た、アルカリ土類金属塩としては、マグネシウム塩、カ
ルシウム塩等を挙げることができる。
【0048】本発明の複合体は、塩基性薬物のDDSキ
ャリヤーとなるものなので、酸性多糖は複合体を構成す
る塩基性薬物の薬効発現を実質的に妨げるようなもので
あってはならない。
【0049】本発明の複合体は、溶媒中において、塩基
性薬物と酸性多糖を混合することで製することができ
る。混合方法は特に限定されず、予め適当な濃度の塩基
性薬物の溶液と酸性多糖の溶液を各々調製し、これらを
混合してもよいし、溶媒に塩基性薬物と酸性薬物を各々
別個に適当量を加えて混合してもよい。混合の方法とし
ては、特に限定されず、撹拌(機械的振動をくわえても
よい。)、超音波処理等を挙げることができる。溶媒と
しては、複合体を製することができ得るものであればよ
く、特に限定されるものではない。例えば、水、エタノ
ール等のアルコール、含水アルコール、各種緩衝液等の
水系溶媒を挙げることができる。溶媒は、複合体の形態
を維持できる程度にpHを酸性に調整しておく必要があ
る。
【0050】溶媒中において、この複合体は球状の粒状
物となり、この複合体は酸性溶媒中で不溶である。複合
体が球状の粒状物となるのは、酸性多糖の持つ酸性基に
塩基性薬物が持つ塩基性基が静電的に結合することによ
り、酸性多糖の見かけ上の表面電位が大きくなるため、
酸性多糖において静電反発力が低下し、塩基性薬物と酸
性多糖とからなる複合体は球状の粒状物を形成すると考
えられる(以下、本発明の球状の複合体を複合体粒子と
いうこともある。)。この複合体は、塩基性薬物が酸性
多糖の架橋剤として見かけ上働き、マトリックス構造を
とっているものと考えられる。
【0051】本発明の複合体は、溶媒中において、塩基
性薬物と酸性多糖が静電的な結合などにより形成してい
るが、溶媒のpHやイオン強度等の条件により、複合体
の形態を維持することができなくなる。
【0052】すなわち、溶媒のpHが低い(酸性)と、
塩基性薬物と酸性多糖との結合は強いため、複合体粒子
の形態を維持することができるが、pHが高くなる(中
性〜塩基性)と、塩基性薬物と酸性多糖との結合が弱く
なり、塩基性薬物と酸性多糖は解離した状態となる。ま
た、イオン強度の場合もpHと同様に、イオン強度が高
くなると、塩基性薬物と酸性多糖との結合が弱くなり、
塩基性薬物と酸性多糖は解離した状態となる。
【0053】また、本発明の複合体は、その大きさを容
易にコントロールすることができる。すなわち、複合体
粒子の見かけ上の表面電位が大きくなる(酸性多糖に基
づく酸性基が少なくなる)ほどに、複合体粒子の大きさ
は小さくなるので、塩基性薬物と酸性多糖の混合比を調
整することにより、複合体粒子の大きさをコントロール
することができ、その大きさとして数十〜数百ナノメー
トルの微細な大きさのものをも調製することができる。
塩基性薬物の持つ塩基性基と酸性多糖の持つ酸性基との
数を考慮して、複合体粒子の見かけ上の表面電位を大き
くすることで、複合体粒子の大きさを小さくすることが
できる。なお、本発明の複合体は酸性多糖の酸性基に基
づく負電荷を有しているため、溶媒中での分散安定性は
良好である。
【0054】本発明においては、数十〜数百ナノメート
ルの大きさの微細な複合体粒子の調製もでき、複合体の
性質から、微細な複合体は注射剤、とりわけ静脈用注射
剤に適用することができる。すなわち、本発明の複合体
を含む懸濁液を静脈内に注射すると、血液のpHが該懸
濁液のpH(酸性)よりも高いため、注射後、血中にお
いて、塩基性薬物と酸性多糖は徐々に解離しはじめ、最
終的には完全に解離した状態となるため、持続性注射剤
として非常に好ましい。
【0055】一般に、水不溶性の物質を注射剤の原料と
して適用することは難しい。これは、注射剤の原料とし
て適用することができる程度に、水不溶性物質を粉砕す
ることが非常に難しいためである。しかしながら、本発
明の複合体は、塩基性薬物と酸性多糖を溶媒中で混合す
ることのみで調製することができ、その大きさも数十〜
数百ナノメートルの微細なものとすることができる。
【0056】また、本発明の複合体を経口的に投与する
と、胃内ではpHが低いため、複合体として存在する
が、胃から小腸へ複合体が移行すると、小腸内ではpH
およびイオン強度が高いために、小腸において複合体は
塩基性薬物と酸性多糖に解離しはじめ、時間の経過とと
もに塩基性薬物と酸性多糖は解離した状態となる。そし
て、小腸において塩基性薬物は吸収される。この場合、
本発明の複合体は球状であり、さらに微細なものとする
ことで表面積が大きくなり、この複合体粒子を投与する
と複合体粒子から塩基性薬物を放出しやすくなる。ま
た、本発明の複合体は塩基性薬物が酸性多糖の架橋剤と
して見かけ上働き、マトリックス構造をとっているた
め、消化管内での消化酵素等により分解されやすい塩基
性薬物(例えば、塩基性ペプチドなど)については、複
合体とすることにより消化酵素等の攻撃を避けることが
できるので、こういった塩基性薬物を経口投与するのに
適している。
【0057】本発明の複合体を製剤化した際のその形態
(剤形)としては、経口的に投与しうる形態、非経口的
に投与しうる形態のどちらでもよい。剤形としては、例
えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、丸剤、錠剤、カプセル
剤、液剤、ドライシロップ、シロップ剤、懸濁剤、乳
剤、軟膏剤、硬膏剤、注射剤、パップ剤、リニメント剤
およびローション剤等を挙げることができる。
【0058】投与方法としては、塩基性薬物と酸性多糖
を溶媒中で混合することにより製される複合体を含有す
る懸濁液を調製し、このものをそのまま経口的または非
経口的に投与してもよいし、懸濁液をソフトカプセル中
に充填してカプセル剤として経口的に投与してもよい。
また、懸濁液を必要ならば適当な添加剤(例えば、糖類
など)等を加えて、凍結乾燥等して粉末状にし、この粉
末を用いて、散剤、細粒剤、錠剤等に成型して経口的に
投与してもよい。さらには、この粉末をハードカプセル
中に充填してカプセル剤として経口的に投与してよい。
【0059】製剤化は、通常知られた方法によって製造
することができ、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流
動化剤、分散剤、懸濁化剤、乳化剤、防腐剤、安定化
剤、緩衝剤、等張化剤等の添加剤を適宜加えることがで
きる。
【0060】以下に実施例を示すが、本発明はこれらの
実施例によりなんら限定されるものではない。
【0061】
【実施例】
[実施例1]塩基性薬物と酸性多糖とで形成される複合
体の形態および塩基性薬物と硫酸多糖との混合比による
複合体粒子の粒子径への影響 塩基性薬物として、(2S)−2−[4−[((3S)
−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]
フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロ
ピオン酸 塩酸塩 5水和物(以下、化合物Aと略す
る。)を用い、酸性多糖としてデキストラン硫酸を用い
て、複合体について検討を行った。
【0062】溶媒として10mMリン酸緩衝液(pH
7.0)を用い、0.02〜0.2%(w/v)の濃度
となるように調製した化合物Aの溶液と0.2%(w/
v)デキストラン硫酸溶液を等量(2ml)混合し、1
分間超音波処理し、混合溶液を調製した。この混合溶液
中に複合体が形成されていた。この複合体を顕微鏡で観
察したところ、球状の粒状物を形成していた。次いで、
複合体の粒子の粒子径を準弾性光散乱法により測定し
た。
【0063】その結果(図1参照)、化合物Aの濃度が
増加するにしたがって、複合体粒子の粒子径が小さくな
ることがわかった。これは、化合物Aのデキストラン硫
酸への結合量が増加することにより、化合物Aとデキス
トラン硫酸とで形成される複合体粒子の見かけ上の表面
電位が大きくなり、結果として粒子径が小さくなったと
考える。
【0064】[実施例2]pHおよびイオン強度による
複合体粒子への影響 0.1%(w/v)化合物Aの溶液と0.2%(w/
v)デキストラン硫酸溶液を等量(4ml)混合し、1
分間超音波処理し、試料溶液とした。なお、溶媒として
10mMリン酸緩衝液、50mMリン酸緩衝液の2種類
を用い、緩衝液のpHを4.0、7.0および9.0に
調整し、6種類の試料溶液を調製した。
【0065】複合体粒子の粒子径、ゼータ電位および化
合物Aのデキストラン硫酸への結合量を測定した。粒子
径については準弾性光散乱法により測定し、化合物Aの
結合量は、限外ろ過により、複合体粒子を形成していな
い化合物Aを分離し、UV法にて定量した。
【0066】その結果(図2〜5参照)、pHが低い
と、複合体粒子の粒子径は小さく、化合物Aの結合量は
多くなることがわかった。一方、pHが高くなると、化
合物Aの結合量が少なくなり、複合体粒子の粒子径は大
きくなることがわかった。また、イオン強度が高いと化
合物Aの結合量が少なくなり、複合体粒子の粒子径は大
きくなることがわかった。
【0067】[実施例3]複合体粒子からの塩基性薬物
の放出 0.1%(w/v)化合物Aの溶液と0.2%(w/
v)デキストラン硫酸溶液を等量(4ml)混合し、1
分間超音波処理し、試料溶液とした。なお、溶媒として
10mMリン酸緩衝液、50mMリン酸緩衝液の2種類
を用い、リン酸緩衝液のpHを4.0および7.0に調
整し、4種類の試料溶液を調製した。
【0068】これら試料溶液各5mlを各々透析チュー
ブに密封し、遮光撹拌下、試料溶液の調製に用いたリン
酸緩衝液を外溶液として透析を行った。経時的に外溶液
を1ml採取し、複合体粒子からの化合物Aの放出量を
実施例2と同様にUV法により測定した。
【0069】その結果(図6および図7参照)、10m
Mリン酸緩衝液(pH7.0)を用いて調製した試料溶
液では、複合体粒子から化合物Aは経時的に放出され
た。一方、10mMリン酸緩衝液(pH4.0)を用い
て調製した試料溶液では、複合体粒子から化合物Aは放
出されなかった。そこで、試料溶液を調製してから20
時間経過後、外溶液を10mMリン酸緩衝液(pH7.
0)に代えると、化合物Aは経時的に放出された。ま
た、50mMリン酸緩衝液を用いて調製した試料溶液で
は、pH4.0およびpH7.0のどちらにおいても、
複合体粒子から化合物Aは経時的に放出されたが、pH
4.0のものに比べて、pH7.0のリン酸緩衝液の方
が放出され易かった。したがって、溶媒のpHが低く、
イオン強度が低い程、複合体からの化合物Aの放出を抑
制することができることがわかった。
【0070】[実施例4]塩基性薬物と酸性多糖とで形
成される複合体粒子の吸収改善効果 溶媒として10mMリン酸緩衝液(pH6.0)を用
い、0.2%(w/v)の(2S)−2−[4−
[((3S)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニ
ル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナ
フチル)プロピオン酸(以下、化合物Bと略する。)溶
液と1.0%(w/v)デキストラン硫酸溶液を等量
(2ml)混合し、1分間超音波処理し、試料溶液(懸
濁液)とした(試料溶液中の化合物B濃度:1.0mg
/ml)。また、溶媒として生理食塩水を用いて、1.
0mg/mlの化合物B溶液を調製し、コントロール溶
液とした。
【0071】試料溶液0.5mlをSD系雄性ラット
(7週齢、投与1日前より絶食)に経口投与した。経時
的にエーテル麻酔下頸静脈より1ml採血し、ヘパリン
処理後、遠心分離により血漿を得た。得られた血漿中の
化合物Bの濃度をHPLC法により測定した。コントロ
ール溶液についても同様に経口投与し、血漿中の化合物
Bの濃度の測定を行った。
【0072】結果(図8参照)からわかるように、コン
トロール溶液に比べて、試料溶液のCmaxは増加し
た。また、試料溶液のTmaxも延長し、吸収性が改善
された。
【0073】
【発明の効果】実施例の結果から明らかなように、塩基
性薬物と酸性多糖で形成される複合体は、その性質およ
び形態から塩基性薬物の新たなDDSキャリヤーとして
有用である。また、本発明の複合体は塩基性薬物と酸性
多糖を溶媒中で混合することのみで製造することがで
き、また複雑な操作を行う必要がないので、工業的にも
有利である。さらには、製造時に有機溶媒を使用しない
ので、生体にとっても安全性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 塩基性薬物(化合物A)の濃度と複合体粒子
の粒子径との関係を示すグラフである。
【図2】 10mMリン酸緩衝液を溶媒として用いた際
の、pHと複合体粒子の粒子径との関係およびpHとゼ
ータ電位との関係を示すグラフである。
【図3】 10mMリン酸緩衝液を溶媒として用いた際
の、pHと塩基性薬物(化合物A)の複合体への結合量
との関係を示すグラフである。
【図4】 50mMリン酸緩衝液を溶媒として用いた際
の、pHと複合体粒子の粒子径との関係を示すグラフで
ある。
【図5】 50mMリン酸緩衝液を溶媒として用いた際
の、pHと塩基性薬物(化合物A)の複合体への結合量
との関係を示すグラフである。
【図6】 10mMリン酸緩衝液を溶媒として用いた際
の、pH、経過時間および複合体粒子からの塩基性薬物
(化合物A)の放出量との関係を示すグラフである。
【図7】 50mMリン酸緩衝液を溶媒として用いた際
の、pH、経過時間および複合体粒子からの塩基性薬物
(化合物A)の放出量との関係を示すグラフである。
【図8】 塩基性薬物(化合物B)と酸性多糖(デキス
トラン硫酸)で形成された複合体を含む懸濁液をラット
に経口投与したときの血中の塩基性化合物Bの濃度の推
移を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 31/155 A61K 9/14 K

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性薬物と酸性多糖を構成成分とする
    複合体。
  2. 【請求項2】 塩基性薬物が芳香族アミジン誘導体であ
    る請求項1に記載の複合体。
  3. 【請求項3】 塩基性薬物が下記一般式(1)で表わさ
    れる芳香族アミジン誘導体である請求項1または請求項
    2に記載の複合体。 一般式(1) 【化1】 〔式中、Rは水素原子または低級アルコキシル基を示
    し、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ
    ル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カル
    ボキシアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル
    基を示し、Rは水素原子、カルボキシル基、アルコキ
    シカルボニル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカ
    ルボニルアルキル基、カルボキシアルコキシル基または
    アルコキシカルボニルアルコキシル基を示し、Rは水
    素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ
    基、水酸基、低級アルキル基または低級アルコキシル基
    を示し、nは0〜4の数を示し、Aは1〜2個のヒドロ
    キシアルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニ
    ル基、カルボキシアルキル基もしくはアルコキシカルボ
    ニルアルキル基が置換していてもよい炭素数1〜4のア
    ルキレン基または式 【化2】 で表わされる基{式中、Bは低級アルキレン基またはカ
    ルボニル基を示し、Rは水素原子または式−D−W−
    で表わされる基(式中、Dは式 【化3】 で表わされる基(式中、Zは酸素原子または硫黄原子を
    示す。)、式 【化4】 で表わされる基またはスルホニル基を示し、Wは単結合
    または−NR−で表わされる基(式中、Rは水素原
    子、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニル基、モ
    ノ−もしくはジ−低級アルキルアミノカルボニル基、低
    級アルキルスルホニル基、モノ−もしくはジ−低級アル
    キルアミノチオカルボニル基、置換基を有していてもよ
    い低級アルキル基または置換基を有していてもよい低級
    アルカノイル基を示す。)を示し、Rは水酸基、低級
    アルコキシル基、置換基を有していてもよい低級アルキ
    ル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換
    基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)}を
    示し、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子またはカルボニ
    ル基を示し、Yは置換基を有していてもよい飽和もしく
    は不飽和の5〜6員の複素環式基もしくは環状炭化水素
    基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を
    有していてもよいアミノアルキル基を示し、 【化5】 で表わされる基は、インドリル、ベンゾフラニル、ベン
    ゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリ
    ル、ベンゾチアゾリル、ナフチル、テトラヒドロナフチ
    ルおよびインダニルより選ばれる基を示す〕。
  4. 【請求項4】 一般式(1)中、 【化6】 で示される基が、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリ
    ル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、
    ナフチルおよびテトラヒドロナフチルより選ばれる基で
    ある請求項3に記載の複合体。
  5. 【請求項5】 一般式(1)中、飽和または不飽和の5
    〜6員環の複素環式基が、ヘテロ原子として1〜2個の
    窒素原子または酸素原子を含む基である請求項3または
    請求項4に記載の複合体。
  6. 【請求項6】 一般式(1)中、飽和または不飽和の5
    〜6員環の複素環式基が、ピロリジニル基またはピペリ
    ジル基である請求項3〜5に記載の複合体。
  7. 【請求項7】 芳香族アミジン誘導体が、2−[4−
    [((3S)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニ
    ル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナ
    フチル)プロピオン酸、(+)−2−[4−[((3
    S)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキ
    シ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)
    プロピオン酸、(2S)−2−[4−[((3S)−1
    −アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フェ
    ニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオ
    ン酸、(2R)−2−[4−[((3R)−1−アセト
    イミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フェニル]−
    3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、2
    −[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)
    オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチ
    ル)プロピオン酸、(+)−2−[4−[(1−アセト
    イミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−3
    −(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、2−
    [4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オ
    キシ]フェニル]−3−(5−アミジノベンゾ[b]チ
    エン−2−イル)プロピオン酸、2−[4−[((2
    S)−1−アセトイミドイル−2−ピロリジニル)メト
    キシ]フェニル]−3−(5−アミジノベンゾ[b]チ
    エン−2−イル)プロピオン酸、(+)−2−[4−
    [((2S)−1−アセトイミドイル−2−ピロリジニ
    ル)メトキシ]フェニル]−3−(5−アミジノベンゾ
    [b]チエン−2−イル)プロピオン酸、3−[4−
    [((3S)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニ
    ル)オキシ]フェニル]−4−(5−アミジノベンゾ
    [b]チエン−2−イル)酪酸、2−[4−[((3
    S)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキ
    シ]フェニル]−3−(6−アミジノ−1−エチル−2
    −インドリル)プロピオン酸、2−[4−[((3R)
    −1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]
    フェニル]−3−(6−アミジノ−1−エチル−2−イ
    ンドリル)プロピオン酸、2−[4−[(1−アセトイ
    ミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−3−
    (6−アミジノ−1−エチル−2−インドリル)プロピ
    オン酸、N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピ
    ペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ
    −2−ナフチル)メチル]−N’−メチルスルファミ
    ド、エチル N−[N−4−[(1−アセトイミドイル
    −4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−
    アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]カ
    ルバメート、4−[N−4−[(1−アセトイミドイル
    −4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−
    アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]ベ
    ンゾイックアシッド、N−[4−[(1−アセトイミド
    イル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−
    [(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモ
    イルアセティックアシッド、エチル N−[N−[4−
    [(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]
    フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メ
    チル]スルファモイル]グリシネート、N−[N−4−
    [(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]
    フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メ
    チル]スルファモイル]−N−エトキシカルボニルグリ
    シン、およびN−[N−4−[(1−アセトイミドイル
    −4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−
    アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]グ
    リシンからなる群より選ばれる1種または2種以上のも
    のである請求項3〜6のいずれか1項に記載の複合体。
  8. 【請求項8】 芳香族アミジン誘導体が、(2S)−2
    −[4−[((3S)−1−アセトイミドイル−3−ピ
    ロリジニル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ
    −2−ナフチル)プロピオン酸 塩酸塩 5水和物、
    (+)−2−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピ
    ペリジル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−
    2−ナフチル)プロピオン酸 2塩酸塩、(+)−2−
    [4−[((2S)−1−アセトイミドイル−2−ピロ
    リジニル)メトキシ]フェニル]−3−(5−アミジノ
    ベンゾ[b]チエン−2−イル)プロピオン酸 2塩酸
    塩、エチル N−[N−[4−[(1−アセトイミドイ
    ル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7
    −アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]
    グリシネート 2塩酸塩、およびN−[N−4−[(1
    −アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニ
    ル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]
    スルファモイル]グリシン2塩酸塩からなる群より1種
    または2種以上のもの選ばれるものである請求項3〜7
    のいずれか1項に記載の複合体。
  9. 【請求項9】 (2S)−2−[4−[((3S)−1
    −アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フェ
    ニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオ
    ン酸 塩酸塩 5水和物と酸性多糖を構成成分とする複
    合体。
  10. 【請求項10】 酸性多糖がヒアルロン酸、α−ヘパリ
    ン、ω−ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヘパリチン硫酸、コ
    ンドロイチン、コンドロイチン硫酸A、コンドロイチン
    硫酸B、コンドロイチン硫酸C、コンドロイチン硫酸
    D、コンドロイチン硫酸E、コンドロイチン硫酸F、コ
    ンドロイチン硫酸H、ケラタン硫酸、ケラタンポリ硫
    酸、リマコイチン硫酸、サクシニアン硫酸、ロレンザン
    硫酸、ホラチン硫酸、リボフラナン硫酸、キシロフラナ
    ン硫酸、デキストラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、レン
    チナン硫酸およびカードラン硫酸からなる群より選ばれ
    る1種または2種以上のものである請求項1〜9のいず
    れか1項に記載の複合体。
  11. 【請求項11】 酸性多糖がデキストラン硫酸である請
    求項1〜10のいずれか1項に記載の複合体。
  12. 【請求項12】 (2S)−2−[4−[((3S)−
    1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フ
    ェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピ
    オン酸 塩酸塩 5水和物とデキストラン硫酸を構成成
    分とする複合体。
  13. 【請求項13】 粒状物である請求項1〜12のいずれ
    か1項に記載の複合体。
  14. 【請求項14】 球状の粒状物である請求項1〜13の
    いずれか1項に記載の複合体。
  15. 【請求項15】 ドラッグ・デリバリー・システム用の
    複合体である請求項1〜14のいずれか1項に記載の複
    合体。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項に記載
    の複合体を含有する懸濁液。
  17. 【請求項17】 溶媒のpHが酸性である請求項16に
    記載の懸濁液。
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