JPH1178514A - パワーウインド装置の挟み込み検知方法 - Google Patents

パワーウインド装置の挟み込み検知方法

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JPH1178514A
JPH1178514A JP9236099A JP23609997A JPH1178514A JP H1178514 A JPH1178514 A JP H1178514A JP 9236099 A JP9236099 A JP 9236099A JP 23609997 A JP23609997 A JP 23609997A JP H1178514 A JPH1178514 A JP H1178514A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルス発生器5の構成を複雑にせずにエッジ
間隔データの分解能を向上させるようにしたパワーウイ
ンド装置の挟み込み検知方法を提供する。 【解決手段】 ウインド移動(開閉)モーター4、モー
ター駆動部3、2相パルスを発生するパルス発生部5、
MCU2、手動操作スイッチ1を備え、MCU2は、ウ
インドの開閉時に、ウインドに加わる負荷荷重を表すパ
ラメータ値を検出し、パラメータ値と予設定基準中央値
とを比較し、パラメータ値が基準中央値から相当量外れ
たときに挟み込みがあったものと判断するパワーウイン
ド装置の挟み込み検知方法であって、2相パルスは周期
が1/4ずれた第1及び第2方形波パルスからなり、第
1または第2方形波パルスのパルスエッジとその直後の
第2または第1方形波パルスのパルスエッジとの時間間
隔をエッジ間隔データとして求め、このエッジ間隔デー
タに基づいてパラメータ値の検出を行っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーウインド装
置の挟み込み検知方法に係わり、特に、ウインドの開閉
中に何等かの物体が挟み込まれたことの検知を正確に行
うことが可能なパワーウインド装置の挟み込み検知方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーウインド装置における挟み
込みの検知を行う場合、ウインドを移動(開閉)するモ
ーターにパルス発生器を結合し、モーターの回転に伴っ
てパルス発生器から1相方形波パルスまたは2相方形波
パルスを発生させ、この1相方形波パルスまたは2相方
形波パルスを用いて、ウインドの挟み込みの検知を行う
方法が知られている。
【0003】この場合、既知のパワーウインド装置の挟
み込みの検知方法の中の1相方形波パルスを用いるもの
(以下、これを既知の1相パルス検知方法という)は、
1相方形波パルスの立上り(または立下り)と立下り
(または立上り)との時間間隔をエッジ間隔データとし
て検出し、そのエッジ間隔データをウインドの挟み込み
の検知に用いているものであり、また、既知のパワーウ
インド装置の挟み込みの検知方法の中の2相方形波パル
スを用いるもの(以下、これを既知の2相パルス検知方
法という)は、一方の方形波パルスの立上り(または立
下り)と立下り(または立上り)との時間間隔をエッジ
間隔データとして検出し、そのエッジ間隔データをウイ
ンドの挟み込みの検知に用い、他方の方形波パルスをモ
ーターの回転方向の検出に用いているものである。
【0004】ところで、既知の1相パルス検知方法に用
いられるパルス発生器は、モーターの回転軸に装着さ
れ、相対する端縁部分にN極及びS極を着磁した回転体
と、その回転体の端縁部分の近傍に固定配置された1個
のホール素子とからなる構成のもので、モーター軸とと
もに回転体が回転したとき、ホール素子が回転体のN極
着磁部分及びS極着磁部分を感知し、ホール素子からモ
ーターの1回転毎に1つの立上りと1つの立下りを持っ
た1相方形波パルスを発生させる。そして、この1相方
形波パルスは、その立上り(または立下り)と立下り
(または立上り)との時間間隔がエッジ間隔データとし
て利用され、その結果、エッジ間隔データの分解能はモ
ーター1/2回転相当のものになる。
【0005】また、既知の2相パルス検知方法に用いら
れるパルス発生器は、モーターの回転軸に装着され、相
対する端縁部分にN極及びS極を着磁した2つの回転体
と、2つの回転体の端縁部分の近傍に対応して固定配置
された2個のホール素子とからなる構成のもので、モー
ター軸とともに2つの回転体が回転したとき、2つのホ
ール素子が対応する回転体のN極着磁部分及びS極着磁
部分を感知し、2つのホール素子からモーターの1回転
毎にそれぞれ1つの立上りと1つの立下りを持った2つ
の1相方形波パルス(全体として2相方形波パルスにな
る)を発生させる。そして、この2相方形波パルスは、
一方の1相方形波パルスについてだけ、その立上り(ま
たは立下り)と立下り(または立上り)との時間間隔が
エッジ間隔データとして利用され、その結果、1相パル
ス検知方法に用いられるパルス発生器と同様に、エッジ
間隔データの分解能はモーター1/2回転相当のものに
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記既知の1相パルス
検知方法及び2相パルス検知方法は、いずれも、エッジ
間隔データの分解能がモーター1/2回転相当のもので
あって、エッジ間隔データの分解能をこれ以上の向上さ
せることができないという問題がある。
【0007】もっとも、前記既知の1相パルス検知方法
及び2相パルス検知方法に用いるパルス発生器の構成を
変更し、回転体の近傍に固定配置するホール素子の数を
増やしたり、回転体のN極着磁部分及びS極着磁部分を
増やしたりすれば、理論上、モーターが1回転する毎に
ホール素子から多くの立上り及び立下りを持った方形波
パルスを発生することができ、その結果として、エッジ
間隔データの分解能をモーター1/2回転相当のものよ
り向上させることができる。
【0008】ところが、この種のパルス発生器において
は、ホール素子の数や回転体のN極着磁部分及びS極着
磁部分を増やした場合、パルス発生器の構成が複雑にな
ることが避けられず、その分、パワーウインド装置自体
の構成も複雑になって、製造コストが上昇するという問
題があり、また、ホール素子の数や回転体のN極着磁部
分及びS極着磁部分を増やした場合、ホール素子の配置
間隔やN極着磁部分及びS極着磁部分の配置間隔を正確
に設定しないと、正確なエッジ間隔データを得るができ
なくなるという問題があり、ホール素子の配置間隔やN
極着磁部分及びS極着磁部分の配置間隔を正確に設定す
ることは技術的にかなり難しいという問題もある。
【0009】本発明は、これらの問題点を解決するもの
で、その主たる目的は、パルス発生器の構成を複雑にせ
ずにエッジ間隔データの分解能を向上させるようにした
パワーウインド装置の挟み込み検知方法を提供すること
にある。
【0010】また、本発明の他の目的は、ホール素子の
配置間隔のずれに基づくエッジ間隔データの不正確さを
除いて、常時、正確なエッジ間隔データを得ることが可
能なパワーウインド装置の挟み込み検知方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記主たる目的を達成す
るために、本発明によるパワーウインド装置の挟み込み
検知方法は、ウインド移動(開閉)モーター、モーター
駆動部、2相パルスを発生するパルス発生部、マイクロ
制御ユニット(MCU、以下、これをMCUという)、
ウインド操作スイッチを用い、ウインドの開閉時に、M
CUは、ウインドに加わる負荷荷重を表すパラメータ値
の検出、このパラメータ値と予設定基準中央値との比較
を行い、パラメータ値が基準中央値から相当量外れたと
きに挟み込みがあったとの判断をするもので、2相パル
スとして周期が1/4ずれた第1及び第2方形波パルス
を用い、第1または第2方形波パルスのパルスエッジと
その直後の第2または第1方形波パルスのパルスエッジ
との時間間隔をエッジ間隔データとして求め、このエッ
ジ間隔データに基づいてパラメータ値の検出を行う第1
の手段を具備する。
【0012】前記主たる目的及び他の目的を達成するた
めに、本発明によるパワーウインド装置の挟み込み検知
方法は、前記第1の手段に加え、パラメータ値の検出
を、最新に検出したエッジ間隔データとその直前に検出
したエッジ間隔データとの平均値を求めて得た平均化エ
ッジ間隔データに基づいて行う第2の手段を具備する。
【0013】前記第1の手段によれば、パルス発生器
は、周期が1/4ずれた第1及び第2方形波パルスを発
生し、MCUは、第1または第2方形波パルスのパルス
エッジとその直後の第2または第1方形波パルスのパル
スエッジとの時間間隔をエッジ間隔データとし、このエ
ッジ間隔データからウインドに加わる負荷荷重を表すパ
ラメータ値の検出を行っているので、パルス発生器の構
成を複雑にすることなく、エッジ間隔データの分解能を
モーターの1/4回転相当のものに向上させることがで
きる。
【0014】また、前記第2の手段によれば、前記第1
の手段と同様に、パルス発生器の構成を複雑にすること
なく、エッジ間隔データの分解能をモーターの1/4回
転相当のものに向上させることが可能になるとともに、
パラメータ値の検出を、最新に検出したエッジ間隔デー
タとその直前に検出したエッジ間隔データとの平均値を
求めて得た平均化エッジ間隔データに基づいて行うの
で、2つのホール素子の配置間隔が規定の位置から若干
ずれていても、最新に検出したエッジ間隔データとその
直前に検出した直線がエッジ間隔データとの平均化によ
って2つのホール素子の位置ずれの影響が実質的に相殺
され、常時、正確なエッジ間隔データを得ることが可能
になる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の1つの実施の形態におい
て、パワーウインド装置の挟み込み検知方法は、駆動時
にウインド駆動機構を介してウインドを開閉するモータ
ーと、モーターを駆動するモーター駆動部と、モーター
の回転に対応した2相パルスを発生するパルス発生部
と、全体的な制御駆動処理を行うMCUと、ウインドの
開閉を手動操作する操作スイッチとを備え、MCUは、
モーター駆動部を介してウインドを開閉する際、ウイン
ドに加わる負荷荷重を表すパラメータ値を検出し、この
パラメータ値と予設定された基準中央値とを比較し、パ
ラメータ値が基準中央値から相当量外れたときに挟み込
みがあったものと判断し、モーター駆動部を介してモー
ターを駆動停止または逆転駆動させるものであって、2
相パルスは周期が1/4ずれた第1及び第2方形波パル
スからなり、第1または第2方形波パルスのパルスエッ
ジとその直後の第2または第1方形波パルスのパルスエ
ッジとの時間間隔をエッジ間隔データとして求め、この
エッジ間隔データに基づいてパラメータ値の検出を行う
ものである。
【0016】また、本発明の他の実施の形態において、
パワーウインド装置の挟み込み検知方法は、前記1つの
実施の形態に加え、パラメータ値の検出を、最新に検出
したエッジ間隔データとその直前に検出したエッジ間隔
データとの平均値を求めて得た平均化エッジ間隔データ
に基づいて行うものである。
【0017】本発明の1つの実施の形態によれば、モー
ターの回転に対応した2相パルスを発生するパルス発生
器は、2相パルスとして周期が1/4ずれた第1及び第
2方形波パルスを発生するものであり、ウインドの挟み
込みの検知を行っているMCUは、パルス発生器が発生
した第1または第2方形波パルスのパルスエッジとその
直後の第2または第1方形波パルスのパルスエッジとの
時間間隔をエッジ間隔データとして求め、求めたエッジ
間隔データからウインドに加わる負荷荷重を表すパラメ
ータ値の検出を行い、ウインドの挟み込みの可否の判断
を行っているので、パルス発生器の構成を何等複雑にす
ることなく、エッジ間隔データの分解能をモーターの1
/4回転相当のものまで向上させることが可能になる。
【0018】また、本発明の他の実施の形態によれば、
前記本発明の1つの実施の形態と同様に、パルス発生器
の構成を複雑にすることなく、エッジ間隔データの分解
能をモーターの1/4回転相当のものまで向上させるこ
とが可能になるとともに、ウインドに加わる負荷荷重を
表すパラメータ値の検出を、最新に検出したエッジ間隔
データとその直前に検出したエッジ間隔データとの平均
値を求めて得た平均化エッジ間隔データに基づいて行っ
ているので、2つのホール素子がモーター軸に対して正
確に90°をなす状態で固定配置されていない場合であ
っても、最新に検出したエッジ間隔データとその直前に
検出したエッジ間隔データとの平均化によって2つのホ
ール素子の位置ずれの影響が実質的に相殺されるように
なり、常時、正確なエッジ間隔データを得ることが可能
になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0020】図1は、本発明によるパワーウインド装置
の挟み込み検知方法の第1実施例が実施されるパワーウ
インド装置を示すブロック構成図である。
【0021】図1に示されるように、パワーウインド装
置は、スイッチ装置1と、マイクロ制御ユニット(MC
U)2と、モーター駆動部3と、モーター4と、パルス
発生器5と、プルアップ抵抗6と、分圧抵抗器7と、パ
ルス伝送路8とを備える。
【0022】また、図2(a)は、図1に図示のパワー
ウインド装置に用いられるパルス発生器のパルス発生原
理構造図であり、図2(b)は、モーターの駆動時に、
パルス発生器から発生される2相方形波パルスを示す波
形図である。
【0023】図2(a)に示されるように、パルス発生
器5は、回転体51 と、ホール素子52 、53 とを備え
ている。
【0024】そして、スイッチ装置1は、個別に操作さ
れる3個のスイッチ11 、12 、13 を具備する。これ
らのスイッチ11 乃至13 の中で、スイッチ11 は、ウ
インドの上昇(閉)動作を指令するものであり、スイッ
チ12 は、ウインドの下降(開)動作を指令するための
ものであって、スイッチ11 、12 を操作しているとき
だけ、ウインドが指定された方向に移動し、スイッチ1
1 、12 の操作を停止すると、ウインドの移動も停止す
る。スイッチ13 は、動作の自動継続を指令するもので
あって、スイッチ13 とスイッチ11 とを同時操作する
と、前述のようにウインドが上昇(閉)動作を始める
が、その後、スイッチ13 とスイッチ11の操作を停止
しても、ウインドの上昇(閉)動作が継続され、ウイン
ドが窓枠の最上部に達したときに停止する。また、スイ
ッチ13 とスイッチ12 とを同時操作すると、やはり前
述のようにウインドが下降(開)動作を始めるが、その
後、スイッチ13 とスイッチ12 の操作を停止しても、
ウインドの下降(開)動作が継続され、ウインドが窓枠
の最下部に達したときに停止する。
【0025】MCU2は、制御・演算部9と、メモリ1
0と、モーター駆動電圧検出部11と、パルスエッジカ
ウンタ12と、タイマー13とを具備する。これらの構
成要素の中で、制御・演算部9は、スイッチ装置1の操
作状態に対応した制御信号を発生し、この制御信号をモ
ーター駆動部3を介してモーター4に供給し、モーター
4を回転駆動させ、同時に、モーター駆動電圧検出部1
1やパルスエッジカウンタ12から供給されるデータや
メモリ10に記憶されている記憶データに基づいて、所
定のデータ処理やデータ演算等を行い、モーター駆動部
3を介してモーター4の回転状態を制御する。メモリ1
0は、基準中央値記憶エリア101 、基準許容値記憶エ
リア102 、トルクデータ加算値記憶エリア103 、起
動キャンセル記憶エリア14 、分割移動領域内トルクデ
ータ数記憶エリア105 、総トルクデータ数記憶エリア
106 からなる6つの記憶エリアと、第1タイムテーブ
ル107 、第2タイムテーブル108 からなる2つのタ
イムテーブルを具備する。なお、これら6つの記憶エリ
ア101 乃至106 及びこれら2つのタイムテーブル1
7 乃至108 への記憶内容については後述する。モー
ター駆動電圧検出部11は、分圧抵抗器7の分圧点に得
られる車載電源(バッテリー)電圧を表す分圧電圧の検
出を行う。パルスエッジウンタ12は、パルス発生器5
から供給された2相方形波パルスのパルスエッジの検出
を行う。
【0026】モーター駆動部3は、制御信号反転用の2
つのインバータ31 、32 と、モーターの回転を正転、
逆転、停止のいずれかに切替設定する2つのリレー
3 、34 と、火花発生防止用の2個のダイオード
5 、36 とを具備し、MCU2から供給される制御信
号の状態に応じたモーター4の回転駆動を行う。
【0027】モーター4は、回転軸が図示されていない
ウインド駆動機構を介して自動車のウインドに結合され
ており、モーターの回転時、例えば、正方向回転時にウ
インドを閉じ、逆方向回転時にウインドを開く。
【0028】パルス発生器5は、モーター4に直接装着
されているもので、図2(a)に示されるように、モー
ター4の回転軸に取り付けられ、対向円周部分にS極及
びN極が着磁された回転体51 と、この回転体51 の円
周部分の近くに、モーター4の回転時に互いに90°位
相を異にする2相パルスを発生するように配置されたホ
ール素子52 、53 とを具備している。そして、モータ
ー4が回転すると、その回転によって回転体51 も同時
回転し、図2(b)に示されるように、2個のホール素
子52 、53 が回転体51 の着磁部分を検出し、2個の
ホール素子52、53 からそれぞれモーター4の1回転
時に1周期となる、互いに1/4周期ずれた2相方形波
パルスが出力される。
【0029】プルアップ抵抗6は、スイッチ装置1の出
力及びMCU2の入力と、5V電源との間に接続された
3個の並列結合抵抗からなるもので、3個のスイッチ1
1 、12 、13 の非操作時にMCU2の入力に電源電圧
(5V)を供給する。
【0030】分圧抵抗器7は、車載電源(バッテリー)
と接地間に直列接続された2個の抵抗からなり、これら
の抵抗の接続点がMCU2のモーター駆動電圧検出部1
1に接続される。
【0031】パルス伝送路8は、パルス発生器5の出力
と5V電源との間に接続された2個のプルアップ抵抗
と、同出力と接地間に接続されたコンデンサと、同期出
力とMCU2のパルスエッジカウンタ12の入力との間
に接続された2個の直列抵抗とからなり、パルス発生器
5から出力された2相方形波パルスをパルスエッジカウ
ンタ12に伝送する。
【0032】モーター4が回転し、ウインドの開閉動作
が行われているとき、パルス発生器5で発生された2相
方形波パルスは、パルス伝送路8を介してMCU2に供
給される。このとき、パルスエッジカウンタ12は、2
相方形波パルスのそれぞれのパルスエッジ(立上り及び
立下り)を検出し、パルスエッジが到来する度にエッジ
検出信号を制御・演算部9に供給する。制御・演算部9
は、エッジ検出信号の供給タイミングをタイマー13で
カウントし、1つのエッジ検出信号とそれに続く1つの
エッジ検出信号との到来時間間隔(以降、これをエッジ
間隔データという)を測定する。なお、このエッジ間隔
データは、モーター4が1/4回転する度に1つ得られ
るものである。
【0033】ところで、図1に図示のパワーウインド装
置においては、ウインドへの挟み込みの有無を検知する
ため、その検出パラメータとしてモーター負荷トルク値
を用いており、基準中央値や基準許容値もモーター負荷
トルクによって設定されている。また、図1に図示のパ
ワーウインド装置は、ウインドの全移動領域(全開位置
と全閉位置との間の移動領域)を、エッジ間隔データの
到来毎にカウントされるカウント数に基づいて複数に分
割した分割移動領域が設定されており、各分割移動領域
に対して、予設定したモーター負荷トルクの基準中央値
及び基準許容値が設定されている。
【0034】図3は、図1に図示のパワーウインド装置
におけるウインドの全移動領域を36の分割移動領域に
分割した場合の、各分割移動領域にそれぞれ設定された
モーター負荷トルクの基準中央値及び基準許容値の一例
を示す特性図であり、また、図4は、図3に示された3
6の分割移動領域中の1つの分割移動領域において、3
2のエッジ間隔データが到来する状態の一例を示す特性
図である。
【0035】図3において、縦軸はモーター負荷トルク
を示し、横軸はウインドが全開位置から全閉位置に向か
って移動したとき、エッジ間隔データの到来毎にカウン
トしたカウント数を示す。そして、下側の階段状特性
(S)はモーター負荷トルクの基準中央値、上側の階段
状特性(A)はモーター負荷トルクの基準許容値(正確
には、基準中央値+基準許容値であるが、以下、基準許
容値として説明する)であり、実線(M)はウインドへ
の物体の挟み込みがない場合のモーター負荷トルクの経
緯曲線、一点鎖線(H)はウインドへの物体の挟み込み
があった場合のモーター負荷トルクの経緯曲線である。
また、図4において、縦軸はエッジ間隔データの値を示
し、横軸はウインドが開位置方向から閉位置方向に移動
したとき、エッジ間隔データの到来毎にカウントしたカ
ウント数を示し、所々にノイズが加わった場合の例を示
している。
【0036】ここで、図3に示されたモーター負荷トル
クの基準中央値は、ウインドへの実質的な挟み込みがな
いときのウインドの移動に必要とされるモーター負荷ト
ルク値であって、実際には、ウインドの重量や、ウイン
ド及びサッシ間の機械的な摩擦力等がモーター負荷トル
クとして計測されるもので、挟み込みがないときに既に
計測されたトルク値に基づいて決定され、ウインドが移
動する度ごとに、それまでの基準中央値が新たな基準中
央値に更新される、いわゆる学習されるものである。ま
た、モーター負荷トルクは、後述するように、エッジ間
隔データやモーター駆動電圧から算出されるものである
が、エッジ間隔データは、モーター4が1/4回転する
度に1つ得られ、ウインドが全開位置から全閉位置まで
の範囲を移動した際、即ち、36の分割移動領域を移動
した際に、それぞれの分割移動領域で32のエッジ間隔
データが得られることから、全体で約1200のエッジ
間隔データが得られることになる。
【0037】また、図3に示されたモーター負荷トルク
の基準許容値は、分割移動領域の存在位置に係りなく、
一定値であって、一般には、規格等により決められてい
る、ウインドに挟み込みが生じた時の挟み込み物体に印
加可能な最大許容力をモータートルクに換算した値か、
その値に何等かの補正を加えた値が用いられる。
【0038】次に、図5及び図6は、図1に図示のパワ
ーウインド装置を用いて、ウインドの挟み込み検知を行
う際の概略の動作経緯を示すフローチャートである。
【0039】図5及び図6に図示のフローチャートを用
いて、図1に図示のパワーウインド装置の動作経緯につ
いて説明する。
【0040】まず、図5及び図6に図示のフローチャー
トの動作の説明するのに先立って、パワーウインド装置
においては、次のような動作が実行される。
【0041】即ち、スイッチ装置1の中の1つのスイッ
チ、例えばスイッチ11 を操作すると、スイッチ11
接続されたMCU2の入力が5V電位から接地電位に変
化する。MPU2の制御・演算部9は、入力された接地
電位に応答してモーター制御部3にモーター4を正方向
回転する制御信号を供給し、モーター制御部3は、制御
信号に応答して2つのリレー33 、34 を切替え、モー
ター4を正方向回転する。モーター4が正方向回転する
と、モーター4に連結されたウインド駆動機構を介して
ウインドが閉じる方向に移動する。また、モーター4の
回転により、モーター4に取り付けられたパルス発生器
5が2相方形波パルスを発生し、発生した2相方形波パ
ルスがパルス伝送路8を介してMCU2のパルスエッジ
カウンタ12に供給される。
【0042】ここで、スイッチ11 の操作を停止する
と、スイッチ11 に接続されたMCU2の入力が接地電
位から5V電位に変化する。MPU2の制御・演算部9
は、入力した5V電位に応答してモーター制御部3にモ
ーター4の回転を停止する制御信号を供給し、モーター
制御部3は、この制御信号に応答して2つのリレー
3、34 を切替え、モーター4への電源の供給を止
め、モーター4の回転を停止させる。モーター4の回転
が停止すると、モーター4に連結されたウインド駆動機
構の動作が停止し、ウインドが現在の位置で停止する。
また、モーター4の回転が停止すると、モーター4に取
り付けられたパルス発生器5の2相方形波パルスの発生
も停止し、MCU2のパルスエッジカウンタ12に2相
方形波パルスが供給されなくなる。
【0043】次に、スイッチ装置1の中の他のスイッ
チ、例えばスイッチ12 を操作すると、前述の場合と同
様に、スイッチ12 に接続されたMCU2の入力が接地
電位に変化する。MPU2の制御・演算部9は、入力さ
れた接地電位に応答してモーター制御部3にモーター4
を逆方向回転する制御信号を供給し、モーター制御部3
は、この制御信号に応答して2つのリレー33 、34
切替え、モーター4を逆方向に回転する。モーター4が
逆方向に回転すると、モーター4に連結された駆動機構
を介してウインドを開く方向に移動させる。この場合
も、モーター4が回転すると、モーター4に取り付けら
れたパルス発生器5が2相方形波パルスを発生し、発生
した2相方形波パルスがパルス伝送路8を介してMCU
2のパルスエッジカウンタ12に供給される。
【0044】その後、スイッチ12 の操作を停止した場
合、スイッチ11 とスイッチ13 とを同時操作した場
合、スイッチ12 とスイッチ13 とを同時操作した場合
の動作も、前述の各動作と同じ動作が行われるか、また
は、前述の各動作に準じた動作が行われる。
【0045】このような動作が行われるとき、始めに、
ステップS1において、MCU2の制御・演算部9は、
パルスエッジカウンタ12において、パルス発生器5か
ら供給された2相方形波パルスのパルスエッジを検出し
たか否かを判断する。そして、パルスエッジを検出した
と判断した(Y)ときは、次のステップS2に移行し、
一方、パルスエッジを未だ検出していないと判断した
(N)ときは、このステップS1を繰り返し実行する。
【0046】次に、ステップS2において、制御・演算
部9は、パルスエッジカウンタ12がパルスエッジの検
出を行った際に、タイマー13のカウントによって、前
回パルスエッジを検出した時点と今回パルスエッジを検
出した時点との時間間隔を表すエッジ間隔データを取得
する。
【0047】次いで、ステップS3において、制御・演
算部9は、取得したエッジ間隔データが規定時間(例え
ば、3.5msec)以上のものであるか否か、即ち、
正規のエッジ間隔データであるかまたはノイズであるか
を判断する。そして、エッジ間隔データが規定時間以上
のものであると判断した(Y)ときは、次のステップS
4に移行し、エッジ間隔データが規定時間に満たない、
即ち、ノイズであると判断した(N)ときは、最初のス
テップS1に戻り、ステップS1以降の動作が繰り返し
実行される。なお、この判断において、エッジ間隔デー
タにノイズが重畳加算されている場合は、正規のエッジ
間隔データであると判断している。
【0048】続く、ステップS4において、制御・演算
部9は、モーター駆動電圧検出部11において分圧抵抗
器7で検出した分圧電圧をモーター駆動電圧Eとして取
得する。
【0049】続いて、ステップS5において、制御・演
算部9は、取得したモーター駆動電圧Eとエッジ間隔デ
ータPwとを用いて演算を行い、モーター負荷トルクT
cを算出する。モーター負荷トルクTcの算出は、次式
(1)に基づいて算出する。即ち、
【0050】
【数1】
【0051】この場合、第1タイムテーブル107
は、式(1)の前半項{kt・(E/Rm)−Tm}、
即ち、モーター駆動電圧Eの依存項を示す計算結果がそ
れぞれのモーター駆動電圧Eの値に対応して記憶されて
おり、また、第2タイムテーブル108 には、式(1)
の後半項{(ke・kt)/(Rm・Pw)}、即ち、
エッジ間隔データPwの依存項を示す計算結果がそれぞ
れのエッジ間隔データPwの値に対応して記憶されてい
るもので、制御・演算部9は、モーター負荷トルクTc
を算出する際に、その時点に計測したモーター駆動電圧
E及びエッジ間隔データPwから、それらの値に対応し
たモーター駆動電圧Eの依存項を示す計算結果を第1タ
イムテーブル107 から読み出し、エッジ間隔データP
wの依存項を示す計算結果を第2タイムテーブル108
から読み出し、読み出した計算結果を用いてモーター負
荷トルクTcの算出を行う。
【0052】次に、ステップS6において、制御・演算
部9は、モーター4の起動時の動作が終了したか否か、
即ち、起動時キャンセルが終了したか否かを判断する。
そして、起動時の動作が終了したと判断した(Y)とき
は、次のステップS7に移行し、一方、起動時の動作が
未だ終了していないと判断した(N)ときは、最初のス
テップS1に戻り、ステップS1以降の動作が繰り返し
実行される。
【0053】ここで、モーター4の起動時の動作が終了
したか否かを判断する理由は、モーター4の起動時に、
モーター4の内部トルクが極大の状態から定常状態に変
化する段階であることから、このとき計測されたモータ
ートルク値に基づいて挟み込みを判断してしまうと、大
きなモーター負荷トルク値の計測によって、ウインドに
挟み込みが生じたものとの誤判断を生じる結果になるた
めであり、また、この大きなモータートルク値を基準中
央値の更新のために用いると、新たな基準中央値が実態
に合わない誤った値に設定されることがあるためであ
る。
【0054】このため、モーター4の起動時の動作が終
了していないと判断した場合は、後述するように、基準
中央値を更新するためのモータートルク値の平均化処理
を行わない。この場合、モーター4の起動時の動作が終
了したか否かの判断は、最初のパルスエッジを検出して
から所定回数のパルスエッジを検出するまでの期間に基
づいて行われるもので、モーター4の起動時の動作が終
了していない場合、メモリ10の起動キャンセル記憶エ
リア104 にその旨が記憶され、記憶回数が所定回数に
達した後はクリアされる手順とされている。
【0055】次いで、ステップS7において、制御・演
算部9は、ステップS5において算出したモーター負荷
トルクTcを基準中央値と比較する。この比較において
は、メモリ10における、全分割移動領域について予設
定された基準中央値を記憶している基準中央値記憶エリ
ア101 、分割移動領域に係わりなしに一定の基準値許
容差を記憶している基準許容値記憶エリア102 が用い
て行われる。
【0056】次いで、ステップS8において、制御・演
算部9は、現在計測中の分割移動領域で算出されたモー
ター負荷トルクTcが、当該分割移動領域に予設定され
た基準中央値に基準許容値を加えた値(許容基準値)の
範囲内であるか否かを判断する。そして、モーター負荷
トルクTcが許容基準値の範囲内であると判断した
(Y)ときは、次のステップS9に移行し、一方、モー
ター負荷トルクTcが許容基準値の範囲内を超えている
と判断した(N)ときは、他のステップS17に移行す
る。
【0057】続く、ステップS9において、制御・演算
部9は、現在計測中の1つの分割移動領域において算出
した全てのモーター負荷トルクTcを加算し、トルクデ
ータ加算値記憶エリア103 に記憶する。
【0058】続いて、ステップS10において、制御・
演算部9は、現在計測中の1つの分割移動領域において
得られた全てのモーター負荷トルクTcの数をカウント
し、分割移動領域内トルクデータ数記憶エリア105
記憶する。
【0059】次に、ステップS11において、制御・演
算部9は、ウインドの全開位置から現在計測中の1つの
分割移動領域までに得られた全てのモーター負荷トルク
Tcの数をカウントし、総トルクデータ数記憶エリア1
6 に記憶する。
【0060】次いで、ステップS12において、制御・
演算部9は、総トルクデータ数記憶エリア106 に記憶
されている総トルクデータ数からウインドの現在の分割
移動領域の判断をする。
【0061】続く、ステップS13において、制御・演
算部9は、ステップS12の判断に基づいて、ウインド
の現在の分割移動領域が1つの分割移動領域から次の分
割移動領域に移動したか否かを判断する。そして、ウイ
ンドの分割移動領域が次の分割移動領域に移動したと判
断した(Y)ときは、次のステップS14に移行し、一
方、ウインドの分割移動領域が未だ次の分割移動領域に
移動していないと判断した(N)ときは、最初のステッ
プS1に戻り、ステップS1以降の動作が繰り返し実行
される。
【0062】続いて、ステップS14において、制御・
演算部9は、前記1つの分割移動領域で算出されたモー
ター負荷トルクTcの値から、この1つの分割移動領域
における新たな基準中央値を設定する。この新たな基準
中央値の設定は、この1つの分割移動領域で得られたそ
れぞれのエッジ間隔データに基づいて算出されたモータ
ー負荷トルクTcの値の平均値が用いられるもので、例
えば、図5に示されるように、1つのエッジ間隔データ
(パルスカウント数75)がノイズだけであった場合ス
テップS3でデータが不採用となり、このノイズはモー
ター負荷トルクTcの値の平均値の算出に用いられるこ
とがなく、また、1つのエッジ間隔データ(パルスカウ
ント数84)にノイズが重畳されて大きな値になってい
たとしても、その大きな値に基づいて算出されたモータ
ー負荷トルクTcの値と他の多くのモーター負荷トルク
Tcの値とが平均化されるので、ノイズが重畳した大き
なエッジ間隔データの値が存在しても、新たな基準中央
値が誤った値に導かれることはない。
【0063】次に、ステップS15において、制御・演
算部9は、ステップS14において新たに設定した基準
中央値を、メモリ10内の基準中央値記憶エリア101
にそれまでの基準中央値に代えて書き込む。
【0064】続く、ステップS16において、制御・演
算部9は、モーター負荷トルクTcの値の平均値を求め
るために用いたメモリ10内の平均化処理エリア、つま
りトルクデータ加算値記憶エリア103 及び分割移動領
域内トルクデータ数記憶エリア105 を初期化する。こ
の初期化が行われると、最初のステップS1に戻り、再
び、ステップS1以降の動作が繰り返し実行される。
【0065】このようなフローチャートにおける繰り返
しの動作は、スイッチ11 またはスイッチ12 等の操作
によってモーター4の駆動が停止され、ウインドの移動
が停止するまで行われるか、または、後述するステップ
S17において、ウインドの挟み込みが検知され、それ
によりモーター4の駆動が停止され、ウインドの移動が
停止するようなるかもしくはモーター4が反対方向へ回
転駆動され、ウインドの移動が逆方向になるようになる
まで行われる。
【0066】また、ステップS17において、制御・演
算部9は、モーター制御部3に制御信号を供給して、2
つのリレー33 、34 を切替え、モーター4の回転を停
止させてウインドの移動を停止させるか、または、モー
ター4の回転をそれまでの回転方向と逆の方向に回転さ
せてウインドの移動をそれまでの方向と逆の方向に移動
させ、ウインドに挟み込まれた物体を損傷から保護する
ように動作する。
【0067】なお、このフローチャートにおいて、ステ
ップS2乃至ステップS6は、エッジ間隔データの取得
を行うデータ取得の動作過程であり、ステップS7及び
ステップS8は、ウインドへの物体の挟み込みを判断す
る挟み込み判断の動作過程であり、ステップS9乃至ス
テップS16は、モーター負荷トルクの基準値中央値を
更新する基準値中央値更新の動作過程であり、ステップ
S17はモーターの駆動停止または駆動反転させるモー
ター駆動停止の動作過程である。
【0068】この場合、図1に図示のパワーウインド装
置において、図5及び図6に示されたフローチャートに
従った動作が実行され、その際にウインドが全開位置か
ら全閉位置まで移動し、その移動時にウインドの挟み込
みを生じなかった場合は、モーター負荷トルクとして図
4の実線(M)に示すような特性が得られるもので、全
分割移動領域においてモーター負荷トルクは、それぞれ
の分割移動領域に設定された基準中央値に基準許容値を
加えた値を超えることがない。
【0069】これに対して、ウインドが中間位置から全
閉位置方向に移動し、その移動時にウインドの挟み込み
を生じた場合は、モーター負荷トルクとして図4の一点
鎖線(H)に示すような特性が得られるもので、挟み込
みを生じた分割移動領域におけるモーター負荷トルク
は、その分割移動領域に設定された基準中央値に基準許
容値を加算した値を超えるようになる。
【0070】このように、第1実施例のパワーウインド
装置の挟み込み検知方法によれば、パルス発生器5から
周期が1/4ずれた第1及び第2方形波パルスを発生さ
せ、MCU2において、第1または第2方形波パルスの
パルスエッジとその直後の第2または第1方形波パルス
のパルスエッジとの時間間隔をエッジ間隔データPwと
して求め、このエッジ間隔データPwからウインドに加
わるモーター負荷トルクTcを表すパラメータ値の検出
を行うようにしているので、パルス発生器5の構成を何
等複雑にすることなしに、エッジ間隔データの分解能を
モーターの1/4回転相当のものに向上させることがで
きる。
【0071】また、第1実施例におけるパワーウインド
装置の挟み込み検知方法によれば、モーター負荷トルク
Tcを算出する場合、メモリ10の中の第1タイムテー
ブル107 に記憶されている、モーター負荷トルクTc
を表す式(1)におけるそれぞれのモーター駆動電圧E
の値に対応したモーター駆動電圧Eの依存項の計算結
果、及び、第2タイムテーブル108 に記憶されてい
る、同じ式(1)におけるそれぞれのエッジ間隔データ
Pwの値に対応したエッジ間隔データPwの依存項の計
算結果を用いて算出するようにしているので、エッジ間
隔データPw及びモーター駆動電圧Eが得られた時点時
点におけるモーター負荷トルクTcを算出を極めて高速
度で行うことができ、モーター負荷トルクTcの算出に
時間遅れが生じることはない。
【0072】これまでに説明した第1実施例は、パルス
発生器5に設けられた2つのホール素子52 、53 の位
置ずれの影響を考慮したものではないが、2つのホール
素子52 、53 をモーター軸に対して正確に90°をな
すように固定配置することは難しいことから、パルス発
生器5が発生する2相方形波パルスも正確に1/4周期
だけずれたものでなく、このような2相方形波パルスか
らエッジ間隔データPwを求める場合、常時、正確なエ
ッジ間隔データPwを求めることができないことにな
る。
【0073】ここで、図9は、2つのホール素子52
3 がモーター軸に対して正確に90°をなすように固
定配置されていないとき、パルス発生器5が発生する2
相方形波パルスの一例を示す波形図である。
【0074】図9に示されるように、2相方形波パルス
は、互いに1/4周期ずれた2つの方形波パルスからな
り、モーター4が1/4回転する毎に、いずれか一方の
方形波パルスの立上りまたは立下りが到来するものであ
るが、2つのホール素子52、53 をモーター軸に対し
て正確に90°をなすように固定配置することが難しい
ため、現実には、モーター4が1/4回転する度に得ら
れるエッジ間隔データPw、即ち、Pw1 、Pw2 、P
3 、Pw4 はそれぞれ異なった値になる。
【0075】そこで、本発明の第2実施例は、2つのホ
ール素子52 、53 を固定配置した際の位置ずれによっ
て、モーター4が1/4回転する異なるエッジ間隔デー
タPwが得られる場合においても、2つのホール素子5
2 、53 の位置ずれの影響を受けないエッジ間隔データ
Pwを得られるようにしたものである。
【0076】図7は、本発明によるパワーウインド装置
の挟み込み検知方法の第2実施例が実施されるパワーウ
インド装置を示すブロック構成図である。
【0077】図7において、図1に図示された構成要素
と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0078】そして、図7に図示の第2実施例に用いら
れるパワーウインド装置(以下、これを第2実施例装置
という)と、図1に図示の第1実施例に用いられるパワ
ーウインド装置(以下、これを第1実施例装置という)
との構成の違いは、MCU2のメモリ10の構成とし
て、図7に図示されるように、第2実施例装置がエッジ
間隔データ記憶エリア109 を具備しているのに対し、
第1実施例装置がこのようなエッジ間隔データ記憶エリ
ア109 を具備していない点だけであって、その他に、
第2実施例装置と第1実施例装置との間に構成の違いは
ない。このため、第2実施例装置の構成については、こ
れ以上の説明は省略する。
【0079】次に、図8は、図7に図示のパワーウイン
ド装置を用いて、ウインドの挟み込みの検知を行う際の
概略の動作経緯を示すフローチャートであって、第1実
施例装置と比べて、第2実施例装置に特有の動作が行わ
れる動作経緯部分だけを抽出して示したものである。
【0080】図8において、図5に示された各ステップ
と同じ動作が行われる各ステップについては同じ記号を
付けている。
【0081】まず、ステップS1からステップS3まで
の動作は、図5に図示のステップS1からステップS3
までの動作と同じである。
【0082】次に、ステップS3’において、制御・演
算部9は、最新に取得したエッジ間隔データをメモリ1
0内のエッジ間隔データ記憶エリア109 に記憶する。
この記憶によって、エッジ間隔データ記憶エリア109
は、それまで前前回に取得したエッジ間隔データと前回
に取得したエッジ間隔データとの記憶に代わって、前回
に取得したエッジ間隔データと最新に取得したエッジ間
隔データとが記憶される。
【0083】次いで、ステップS3”において、制御・
演算部9は、エッジ間隔データ記憶エリア109 に記憶
されている前回に取得したエッジ間隔データと最新に取
得したエッジ間隔データとを読み出し、それらの平均値
を求めて平均化エッジ間隔データPwmを取得する。
【0084】続く、ステップS4以降の動作は、図5及
び図6に図示のステップS4以降の動作と同じである
が、特に、第2実施例においては、ステップS5におい
てモーター負荷トルクTcを算出する際に、エッジ間隔
データPwの代りに、平均化エッジ間隔データPwmが
用いられる。
【0085】このように、パワーウインド装置の挟み込
み検知方法の第2実施例によれば、第1実施例で達成さ
れる、パルス発生器5の構成を複雑にすることなく、エ
ッジ間隔データPwの分解能をモーターの1/4回転相
当のものに向上させることを可能にするとともに、パラ
メータ値の検出を、最新に検出したエッジ間隔データP
wとその直前に検出したエッジ間隔データPwとの平均
値を求めて得た平均化エッジ間隔データPwmに基づい
て行うので、2つのホール素子52 、53 の配置間隔が
モーター軸に対して正確に90°をなすように固定配置
されていなくても、最新に検出したエッジ間隔データP
wとその直前に検出したエッジ間隔データPwとの平均
化によって2つのホール素子の位置ずれの影響が実質的
に相殺され、常時、正確なエッジ間隔データPwmを得
ることが可能になる。
【0086】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、パルス発生器から周期が1/4ずれた第1及び
第2方形波パルスを発生させ、MCUにおいて、第1ま
たは第2方形波パルスのパルスエッジとその直後の第2
または第1方形波パルスのパルスエッジとの時間間隔を
エッジ間隔データとして求め、このエッジ間隔データか
らウインドに加わる負荷荷重を表すパラメータ値の検出
を行うようにしているので、パルス発生器の構成を何等
複雑にすることなしに、エッジ間隔データの分解能をモ
ーターの1/4回転相当のものに向上させることができ
るという効果がある。
【0087】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1の発明で達成される効果、即ち、パルス発生器の
構成を複雑にすることなく、エッジ間隔データの分解能
をモーターの1/4回転相当のものに向上させることが
可能になるとの効果に加え、パラメータ値の検出を、最
新に検出したエッジ間隔データとその直前に検出したエ
ッジ間隔データとの平均値を求めて得た平均化エッジ間
隔データに基づいて行うので、2つのホール素子の配置
間隔がモーター軸に対して正確に90°をなすように固
定配置されていなくても、最新に検出したエッジ間隔デ
ータとその直前に検出したエッジ間隔データとの平均化
によって2つのホール素子の位置ずれの影響が実質的に
相殺され、常時、正確なエッジ間隔データを得ることが
可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパワーウインド装置の挟み込み検
知方法の第1実施例が実施されるパワーウインド装置を
示すブロック構成図である。
【図2】図1に図示のパワーウインド装置に用いられる
パルス発生器のパルス発生原理構造図及びパルス発生器
から発生される2相方形波パルスを示す波形図である。
【図3】図1に図示のパワーウインド装置におけるウイ
ンドの全移動領域を複数の分割移動領域に分割した場
合、各分割移動領域に設定されたモーター負荷トルクの
基準中央値及び基準許容値の一例を示す特性図である。
【図4】図3に示された複数の分割移動領域中の1つの
分割移動領域において、複数のエッジ間隔データが到来
する状態の一例を示す特性図である。
【図5】図1に図示のパワーウインド装置を用いて、ウ
インドの挟み込み検知を行う際の概略の動作経緯を示す
フローチャートの前半部である。
【図6】図1に図示のパワーウインド装置を用いて、ウ
インドの挟み込み検知を行う際の概略の動作経緯を示す
フローチャートの後半部である。
【図7】本発明によるパワーウインド装置の挟み込み検
知方法の第2実施例が実施されるパワーウインド装置を
示すブロック構成図である。
【図8】図7に図示のパワーウインド装置を用いてウイ
ンドの挟み込みの検知を行う際の概略の動作経緯を示す
フローチャートである。
【図9】2つのホール素子がモーター軸に対して正確に
90°をなすように固定配置されていないとき、パルス
発生器が発生する2相方形波パルスの一例を示す波形図
である。
【符号の説明】
1 スイッチ装置 11 、12 、13 スイッチ 2 マイクロ制御ユニット(MCU) 3 モーター駆動部 31 、32 インバータ 33 、34 リレー 35 、36 ダイオード 4 モーター 5 パルス発生器 51 回転体 52 、53 ホール素子 6 プルアップ抵抗 7 分圧抵抗器 8 パルス伝送路 9 制御・演算部 10 メモリ 101 基準中央値記憶エリア 102 基準許容値記憶エリア 103 トルクデータ加算値記憶エリア 104 起動キャンセル記憶エリア 105 分割移動領域内トルクデータ数記憶エリア 106 総トルクデータ数記憶エリア 107 第1タイムテーブル 108 第2タイムテーブル 109 駆動電圧依存基準許容値記憶エリア 11 モーター駆動電圧検出部 12 パルスエッジカウンタ 13 タイマー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動時にウインド駆動機構を介してウイ
    ンドを開閉するモーターと、前記モーターを駆動するモ
    ーター駆動部と、前記モーターの回転に対応した2相パ
    ルスを発生するパルス発生部と、全体的な制御駆動処理
    を行うマイクロ制御ユニットと、前記ウインドの開閉を
    手動操作する操作スイッチとを備え、前記マイクロ制御
    ユニットは、前記モーター駆動部を介して前記ウインド
    を開閉する際、前記ウインドに加わる負荷荷重を表すパ
    ラメータ値を検出し、このパラメータ値と予設定された
    基準中央値とを比較し、前記パラメータ値が前記基準中
    央値から相当量外れたときに挟み込みがあったものと判
    断し、前記モーター駆動部を介して前記モーターを駆動
    停止または逆転駆動させるパワーウインド装置の挟み込
    み検知方法であって、前記2相パルスは周期が1/4ず
    れた第1及び第2方形波パルスからなり、前記第1また
    は第2方形波パルスのパルスエッジとその直後の前記第
    2または第1方形波パルスのパルスエッジとの時間間隔
    をエッジ間隔データとして求め、このエッジ間隔データ
    に基づいて前記パラメータ値の検出を行うことを特徴と
    するパワーウインド装置の挟み込み検知方法。
  2. 【請求項2】 前記ウインドに加わる負荷荷重を表すパ
    ラメータ値は、最新に検出したエッジ間隔データとその
    直前に検出したエッジ間隔データとの平均値を求めて得
    た平均化エッジ間隔データに基づいて検出したものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のパワーウインド装
    置の挟み込み検知方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106703591A (zh) * 2017-03-29 2017-05-24 武汉佳特轿车零部件有限公司 电动尾门控制***

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