JPH1178209A - 画像形成材料 - Google Patents

画像形成材料

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JPH1178209A
JPH1178209A JP23623597A JP23623597A JPH1178209A JP H1178209 A JPH1178209 A JP H1178209A JP 23623597 A JP23623597 A JP 23623597A JP 23623597 A JP23623597 A JP 23623597A JP H1178209 A JPH1178209 A JP H1178209A
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dye
acid
compound
organic acid
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JP23623597A
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Kengo Ito
謙吾 伊東
Kanako Shimizu
加奈子 清水
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Kyowa Chemical Industry Co Ltd
Sony Corp
Original Assignee
Kyowa Chemical Industry Co Ltd
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、光沢性に優れ、また、高温高湿とい
った過酷な環境下においても高い染料定着性が得られる
画像形成材料を得る。 【解決手段】 印画シート等の画像形成材料の受容層
に、ハイドロタルサイト類化合物1またはその焼成体水
和物に所定の有機酸4を吸着させた染料定着性化合物を
含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料が定着される
受容層を有する画像形成材料に関し、特にインクジェッ
ト記録方式に用いて好適な画像形成材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ等で表示
される表示画像を、銀塩系写真と同じように、印画紙上
に記録することが行われるようになっている。このよう
な記録に用いられる記録方式としては、インクジェット
記録方式と称される画像形成方式が知られている。
【0003】インクジェット記録方式は、溶液状のイン
ク液を、電界や熱、圧力等を駆動源としてノズルより吐
出させ、印画紙の受容層に移行せしめるものである。
【0004】ここでインク液は染料と水、多価アルコー
ル等よりなり、前記染料としては水溶性の直接染料や酸
性染料が主として用いられる。
【0005】また、印画紙は、支持体上に染料を受容す
る受容層が形成されて構成される。受容層は、染料との
親和性に優れた水溶性高分子、有機填料もしくは無機填
料、その他の補助的物質よりなり、これらの成分は染料
浸透性や画像の滲みを制御する点から配合比が調整され
ている。
【0006】このようなインクジェット記録方式によっ
て得られる画像においては、最近、画質の進歩が著し
く、ドット密度の改善と受容層の光沢度の向上とが相俟
って高精細化し、視認距離では銀塩写真様の品位が得ら
れるようになっている。
【0007】ところで、インクジェット記録方式に用い
られる直接染料や酸性染料は、染料の染色理論によって
示されるように受容層へ移行した後は受容層の構成成分
とのファンデルワールス力や水素結合等の相互作用によ
って当該受容層中に保持される。
【0008】このため、受容層上に形成された画像は、
染料に対してより親和力の高い溶媒や樹脂等に接した場
合、あるいはこれらの相互作用を打ち消すだけの熱エネ
ルギーが供給された場合に染料の溶出や移行が誘発さ
れ、画像のボケが発生する等の不都合が生じる。つま
り、銀塩系写真のような完全な定着性を示さない状況に
ある。このことは、直接染料や酸性染料を用いる文具、
印刷等に用いられる一般的な印写材料についても同様で
ある。
【0009】これに対して、例えば特公昭62ー798
号公報、米国特許第4694302号、特開平1−22
5585号公報、特公昭63−11158号公報等で
は、化学結合の形成によって染料を受容層に保持させる
手法が提案されている。
【0010】これらの場合、反応性の染料と受容層中の
活性基とで共有結合を形成させる、または染料アニオン
と受容層中の有機高分子カチオンとでイオン結合を形成
させる、あるいは染料アニオンと受容層中の無機低分子
カチオンとでイオン結合を形成させることで染料を受容
層に保持させる。
【0011】しかしながら、化学結合を形成する染料や
受容層組成物は、反応性が非常に高いため、保存性が悪
い。また、染料と受容層組成物との反応が短時間で完了
せず安定な画像形成に長時間を要したり、反応のために
加熱等の補助手段を必要とするといった煩わしさがあ
る。しかも、染料の調製が難しく使用可能な色相が限ら
れたり、画像の透明性や光沢の確保が困難であるといっ
た欠点もある。さらに、化学結合を利用して形成された
画像は、耐水性は発現しても耐溶剤性や耐光性が不十分
である場合が多い。
【0012】このように、これまでインクジェット記録
方式には様々な定着方式が提案されているが、いずれも
問題がある。このため、証明写真や屋外展示印刷等の画
像耐久性が厳しく求められる分野での実用化が大きく妨
げられており、さらなる定着性、画像彩度、解像性の改
善が要求されている。
【0013】そこで、これらの要求に応えるものとし
て、特開平7−68925号公報に示されるようなイオ
ン交換作用に基づくインターカレーションを利用した染
料画像の定着方式が提案されている。この定着方式で
は、受容層組成物に予めイオンを吸着させておき、当該
受容層に染料を移行させたときに、イオンに代わって染
料を受容層組成物に吸着させることによって染料を保持
させる方式である。この方式によると彩度や解像性の高
い画像を形成することができ、また形成された画像は耐
水性にも優れている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このイ
ンターカレーションによる画像は、高温高湿といった過
酷な環境下では画像の滲みが発生し易く、特にこの滲み
は染色濃度の高い高濃度部で著しい。
【0015】そして、例えば熱帯気候、亜熱帯気候、も
しくは温帯であっても梅雨条件下の空気に直接接触する
状態にあっては、室温下においても長期保存中に画像が
滲み、画像品位を著しく損なうことになる。
【0016】しかも、このインターカレーションで用い
られる受容層は透明性や光沢性が十分に高いとは言え
ず、高品位な画像形成を行うためには、さらなる改善が
求められる。
【0017】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、透明性、光沢性に優れた
受容層を有するとともに、高温高湿といった過酷な環境
下においても高い染料定着性が得られる画像形成材料を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の画像形成材料は、化5または化6で表さ
れるハイドロタルサイト類化合物に有機酸を吸着させた
染料定着性化合物を含有する受容層を有してなり、上記
有機酸は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マ
レイン酸のいずれかであることを特徴とするものであ
る。
【0019】また、化5または化6で表されるハイドロ
タルサイト類化合物の焼成体に有機酸を吸着させ水和さ
せた染料定着性化合物を含有する受容層を有してなり、
上記有機酸は、アルケニル酸、フタル酸またはこれらの
誘導体であることを特徴とするものである。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】化5または化6で表されるハイドロタルサ
イト類化合物は層状構造を呈する結晶化合物である。こ
の結晶化合物は上記一般式で示されるxの範囲内では単
一の結晶相が得られ、またサブミクロンの微結晶粒子で
あること及びその屈折率が繁用の高分子材料または樹脂
類と近いことにより、受容層の材料として用いると透明
度の高い受容層が形成される。
【0023】また、この結晶化合物には所定の有機酸が
吸着され、この有機酸のイオンが結晶化合物の層間に保
持されたかたちになっており、これによって結晶化合物
の層間距離が広がる。このため、受容層に染料が与えら
れると、染料アニオンが速やかに結晶化合物の層間に移
行し、イオン結合によって層間に保持されている無機ア
ニオンと染料アニオンのイオン交換、場合によっては有
機酸イオンと染料アニオンのイオン交換、あるいは染料
と有機酸との電子的相互作用が起こり、染料が上記結晶
化合物の層に強く吸着する。その結果、例えば高温高湿
度といった過酷な環境下においても高濃度印画領域で画
像の滲みが防止され、定着性に優れた画像が形成され
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
【0025】本発明の画像形成材料は、染料定着性化合
物を含有する受容層を有してなり、この受容層に染料が
移行、定着することによって画像が形成される。
【0026】染料定着性化合物としては、まず化7また
は化8で表されるハイドロタルサイト類化合物に有機酸
を吸着させたものが用いられる。
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】ハイドロタルサイト類化合物は、いわゆる
層状複水酸化物と称されるものであり、金属水酸化物の
八面体層が多数積層された層状構造を呈する化合物であ
る。
【0030】ここでこのハイドロタルサイト類化合物に
吸着させる有機酸は、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、マレイン酸のいずれかである。
【0031】また、染料定着性化合物としては、化7ま
たは化8で表されるハイドロタルサイト類化合物の焼成
体に有機酸を吸着させ水和させたものも使用される。
【0032】この焼成体は、ハイドロタルサイト類化合
物を、例えば500〜800℃の温度で焼成することに
よって得られるものである。ハイドロタルサイト類化合
物を、このような温度で焼成すると熱分解して岩塩型の
酸化物固溶体となる。これに有機酸を吸着させ水中に投
入すると、共存する陰イオンと水分子を取り込んで水和
し再び層状構造を呈する層状複水酸化物となる。
【0033】このハイドロタルサイト類化合物の焼成体
に吸着させる有機酸は、アルケニル酸、フタル酸または
これらの誘導体である。
【0034】本発明の画像形成材料ではこのような染料
定着性化合物が受容層に含有される。このような染料定
着性化合物を含有する受容層では以下の機構によって染
料画像が定着される。
【0035】まず、図1にハイドロタルサイト類化合物
の層状構造を模式的に示す。このようにハイドロタルサ
イト類化合物1は金属水酸化物の八面体層2が多数積層
された層状構造を呈する結晶化合物である。このハイド
ロタルサイト類化合物は、有機酸が吸着されていない状
態では層2間や層2を構成する八面体層の端部等に、炭
酸イオン等の無機アニオン3がイオン結合によって保持
されている。この状態での層間距離をd1とする。
【0036】このハイドロタルサイト類化合物1を水に
懸濁させ、有機酸を添加するとイオン交換が起こり、図
2に示すように、予め存在していた無機アニオン3に代
わって有機酸イオン4が吸着し層2間に保持されたかた
ちになる。この時の層間距離d2は有機酸を添加してい
ない状態での層間距離d1より広くなる。
【0037】このように有機酸イオン4が保持されたハ
イドロタルサイト類化合物(染料定着性化合物)1より
なる受容層に画像を形成するには、インク液滴を画像情
報に対応した領域に滴下する。なお、インク液滴は、直
接染料あるいは酸性染料を、水、アルコール等の高誘電
率溶剤に溶解させたものが使用される。
【0038】受容層にインク液滴を与えると、有機酸イ
オン4が保持されたハイドロタルサイト類化合物1は層
間距離が広がっているので、インク液滴中の直接染料や
酸性染料が溶剤とともに化合物の層2間等に速やかに移
行する。
【0039】そして、図3に示すように層2間に保持さ
れている無機アニオン3と染料アニオン5とのイオン交
換、場合によっては有機酸イオン4と染料アニオン5と
のイオン交換、あるいは染料と有機酸との電子的相互作
用(π−π相互作用と推定される)が起こり、染料アニ
オン5がハイドロタルサイト類化合物1の層間に強く吸
着する。その結果、受容層上に定着性に優れた画像が形
成されることになる。
【0040】しかも、この場合、有機酸イオンの疎水性
のためにアルコール等の非水溶剤に対しても優れた膨潤
性が得られ、インク液の溶剤として非水溶剤を用いた場
合でも染料の移行、定着が円滑に行われる。
【0041】以上、ハイドロタルサイト類化合物に有機
酸を吸着させた染料定着性化合物の染料の定着機構を説
明したが、ハイドロタルサイト類化合物の焼成体に有機
酸を吸着させた染料定着性化合物の場合にも、同様の機
構によって、染料の移行、定着が行われる。
【0042】この画像形成材料では以上のような定着機
構によって優れた定着性が得られるが、定着性とともに
透明性、光沢性に優れた画像を形成するためには、ハイ
ドロタルサイト類化合物の組成あるいは焼成体の焼成前
の組成が化7あるいは化8で表される組成であることが
必要である。このような組成となされたハイドロタルサ
イト類化合物は上記一般式で示されるxの範囲内では単
一の結晶相が得られ、またサブミクロンの微結晶粒子で
あること及びその屈折率が繁用の高分子材料または樹脂
類と近いことにより、受容層の材料として用いると透明
度の高い受容層が形成される。したがって、銀塩系写真
に匹敵する高品位な画像記録が行える。
【0043】また、高い定着性を得るためには、ハイド
ロタルサイト類化合物あるいはその焼成体水和物の層間
に保持されるアニオンが、所定の有機酸イオンであるこ
とが重要である。
【0044】ハイドロタルサイト類化合物あるいはその
焼成体水和物の層間に介在するアニオンが無機アニオン
のみである場合には染料の定着性が不足したり、吸着さ
せた染料の色相が時間の経過とともに変化してしまう。
ただ、この場合、染料定着性化合物を受容層に多量に添
加すれば定着性は増大するが、そうすると受容層の透明
性、光沢性、皮膜柔軟性が損なわれてしまう。
【0045】また、有機酸であっても、本発明で特定し
ている以外の長い炭素鎖を持った有機カルボン酸あるい
はスルホン酸、硫酸エステル酸、燐酸エステル酸等を吸
着させた場合には、親油性が過度に強い被吸着表面が生
じて親水性染料の定着座席(交換性アニオン)を奪った
り、染料が吸着したとしてもこの表面においては染料分
子との電子的相互作用が弱いため、特に高印画濃度部で
滲みが生じてしまう。また、特定しているもの以外の有
機酸を吸着させた場合、染料定着性化合物の、高分子結
合剤や親水性溶剤に対する分散性が低くなり、受容層の
光沢性や透明性が損なわれる。
【0046】なお、ハイドロタルサイト類化合物あるい
はその焼成体に有機酸を吸着させる量は、ハイドロタル
サイト類化合物のアニオン交換容量に対する有機酸の等
量比で0.2〜1.1とするのが望ましい。有機酸の吸
着量がこの量よりも少ない場合には、当該有機酸による
染料の移行・定着性の改善効果が十分に得られない。ま
た、有機酸の吸着量がこの量よりも多い場合には、染料
の定着座席が極端に少なくなったり、受容層の吸水能力
が非実用的な程度にまで増大し、良好な画像記録が行え
なくなる。
【0047】このような染料定着性化合物を含有する受
容層は、例えば上記染料定着性化合物及び高分子結合剤
を主体として構成される。そして、この受容層を形成す
るには、これら主成分とともに各種添加剤を高誘電率溶
剤中に分散させて塗料を調製し、この塗料を支持体上に
塗布し、乾燥する。
【0048】高分子結合剤としては、熱可塑性樹脂が用
いられるが、染料の定着を阻害するような置換基、例え
ば染料定着性化合物に対するイオン交換等による吸着性
が、相対的に染料よりも大きな置換基を含むものは好ま
しくない。
【0049】また、受容層には、定着性を阻害しない範
囲で各種添加剤を添加しても差し支えない。添加剤とし
ては、高分子結合剤のガラス転移点Tgを下げる可塑剤
や、吸水性や帯電性制御のための補助的添加剤、さらに
耐光性を改善するための紫外線吸収剤、及び受容層の光
沢性や透明性を改善するための蛍光増白剤等が使用され
る。
【0050】以上のような材料よりなる受容層におい
て、染料定着性化合物の添加量は受容層を構成する固形
分(染料定着性化合物、高分子結合剤、固形添加剤)の
10〜90重量%、より好ましくは20〜90重量%と
するのが良い。染料定着性化合物の添加量がこの範囲を
下回る場合には定着性が不足する。また、染料定着性化
合物の添加量がこの範囲を超える場合には柔軟性に富ん
だ受容層が得られなくなる。
【0051】また、受容層を形成するための支持体は、
当該画像形成材料の用途に応じて適宜選択される。例え
ば画像形成材料を印画シートとする場合には、フィルム
状の支持体が用いられる。この支持体の材料としては、
紙、合成紙、プラスチックフィルム、金属板、金属箔、
アルミニウムを蒸着したプラスチックフィルム等が挙げ
られる。また、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)等の用途で用いられる画像形成材料の場合には、光
学的に透明な材料よりなるフィルムが使用される。
【0052】また、このような画像形成材料に、定着さ
せる染料としては例えば次のような直接染料、酸性染料
が挙げられる。
【0053】直接染料、酸性染料は、発色団としてモノ
アゾ、ジスアゾ、アントラキノン、トリフェニルメタン
等を含み、分子内に1〜3個のスルホン酸基またはカル
ボキシル基のような陰イオン性の水溶性基を有するもの
である。但し、一般に直接染料の方が酸性染料よりも分
子量が大きい。
【0054】具体的に例示すれば、直接染料には、イエ
ロー系の染料としてC.Iダイレクトイエロー1、8、
11、12、24、26、27、28、33、39、4
4、50、58、85、86、87、88、89、9
8、100、110等があり、マゼンタ系の染料として
C.Iダイレクトレッド1、2、4、9、11、13、
17、20、23、24、28、31、33、37、3
9、44、46、62、63、75、79、80、8
1、83、84、89、95、99、113、197、
201、218、220、224、225、226、2
27、228、229、230、231等がある。ま
た、シアン系の染料としてはC.Iダイレクトブルー
1、2、6、8、15、22、25、41、71、7
6、77、78、80、86、90、98、106、1
08、120、158、160、163、165、16
8、192、193、194、195、196、19
9、200、201、202、203、207、22
5、226、236、237、246、248、249
等が挙げられ、ブラック系の染料としてはC.I.ダイ
レクトブラック17、19、22、32、38、51、
56、62、71、74、75、77、94、105、
106、107、108、112、113、117、1
18、132、133、146等が挙げられる。
【0055】また、酸性染料には、イエロー系の染料と
してC.Iアシッドイエロー1、3、7、11、17、
19、23、25、29、36、38、40、42、4
4、49、59、61、70、72、75、76、7
8、79、98、99、110、111、112、11
4、116、118、119、127、128、13
1、135、141、142、161、162、16
3、164、165等があり、マゼンタ系の染料として
C.Iアシッドレッド1、6、8、9、13、14、1
8、26、27、32、35、37、42、51、5
2、57、75、77、80、82、83、85、8
7、88、89、92、94、97、106、111、
114、115、117、118、119、129、1
30、131、133、134、138、143、14
5、154、155、158、168、180、18
3、184、186、194、198、199、20
9、211、215、216、217、219、24
9、252、254、256、257、262、26
5、266、274、276、282、283、30
3、317、318、320、321、322等があ
る。また、シアン系の染料としてはC.Iアシッドブル
ー1、7、9、15、22、23、25、27、29、
40、41、43、45、54、59、60、62、7
2、74、78、80、82、83、90、92、9
3、100、102、103、104、112、11
3、117、120、126、127、129、13
0、131、138、140、142、143、15
1、154、158、161、166、167、16
8、170、171、175、182、183、18
4、187、192、199、203、204、20
5、229、234、236等が挙げられ、ブラック系
の染料としてはC.Iアシッドブラック1、2、7、2
4、26、29、31、44、48、50、51、5
2、58、60、62、63、64、67、72、7
6、77、94、107、108、109、110、1
12、115、118、119、121、122、13
1、132、139、140、155、156、15
7、158、159、191(ブラック系)等が挙げら
れる。
【0056】これらの直接染料や酸性染料は溶剤中に溶
解されてインク液とされる。但し、染料としては、イン
クの補助添加物として用いる溶剤類との相溶性や受容層
中での滲み性を制御する目的で、上記染料の対カチオン
が有機イオンで置換されたものであってもよい。
【0057】このようなインク液は、例えばインクジェ
ット記録方式によって受容層に移行される。このインク
ジェット記録方式は、溶液状のインクをノズルより吐出
させ、印画紙の受容層に移行せしめるものである。イン
クをノズルから吐出させるための駆動源は、電圧印加に
よって体積が変化するピエゾ素子や感熱素子を利用した
ものであってもよく、この他、インクジェット記録方式
で通常用いられているものがいずれも使用可能である。
また、インク液を受容層に移行させるための手段は、ス
タンプや筆記具等の文具であっても構わない。
【0058】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について実験
結果に基づいて説明する。
【0059】染料定着性化合物の染料吸着性の検討
(1) 先に示した化7において、MIIがMgの2価金属イオ
ン、MIIIがAlの3価金属イオン、Aが硝酸イオン、
x=0.25、m=0.5の合成ハイドロタルサイト
(Mg6Al2(OH)16(NO32・4H2O)を用意
した。
【0060】そして、このハイドロタルサイト20g
を、1リットルの水中に分散させておき、この分散液に
等量(Al原子当たりの有機酸等量数が1.0)の表1
に示す各種有機酸またはアルカリ塩を溶解した水溶液を
攪拌しながら滴下した。なお、有機酸の添加量は、用い
たハイドロタルサイトのアニオン交換容量と等量であ
る。その結果、直ちに粒状の凝集・沈降が生じた。この
分散液を24時間静置してから沈殿物をろ別し、エタノ
ールで洗浄した。続いて、洗浄した沈殿物を温度70℃
で乾燥することによって純白色の粉体(染料定着性化合
物)を得た。
【0061】この得られた染料定着性化合物の平均粒
径、BET法による比表面積、XRD(X−Ray−D
iffraction)によるd(003)を表1に示す。
なお、このXRDd(003)の値からハイドロタルサイト
類化合物の層間に有機酸イオンの吸着が起こっているも
のと判断された。
【0062】
【表1】
【0063】そして、この染料定着性化合物の染料に対
する吸着性を次のようにして評価した。
【0064】まず、これら染料定着性化合物1.0g
を、それぞれ100gの純水中に超音波分散機を用いて
分散させることによって白色の懸濁液を調製した。そし
て、この染料定着性化合物の懸濁液に、黒色染料として
化9で示されるクロラゾールブラックLF(東京化成社
製)を添加し、室温で一夜放置することで吸着平衡に至
らしめた。
【0065】
【化9】
【0066】次いで、水溶液中に残存する染料の量(染
料定着性化合物と吸着しなかった染料の量)を分光学的
に定量し、この量を、懸濁液中に添加した染料の量から
差し引くことで染料定着性化合物に吸着した染料の量を
算出した。なお、懸濁液に添加する染料の量は、0.0
10mol/l以下の範囲で変化させた。各染料定着性
化合物について、水溶液中の染料量と、染料定着性化合
物に吸着した染料の量の関係(吸着等温線)を図4、図
5に示す。なお、図4には無機酸(HNO3)を吸着さ
せた染料定着性化合物の吸着等温線も併せて示す。
【0067】まず図5を見ると、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸のような芳香族酸またはマレイン酸を
吸着させた染料定着性化合物は、染料の飽和吸着量が2
0mmol/100gを超えており、他の有機酸を吸着
させた染料定着性化合物に比べて染料の絶対吸着量が多
いことがわかる。
【0068】例えば、芳香族酸であってもドデシルベン
ゼンスルホン酸を吸着させた染料定着性化合物は、染料
の飽和吸着量が10mmol/100g以下と小さい。
これは、ドデシルベンゼンスルホン酸の場合、極めて疎
水的な表面を形成してしまうため、当該染料定着性化合
物の水に対する膨潤性が損なわれ、染料分子と染料の定
着座席との接触が絶たれるためと推定される。
【0069】また、アクリル酸を吸着させた染料定着性
化合物は、染料の添加量が極めて少ない範囲では定量的
に染料の吸着量が増大するが、それ以上に染料を添加し
ても染料の吸着量はほとんど変わらず、染料の飽和吸着
量は14mmol/100g以下である。ここでアクリ
ル酸を吸着させた染料定着性化合物の場合、層間距離が
比較的大きいことが知られており、それだけ見れば染料
の置換量が大きいものと考えられるが、この実験で示さ
れたように飽和吸着量が小さくなってしまうのは染料と
のイオン交換性が劣るためと考えられる。
【0070】さらに、アジピン酸、セバシン酸のような
脂肪族2塩基酸を吸着させた染料定着性化合物は、吸着
量が飽和に達した後にさらに染料を添加すると、染料が
脱着する挙動が見られる。したがって、この染料定着性
化合物は、大過剰の染料を用いる場合には不適当である
と考えられる。
【0071】以上のことから、ハイドロタルサイト類化
合物に吸着させる有機酸としてはフタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、マレイン酸が適当であることがわか
った。
【0072】印画性の検討(1) 表1の各種染料定着性化合物30gを、ポリビニルブチ
ラール(積水化学社製商品名BL−1)を1重量%含有
するエタノール溶液1kgに投入し、サンドミルによっ
て20時間分散させることで受容層用懸濁液を調製し
た。
【0073】この受容層用懸濁液を、110μm厚の透
明ポリエステルフィルムの片面にドクターブレードを用
いて塗布・含浸させた後、110℃の熱風で1分間乾燥
させることによって固体皮膜(受容層)を形成した。
【0074】そして、この受容層が形成されたフィルム
を、表面温度が120℃となされた一対の弾性ローラの
間を10cm/秒の速さで送りながら、これらローラに
よって圧着し、さらに室温にまで冷却することによって
印画シートを作成した。
【0075】このようにして作成された印画シートを、
プリンタ(セイコーエプソン社製、商品名MJ−800
C)の給紙トレイに装着し、白黒印刷モードでインクジ
ェット記録を行った。インク液の組成を下記に示す。
【0076】 インク液の組成: 染料:クロラゾールブラックLF 2重量部 トリエチレングリコールジアセテート 5重量部 プロピレングリコール 2重量部 水 40重量部 そして、この印画紙について、透明性、インク吸収性、
耐光性、耐温湿度性を評価した。その結果を表2に示
す。なお、これらの特性は次のようにして評価した。
【0077】透明性:白黒画像が形成されていない印画
シートに全光線を照射し、その透過率を測定した。透過
率が80%以上の場合を「○」、透過率が80%未満の
場合を「×」で表した。
【0078】インク吸収性:印画シート上に形成された
白黒画像を目視で観察し、インク液のあふれの様子を評
価した。画像にあふれが認められない場合を「○」、あ
ふれが認められる場合を「×」で表した。
【0079】耐光性:印画シート上に形成された白黒画
像を、Xeランプ(Blue Sole4級)によって
露光した。そして露光前後でのΔE(色差)を求めた。
ΔE<5の場合を「○」、ΔE≧5の場合を「×」で表
した。
【0080】耐温湿度性:白黒画像が形成された印画シ
ートを、温度60℃相対湿度90%の環境下で24時間
放置した。そして放置前後でのΔE(色差)を求めた。
ΔE<10の場合を「○」、ΔE≧10の場合を「×」
で表した。
【0081】
【表2】
【0082】表2に示すように、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸あるいはマレイン酸を吸着させた染料
定着性化合物を用いる印画シートは、いずれも透明性、
耐温湿度性に優れており、それとともにインク吸収性や
耐光性も良好である。
【0083】このことから、ハイドロタルサイト類化合
物にフタル酸、イソフタル酸、テレフタル、マレイン酸
を吸着させた染料定着性化合物は、他の染料定着性化合
物に比べて印画シートの受容層材料として優れているこ
とがわかった。
【0084】但し、有機酸をハイドロタルサイト類化合
物に吸着させる量は、ハイドロタルサイト類化合物のア
ニオン交換容量に対する等量比が0.2〜1.1となる
ような量とするのが望ましい。表3に、代表例として、
フタル酸をハイドロタルサイト類化合物のアニオン交換
容量に対する等量比が0.05または2.00となるよ
うに吸着させた染料定着性化合物を用いる印画シートの
特性を示すが、このように等量比が0.05と小さいと
透明性、耐光性、耐温湿度性が損なわれる。また、等量
比が2.00と大きい場合には、インク吸収性が不足す
る。
【0085】
【表3】
【0086】染料定着性化合物の染料吸着性の検討
(2) 合成ハイドロタルサイトを焼成して得られた酸化物固溶
体Mg0.7Al0.31.15(協和化学工業社製 商品名キ
ョーワード2200)を用意した。そして、この酸化物
固溶体20gを、1リットルの水中に分散させておき、
そして、さらにこの分散液に、水200ccにリンゴ酸
を溶解した溶液を攪拌しながら滴下した。なお、リンゴ
酸の添加量は、交換容量に対する等量比で0.4等量ま
たは1.0等量である。その結果、直ちに粒状の凝集・
沈降が生じた。この分散液を24時間静置してから沈殿
物をろ別し、水で洗浄した。続いて、洗浄した沈殿物を
温度70℃で乾燥することによって純白色の粉体(染料
定着性化合物)を得た。
【0087】このようにして得られた染料定着性化合物
についてX線回折分析を行った結果、等量比0.4のリ
ンゴ酸で処理した染料定着性化合物でXRDd(003)
7.96オングストローム、等量比1.0のリンゴ酸で
処理した染料定着性化合物でXRDd(003)が12.9
1オングストロームであった。この値から酸化物固溶体
の層間に有機酸イオンの吸着が起こっているものと判断
された。
【0088】また、酸化物固溶体にリンゴ酸の場合と同
様にして、サリチル酸、アクリル酸、フタル酸、パラト
ルエンスルホン酸(PTSA)、アジピン酸、コハク酸
のいずれかを吸着させ各種染料定着性化合物を得た。な
お、有機酸の吸着量は、交換容量に対する等量比で0.
4等量あるいは1.0等量である。
【0089】以上のようにして得られた染料定着性化合
物1.0gを、それぞれ100gの純水中に分散させて
白色の懸濁液を調製した。そして、この染料定着性化合
物の懸濁液に染料としてアシッドレッド52またはクロ
ラゾールブラックLFを各種添加量で添加し、上述と同
様にして染料に対する吸着等温線を調べた。その結果を
図6、図7に示す。なお、図6はアシッドレッド52に
対する吸着等温線であり、図7は染料定着性化合物のう
ち等量比0.4の有機酸で処理した染料定着性化合物の
クロラゾールブラックLFに対する吸着等温線である。
また図6,図7には比較として有機酸を吸着させていな
い酸化物固溶体の吸着等温線も併せて示す。
【0090】まず、図6から、アシッドレッド52の吸
着特性は、アクリル酸、フタル酸で処理した染料定着性
化合物で優れていることがわかる。但し、アクリル酸、
フタル酸の場合には吸着量を変えた実験を行っている
が、等量比0.4のアクリル酸で処理した染料定着性化
合物または等量比1.0のフタル酸で処理した染料定着
性化合物が最も吸着特性に優れ、アクリル酸で等量比
1.0、フタル酸で等量比0.4になると、これよりも
吸着特性が低くなる。
【0091】したがって染料の吸着特性は染料定着性化
合物に吸着させる有機酸の種類ととともに、その吸着量
にも依存することが示唆される。
【0092】また、図7を見ると、クロラゾールブラッ
クLFに対しては、特にフタル酸を吸着させた染料定着
性化合物において、染料の量が大過剰の範囲においても
増加傾向を示す吸着等温線が得られた。
【0093】以上のことから、ハイドロタルサイト類化
合物の酸化物固溶体に吸着させる有機酸は、アクリル酸
のようなアルケニル酸やフタル酸が適していることがわ
かった。
【0094】なお、有機酸による処理を施していない酸
化物固溶体水和物は、染料の吸着性は優れるものの、ア
シッドレッド52を添加した状態で室温下に放置してお
くと、放置中にアシッドレッド52の色相が褐色に変化
する。
【0095】これに対して、酸化物固溶体にアクリル酸
やフタル酸を吸着させ水和させた染料定着性化合物は、
アクリル酸を吸着させたもので若干の色相変化が認めら
れたものの実用上ほとんど問題にならない程度である。
これは、有機酸の吸着によって酸化物固溶体水和物表面
の塩基性が緩和されたからと推定される。
【0096】印画性の検討(2) 酸化物固溶体Mg0.7Al0.31.15(協和化学工業社製
商品名キョーワード2200)に各種有機酸を吸着さ
せ水和させた染料定着性化合物20gを、ヒドロキシプ
ロピルセルロースを2重量%含有するエタノール溶液1
kgに投入し、ロールミルによって7日間分散させた。
そして、さらに1gの紫外線吸収剤(シプロ化成社製
商品名シーソルブ101S)を添加することで受容層用
懸濁液を調製した。
【0097】この受容層用懸濁液を、110μm厚の白
色ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にワイヤ
バーを用いて塗布した。なお、このフィルムには、受容
層懸濁液を塗布した面とは反対側の面に予め帯電防止処
理が施されている。そして、この塗膜を、120℃の熱
風で5分間乾燥させることによって10μm厚の固体皮
膜(受容層)を形成し、印画シートを作成した。
【0098】このようにして作成された印画シートを、
プリンタ(HP社製 商品名デスクジェット1200
C)の給紙トレイに装着し、3原色のカラー印刷モード
でインクジェット記録を行った。なお、ここでは、高濃
度記録を行うために2回の重ね印画を行った。また、イ
ンク液としては、イエロ−、マゼンタ、シアンのそれぞ
れに対応して3種類を使用した。各インク液の配合比を
下記に示す。
【0099】 インク液の組成 染料 2重量部 テトラメチルアンモニウムクロリド 1重量部 ジエチレングリコール 5重量部 2−ピロリドン 15重量部 水 50重量部 また、染料には次に示すいずれかを使用した。
【0100】イエロー:C.I.アシッドイエロー23 マゼンタ:C.I.アシッドレッド52 シアン:C.I.アシッドブルー9 そして、この印画紙について、光沢性、印画濃度、耐温
湿度性を評価した。その結果を表4に示す。なお、光沢
性、耐温湿度性は次のようにして測定した。
【0101】光沢性:印画紙表面の光沢度を、光沢度計
によって45゜入射角で測定した。
【0102】印画濃度:カラー印刷1回の印画シートと
カラー印刷2回の印画シートについて反射光学濃度(O
D値)を調べた。
【0103】耐温湿度性:カラー印刷1回の印画シート
と、カラー印刷2回の印画シートを、それぞれ温度60
℃相対湿度90%の環境下で24時間放置した。そし
て、放置前後でのΔE(色差)を求めた。ΔE<10の
場合を「○」、ΔE≧10の場合を「×」で表示した。
【0104】
【表4】
【0105】表4に示すように、0.4等量のアクリル
酸、1.0等量のフタル酸、、0.4等量のサリチル酸
で処理した染料定着性化合物を用いる印画シートは、光
沢性、印刷濃度、耐温湿度性のいずれについても良好で
あり、他の有機酸で処理した染料定着性化合物を用いる
印画シートに比べて優位な特性が得られる。但し、サリ
チル酸で処理した染料定着性化合物を用いる印画シート
は、画像の滲みは少ないものの染料定着性化合物自体が
褐色に変化してしまう。
【0106】このことから、ハイドロタルサイト類化合
物の酸化物固溶体にアクリル酸のようなアルケニル酸や
フタル酸を吸着させ水和させた染料定着性化合物は、他
の染料定着性化合物に比べて印画シートの受容層材料と
して優れていることがわかった。
【0107】但し、有機酸を酸化物固溶体に吸着させる
量は、酸化物固溶体に対する等量比が0.2〜1.1と
なるような量とするのが望ましい。表5に、代表例とし
て、フタル酸を酸化物固溶体に対する等量比が0.05
まはた2.00となるように吸着させた染料定着性化合
物を用いる印画シートの特性を示すが、このように等量
比が0.05と小さいと透明性が損なわれる。また、等
量比が2.00と大きい場合には、染料の吸収性や耐温
湿性が不足する。
【0108】
【表5】
【0109】印画性の検討(3) 以上の実験例では画像形成材料の特性を印画シートとし
たかたちで評価したが、ここでは別の形態として、はが
きを支持体とする画像形成材料を作成し、その特性を評
価した。
【0110】まず、下記の組成に準じてポリアミド樹脂
(ヘンケル白水社製 商品名バーサミド725)を溶剤
に溶解して樹脂溶液を調製した。そして、この樹脂溶液
に、染料定着性化合物を添加し、サンドミルによって2
4時間分散することで受容層用噴霧液を調製した。な
お、染料定着性化合物は、ハイドロタルサイト類化合物
の酸化物固溶体を0.4等量のフタル酸で処理し水和さ
せたもの、ハイドロタルサイト類化合物の酸化物固溶体
を0.4等量のコハク酸で処理し水和させたもの、有機
酸による処理を施していないハイドロタルサイト類の酸
化物固溶体水和物のいずれかである。
【0111】受容層用噴霧液の組成 染料定着性化合物 1重量部 ポリアミド樹脂 1重量部 溶剤 40重量部 (メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを1:
7なる重量比で混合した混合溶剤) そして、この各種受容層用噴霧液を、エアブラシによっ
て官製はがき上に噴霧し、室温で20分放置することに
よって受容層を形成した。
【0112】このようにして受容層が形成されたはがき
を、プリンタ(キャノン社製 商品名プリンタBJC−
420J)に装着し、受容層が形成された側にカラー印
刷モードでインクジェット記録を行った。
【0113】その結果、フタル酸を吸着させた染料定着
性化合物を用いる受容層には、高品位な天然色画像が形
成された。そして、この画像が形成されたはがきを、温
度60℃相対湿度90%の環境下で1週間放置したが、
ドットの滲みは全く認められなかった。
【0114】また、このはがきの受容層上にスタンプ像
を形成したところ、全く滲みは認められなかった。
【0115】これに対して、コハク酸を吸着させた染料
定着性化合物を用いる受容層では、フタル酸を吸着させ
た染料定着性化合物を用いる受容層に比べて各色の濃度
が1/2〜1/4程度に減少していた。そして、ドット
は明らかに2倍以上の径に拡大し、画像のボケを示して
いた。
【0116】また、有機酸による処理を施していない染
料定着性化合物を用いる受容層では、室温下で一日放置
すると色相が大きく変化してしまい、原画像とはほど遠
い画像を呈するようになる。
【0117】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
の画像形成材料は、受容層に、ハイドロタルサイト類化
合物またはその焼成体水和物に所定の有機酸を吸着させ
た染料定着性化合物を含有させるので、透明性、光沢性
に優れており、高温高湿といった過酷な環境下において
も高い染料定着性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイドロタルサイト類化合物の層状構造を示す
模式図である。
【図2】ハイドロタルサイト類化合物の層間に有機酸イ
オンが保持されている状態を示す模式図である。
【図3】ハイドロタルサイト類化合物の層間に染料アニ
オンが保持されている状態を示す模式図である。
【図4】各種有機酸を吸着させたハイドロタルサイト類
化合物のクロラゾールブラックLFに対する吸着等温線
を示す特性図である。
【図5】各種有機酸を吸着させたハイドロタルサイト類
化合物のクロラゾールブラックLFに対する吸着等温線
を示す特性図である。
【図6】各種有機酸を吸着させたハイドロタルサイト類
化合物の焼成体水和物の、アシッドレッド52に対する
吸着等温線を示す特性図である。
【図7】各種有機酸を吸着させたハイドロタルサイト類
化合物の焼成体水和物の、クロラゾールLFに対する吸
着等温線を示す特性図である。
【符号の説明】
1 ハイドロタルサイト類化合物、2 層、3 無機ア
ニオン、4 有機酸イオン、5 染料アニオン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1または化2で表されるハイドロタル
    サイト類化合物に有機酸を吸着させた染料定着性化合物
    を含有する受容層を有してなり、 【化1】 【化2】 上記有機酸は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
    酸、マレイン酸のいずれかであることを特徴とする画像
    形成材料。
  2. 【請求項2】 ハイドロタルサイト類化合物に吸着する
    有機酸の吸着量が、ハイドロタルサイト類化合物のアニ
    オン交換容量に対する有機酸の等量比で0.2〜1.1
    であることを特徴とする請求項1記載の画像形成材料。
  3. 【請求項3】 受容層は、少なくとも染料定着性化合
    物、高分子結合剤及び溶剤よりなることを特徴とする請
    求項1記載の画像形成材料。
  4. 【請求項4】 受容層に含有される染料定着性化合物の
    量が、受容層中の全固形分に対して10〜90重量%で
    あることを特徴とする請求項1記載の画像形成材料。
  5. 【請求項5】 化3または化4で表されるハイドロタル
    サイト類化合物の焼成体に有機酸を吸着させ水和させた
    染料定着性化合物を含有する受容層を有してなり、 【化3】 【化4】 上記有機酸は、アルケニル酸、フタル酸またはこれらの
    誘導体であることを特徴とする画像形成材料。
  6. 【請求項6】 ハイドロタルサイト類化合物の焼成体に
    吸着する有機酸の吸着量が、再生してくるハイドロタル
    サイト類化合物のアニオン交換容量に対する有機酸の等
    量比で0.2〜1.1であることを特徴とする請求項5
    記載の画像形成材料。
  7. 【請求項7】 受容層は、少なくとも染料定着性化合
    物、高分子結合剤及び溶剤よりなることを特徴とする請
    求項5記載の画像形成材料。
  8. 【請求項8】 受容層に含有される染料定着性化合物の
    量が、受容層中の全固形分に対して10〜90重量%で
    あることを特徴とする請求項5記載の画像形成材料。
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