JPH1178024A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH1178024A
JPH1178024A JP9235620A JP23562097A JPH1178024A JP H1178024 A JPH1178024 A JP H1178024A JP 9235620 A JP9235620 A JP 9235620A JP 23562097 A JP23562097 A JP 23562097A JP H1178024 A JPH1178024 A JP H1178024A
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JP
Japan
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ink jet
recording paper
ink
counter electrode
charge
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Pending
Application number
JP9235620A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ikeda
浩二 池田
Atsushi Sogami
淳 曽我美
祐二 ▲たか▼島
Yuuji Takashima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電方式やサーマル方式に静電方式を融合し
た方式のインクジェット記録装置において、記録紙に形
成されたインク像の持つ電荷による悪影響を防止するこ
とを目的とする。 【解決手段】 インクジェットヘッド用キャリッジ2に
搭載されたインクジェットヘッド1はキャリッジ軸3に
ガイドされながら往復動作し、また、除電ブラシ用キャ
リッジ6に保持された除電ブラシ4も、インクジェット
ヘッド1と共に同方向に同速度で往復動作するように構
成されている。また、対向電極7とインクジェットヘッ
ド1との間には、電源8によって−2KV程度の高電圧
が印加され、かつ、除電ブラシ4も対向電極7と同電位
になるようにしている。この構成により、記録紙5に記
録したインク像の持つ電荷を除電ブラシ4により除去で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小ノズルからイ
ンクなどの液体を吐出させ、記録紙やシート上に液体パ
ターンを形成することにより文字や図形を描くプリンタ
などに用いられるインクジェット記録装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンなどの印刷装置としてイ
ンクジェット記録装置を用いたプリンタが、取り扱いが
簡単、印字性能が良い、低コストなどの理由から広く普
及している。このインクジェット記録装置には、熱エネ
ルギーによってインク中に気泡を発生させ、その気泡に
よる圧力波によりインク液滴を吐出させるサーマル方
式、静電力によりインク液滴を吸引吐出させる静電方
式、圧電素子のような振動子による圧力波を利用した圧
電方式等、種々の方式がある。
【0003】また、サーマル方式と静電方式とを組み合
わせた方式や、圧電方式と静電方式とを融合させた方式
も提案されている。例えば、圧電方式と静電方式とを融
合させた方式は、特開平5−278212公報に提案さ
れており、この提案を図14を用いて説明する。図14
において、114はインクを吐出する吐出口、115は
吐出口114に連通してインクを収容する圧力室であ
る。118は圧力室115に圧力を印加するための圧電
素子、140は吐出口114の先端部に形成されたイン
クメニスカスである。また、112はインクメニスカス
140を形成しているインク部を帯電させる帯電用電
極、117はこの帯電用電極112に記録紙を介して対
向配置された対向電極である。そして、帯電用電極11
2と対向電極117との間には、高圧電源108により
高圧を印加する構成になっている。
【0004】この構成において、まず、圧電素子118
に電圧を印加し、圧電素子118による発生力で圧力室
115の体積を縮小させ、吐出口114にインクメニス
カス140を形成する。次に、このインクメニスカス1
40が帯電用電極112によって帯電されると、このイ
ンクメニスカス140が帯電用電極112と対向電極1
17とで形成された電界によって対向電極117に向け
て吐出される。このとき、対向電極117との間には記
録紙105が配置されているため、この記録紙105に
インク像が形成される。
【0005】ここで、圧電素子118には、インクメニ
スカス140を形成するだけでよく、圧電素子118の
発生出力は、小さくて良い。
【0006】また、図14において、圧電素子118に
よりインクメニスカス140を形成したが、これは、イ
ンク液滴を吐出させても構わない。この場合も、インク
液滴の吐出速度は低速でも良く、圧電素子118の発生
出力は、小さくて良い。つまり、圧電方式に静電方式を
融合したことにより、インク液滴の吐出速度が低速であ
っても、静電力によりインク液滴が加速され、記録紙の
所望の位置に正確に着弾させることができるというもの
である。したがって、圧電素子118の出力が小さくて
済み、ノズルの高密度化、高速駆動化を行うことができ
る。
【0007】また、サーマル方式と静電方式とを組み合
わせた場合も同様に、サーマル方式だけの場合と比べ発
熱体の出力を小とすることができ、ノズルの高密度化、
高速駆動化を実現することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
の方法では、圧電素子118の出力が小さくてすみ、ノ
ズルの高密度化、高速駆動化を行うことはできるが、イ
ンク液滴は帯電しているため、インク液滴の持つ電荷に
よる悪影響が生じてしまう。記録紙105にインク像を
形成していく場合、インク像の持つ電荷により、帯電用
電極112と対向電極117とで形成した電界が弱ま
り、これにより、次のインク液滴の加速が弱くなる。電
界の弱まり方は、電界の強さ、インクの物性、記録画像
等により異なるが、電界が弱まると、記録紙105の所
望の位置へのインク液滴の記録ができなくなる。以後、
この現象を着弾位置ずれと呼ぶ。この着弾位置ずれが大
きいと、画質の劣化となってしまう。
【0009】本発明は上記課題に鑑み、帯電されたイン
ク液滴によるインク画像が記録紙に形成されても、イン
クジェットヘッドと対向電極とで形成する電界強度の変
動が少なく、着弾位置ずれが生じにくい、インクジェッ
ト記録装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に請求項1の本発明は、インク滴をノズルから突出させ
るインクジェットヘッドと、このインクジェットヘッド
に対向させて配置した対向電極と、このインクジェット
ヘッドと対向電極との間に電圧を印加して、インクジェ
ットヘッドから突出されたインク滴を静電引力によって
対向電極側に加速飛翔させて、インクジェットヘッドと
対向電極との間に挿入された記録紙上に着弾させる電圧
印加手段と、記録紙上の荷電インクによる電荷を減少も
しくは除去させるための除電手段とを備えたものであ
る。
【0011】また、請求項2の発明のインクジェット記
録装置は、インクジェットヘッドと、前記インクジェッ
トヘッドを往復動作させるインクジェットヘッド走査手
段と、前記インクジェットヘッドに対向する位置に配置
された対向電極と、前記インクジェットヘッドと前記対
向電極との間に前記インクジェットヘッド側を接地した
状態で電圧を印加する電圧印加手段と、前記対向電極と
同電位に設定され、記録紙上のその背面に前記対向電極
が存在する部分の電荷を除去する除電手段と、前記除電
手段を前記インクジェットヘッドの往復動作方向と同方
向に往復動作させる除電手段走査手段とを備えたもので
ある。
【0012】また、請求項3の発明のインクジェット記
録装置は、請求項2記載のインクジェット記録装置にお
いて、電圧印加手段による電圧印加を断続する電圧印加
断続手段を備え、少なくとも、除電手段がその対向する
位置に対向電極が存在しない場所に移動している時は、
前圧印加断続手段により、インクジェットヘッドと対向
電極との間に電圧を印加しないようにしたものである。
【0013】また、請求項4の発明のインクジェット記
録装置は、電圧印加断続手段により、電圧を印加してい
ない時に除電手段により記録紙上の電荷を除去するよう
にしたものである。
【0014】また、請求項5の発明のインクジェット記
録装置は、請求項4記載のインクジェット記録装置にお
いて、除電手段は、記録紙に接触させることにより記録
紙上の電荷を除去するものであり、かつ除電手段を往復
動作させる除電手段走査手段と、除電手段の記録紙への
離接を行う除電手段離接手段とを備え、少なくとも、電
圧印加断続手段により、電圧を印加している時は除電手
段離接手段により除電手段は記録紙に対して離間状態に
するようにしたものである。
【0015】また、請求項6の発明のインクジェット記
録装置は、請求項4記載のインクジェット記録装置にお
いて、除電手段を電気的な接地状態と浮遊状態とに切り
替える状態切り替え手段を備え、少なくとも、電圧印加
断続手段により、電圧を印加している時は状態切り替え
手段により、除電手段を電気的な浮遊状態に切り替える
ようにしたものである。
【0016】また、請求項7の発明のインクジェット記
録装置は、請求項6記載のインクジェット記録装置にお
いて、電圧印加断続手段が、接地されたスイッチ手段に
電源がつながれ、かつ、この電源に対向電極が直列につ
ながれたものであり、電圧印加断続手段が状態切り替え
手段を兼ねるようにしたものである。
【0017】また、請求項8の発明のインクジェット記
録装置は、請求項2〜7のいずれかに記載のインクジェ
ット記録装置において、インクジェットヘッドの往復動
作方向に対して、垂直方向に記録紙を搬送する記録紙搬
送手段を備え、インクジェットヘッドによるインク吐出
動作後は除電手段による記録紙上の電荷の除去を行って
から記録紙搬送手段による記録紙の搬送を行うようにし
たものである。
【0018】また、請求項9の発明のインクジェット記
録装置は、請求項3〜8のいずれかに記載のインクジェ
ット記録装置において、インクジェットヘッド走査手段
によるインクジェットヘッドの往動作時は、記録紙への
インク吐出動作を行い、かつ復動作時は記録紙上の電荷
を除去する、または、往動作時は記録紙上の電荷を除去
し、かつ復動作時は記録紙へのインク吐出動作を行うよ
うにしたものである。
【0019】また、請求項10の発明のインクジェット
記録装置は、インクジェットヘッドと、インクジェット
ヘッドに対向する位置に配置された対向電極と、インク
ジェットヘッドと対向電極との間にインクジェットヘッ
ド側を接地した状態で電圧を印加する電圧印加手段とを
備え、対向電極は、長方形の板状体であり、かつ、イン
クジェットヘッドに対向する面は、インクジェットヘッ
ドによる記録範囲に対し、記録紙の搬送方向に対して少
なくとも6mm以上大きい形状であるようにしたもので
ある。
【0020】また、請求項11の発明のインクジェット
記録装置は、請求項10記載のインクジェット記録装置
において、対向電極と同電位に設定され記録紙上の電荷
を除去する除電手段を備え、除電手段はインクジェット
ヘッドによる記録範囲の外側、かつ、記録紙搬送方向
側、かつ背面に対向電極が存在する部分の記録紙上の電
荷を除去するようにしたものである。
【0021】また、請求項12の発明のインクジェット
記録装置は、インクジェットヘッドと、インクジェット
ヘッドを往復動作させるインクジェットヘッド走査手段
と、インクジェットヘッドに対向する位置に配置され、
少なくとも記録紙に接する側は絶縁体、その反対側が導
電体の積層構成である対向電極と、インクジェットヘッ
ドと対向電極との間にインクジェットヘッド側を接地し
た状態で電圧を印加する電圧印加手段と、対向電極上の
電荷を除去する除電手段とを備えたものである。
【0022】また、請求項13の発明のインクジェット
記録装置は、請求項12記載のインクジェット記録装置
において、対向電極上の電荷の除去は、対向電極と除電
手段との間に記録紙が介在しない時に行うようにしたも
のである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図13を用いて説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は本発明にかかる第
1の実施の形態のインクジェット記録装置の概略構成図
である。
【0025】図1において、1はインクジェットヘッド
であり、インクジェットヘッド用キャリッジ2に搭載さ
れキャリッジ軸3にガイドされながら図示なき駆動手段
により往復動作するように構成されている。このインク
ジェットヘッド用キャリッジ2とキャリッジ軸3により
特許請求の範囲におけるインクジェットヘッド走査手段
が構成されている。4は除電手段である除電ブラシであ
り、そのブラシ先端部分が記録紙5の表面に接触するよ
うに除電ブラシ用キャリッジ6により保持されている。
また、除電ブラシ4は除電ブラシ用キャリッジ6に保持
されキャリッジ軸3にガイドされながら図示なき駆動手
段により往復動作するように構成されている。この除電
ブラシ用キャリッジ6は、インクジェットヘッド用キャ
リッジ2と共に同方向に同速度で移動するように構成し
ている。7は金属からなる対向電極であり、インクジェ
ットヘッドとの距離が1mm程度に設定されている。ま
た、対向電極7とインクジェットヘッド1とは、インク
ジェットヘッド1が接地された状態で電源8によって−
2KV程度の高電圧が印加されている。この電源8によ
って電圧印加手段が構成されている。除電ブラシ4も対
向電極7と同電位となるように構成されている。また、
9は特許請求の範囲における電圧印加断続手段のスイッ
チでありこのスイッチ9により、対向電極7、除電ブラ
シ4への高電圧印加をON・OFFする。10は記録紙
搬送手段であり、キャリッジ軸3に対して垂直方向に記
録紙5を搬送する。さらに、11はインクジェットヘッ
ドクリーニング手段であり、ゴムブレード部材、強制吐
出部材等から構成される。
【0026】次に、図2はインクジェットヘッド1の吐
出口とアクチュエータとを示した部分断面図である。
【0027】図2において、12はステンレスからなる
ノズル板であり、そのノズル板12にはインク13を吐
出する吐出口14が設けられている。インク13には水
性インクを用いている。15はその吐出口14に連通し
インクを収容する圧力室である。16は樹脂からなる圧
力室構造体であり、この圧力室構造体16とノズル板1
2とで圧力室15が形成されている。圧力室構造体16
には圧力室15にインク13を供給するためのインク供
給口17が設けられている。18は0.02mm厚のPZ
Tからなる圧電素子であり、この圧電素子18により
0.01mm厚のステンレスからなる振動板19を振動さ
せる。そして20は吐出口14より吐出されたインク液
滴である。図2は断面図であるため一つの圧力室15に
一つの吐出口14の図となったが、実際は、複数の圧力
室15に対し各々一つの吐出口13を備えたものであ
る。
【0028】以上のように構成されたインクジェット記
録装置について、以下、その動作を図1〜図4を用いて
説明する。
【0029】まず、図2を用いて吐出口14よりインク
13を飛翔させるインク液滴20の吐出動作について説
明する。圧電素子18に電圧を印加する。そうすると圧
電素子18とともに振動板19が圧力室15の体積を減
少させる方向にたわむ。これにより圧力室15の圧力が
高まり、インク13がインク液滴20となり吐出口14
より記録紙5に向かって吐出する。この時、ノズル板1
2と対向電極7との間には静電界がかけられているた
め、インク13がインク液滴20となる前に正電荷が誘
起され、正に帯電したインク液滴20となり吐出口14
より吐出する。また、静電界の力により、インク液滴2
0は加速されながら記録紙5に向かって飛翔する。
【0030】この時、インク液滴20の吐出速度が低速
であっても、静電力によりインク液滴20が加速され、
記録紙5の所望の位置に正確に着弾させることができる
というものである。したがって、圧電素子18の出力が
小さくて済み、ノズルの高密度化、高速駆動化を行うこ
とができる。これが静電界付与の効果である。
【0031】次に、インクジェット記録装置の動作につ
いて、図1、図3、図4を用いて説明する。図1におい
て、記録紙搬送手段10にて記録紙5を所望の位置に搬
送する。その状態にて、スイッチ9を閉じ、対向電極7
と除電ブラシ4をインクジェットヘッド1に対し−2K
Vになるようにする。インクジェットヘッド用キャリッ
ジ2を図示なき手段にてA位置からB位置に移動させな
がら、吐出口14よりインク液滴20を吐出させる。こ
れにより、インクジェットヘッド1の一走査分の記録画
像を記録紙5上に記録することができる。次にインクジ
ェットヘッド用キャリッジ2をB位置からA位置にリタ
ーンさせながら、記録紙搬送手段10により記録紙5を
所望量搬送する。さらに再度、インクジェットヘッド用
キャリッジ2をA位置からB位置に移動させながら、吐
出口14よりインク液滴20を吐出させる。これによ
り、インクジェットヘッド1の一走査分の記録画像を記
録紙5上に記録する。この動作の繰り返しによって記録
紙5への画像形成を実現することができる。また、除電
ブラシ4は、記録紙5にその先端部分が接触した状態で
インクジェットヘッド用キャリッジ2と共に同方向に同
速度で移動する。これにより、記録紙5に記録されたイ
ンク液滴20の持つ電荷を除電することができ、着弾位
置ずれの生じない、常に安定した記録を行うことができ
る。
【0032】また、インクジェットヘッド1は目詰まり
対策のため、クリーニングを行う必要がある。クリーニ
ング時は、図1のクリーニング手段11の位置にインク
ジェットヘッド1を移動させ、ワイピングや強制吐出等
によるクリーニングを行う。この時、スイッチ9を開と
し、対向電極7と除電ブラシ4への電圧印加を止める。
必ずしも、対向電極7と除電ブラシ4への電圧印加を止
める必要はないが、その場合、クリーニング手段11の
インクジェット記録装置との絶縁を完全に行う必要があ
り、実用的でない。また、インクジェットヘッド1がク
リーニング手段11の位置にある時、対向電極7が人手
に触れやすいため、対向電極7も同時に電圧の印加を止
める構成が好ましい。そこで、一つのスイッチ9によ
り、対向電極7と除電ブラシ4との電圧印加を同時に開
閉する構成としている。
【0033】次に、除電ブラシ4を備えていない場合の
課題について説明する。インク液滴20は帯電してお
り、記録紙5に画像を形成していった場合、記録紙5上
のインク液滴20のもつ電荷により対向電極7とインク
ジェットヘッド1との間の静電界が変化してしまう。
【0034】静電界の変化は、静電界の強度の変化と、
静電界の方向の変化とであり、また、インク液滴20が
帯電された状態の電荷量も変化してしまい、これらの変
化により着弾位置ずれが生じてしまう。この着弾位置ず
れの状態を図3−a、図3−b、図4−a、図4−bを
用いて説明する。
【0035】まず、図3−aは、記録紙搬送手段10に
より、インクジェットヘッド1の1走査記録幅分だけ記
録紙5を搬送する場合の記録像を示したものである。2
1は前走査記録像であり、22は次走査記録像を示して
いる。この場合の次走査記録時の状態を図3−bに示
す。図3−bは図3−aに対して拡大している。実線は
実際に飛翔する軌跡を描いたものであり、波線は本来着
弾させたい軌跡を示したものである。図3−bから分か
るように、前走査記録像21による静電界の変化によ
り、着弾位置がずれてしまう。この図では、副走査方向
の着弾位置ずれを示したが、図3−bと垂直方向(主走
査方向)の着弾位置ずれも生じる。つまり、図3−bに
示した状態でのインクジェットヘッド1の上部の吐出口
14付近は、静電界が弱まっており、これによりインク
液滴20の電荷量も少なくなっている。したがってイン
ク液滴20の記録紙5方向への加速力が弱くなっており
着弾位置ずれが生じてしまう。
【0036】また、図4−aは、記録紙搬送手段10に
より、インクジェットヘッド1の1走査記録幅分より少
ない量だけ記録紙5を搬送する、いわゆる微小送りを行
う場合の前走査記録像21と次走査記録像22を示した
ものである。この場合の次走査記録時の状態を図4−b
に示す。図4−bは図4−aに対して拡大している。実
線は実際に飛翔する軌跡を描いたものであり、波線は本
来着弾させたい軌跡を示したものである。前走査記録像
21による静電界の変化により、着弾位置がずれてしま
う。この図では、副走査方向の着弾位置ずれを示した
が、図4−bと垂直方向(主走査方向)の着弾位置ずれ
も生じる。つまり、図4−bに示した状態において、前
走査記録時に対し、次走査記録時は静電界が弱まってお
り、これによりインク液滴20の電荷量も少なくなって
いる。したがってインク液滴20の記録紙5方向への加
速力が弱くなっており着弾位置ずれが生じてしまう。
【0037】しかしながら、実施の形態1では、除電ブ
ラシ4を備えているため、記録紙5上のインク液滴20
の持つ電荷を除去することができ、静電界を常に一定に
保つことができる。また、記録紙5にその先端部分が接
触した状態でインクジェットヘッド用キャリッジ2と共
に同方向に同速度で移動する。これにより、前走査記録
によるインク液滴20の電荷を確実に除去できるため、
前走査記録による影響を全く受けない記録を行うことが
できる。
【0038】また、通常、除電ブラシ4は接地される場
合が多いが、実施の形態1では、−2KVに設定されて
いる。これは、対向電極7が−2KVにされているため
であり、もし、対向電極7が−2KVの状態に除電ブラ
シ4が接地されている場合は、インク液滴20の電荷を
除去することができず、インク液滴20と記録紙5とを
正に帯電してしまう。また、インクジェットヘッド1側
を高圧に、そして対向電極7側を接地するという構成も
不可能ではないが、この場合、インクジェットヘッド1
の構成において絶縁を行うためにかなり厳しい制限があ
るため、実用的ではない。したがって、インクジェット
ヘッド1側を接地し、除電ブラシ4を対向電極7と同じ
電位にするという構成が必須となる。
【0039】以上のように、この実施の形態1では、記
録紙5に記録されたインク液滴の持つ電荷を除電するこ
とにより、着弾位置ずれの生じない、常に安定した記録
を行うことができるインクジェット記録装置が提供でき
る。
【0040】また、クリーニング手段をインクジェット
記録装置との絶縁を完全に行う必要がない装置構成が簡
素なインクジェット記録装置を提供できる。
【0041】なお、実施の形態1では、除電ブラシ4
は、インクジェットヘッド1による記録時の走査方向に
対してインクジェットヘッド1の前側に設けたが、これ
は後方に設けても良く、さらには前後両方に設けたもの
でも良い。
【0042】また、実施の形態1では、除電手段に除電
ブラシ4を用いたが、除電が可能なものであれば、例え
ば金属薄板からなり、その先端部がギザギザが設けられ
たもの等でも良い。
【0043】また、実施の形態1では、AからBへの移
動時にインクジェットヘッド1による記録を行ったが、
これはBからAへの移動時に記録を行っても良く、さら
には往復動作時両方とも記録を行うものでも構わない。
【0044】また、実施の形態1では、除電ブラシ用キ
ャリッジ6を備え、この除電ブラシ用キャリッジ6で除
電ブラシ4の往復動作を行ったが、除電ブラシ4をイン
クジェットヘッド1またはインクジェットヘッド用キャ
リッジ2に保持させる構成にし除電ブラシ用キャリッジ
を省く構成も好ましく用いられる。
【0045】また、実施の形態1では、インク吐出に圧
力発生手段として圧電素子18と振動板19を用いた
が、この圧力発生手段として、熱エネルギーによってイ
ンク中に気泡を発生させる手段や、圧電素子による高周
波エネルギー手段を用いたものや、固体インクを溶融
し、その溶融インクを圧電素子により吐出させるもので
も構わない。
【0046】(実施の形態2)図5は本発明にかかる第
2の実施の形態のインクジェット記録装置の概略構成図
である。23は回動軸であり、24は偏心カムである。
この回動軸23と偏心カム24により特許請求の範囲に
おける除電手段離接手段を構成する。図1と異なるの
は、除電ブラシ4に電圧を印加する代わりに接地したこ
とと、除電ブラシ4を除電ブラシ用キャリッジ6に対し
て回動軸23を中心に回動可能な構成としたことであ
る。また、図を分かりやすくするため、クリーニング手
段11と記録紙搬送手段10の図示を省略した。また、
図6は、除電ブラシ4が離間した状態を示す詳細図であ
る。
【0047】以上のように構成されたインクジェット記
録装置の動作について説明する。実施の形態1において
は、除電ブラシ4は対向電極7と同電位になるように設
定した。除電ブラシ4は除電を目的とする以上、導電性
である必要があり、それがために、除電ブラシ4に人手
が触れ感電する可能性がある。記録紙5へ画像を形成す
るという点においては特に問題ないが、安全性という点
からは好ましくはない。また、人手に触れない様にする
ことも十分に可能ではあるが、完全に感電を防止するに
はかなり工夫をする必要がある。また、除電ブラシ4は
往復動作する構成になっており、動作するものに対して
高圧を印加する場合は、装置回路への電気的ノイズ対策
が課題となる。その対策として、回路部、配線部のシー
ルドを行うのが通常であるが、装置のコストUPにつな
がり好ましくはない。
【0048】そこで実施の形態2においては、除電ブラ
シ4を接地するようにした。これにより、除電ブラシ4
に人手が触れても感電しない装置が提供できる。
【0049】まず、記録紙搬送手段10にて記録紙5を
所望の位置に搬送する。その状態にて、スイッチ9を閉
じ、対向電極7がインクジェットヘッド1に対し−2K
Vになるようにする。インクジェットヘッド用キャリッ
ジ2と除電ブラシ用キャリッジ6を図示なき手段にてA
位置からB位置に移動させながら、吐出口14よりイン
ク液滴20を吐出させる。これにより、インクジェット
ヘッド1の一走査分の記録画像を記録紙5上に記録する
ことができる。この時、除電ブラシ4は図6のように離
間した状態にしておく。
【0050】次に、スイッチ9を開き、除電ブラシ4を
接触状態にする。この状態でインクジェットヘッド用キ
ャリッジ2と除電ブラシ用キャリッジ6をB位置からA
位置にリターンさせる。この時は、インクジェットヘッ
ド1でのインク吐出は行わない。これにより、記録紙5
上のインク液滴20の持つ電荷を除去することができ
る。
【0051】次に、記録紙5を所望量搬送する。さらに
再度、インクジェットヘッド用キャリッジ2をA位置か
らB位置に移動させながら、吐出口14よりインク液滴
20を吐出させる。これにより、インクジェットヘッド
1の一走査分の記録画像を記録紙5上に記録する。この
様に、往動作時は記録紙5へのインク像の記録、復動作
時は記録紙5の除電の動作の繰り返しによって記録紙5
への画像形成を実現することができる。
【0052】B位置からA位置へのリターン時にはスイ
ッチ9を開いたが、このスイッチ9を閉じたまま除電ブ
ラシ4を接触状態にすると、記録紙5にインク液滴20
のもつ電荷と同極性の電荷を与えてしまうことになる。
【0053】また、除電手段離接手段を備えない構成も
考えられる。この場合、スイッチ9が閉じている間は、
対向電極7からの電界の影響を受けない場所まで除電ブ
ラシ用キャリッジ6により除電ブラシ4を移動させてお
く必要があり、移動時間、および移動場所が必要なた
め、記録速度の低下、および装置の大型化が生じてしま
う。よって好ましい方法ではない。
【0054】また、実施の形態2では、記録紙搬送手段
10による記録紙5の搬送のタイミングにも注意を払っ
ている。インクジェットヘッド1により、インク液滴2
0を記録した後、記録紙5上のインク液滴20の電荷を
除電ブラシにより除電してから記録紙5を所望量搬送す
る構成としている。インク液滴20の電荷が除去されず
に記録紙5を搬送しようとした場合、対向電極7の電荷
と記録紙5上のインク液滴20の電荷とが引き合い、記
録紙5の搬送に大きな力が必要となる。記録紙搬送手段
10の搬送力を大きくすれば問題はないが、エネルギー
の増大、装置の大型化につながるため好ましくはない。
しかしながら、実施の形態2では、インク液滴20の電
荷を除去してから記録紙5を搬送する構成としているた
め、安定して記録紙5の搬送を行うことができる。
【0055】以上のように、この実施の形態2では、除
電ブラシ4を接地した状態で記録紙5の除電を行うこと
ができるので、安全性が高く、かつ電気的ノイズの発生
し難いインクジェット記録装置を提供することができ
る。
【0056】また、除電手段離接手段を備えたことによ
り、除電、非除電の動作をスイッチ9の開閉に連動して
素早く行え、かつ、装置の大型化にならないインクジェ
ット記録装置が提供できる。
【0057】また、記録紙5上のインク液滴20の電荷
を除去してから記録紙5を搬送する構成としているた
め、記録紙5の搬送に必要なエネルギーを増大させるこ
とない装置も大型にならない、安定して記録紙5の搬送
を行うことができるインクジェット記録装置を提供でき
る。
【0058】なお、実施の形態2では、往動作時に記
録、復動作時に除電を行ったが、これは、スイッチ9が
閉じた状態では除電ブラシ4が離間状態でありさえすれ
ば、往復動作時とも記録を行い、時折除電動作を行うと
いうものでも構わない。
【0059】(実施の形態3)図7は本発明にかかる第
3の実施の形態のインクジェット記録装置の概略構成図
である。25は除電ブラシ4を接地状態と浮遊状態とに
切り替えるスイッチである。このスイッチ25によって
特許請求の範囲における状態切り替え手段が構成されて
いる。図5と異なるのは、除電手段離接手段にかえ、状
態切り替え手段を備えたことである。
【0060】以上のように構成されたインクジェット記
録装置の動作について説明する。動作も実施の形態2の
動作とほぼ同じであり、異なるのは除電ブラシ4による
除電の動作である。実施の形態2においては、スイッチ
9が閉じている間は除電ブラシ4は離間状態になるよう
にしたが、実施の形態3では、スイッチ9が閉じている
間はスイッチ25が開いた状態になるようにした。これ
により、往動作時は記録を行い、復動作時は除電を行う
という動作を、スイッチ25を備えるという、非常に簡
単な構成で実現できる。
【0061】以上のように、この実施の形態3では、ス
イッチ25を付加するだけという非常に簡単な構成で、
実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0062】(実施の形態4)図8は本発明にかかる第
4の実施の形態のインクジェット記録装置の概略構成図
である。図7と異なるのは、スイッチ9がスイッチ25
を兼ねる構成としたことである。
【0063】以上のように構成されたインクジェット記
録装置の動作について説明する。動作も実施の形態3の
動作とほぼ同じである。実施の形態3においては、スイ
ッチ9が閉じた状態においては必ずスイッチ25は開い
た状態とした。これに対しては、スイッチ9のみで行っ
た場合も同様のことが実現できる。また、スイッチ9の
みで行った場合、実施の形態3において、スイッチ9が
開いた状態ではスイッチ25は必ず閉じた状態となる
が、これは何等問題ない。
【0064】以上のように、この実施の形態4では、一
つのスイッチで、実施の形態3ど同様の効果が得られる
ため、より簡素な構成のインクジェット記録装置を提供
することができる。
【0065】(実施の形態5)図9は本発明にかかる第
5の実施の形態のインクジェット記録装置の概略構成図
である。図1と異なるのは、スイッチ9、除電ブラシ
4、除電ブラシ用キャリッジ6を省略したことと、対向
電極7の形状に工夫したことである。また、図10は、
インクジェットヘッド1と対向電極7の部分詳細図であ
り、図9に対して横方向から見たものである。26は記
録紙5上に記録されたインク像である。図を分かりやす
くするために、インクジェットヘッド用キャリッジ2、
キャリッジ軸3の記載を省略した。図10において、A
部はインクジェットヘッド1のノズルのある部分を示し
ており、このA部に対してLの長さが6mm以上、好ま
しくは10mm以上になるように対向電極7の幅を大き
くしている。
【0066】以上のように構成されたインクジェット記
録装置の動作について説明する。図11は通常の対向電
極を用いた場合の部分詳細図である。この場合は、イン
クジェットヘッド1にて記録を行いながら記録紙を矢印
の方向に搬送していくとインク像26の持つ電荷が対向
電極の端に対応する部分に集まってくる。インク13に
は水性インクを用いているためインク像26中を電荷が
容易に移動できるためである。電荷が集まってくるとイ
ンクジェットヘッド1と対向電極7とで形成する電界が
弱まったり、また電界の方向が曲がったりしてしまう。
これにより、着弾位置ずれが生じてしまう。
【0067】これに対し、図10においては、対向電極
7の幅を記録紙5の搬送方向に長くしたため、電荷が集
まっても、インクジェットヘッド1と対向電極7とで形
成する電界が弱まったり、また電界の方向が曲がったり
しにくくなる。鋭意検討により、Lの長さは6mm以上
あれば着弾位置ずれはほとんど起こらなくなることが実
験より得られた。
【0068】以上のように、この実施の形態5では、対
向電極7の幅を記録紙5の搬送方向に長くしたため、何
等特別な除電手段等を備えることなくインク像26の持
つ電荷の悪影響のないインクジェット記録装置が提供す
ることができる。
【0069】なお、インクジェットヘッド1は記録紙5
の全幅に対応した長さを持つ、ラインヘッドでも構わな
い。
【0070】(実施の形態6)図12は本発明にかかる
第6の実施の形態のインクジェット記録装置のインクジ
ェットヘッド1と対向電極7の部分詳細図である。実施
の形態5と異なるのは、対向電極7と同電位になるよう
に設定された除電ブラシ4を備えたことである。
【0071】以上のように構成されたインクジェット記
録装置の動作について説明する。実施の形態5において
は、除電ブラシ4を備えていない。この場合、記録紙5
に、いわゆるインクジェット専用紙を用いた場合は全く
問題はないが、インク13が非常に浸透しやすい記録紙
5を使用した場合、対向電極7の端に対応する部分に集
まってきた電荷と対向電極7との間で放電が起きる場合
がある。そこで、本実施の形態では、除電ブラシ4を備
えている。
【0072】したがって、記録紙5を搬送しながら除電
を行うことができるため、放電の生じない安定したイン
クジェット記録装置が提供できる。
【0073】なお、インクジェットヘッド1は、図12
の紙面に対して垂直方向に往復動作するシリアルヘッド
であっても、記録紙5の前幅に対応した長さを持つ、ラ
インヘッドであってもどちらでも構わない。
【0074】また、除電ブラシ4もインクジェットヘッ
ド1と同様に図12の紙面に対して垂直方向に往復動作
するシリアルの形態であっても、記録紙5の前幅に対応
した長さを持つ、ラインの形態であってもどちらでも構
わない。
【0075】(実施の形態7)本発明にかかる第7の実
施の形態のインクジェット記録装置は実施の形態1の図
1とほぼ同様である。また、図13は本発明にかかる第
7の実施の形態のインクジェット記録装置の対向電極7
部の断面図である。7aは金属板であり、この金属板7
aにインクジェットヘッド1に相対する側に絶縁膜7b
を形成している。この金属板7aと絶縁膜7bとで対向
電極7を構成している。この絶縁膜7bの厚みは0.0
05mm〜0.2mmが好ましく、より好ましくは0.
01mm〜0.05mmである。実施の形態1と異なる
のは対向電極7を2層の構成としたことである。
【0076】以上のように構成されたインクジェット記
録装置の動作について説明する。実施の形態1と異なる
動作は、除電ブラシ4により記録紙5上の電荷の除去だ
けでなく、対向電極7上の電荷を除去することである。
記録紙5に、いわゆるインクジェット専用紙を用いた場
合は全く問題はないが、インク13が非常に浸透しやす
い記録紙5を使用した場合、対向電極7の端に対応する
部分に集まってきた電荷と対向電極7との間で放電が起
きる場合がある。本実施の形態では対向電極7には絶縁
体7bを設けているため、放電は起きない。また、対向
電極7を手で触れた場合も絶縁体7bを備えているた
め、感電を防止することができ、安全性の高い装置が提
供できる。
【0077】しかしながら、対向電極7に絶縁体7bを
設けた場合、1枚程度の記録紙5への記録であれば、さ
ほど問題がないが、何枚も連続して出力を行う場合は、
対向電極7上にどんどん電荷が貯まって、インクジェッ
トヘッド1と対向電極7とで形成する電界が弱まった
り、また電界の方向が曲がったりして、着弾位置ずれが
生じてしまう。本実施の形態では、1枚の記録紙5に記
録を行った後、除電ブラシ4を、対向電極7にその先端
部分が接触した状態でインクジェットヘッド用キャリッ
ジ2と共に同方向に同速度で移動する。これにより、対
向電極7上に貯まった電荷を除去することができる。
【0078】したがって、対向電極7に貯まった電荷を
除去する構成を備えたことにより、インク液滴20の持
つ電荷により放電する事がなく、かつ感電等起きない安
全性の高いインクジェット記録装置が提供できる。
【0079】なお、実施の形態7では、記録紙5上の電
荷を除去する除電ブラシ4で対向電極7上の電荷も除去
したが、これは対向電極7上の電荷を除去する専用の手
段を備えても構わない。
【0080】この2層構成の対向電極7は、実施の形態
1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4に対し
て好ましく用いることができる。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、インク滴
をノズルから突出させるインクジェットヘッドと、この
インクジェットヘッドに対向させて配置した対向電極
と、このインクジェットヘッドと対向電極との間に電圧
を印加して、インクジェットヘッドから突出されたイン
ク滴を静電引力によって対向電極側に加速飛翔させて、
インクジェットヘッドと対向電極との間に挿入された記
録紙上に着弾させる電圧印加手段と、記録紙上の荷電イ
ンクによる電荷を減少もしくは除去させるための除電手
段とを備えたことにより、帯電されたインク液滴による
インク像が記録紙に形成されても、インクジェットヘッ
ドと対向電極とで形成する電界強度の変動が少なく、着
弾位置ずれを生じ難くすることができる。
【0082】また、インクジェットヘッドと、インクジ
ェットヘッドを往復動作させるインクジェットヘッド走
査手段と、インクジェットヘッドに対向する位置に配置
された対向電極と、インクジェット記録と対向電極との
間にインクジェットヘッド側を接地した状態で電圧を印
加する電圧印加手段と、対向電極と同電位に設定され記
録紙上のその背面に対向電極が存在する部分の電荷を除
去する除電手段と、除電手段を往復動作させる除電手段
走査手段とを設けたことにより、インクジェットヘッド
を接地した状態において、帯電されたインク液滴による
インク像が記録紙に形成されても、インクジェットヘッ
ドと対向電極とで形成する電界強度の変動が少なく、着
弾位置ずれを生じ難くすることができる。
【0083】また、電圧印加手段による電圧印加を断続
する電圧印加断続手段を備え、少なくとも、除電手段が
その対向する位置に対向電極が存在しない場所に移動し
ている時は、電圧印加断続手段により、インクジェット
ヘッドと対向電極との間に電圧を印加しないようにした
ことにより、安全性の高い装置が提供できる。
【0084】また、電圧印加手段による電圧印加を断続
する電圧印加断続手段を備え、電圧印加断続手段によ
り、電圧を印加していない時に除電手段により記録紙上
の電荷を除去するようにしたため、安全性が高く、かつ
電気的ノイズの発生し難いインクジェット記録装置を提
供することができる。
【0085】また、除電手段離接手段を備えたことによ
り、除電、非除電の動作をスイッチの開閉に連動して素
早く行え、かつ、装置の大型化にならないインクジェッ
ト記録装置が提供できる。
【0086】また、除電手段を電気的な接地状態と浮遊
状態とに切り替える状態切り替え手段を備えたことによ
り、スイッチを付加するだけという非常に簡単な構成で
除電手段離接手段を備えた場合と同様の効果が得られ
る。
【0087】また、電圧印加断続手段が、状態切り替え
手段を兼ねるようにしたものであるため、何等特別な手
段を備えることなく、状態切り替え手段を備えた場合と
同様の効果が得られる。
【0088】また、インクジェットヘッドによるインク
吐出動作後は除電手段による記録紙上の電荷の除去を行
ってから記録紙搬送手段による記録紙の搬送を行うよう
にしたため、安定した記録紙の搬送を行うことができ
る。
【0089】また、対向電極は、長方形の板状体であ
り、かつ、インクジェットヘッドに対向する面は、イン
クジェットヘッドによる記録範囲に対し、記録紙の搬送
方向に対して少なくとも6mm以上大きい形状であるよ
うにしたことにより、何等特別な除電手段等を備えるこ
となくインク液滴の持つ電荷の悪影響のないインクジェ
ット記録装置を提供することができる。
【0090】また、対向電極と同電位に設定され記録紙
上の電荷を除去する除電手段を備え、除電手段はインク
ジェットヘッドによる記録範囲の外側、かつ、記録紙搬
送方向側、かつ背面に対向電極が存在する部分の記録紙
上の電荷を除去するようにしたため、放電の生じない安
定したインクジェット記録装置が提供できる。
【0091】また、記録紙に接する側は絶縁体、その反
対側が導電体の積層構成である対向電極と、対向電極上
の電荷を除去する除電手段とを備えたことにより、イン
ク液滴の持つ電荷により放電する事がなく、かつ感電等
起きない安全性の高いインクジェット記録装置が提供で
きる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるインクジェット
記録装置の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるインクジェット
ヘッドの吐出口とアクチュエータを示す部分断面図
【図3】本発明の実施の形態1における、インクジェッ
トヘッドの1走査記録幅分だけ記録紙を搬送する場合の
記録像を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における、インクジェッ
トヘッドの1走査記録幅分より少ない量、記録紙を搬送
する場合の記録像を示す図
【図5】本発明の実施の形態2におけるインクジェット
記録装置の概略構成図
【図6】本発明の実施の形態2における除電ブラシを離
間させた状態を示す詳細図
【図7】本発明の実施の形態3におけるインクジェット
記録装置の概略構成図
【図8】本発明の実施の形態4におけるインクジェット
記録装置の概略構成図
【図9】本発明の実施の形態5におけるインクジェット
記録装置の概略構成図
【図10】本発明の実施の形態5におけるインクジェッ
トヘッドと対向電極の部分詳細図
【図11】本発明の実施の形態5における通常の対向電
極を用いた場合インクジェットヘッドと対向電極の部分
詳細図
【図12】本発明の実施の形態6におけるインクジェッ
トヘッドと対向電極の部分詳細図
【図13】本発明の実施の形態7における対向電極の部
分詳細図
【図14】従来のインクジェット記録装置の概略断面図
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 2 インクジェットヘッド用キャリッジ 3 キャリッジ軸 4 除電ブラシ 5 記録紙 6 除電ブラシ用キャリッジ 7 対向電極 7a 金属板 7b 絶縁体 8 電源 9 スイッチ 10 記録紙搬送手段 11 インクジェットヘッドクリーニング手段 12 ノズル板 13 インク 14 吐出口 15 圧力室 16 圧力室構造体 17 インク供給口 18 圧電素子 19 振動板 20 インク液滴 21 前走査記録像 22 次走査記録像 23 回動軸 24 偏心カム 25 スイッチ 26 インク像

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク滴をノズルから突出させるインクジ
    ェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに対向させ
    て配置した対向電極と、前記インクジェットヘッドと前
    記対向電極との間に電圧を印加して、前記インクジェッ
    トヘッドから突出されたインク滴を静電引力によって前
    記対向電極側に加速飛翔させて、前記インクジェットヘ
    ッドと前記対向電極との間に挿入された記録紙上に着弾
    させる電圧印加手段と、前記記録紙上の荷電インクによ
    る電荷を減少もしくは除去させるための除電手段とを備
    えたことを特徴とするインクジェット装置。
  2. 【請求項2】インクジェットヘッドと、前記インクジェ
    ットヘッドを往復動作させるインクジェットヘッド走査
    手段と、前記インクジェットヘッドに対向する位置に配
    置された対向電極と、前記インクジェットヘッドと前記
    対向電極との間に前記インクジェットヘッド側を接地し
    た状態で電圧を印加する電圧印加手段と、前記対向電極
    と同電位に設定され、記録紙上のその背面に前記対向電
    極が存在する部分の電荷を除去する除電手段と、前記除
    電手段を前記インクジェットヘッドの往復動作方向と同
    方向に往復動作させる除電手段走査手段とを備えたこと
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】電圧印加手段による電圧印加を断続する電
    圧印加断続手段を備え、少なくとも、前記除電手段がそ
    の対向する位置に対向電極が存在しない場所に移動して
    いる時は、前記電圧印加断続手段により、前記インクジ
    ェットヘッドと前記対向電極との間に電圧を印加しない
    ことを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】インクジェットヘッドと、前記インクジェ
    ットヘッドを往復動作させるインクジェットヘッド走査
    手段と、前記インクジェットヘッドに対向する位置に配
    置された対向電極と、前記インクジェットヘッドと前記
    対向電極との間に前記インクジェットヘッド側を接地し
    た状態で電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加
    手段による電圧印加を断続する電圧印加断続手段と、記
    録紙上のその背面に前記対向電極が存在する部分の電荷
    を除去する除電手段とを備え、前記電圧印加断続手段に
    より、電圧を印加していない時に前記除電手段により記
    録紙上の電荷を除去することを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  5. 【請求項5】除電手段は、記録紙に接触させることによ
    り記録紙上の電荷を除去するものであり、かつ前記除電
    手段を往復動作させる除電手段走査手段と、前記除電手
    段の記録紙への離接を行う除電手段離接手段とを備え、
    少なくとも、電圧印加断続手段により、電圧を印加して
    いる時は前記除電手段離接手段により前記除電手段は記
    録紙に対して離間状態にすることを特徴とする請求項4
    記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】除電手段を電気的な接地状態と浮遊状態と
    に切り替える状態切り替え手段を備え、少なくとも、電
    圧印加断続手段により、電圧を印加している時は前記状
    態切り替え手段により、前記除電手段を電気的な浮遊状
    態に切り替えることを特徴とする請求項4記載のインク
    ジェット記録装置。
  7. 【請求項7】電圧印加断続手段は、接地されたスイッチ
    手段に電源がつながれ、かつ前記電源に対向電極が直列
    につながれたものであり、前記電圧印加断続手段が状態
    切り替え手段を兼ねることを特徴とする請求項6記載の
    インクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】インクジェットヘッドの往復動作方向に対
    して、垂直方向に記録紙を搬送する記録紙搬送手段を備
    え、前記インクジェットヘッドによるインク吐出動作後
    は除電手段による記録紙上の電荷の除去を行ってから前
    記記録紙搬送手段による記録紙の搬送を行うことを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット
    記録装置。
  9. 【請求項9】インクジェットヘッド走査手段によるイン
    クジェットヘッドの往動作時は、記録紙へのインク吐出
    動作を行い、かつ復動作時は記録紙上の電荷を除去す
    る、または、往動作時は記録紙上の電荷を除去し、かつ
    復動作時は記録紙へのインク吐出動作を行うことを特徴
    とする請求項3〜8のいずれかに記載のインクジェット
    記録装置。
  10. 【請求項10】インクジェットヘッドと、前記インクジ
    ェットヘッドに対向する位置に配置された対向電極と、
    前記インクジェットヘッドと前記対向電極との間に前記
    インクジェットヘッド側を接地した状態で電圧を印加す
    る電圧印加手段とを備え、前記対向電極は、長方形の板
    状体であり、かつ、前記インクジェットヘッドに対向す
    る面は、前記インクジェットヘッドによる記録範囲に対
    し、記録紙の搬送方向に対して少なくとも6mm以上大
    きい形状であることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  11. 【請求項11】対向電極と同電位に設定され記録紙上の
    電荷を除去する除電手段を備え、前記除電手段はインク
    ジェットヘッドによる記録範囲の外側、かつ、記録紙搬
    送方向側、かつ背面に対向電極が存在する部分の記録紙
    上の電荷を除去することを特徴とする請求項10記載の
    インクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】インクジェットヘッドと、前記インクジ
    ェットヘッドを往復動作させるインクジェットヘッド走
    査手段と、前記インクジェットヘッドに対向する位置に
    配置され、少なくとも記録紙に接する側は絶縁体、その
    反対側が導電体の積層構成である対向電極と、前記イン
    クジェットヘッドと前記対向電極との間に前記インクジ
    ェットヘッド側を接地した状態で電圧を印加する電圧印
    加手段と、対向電極上の電荷を除去する除電手段とを備
    えた事を特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】対向電極上の電荷の除去は、前記対向電
    極と除電手段との間に記録紙が介在しない時に行うこと
    を特徴とする請求項12記載のインクジェット記録装
    置。
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