JPH1173913A - 紫外線発生装置および同装置を用いた紫外線殺菌装置 - Google Patents

紫外線発生装置および同装置を用いた紫外線殺菌装置

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JPH1173913A
JPH1173913A JP9235235A JP23523597A JPH1173913A JP H1173913 A JPH1173913 A JP H1173913A JP 9235235 A JP9235235 A JP 9235235A JP 23523597 A JP23523597 A JP 23523597A JP H1173913 A JPH1173913 A JP H1173913A
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JP
Japan
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ultraviolet
ultraviolet ray
electrode
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Application number
JP9235235A
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English (en)
Inventor
Sukeyuki Yasui
祐之 安井
Tadashi Imai
正 今井
Hideo Akahori
秀夫 赤堀
Yutaka Uchida
裕 内田
Toshio Ichihashi
利夫 市橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光強度分布の一様化が容易で、斑のない照射が
行え、耐用寿命の長期化が図れ、少ない消費電力で効率
よく高強度の紫外線発光を得ることができ、構成もコン
パクトで流体の流れの中に配置した場合の流量抵抗の減
少も図れるようにする。 【解決手段】紫外線発光体ガスを内部に充填し、一側面
に紫外線透過窓16を有する偏平な筐体12と、この筐
体の内部に紫外線透過窓と平行に設けられた薄板状の誘
電体パネル17と、この誘電体パネルの紫外線透過窓側
に向く一側面に密着して設けられた金属製のメッシュ状
電極18と、誘電体パネルの他側面に密着して設けられ
た金属製のプレート状電極19と、各電極18,19間
に高速反転パルス電圧を印加して電子放出を行わせるパ
ルス電源装置14とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度の紫外線を
高能率で発生することができる紫外線発生装置と、この
紫外線発生装置を用いて構成され、例えば下水処理施設
での放流水の殺菌、あるいは医療分野の手洗い用水や空
気の殺菌等、大小各種の規模の殺菌処理設備として適用
される紫外線殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば下水処理における殺菌には
塩素殺菌法が用いられている。しかしながら、有機塩素
化合物などの副生成、水生生物に対する影響、あるいは
維持管理費における安全性等の観点から課題があり、最
近ではこれに変わる新たな殺菌手法が望まれている。新
たな殺菌手法のなかでも、紫外線殺菌法は、副生成物や
残留性がなく、水生生物に対する影響がないことなどか
ら、新しい殺菌手法として注目されている。
【0003】紫外線(UV)は、X線と可視光線とに挟
まれた約100〜400nmの波長域の電磁はを総称し
たもので、その物理化学的な作用や生物に与える影響は
波長によって大きく異なる。通常では、生物に与える影
響の度合に応じてUV−A(315〜400nm)、U
V−B(280〜315nm)、UV−C(100〜2
80)の三つに区分されている。特に、UV−Cは生物
に与える影響が極めて大きく、発癌作用や微生物に対す
る殺菌作用があり、微生物に対しては死に至らしめるこ
とが可能である。
【0004】波長によって作用が異なるのは、それぞれ
の波長が持つエネルギ量が異なるためであり、そのエネ
ルギは波長が短くなるほど大きく、245nmでは11
2kcal/mol、185nmでは154kcal/
molである。
【0005】一方、有機物(生物も含まれる)は、炭素
原子を中心に様々な原子が多数結合した物質からなる。
化学結合の結合エネルギの多くは約70〜150kca
l/molのエネルギで、これは紫外線の持つエネルギ
量とほぼ同じレベルである。つまり、炭化水素に紫外線
が吸収されると、その結合が解離し、ラジカル生成を経
由する光化学反応が起こり、有機物は分解していく。
【0006】紫外線による殺菌作用も、このような光化
学反応の一現象とみなすことができる。つまり、生物細
胞内には紫外線に極めて感受性の高い構造体が存在する
ため、この構造体が紫外線を吸収することによって様々
な化学反応が生じ、それが細胞の死や障害を引き起こ
す。
【0007】図34は各波長における殺菌効果を示した
グラフであり、横軸に波長を表し、縦軸に相対殺菌効果
を表している。この図35から、殺菌効果は250〜2
60nm付近の波長で特異的に高いことが分かる。
【0008】また、図35は核酸(DNA)の紫外線吸
収曲線を示したグラフであり、横軸に波長を表し、縦軸
に紫外線の吸収率を表している。この図36から、核酸
の殺菌効果が著しく高い250nm付近の波長域で、極
めて感受性が高い(吸収率が高い)ことが分かる。
【0009】つまり、核酸は260nm付近の照射を受
けると、それらを構成する分子内が大きく励起され、化
学反応を起こしてしまう。核酸は、生命の遺伝現象と全
ての重要な生物機能を担っているため、そこに変化が起
こされると、致命的とならざるを得ない。実際、紫外線
により核酸分子内のピリミジン塩基がダイマー (二量
体)に変化する反応が知られており、このダイマーの生
成が紫外線による殺菌の主因と考えられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、殺菌手
法として、副生成物や残留性がなく、水生生物に対する
影響がない紫外線殺菌装置が導入されているが、従来そ
の紫外線装置は低圧水銀ランプが主流である。
【0011】この低圧水銀ランプは例えば図36に示す
ように、両端に金属電極1を有するU字状のガラス製封
入管2、あるいは図37に示すように、両端に金属電極
3を有する直管状のガラス製封入管4を備えている。そ
して、これらの封入管2,4の内部に、放電ガスとして
の例えばArガスと、紫外線発光体であるHg蒸気とを
数Torr以下のガス圧で封入し、各電極1,3間に電
圧を印加することによって放電を点弧するようになって
いる。
【0012】この放電点弧によって生成された電子が、
紫外線発光体であるHg蒸気に衝突し、Hgを電子励起
させ、紫外線が発生する。つまり、熱陰極から放出され
た熱電子が放電管の両端に印加した電界により加速さ
れ、内部に封入されている発光種と衝突して励起され、
その結果発光種から紫外線が放射される。
【0013】しかしながら、このような従来の低圧水銀
ランプでは、紫外線出力がたかだか数十Wであり、紫外
線の持つ高いエネルギをより効率よく使用するには多く
の制約があった。例えば低圧水銀ランプの高出力化に伴
い、ランプに入力される電力の紫外線への変換効率(紫
外線効率)が大幅に低下し、結果的に、紫外線出力が増
加しなくなる。
【0014】このように、高入力化に伴い、紫外線効率
が低下する要因は、大きく分けて以下の二つが考えられ
る。
【0015】1.水銀をプラズマ中で励起させる力であ
る電子温度が低下するため。 2.大電流を流すことにより、プラズマ中の水銀の多く
がイオン化し、励起に寄与できる中性水銀が減少するた
め。
【0016】また、ランプの定格寿命は、5千〜1万時
間であり、維持管理に課題があった。寿命を決定づける
要因としては、下記の2点が挙げられる。
【0017】1.大電流のため、電極の消耗が大きい。
【0018】2.蛍光ランプでも生ずる減少であるが、
寿命が進むにつれて封入物質である水銀が酸化し、黒化
物がプラズマからの紫外線を吸収するため、ランプから
放射される紫外線が減少する。
【0019】さらに、上述した従来技術の円筒型光源で
は、紫外光線の発光が円筒の中心から円筒の外周部に向
かう方向で放射されおり、殺菌処理装置等に適用した場
合には、円筒の半径方向に向けての照度の減衰が大き
く、また複数の光源を用いる場合には被照射物の体積内
での照射強度の均一化が難しかった。また、熱陰極を蒸
気加熱するため電極の劣化が避けられず、その寿命が短
いという欠点もあった。また、加熱陰極からの電極材料
の若干の蒸発もあり、それが電極劣化の原因となるとと
もに、ガラス面に蒸着し、光の透過率も低下してゆくこ
とも避けられなかった。
【0020】さらにまた、陰極型の照明ランプの場合、
動作電圧が比較的高いため、装置を大型化した場合に大
掛りな電源装置が必要になり、また大型化により放電が
不均一になり、局所集中しやすくなって均一な発光を得
ることが困難であった。
【0021】そして、例えば下水道ダクトに上述した円
筒型の紫外線ランプを配置して、殺菌処理を行うことを
考えた場合、図38に示すように、多数の紫外線ランプ
5を下水道ダクト6内に林立状態で設置しなければなら
ない。このため構成が複雑で大型化する一方、林立する
紫外線ランプ5によって下水の流動抵抗が増大する等の
問題が生じる。
【0022】なお近年では、誘電体パネルバリア放電を
用いた光源が提案されている(例えば特開平6−310
106号公報)。この光源では、誘電体パネルを挟んで
その両側に1組の金属電極を配置し、これらの電極に交
流電圧を印加することによって誘電体パネル内面に微小
な放電を発生させ、上述した低圧放電と同様に、発光種
を励起して、発光させるようになっている。
【0023】また、液晶ディスプレイ等の照明用光源と
して、冷陰極面発光ランプも提案されている(例えば特
開平6−150882号公報)。この光源では、発光種
を含む空間に一組の電極を対向設置し、この電極間に高
電圧を印加することにより放電を発生させ、発光種を励
起して発光させるようになっている。
【0024】しかし、このような誘電体パネルバリア放
電等を用いた技術では、放電体積を大きくすることが難
しく、大型光源としては実用上困難であった。
【0025】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、第1の目的は光強度分布の一様化が容易で、斑
のない照射が行えるとともに、従来の紫外線ランプに比
して大幅に耐用寿命の長期化が図れ、かつ少ない消費電
力で効率よく高強度の紫外線発光を得ることができ、し
かも構成もコンパクトで流体の流れの中に配置した場合
の流量抵抗の減少も図れる紫外線発生装置を提供するこ
とにある。
【0026】また、本発明の第2の目的は、前記の紫外
線発生装置を使用して、高密度の光源設置により省スペ
ース化が図れるとともに、長寿命でメンテナンスが容易
であり、しかも下水その他の被処理物の殺菌処理が高能
力で大量に行え、大規模設備から手洗い水あるいは換気
設備等の比較的小規模の施設に対しても広く適用するこ
とができ、環境設備等への適用上で大きい効果が期待で
きる紫外線殺菌装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、紫外線発光体ガスを内部に充
填し、一側面に紫外線透過窓を有する偏平な筐体と、こ
の筐体の内部に前記紫外線透過窓と平行に設けられた薄
板状の誘電体パネルと、この誘電体パネルの前記紫外線
透過窓側に向く一側面に密着して設けられた金属製のメ
ッシュ状電極と、前記誘電体パネルの他側面に密着して
設けられた金属製のプレート状電極と、これらの電極間
に高速反転パルス電圧を印加して電子放出を行わせるパ
ルス電源装置とを備え、前記各電極間への電圧印加によ
って放出した電子を前記筐体内で紫外線発光体ガスに衝
突させることにより紫外線を発生させるとともに、発生
した紫外線を前記紫外線透過窓を介して前記筐体の外方
に放射させるようにしたことを特徴とする紫外線発生装
置を提供する。
【0028】請求項2の発明では、紫外線発光体ガスを
内部に充填し、対向する両側面に紫外線透過窓を有する
偏平な筐体と、この筐体の内部に前記各紫外線透過窓と
平行に設けられた薄板状の誘電体パネルと、この誘電体
パネルの前記紫外線透過窓側に向く各外側面にそれぞれ
密着して設けられた1対の金属製のメッシュ状電極と、
前記誘電体パネルの内側に密着して設けられた金属製の
プレート状電極と、これら各電極間に高速反転パルス電
圧を印加して電子放出を行わせるパルス電源装置とを備
え、前記各電極間への電圧印加によって放出した電子を
前記筐体内で紫外線発光体ガスに衝突させることにより
紫外線を発生させるとともに、発生した紫外線を前記各
紫外線透過窓を介して前記筐体の両側外方に放射させる
ようにしたことを特徴とする紫外線発生装置を提供す
る。
【0029】請求項3の発明では、請求項1または2記
載の紫外線発生装置において、薄板状の誘電体パネルを
強誘電体材料によって構成したことを特徴とする紫外線
発生装置を提供する。
【0030】請求項4の発明では、請求項1から3まで
のいずれかに記載の紫外線発生装置において、筐体内の
紫外線発光体ガス量を調整するガス量調整器を備えたこ
とを特徴とする紫外線発生装置を提供する。
【0031】請求項5の発明では、請求項1から4まで
のいずれかに記載の紫外線発生装置において、メッシュ
状電極は1枚以上の短冊状のものであることを特徴とす
る紫外線発生装置を提供する。
【0032】請求項6の発明では、請求項1から5まで
のいずれかに記載の紫外線発生装置において、メッシュ
状電極とプレート状電極とは誘電体パネルを挟んで互い
に分離した構成としたことを特徴とする紫外線発生装置
を提供する。
【0033】請求項7の発明では、請求項1から5まで
のいずれかに記載の紫外線発生装置において、メッシュ
状電極は、相互に接続された一群の電極要素と、この群
とは分離した状態で相互に接続された他の群の電極要素
とを備え、そのいずれかの群の電極要素をプレート状電
極に接続した構成としたことを特徴とする紫外線発生装
置を提供する。
【0034】請求項8の発明では、請求項1から7まで
のいずれかに記載の紫外線発生装置において、電極の表
面に金属被覆層を設けたことを特徴とする紫外線発生装
置を提供する。
【0035】請求項9の発明では、請求項1から8まで
のいずれかに記載の紫外線発生装置において、電極を高
融点金属粒子の結合体によって構成し、この電極の構成
粒子の間隙に仕事関数の低い金属を含浸させたことを特
徴とする紫外線発生装置を提供する。
【0036】請求項10の発明では、請求項1から9ま
でのいずれかに記載の紫外線発生装置において、プレー
ト状電極は1枚構造の誘電体パネルの内部に埋設状態
で、または重合構造の複数枚の誘電体パネルの重合面間
に設けたことを特徴とする紫外線発生装置を提供する。
【0037】請求項11の発明では、請求項1から10
までのいずれかに記載の紫外線発生装置において、誘電
体パネルおよび電極の表面に誘電体パネル被覆層を設け
たことを特徴とする紫外線発生装置を提供する。
【0038】請求項12の発明では、請求項1から11
までのいずれかに記載の紫外線発生装置において、筐体
の内部に紫外線透過窓を支持するための支柱を設たこと
を特徴とする紫外線発生装置を提供する。
【0039】請求項13の発明では、請求項1から12
までのいずれかに記載の紫外線発生装置において、筐体
の紫外線透過窓となる壁部とその支持壁部とを熱膨張係
数が同一または近似した材料で構成し、これら紫外線透
過窓となる壁部とその支持壁部との接合面を、前記両壁
の熱膨張係数の中間的値を有する材料を用いて接合した
ことを特徴とする紫外線発生装置を提供する。
【0040】請求項14の発明では、請求項1から12
までのいずれかに記載の紫外線発生装置において、筐体
の紫外線透過窓となる壁部とその支持壁部とを熱膨張係
数に隔たりがある材料で構成し、これら両壁部の接合面
間に熱膨張差を吸収できるリング状金属を介在させ、こ
のリング状金属を前記紫外線透過窓となる壁部とその支
持壁部とに接合したことを特徴とする紫外線発生装置を
提供する。
【0041】請求項15の発明では、請求項1から12
までのいずれかに記載の紫外線発生装置において、筐体
の紫外線透過窓となる壁部とその支持壁部との接合面
を、表面粗さ1/10μm以下の微細面として形成し、
この両面をオプティカルコンタクトにより接合したこと
を特徴とする紫外線発生装置を提供する。
【0042】請求項16の発明では、請求項1から15
までのいずれかに記載の紫外線発生装置において、筐体
の紫外線透過窓と対向する壁部に開口部を設け、この開
口部の周囲に位置する壁部とこの壁部の内側に位置する
プレート状電極とをメタライズ部を介して密着接合させ
るとともに、前記開口部に面する位置で前記プレート状
電極にパルス電圧印加用配線を接続したことを特徴とす
る紫外線発生装置を提供する。
【0043】請求項17の発明では、請求項16記載の
紫外線発生装置において、筐体の紫外線透過窓と対向す
る壁部の開口部に導電性材料で構成したスタッドを嵌合
し、このスタッドにプレート状電極にメタライズ部を介
して密着接合させるとともにパルス電圧印加用配線を接
続したことを特徴とする紫外線発生装置を提供する。
【0044】請求項18の発明では、請求項1から17
までのいずれかに記載の紫外線発生装置において、パル
ス電源装置は、急峻なパルス励起電流を供給する励起電
源回路を備えたことを特徴とする紫外線発生装置を提供
する。
【0045】請求項19の発明では、請求項18記載の
紫外線発生装置において、励起電源回路は、励起パルス
波形の立上りおよび終了を急峻に行わせるインピーダン
ス変換用のパルスフォーミングネットワークにより構成
したことを特徴とする紫外線発生装置を提供する。
【0046】請求項20の発明では、請求項6記載のメ
ッシュ状電極とプレート状電極とが互いに分離した構成
の紫外線発生装置において、パルス電源装置は、誘電体
パネルの表面に帯電した電荷を解消するための手段とし
て電極間にサイリスタ等を用いたショート回路を備え、
単一極性パルスで動作させるようにしたことを特徴とす
る紫外線発生装置を提供する。
【0047】請求項21の発明では、請求項1から20
までに記載の紫外線発生装置を、殺菌対象となる被処理
物に紫外線放射する配置で設けたことを特徴とする紫外
線殺菌装置を提供する。
【0048】請求項22の発明では、請求項21記載の
紫外線殺菌装置において、被処理物は連続的または断続
的に流動する液体または気体であり、紫外線発生装置の
筐体の紫外線透過窓が属する側面を、前記液体または気
体が流動する流路内の当該流動方向と直交する方向に向
けて配置したことを特徴とする紫外線殺菌装置を提供す
る。
【0049】請求項23の発明では、請求項22記載の
紫外線殺菌装置において、被処理物としての液体が上,
下水道水であり、紫外線発生装置は下水道または上水道
の流路に設けたことを特徴とする紫外線殺菌装置を提供
する。
【0050】請求項24の発明では、請求項22記載の
紫外線殺菌装置において、被処理物としての気体は、室
内の換気または空気調和の対象となる空気であり、紫外
線発生装置は空気流路に設けたことを特徴とする紫外線
殺菌装置を提供する。
【0051】請求項25の発明では、請求項22から2
4までのいずれかに記載の紫外線殺菌装置において、紫
外線発生装置は被処理物の流れ方向に沿って複数連続的
に、かつ流れと直交する方向に紫外線透過窓が対向する
配置で設置したことを特徴とする紫外線殺菌装置を提供
する。
【0052】請求項26の発明では、請求項25記載の
紫外線殺菌装置において、紫外線発生装置の発光タイミ
ングを、被処理物の流れ方向上流側から下流側に向かっ
て、流れ速度よりも十分短い間隔で順次にずれる設定と
したことを特徴とする紫外線殺菌装置を提供する。
【0053】請求項27の発明では、請求項25記載の
紫外線殺菌装置において、紫外線発生装置を、被処理物
の流れに直交する方向に2列以上、並列に配置したこと
を特徴とする紫外線殺菌装置を提供する。
【0054】請求項28の発明では、請求項27記載の
紫外線殺菌装置において、紫外線発生装置の配列位置
を、被処理物の流れの上流側と下流側とで異ならせたこ
とを特徴とする紫外線殺菌装置を提供する。
【0055】請求項29の発明では、請求項21から2
8までに記載の紫外線殺菌装置を放流用下水の殺菌処理
に適用する場合、紫外線発生装置を下水道の処理水ダク
ト内に配設したことを特徴とする紫外線殺菌装置を提供
する。
【0056】請求項30の発明では、請求項21から2
8までに記載の紫外線殺菌装置を換気空気の殺菌処理に
適用する場合、紫外線発生装置を排気ダクトの換気ポー
トに配設したことを特徴とする紫外線殺菌装置を提供す
る。
【0057】請求項31の発明では、請求項21から2
8までに記載の紫外線殺菌装置を上水の殺菌処理に適用
する場合、紫外線発生装置を上水道の放水管出口に配設
したことを特徴とする紫外線殺菌装置を提供する。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る紫外線発生装
置およびこの紫外線発生装置を用いた紫外線殺菌装置の
実施形態について、図面を参照して説明する。
【0059】第1実施形態(紫外線発生装置)図1〜図
25 図1は本実施形態による紫外線発生装置の基本的な構成
を示す図である。
【0060】この図1に示すように、本実施形態の紫外
線発生装置11は、気密容器としての偏平な筐体12の
内部に平板状の放電用電極体13を固定配置し、筐体1
2内に紫外線発光種であるHg蒸気等の紫外線発光体ガ
スを封入した状態で、放電用電極体13にパルス電源装
置14から高速反転パルス電圧を印加する構成となって
いる。
【0061】筐体12は全体として薄い直方体状をなし
ており、例えばアルミナ(Al2 3 )等のセラミック
スで構成された一側面が開口する箱型の枠体15と、こ
の枠体15の開口位置に密着状態で接合され、特定波長
の紫外線透過率が高い材料からなる紫外線透過窓16と
によって構成されている。紫外線透過窓16の材料とし
ては、石英、シリカガラス(例えばショット社製のパイ
レックスガラス)、あるいは透明アルミナ等が適用でき
る。筐体12内に充填されるHg蒸気等の紫外線発光体
ガスは、例えば充填圧が103 Torr以下とされてい
る。なお、紫外線透過窓16と、その支持壁である枠体
15の周壁部との接合構造については、後に詳しく説明
する。
【0062】放電用電極体13は、セラミックス等で構
成された誘電体パネル17と、この誘電体パネル17の
紫外線透過窓16側に向く一側面(表面)に密着して設
けられた金属製のメッシュ状電極18と、誘電体パネル
17の他側面(裏面)に密着して設けられた金属製のプ
レート状電極19とによって構成されており、筐体12
の底板内面部位に固着されている。
【0063】誘電体パネル17は、肉厚が100〜50
0μm程度の薄板状のものであり、例えばアルミナ(A
2 3 )、窒化アルミニウム(AlN)、酸化硅素
(SiO2 )、窒化硅素(SiN)等のアルカリ土類金
属の化合物からなるセラミックス、あるいはガラス等に
よって構成されている。この誘電体パネル17の各側面
に形成される電極18,19は、タングステン(W)、
モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)等の高融点金属
によって構成されている。各電極18,19の形成方法
としては、例えば金属微粒子をバインダとともに誘電体
パネル17の表面に塗布した後に焼結する方法、あるい
は真空雰囲気中で誘電体パネル17に電極材料金属をマ
スク等を用いてスパッタ処理により所定形状に蒸着する
方法等が採用される。
【0064】メッシュ状電極18は、例えば一定の間隔
で平行に配列された複数の短冊状の電極要素20を有
し、その各電極要素20が長手方向一端側で帯状のコー
ド要素21で一体に接続された構成となっている。すな
わち、誘電体パネル17の表面には電極となる金属部分
と、電極が存在せず誘電体パネル17の表面が露出する
部分とが交互に配置した状態となっている。一方、プレ
ート状電極19は誘電体パネル17の裏面のほぼ全体に
沿って形成されている。そして、メッシュ状電極18と
プレート状電極19とは誘電体パネル17を挟んで互い
に分離した構成となっている。
【0065】パルス電源装置14は、メッシュ状電極1
8とプレート状電極19との間に高速反転パルス電圧を
印加して電子放出を行わせるものであり、印加される高
速反転パルス電圧として例えば反転時間をナノ秒以下、
電界値を20kV/cm以下に設定してある。
【0066】以上の構成において、各電極18,19間
にパルス電源装置14によって高速反転パルス電圧を印
加した場合、各電極18,19で挟まれている誘電体パ
ネル17の表面から高エネルギの電子(図1に模式的に
示した白丸)aが放出され、この放出した電子aは筐体
12内で紫外線発光体ガス(図1に模式的に示した黒
丸)bに衝突する。この衝突によって紫外線(図1に模
式的に示した矢印)cが発生し、この発生した紫外線c
が紫外線透過窓16を介して筐体12の外方に放射され
る。
【0067】この場合、本実施形態電では放電用電極体
13が広い面積を有すること、また電極構造としてメッ
シュ状電極18を採用したこと、さらに高速反転パルス
電圧の印加により放電を行わせるようにしたこと等によ
り、両電極18,19で挟まれている誘電体パネル17
の表面から10eV以上の高エネルギの電子放出を高効
率で行うことができ、それに基づく紫外線発光体励起作
用によって紫外線を効率よく、しかも広範囲に亘って発
生させることができる。
【0068】また、本実施形態によれば従来の紫外線発
生装置と異なり、紫外線発光体ガス中で放電点弧を行わ
ないため、電極消耗等の問題もなく、長寿命化が可能に
なる。さらに、薄板状の誘電体パネル17を強誘電体パ
ネル材にすることも可能であり、この場合、誘電体パネ
ル17の大きな自発分極の効果によって放出電子のエネ
ルギをより高エネルギ化にすることが可能である。
【0069】図2は、ガス量調整器を設けた紫外線発生
装置11の具体的な構成例を示している。
【0070】すなわち、この図2に示した構成例では、
筐体12の内部にに紫外線発光体ガスを供給するための
ガス供給管22と、供給したガスを排出するガス排気管
23とを備え、これらガス供給管22およびガス排気管
23に、ガス量を可変とするためのバルブ等のガス量調
整器24が設けられている。
【0071】このような構成によれば、ガス量調整器2
4で筐体12内の紫外線発光体ガス量を調整することに
より、筐体12内での紫外線発生量を適用対象の変動に
応じて制御することができ、必要量の紫外線を任意に発
生することができる。
【0072】図3は、両面発光型の紫外線発生装置11
の構成例を示している。
【0073】すなわち、この図3に示す紫外線発生装置
11では、筐体12の両側面に紫外線透過窓16が設け
られ、筐体12の内部には各紫外線透過窓16と平行に
設けられた2重構造の薄板状の誘電体パネル17が設け
られている。そして、この誘電体パネル17の紫外線透
過窓16側に対向する各外表面にそれぞれ密着して1対
の金属製のメッシュ状電極18が設けられるとともに、
誘電体パネル17の重合面間に挟持状態で密着して1枚
の金属製のプレート状電極19が設けられている。
【0074】そして、パルス電源装置14によって両面
のメッシュ状電極18とこれらに挟まれた形のプレート
状電極19との間に、高速反転パルス電圧を印加して電
子を誘電体パネル17の両面側で放出させ、放出した電
子を筐体12内で紫外線発光体ガスに衝突させることに
より紫外線を発生させ、発生した紫外線を筐体12の両
面の各紫外線透過窓16から外方に放射させるようにな
っている。
【0075】このような構成によると、高エネルギ電子
を誘電体パネル17の両面で効率よく生成させ、紫外線
を両面方向に放出できるとともに、紫外線発生面積の拡
大が図れる。
【0076】この図3に示した構成例においても、薄板
状の誘電体パネル17を強誘電体材料によって構成し、
誘電体パネル17の自発分極の効果により、放出電子の
エネルギを、より高エネルギにすることが可能である。
また、この構成例でも前記同様に紫外線発光体ガス量を
可変とするガス量調整器を装備し、ガス量の調整によっ
て紫外線発生量を適用対象の変動に応じて制御すること
ができる。
【0077】次に、図4〜図19によって、放電用電極
体13あるいは筐体12等についての各種構成例を説明
する。
【0078】図4〜図6は、メッシュ状電極18の短冊
状の電極要素20を幅広い形状とし、その電極要素20
間の間隔を大きく設定した構成例(第1の変形例)を示
している。図4は全体構成を示す図であり、図5は放電
用電極体13の表面構成を示す図であり、図6は放電用
電極体13の裏面構成を示す図である。
【0079】この構成例では図4〜図6に示すように、
誘電体パネル17の表面にメッシュ状電極18として例
えば3本の幅広い短冊状の電極要素20(20a,20
a,20b)が、その誘電体パネル17の両端縁部とそ
の中間位置とに一定の間隔で互いに平行な配置で形成さ
れている。これらの電極要素20のうち、誘電体パネル
17の両端縁部に位置する1対の電極要素20aが、誘
電体パネル17の裏面側のプレート状電極19にその誘
電体パネル17の端縁部を介して接合された構成となっ
ている。また、中間に位置する電極要素20bはプレー
ト状電極19から分離した構成となっている。なお、裏
面のプレート状電極19は図6に示すように、誘電体パ
ネル17の板周辺を除くほぼ全面に沿って面状に形成さ
れている。
【0080】このような構成の放電用電極体13の場合
には、パルス電源装置14から高速パルス電圧をメッシ
ュ状電極18の中間位置の電極要素20bと、プレート
状電極19との間に印加する。これにより、図1に示し
た構成の放電用電極体13の場合と同様の電子放出が行
われるほか、メッシュ状電極18の中間部位置の電極要
素20bとその両側の電極要素20aとの間でも電子
(図5に模式的に示した矢印)dの放出が行われる。こ
の誘電体パネル17の表面に沿う放電作用、すなわち沿
面放電が行われることにより、さらに高効率で紫外線を
発生させることができる。なお、電極要素20の数は3
本以上としてもよいことは勿論である。
【0081】図7および図8は、放電用電極体13のメ
ッシュ状電極18が多数の幅狭な短冊状電極要素20を
密集した構成(第2の変形例)を示している。図7はこ
の放電用電極体13の表面構成を示す図であり、図6は
その裏面構成を示す図である。
【0082】この構成例では、図7に示すように、誘電
体パネル17の表面にメッシュ状電極18として多数の
幅狭な短冊状の電極要素20が一定の小間隔で互いに平
行な配置で形成されている。これらの電極要素20が各
中間位置でコード要素21によって一体に接続された構
成となっている。なお、裏面のプレート状電極19は図
8に示すように、誘電体パネル17の板周辺を除くほぼ
全面に沿って面状に形成されており、これらメッシュ状
電極18とプレート状電極19とは互いに分離した構成
となっている。
【0083】このような構成例の場合は、図1に示した
構成例とほぼ同様の放電作用が行われるが、メッシュ状
電極18が幅狭な短冊状の電極要素20を小さい間隔で
密集していることから、放電作用がより緻密で、均一的
に行われる。
【0084】図9および図10は、前記の第1変形例と
第2変形例との複合的構成(第3の変形例)を示してい
る。図9はこの放電用電極体13の表面構成を示す図で
あり、図10はその裏面構成を示す図である。
【0085】この構成例では図9に示すように、メッシ
ュ状電極18として、幅狭で相互に接続された一群の短
冊状の電極要素20cと、この群とは分離した状態で相
互に接続された他の群の短冊状の電極要素20dとを備
えている。これらの電極要素20c,20dの群は、例
えば櫛歯を相互に噛合わせたような近接配置とされてい
る。裏面のプレート状電極19は図10に示すように、
誘電体パネル17のほぼ全面に沿って面状に形成されて
おり、このプレート状電極19と、メッシュ状電極18
の一方の電極要素20cの群とが互いに誘電体パネル1
7の一端縁側を介して接続されている。
【0086】このような構成によると、メッシュ状電極
18となる各群の電極要素20c,20d間で沿面放電
による高効率の紫外線発生と、緻密な放電作用との両機
能が得られる。
【0087】図11は、メッシュ状電極18の表面に金
属被覆層を設けた構成例を示す拡大図である。
【0088】この構成例ではメッシュ状電極18の表面
に、高融点金属による被覆層25、例えばニッケル(N
i)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブ
デン(Mo)等のメッキ層が形成されている。
【0089】このような構成によると、高融点金属の被
覆層25によってメッシュ状電極18の表面が保護さ
れ、例えば放電作用等におけるスパッタ等に対する強度
の向上が図れるとともに、放電用電極としての特性を向
上することができる。
【0090】図12は、電極18,19を構成する材料
形態を模式的に示している。
【0091】前述したように、メッシュ状電極18およ
びプレート状電極19は、W、Mo、Ta等の高融点金
属の微粒子を誘電体パネル17上に塗布および焼結、あ
るいはスパッタリングによる蒸着等によって形成され、
微視的には金属粒子26の結合体として存在する。
【0092】このような電極18,19は加工の際に金
属粒子26間に空隙を有するポーラス状となる可能性が
あり、その状態では紫外線発生時の電流密度が低くな
り、高い電流密度の動作を行うと、電極表面の劣化が著
しい。
【0093】そこで、本実施形態では図12に示すよう
に、電極の構成粒子である金属粒子26の間隙に仕事関
数の低い金属27、例えばバリウム(Ba)等を含浸さ
せ、空隙を極力低減させる構成としてある。
【0094】このような構成によると、電極材料が仕事
関数の低い金属27が電極に含まれることによって放電
プラズマ中の紫外光により多量の電子が生じるため、電
流密度を高めることが可能となる。
【0095】図13は、誘電体パネル17にプレート状
電極19を埋設した構成例を示している。
【0096】すなわち、誘電体パネル17のコンデンサ
容量は厚さの逆数(1/厚さ)に比例するので、誘電体
パネル17は厚さの小さいことが望ましい。しかしなが
ら、誘電体パネル17の厚さを単に小さくしただけで
は、機械的強度が低下して実用上で支障が生じる。
【0097】そこで図13に示した構成例では、薄い誘
電体パネル17の裏面にプレート状電極19を形成した
後、さらにその裏面側に誘電体17aを貼付け、これに
より誘電体表裏面のメッシュ状電極18とプレート状電
極19とに挟まれる誘電体厚さを小さくする一方、さら
にその裏面側に貼付けた誘電体17aによって機械的強
度を高める構成となっている。
【0098】このような構成によれば、全体として誘電
体プレート17の厚さが大きいことによって必要な機械
的強度を確保すしたうえで、コンデンサ容量を大きくす
ることができる。
【0099】図14は、誘電体パネル17の表面および
メッシュ状電極18の表面をオーバコート層で被覆した
構成例を示している。
【0100】この構成例ではオーバコート層28として
例えばSiO2 等のが適用され、層厚さは数μm〜数百
μmと小さく設定されている。
【0101】このような構成によると、誘電体パネル1
7の表面をSiO2 等のオーバコート層28で被覆する
ことにより、耐スパッタ性を向上させることができ、か
つ放電特性は被覆なしの場合と同等のものが得られる。
なお、オーバーコート層28を設けた場合にはDC逆バ
イアス動作を行うことから、印加するパルス電圧として
両極性パルスが必要となる。その場合、反転パルスは必
ずしも急峻でなくともよい。
【0102】図15は、複数の放電用電極体13を一つ
の筐体12に収納して、発光面積が広い紫外線発生装置
11とする場合に好適な筐体12の構成例を示してい
る。
【0103】この例では、4枚の放電用電極体13を縦
横方向に2枚ずつ配列して一つの筐体12内に収納する
構成となっている。この場合、紫外線透過窓が広い面積
を有するものとなるため、耐圧性を考慮すると強度確保
の面から肉厚の大きい紫外線透過窓が必要になるが、こ
れは材料コストあるいは紫外線透過性等から不利とな
る。
【0104】そこで、図15に示すように、筐体12の
内部に紫外線透過窓を支持する支柱29を立設し、これ
により肉厚の小さい紫外線透過窓の適用を可能とするも
のである。なお、一つの筐体12に収納する放電用電極
体13の数および支柱29の本数は図示のものに限られ
ない。複数の支柱を設ける場合には、所定の間隔で設置
すればよい。
【0105】このような構成によれば、発光面積が広い
紫外線発生装置11とする場合に過度に肉厚の大きい紫
外線透過窓を必要とすることがなく、材料コストの低廉
化、および良好な紫外線透過性の確保等が図れる。
【0106】ここで、筐体12の枠体15と紫外線透過
窓16とを封着する接合構成例について説明する。
【0107】例えば枠体15の材料を硬質ガラスとし、
また紫外線透過窓16の材料を紫外光透過ガラスとした
場合のように、両者の熱膨張係数が近似している場合に
は、熱膨張係数が両者の中間の値を持つ接合媒体、例え
ばガラスハンダ等を用いて封着することができる。
【0108】また、枠体15の構成材料と紫外線透過窓
16の構成材料との熱膨張係数間に隔たりがある場合に
は、図16または図17に示すように、他の接合構成を
採用することができる。
【0109】図16は、枠体15と紫外線透過窓16と
の間に熱膨脹を吸収できる金属製リングを挟み込む接合
構成例を示したものである。
【0110】この構成例では、紫外線透過窓16の周囲
表面に例えば金蒸着による封着部30を形成するととも
に、枠体15の窓取付け部にメタライズ部31を形成
し、これら両者の間に熱膨脹差を吸収できる金属製リン
グ32を挟み込み、この金属製リング32を枠体15お
よび紫外線透過窓16にそれぞれロー付け等により封着
した構成となっている。
【0111】このような構成によれば、放電使用時に枠
体15および紫外線透過窓16の間で熱膨張に差が生じ
ても、その熱膨張差を金属リング32の介在によって確
実に吸収し、安定した封着状態を保持することができ
る。
【0112】図17は他の封着構成例を示している。こ
の例では、枠体15および紫外線透過窓16の接合部
を、精密研磨により例えば1/10μm以下の表面荒さ
の微細面(オプティカルフラット部)33,34として
に仕上げた後、両者を圧接してオプティカルコンタクト
により封着した構成となっている。
【0113】このような構成によると、枠体15と紫外
線透過窓16とを強固に接合して高度の封着状態を得る
ことができる。
【0114】次に、筐体12に対する放電用電極体13
の接合構成、およびパルス電源装置14からのパルス電
圧供給用配線の接続構成等について説明する。
【0115】本実施形態の紫外線発生装置11において
は基本的に、放電用電極体13のプレート状電極19部
分を筐体12の内壁面に接合するとともに、筐体12の
壁の一部に配線挿通用の孔を形成し、その孔に配線を貫
通してプレート状電極19およびメッシュ状電極18へ
の接続を行う構成となっている。この場合、プレート状
電極19の筐体12に対する接合、およびパルス電圧供
給用配線の接続は同一部において効率よく構成すること
ができる。
【0116】図18は、その一構成例を示している。
【0117】この構成例では、筐体12の底壁部12a
に開口部35が設けられ、この開口部35の周囲に位置
する底壁部12aの内面側にメタライズ部36が形成さ
れている。誘電体パネル17は、その裏面に形成したプ
レート状電極19を筐体12の底壁部12aの内面に載
置した状態で配置されており、そのプレート状電極19
の一部とメタライズ部36とがロー付け等によって一体
的に接合されている。そして、筐体12の底壁部12a
の開口部35を介して表出しているプレート状電極19
に電流導入端子部37が設けられ、この電流導入端子部
37にパルス電圧供給用配線38が接続されている。な
お、メッシュ状電極18に接続されるパルス電圧供給用
配線38は、例えば筐体12の他の壁部に設けた孔(図
示せず)に気密状態で貫通されている。
【0118】このような構成によると、筐体12の底壁
部12aの開口部35を介し、筐体12へのプレート状
電極19の封着接合を直接的に行えるとともに、プレー
ト状電極19への配線接続等を容易かつ確実に行うこと
ができる。
【0119】図19は、図18の構成の応用例を示して
いる。
【0120】この例では、筐体12にプレート状電極1
9を直接接合するのではなく、筐体12の底壁部に設け
た開口部35に、その開口部35とほぼ同一径の胴部3
9aと、これよりも大径な鍔部39bとを有する金属製
の電流導入用スタッド39が嵌合され、このスタッド3
9を介してプレート状電極19の接合が行われている。
【0121】すなわち、筐体12の底壁部12aの開口
部35に面する筒状面12bと、底壁部12aの内面の
平坦な部分12cとにメタライズ部40が形成され、こ
のメタライズ部40を介して、筐体12の底壁部12a
とスタッド39の嵌合部分である胴部39aの外周面と
の封着が、ロー付け等によって行われている。
【0122】また、筐体12の内部に突出したスタッド
39の鍔部39bに、プレート状電極19が載置された
状態でロー付け等によって接合されている。さらに、パ
ルス電圧供給用配線38も、スタッド39に対して接続
されている。なお、メッシュ状電極18に接続されるパ
ルス電圧供給用配線は、例えば筐体12の他の壁部に設
けた孔(図示せず)に貫通されている。
【0123】このような構成によると、筐体12の底壁
部の開口部35に設けたスタッド39を介し、筐体12
へのプレート状電極19の封着接合、およびプレート状
電極19への配線接続等をさらに容易かつ確実に行うこ
とができる。
【0124】次に、本実施形態における発光特性とパル
ス電流等の関係、パルス電源回路の構成および作用等に
ついて、図20〜図24を参照して説明する。
【0125】図20は、発光特性の一例を示している。
すなわち、図20の縦軸には供給電流値および電圧値と
放射光強度を表し、横軸には時間を表している。この図
20に示したように、放射強度が高くなるのは、電圧値
および電流値が急峻に立上がる領域である。したがっ
て、本実施形態では、急峻なパルス励起のために励起電
源としてPFN(パルスフォーミングネットワーク)を
用いるようにしている。
【0126】図21は、電源と筐体12内の各電極との
間に設置される励起電流回路を示したものである。この
図21に示すように、本実施形態の励起電流回路では、
励起用PFN(例えばBlmelein回路)41およ
びインピーダンス変換PFN42を備えた構成となって
いる。このように、PFNを構成する各段の回路構成に
よってインダクタンスを変化させ、誘電体パネル17の
各電極18,19に急峻なパルス励起電流を供給するよ
うになっている。
【0127】すなわち、放電作用においては、励起パル
ス波形の立上がりが早いことも重要であるが、急峻に終
了することが高効率動作には必要である。したがって、
電源と放電部とのインピーダンス整合が重要になる。放
電部における放電時のインピーダンスは数十Ω程度であ
るが、通常の電源の出力インピーダンスは数百Ω程度で
あるため、良好なインピーダンスマッチングを取ること
ができない。そこで、本実施形態では、励起電源回路
は、励起パルス波形の立上りおよび終了を急峻に行わせ
るインピーダンス変換用のパルスフォーミングネットワ
ークにより構成したものである。本実施形態では例え
ば、 電源側インピーダンスZ0 =(Lb /Cb)1/2 =2
(Lc /C)1/2 から 放電側インピーダンスZ1 =2(L3 /C)1/2 へと変換している。なお、この例とは異なり、Lの値は
一定でCの値を各段で変化させ、あるいは両者を変化さ
せてもよい。
【0128】図22および図23は他の回路構成および
作用を示している。
【0129】すなわち、メッシュ状電極18とプレート
状電極19とが互いに接続されていない構成の場合に
は、誘電体パネル17の表面に帯電した電荷を解消する
ために励起パルスとして両極性パルスが必要となる。し
かし、この場合、反転パルスは誘電体パネル17の電極
に蓄積された電荷を中和するためのものである。
【0130】そこで、図22に示す構成では、誘電体パ
ネル17の両電極間にサイリスタを用いたショート回路
43を設け、単一極性パルスで動作させるようにしてい
る。この回路の場合、励起パルスおよびショート回路4
3の動作パルスのタイミングは、図23に示すように、
リセットパルスおよび励起パルスを変位させたものとす
る。
【0131】図24は、以上の構成に基づいて発揮され
る本実施形態による紫外線発光強度を従来の装置と比較
して示したものである。
【0132】この図24では縦軸に紫外線の発光強度を
表し、横軸に時間を表している。図24に実線波形pで
示したように、本実施形態によるパルス状に発生する紫
外線の強度は、同図に破線波形qで示す従来の連続発生
光に比べて数十倍以上となり、極めて殺菌特性等の優れ
た紫外線発光が行えるようになる。しかも、以上で説明
したように、構成は極めてコンパクトであり、製造およ
び使用の両面で大きい利点を得ることができる。
【0133】第2実施形態(下水用紫外線殺菌装置(図
25〜図30)) 本実施形態は、前記第1実施形態で説明した紫外線発生
装置11を、下水処理システムにおける殺菌装置として
適用したものである。
【0134】図25は、下水用紫外線殺菌装置49の第
1構成例を示している。
【0135】この構成例では、処理水50としての下水
が流動する処理水ダクト51内の両側壁の内面に、前述
した一方向に紫外線を発光するタイプの紫外線発生装置
11を多数、対向状態で連続的に配置してある。そし
て、下水への一様な紫外線の照射により殺菌処理を可能
としている。
【0136】図26は、図25に示す構成における発光
タイミングを示している。この図26に示すように、本
構成例では、紫外線発生装置11でパルス発光が行われ
る点を生かし、複数の紫外線発生装置11の発光タイミ
ングを処理水50の流動方向に沿って互いにずらすこと
により、処理水50に有効に照射することができるよう
にしてある。すなわち、紫外線発生装置11の発光タイ
ミングが、処理水50の流れ方向上流側から下流側に向
かって、かつ流れ速度よりも十分短い間隔で順次にずら
して設定されている。
【0137】このような第1構成例によると、紫外線発
生装置11のピークパワーが極めて高いことを生かし、
紫外線発生装置11の設置間隔を従来の低圧グロー放電
ランプを用いた場合(図38参照)の20倍程度広くす
ることができ、殺菌処理率の大幅な向上が図れる。
【0138】図27は下水用紫外線殺菌装置49の第2
構成例を示している。
【0139】この構成例は図25に示したものとほぼ同
様であるが、各紫外線発生装置11を上下に2段配置と
して、高さ寸法の大きい処理水ダクトに適用できるよう
にしたものである。なお、図示しないが、上下三段以上
の配置としてもよい。各紫外線発生装置11による発光
タイミングについては、図26で示したものに基づき、
上下配置のものを同一タイミングとして実施してもよ
く、また上下配置で異ならせてもよい。
【0140】このような構成によれば、大量の処理水を
同時殺菌する場合に有効なものとなる。
【0141】図28は、下水用紫外線殺菌装置49の第
3構成例を示している。
【0142】この構成例では、紫外線発生装置11を、
処理水50の流れに直交する方向に3列以上、並列に配
置した多数配列構造としたものである。なお、この例で
は矢印で示すように、発光する紫外線が全て同一方向に
沿って放出されるようにしてある。
【0143】図29は、下水用紫外線殺菌装置49の第
4構成例を示している。
【0144】この構成例では、複数の紫外線発生装置1
1を上流側と下流側とで位相をずらした配置としてあ
る。
【0145】このような配置構成によれば、前記の構成
例に比して、被処理水50に対してさらにむらなく一様
に紫外線を照射することができ、殺菌処理率の向上が図
れる。
【0146】図30は、下水用紫外線殺菌装置49の第
5構成例を示している。
【0147】この構成例では、筐体12の両面から紫外
線を発生するようにした紫外線発生装置11を、処理水
ダクト51内に並列に複数配置してある。図示の例で
は、紫外線発生装置11を3列に配置しており、各筐体
12が対向する面では双方向から紫外線が発光され、紫
外線がその間を通る処理水に対して、高密度で斑なく一
様に照射されるようになっている。
【0148】したがって、このような構成によれば、処
理水に対する紫外線の照射密度が高まることから殺菌処
理効率を向上でき、片面照射式の構成のものと比べて紫
外線発生装置11の設置数が減少できる等の利点も得ら
れる。
【0149】第3実施形態(空気用紫外線殺菌装置(図
31、図32) 本実施形態は、前記第1実施形態で説明した紫外線発生
装置11を、病院施設等の換気システムにおける空気用
殺菌装置60として適用したものである。
【0150】図31は本実施形態による空気殺菌用紫外
線殺菌装置60を適用した建屋および排気ダクト等の全
体構成を示し、図32はこれに適用される殺菌装置部の
構成を拡大して示している。
【0151】図31に示すように、本実施形態では各病
室61に配置された換気ポート62に集塵ユニット63
が設けられ、この各換気ポート63が共通な排気ダクト
64に接続されている。
【0152】集塵ユニット62は図32に示すように、
集塵器電源65に接続された集塵器コレクタ66を備
え、この集塵器コレクタ66を挟む配置で、一対の紫外
線発生装置11が、互いに紫外線透過窓を対向させた状
態で設けられている。符号67は、紫外線発生装置11
の駆動ユニットである。
【0153】このような構成によると、各紫外線発生装
置11で発生した紫外線が、換気ポート63の集塵器コ
レクタ66を照射するので、病室61内から排気される
空気は集塵器コレクタ66を通過する際に殺菌作用を受
けるとともに、集塵器コレクタ66に集められた塵埃も
殺菌作用を受ける。したがって、排気中の殺菌作用が極
めて効率よく行われる。
【0154】第4実施形態(手洗い水用紫外線殺菌装置
(図33)) 本実施形態は、前記第1実施形態で説明した紫外線発生
装置11を、病院施設等の手洗い水用紫外線殺菌装置7
0として適用したものである。
【0155】図33は、手洗い水用紫外線殺菌装置70
を上水道管71の放水管出口部72に配設した適用例を
示している。
【0156】この図33に示すように、手洗い水用紫外
線殺菌装置70はその駆動ユニット73とともに上水道
管71の蛇口74等のある放水管出口部72に配設され
ている。駆動ユニット73は、例えば水流を関知して手
洗い水用紫外線殺菌装置70を起動させるようになって
おり、手洗い時に自動的に水の殺菌を行うようになって
いる。
【0157】このような構成によれば、病院施設等の衛
生管理が必要な手洗い用水についても、効率よく殺菌作
用が得られるようになる。
【0158】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明に係る紫
外線発生装置によれば、光強度分布の一様化が容易で、
斑のない照射が行えるとともに、従来の紫外線ランプに
比して大幅に耐用寿命の長期化が図れ、かつ少ない消費
電力で効率よく高強度の紫外線発光を得ることができ、
しかも薄型コンパクトで流体の流れの中に配置した場合
の流量抵抗の減少も図れる。
【0159】また、本発明に係る紫外線殺菌装置によれ
ば、高密度の光源設置により省スペース化が図れるとと
もに、長寿命でメンテナンスが容易であり、しかも下水
その他の被処理物の殺菌処理が高能力で大量に行え、大
規模設備から手洗い水あるいは換気設備等の比較的小規
模の施設に対して広く適用することができ、環境設備等
への適用上で大きい効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による紫外線発生装置の
基本構成を示す説明図。
【図2】前記第1実施形態による紫外線発生装置におい
て、ガス量調整器を設けた構成を示す説明図。
【図3】前記第1実施形態による紫外線発生装置におい
て、放電用電極体の構成を異ならせた場合を示す説明
図。
【図4】前記第1実施形態による紫外線発生装置の構成
を具体化して示す説明図。
【図5】図4に示す紫外線発生装置の放電用電極体の表
面構成を示す説明図。
【図6】図4に示す紫外線発生装置の放電用電極体の裏
面構成を示す説明図。
【図7】前記第1実施形態で適用される放電用電極体の
他の表面構成を示す説明図。
【図8】図7に示す放電用電極体の裏面構成を示す説明
図。
【図9】前記第1実施形態で適用される放電用電極体の
別の表面構成を示す説明図。
【図10】図9に示す放電用電極体の裏面構成を示す説
明図。
【図11】前記第1実施形態で適用される放電用電極体
にメッキ層を施した場合の構成を示す拡大断面図。
【図12】前記第1実施形態で適用される放電用電極体
の粒子構成を示す拡大断面図。
【図13】前記第1実施形態で適用される埋設型電極構
成を示す断面図。
【図14】前記第1実施形態で適用される誘電体パネル
および放電用電極体にオーバコートを施した場合の構成
を示す拡大断面図。
【図15】前記第1実施形態で適用される支柱を有する
筐体の構成を示す斜視図。
【図16】前記実施形態で適用される筐体の枠部と紫外
線透過窓との接合構成を示す断面図。
【図17】枠部と紫外線透過窓との他の接合構成を示す
断面図。
【図18】前記実施形態で適用される筐体と電極部との
接合構成を示す断面図。
【図19】筐体と電極部との接合構成を示す断面図。
【図20】前記実施形態で適用される供給電流波形を示
す図。
【図21】前記実施形態で適用される電気回路構成を示
す図。
【図22】前記実施形態で適用される他の電気回路構成
を示す図。
【図23】図22に示す回路で供給される電流のパルス
発生タイミングを示す図。
【図24】前記第1実施形態による発光特性を示す図。
【図25】本発明の第2実施形態による紫外線殺菌装置
の構成を示す説明図で、下水殺菌用として適用した場合
の構成図。
【図26】前記第2実施形態による紫外線殺菌装置で使
用する紫外線発生装置の発光タイミングの設定例を示す
図。
【図27】前記第2実施形態による紫外線殺菌装置の他
の構成を示す説明図。
【図28】前記第2実施形態による紫外線殺菌装置のさ
らに他の構成を示す説明図。
【図29】前記第2実施形態による紫外線殺菌装置の別
の構成を示す説明図。
【図30】前記第2実施形態による紫外線殺菌装置のさ
らに別の構成を示す説明図。
【図31】本発明の第3実施形態による紫外線殺菌装置
の構成を示す図で、空気殺菌用として適用した場合の構
成図。
【図32】前記第3実施形態による紫外線殺菌装置の要
部構成を示す拡大図。
【図33】本発明の第4実施形態による紫外線殺菌装置
の構成を示す図で、手洗い水殺菌用として適用した場合
の構成図。
【図34】紫外線の殺菌効果と波長との関係を示す特性
図。
【図35】紫外線吸収率と波長との関係を示す特性図。
【図36】従来の紫外線発生装置の構成を示す図。
【図37】従来の紫外線発生装置の他の構成を示す図。
【図38】従来の紫外線発生装置を用いた紫外線殺菌装
置の構成を示す図。
【符号の説明】
11 紫外線発生装置 12 筐体 13 放電用電極体 14 パルス電源装置 15 枠体 16 紫外線透過窓 17 誘電体パネル 18 メッシュ状電極 19 プレート状電極 20 電極要素 21 コード要素 22 ガス供給管 23 ガス排気管 24 ガス量調整器 25 被覆層 26 金属粒子 27 仕事関数の低い金属 28 オーバコート層 29 支柱 30 封着部 31 メタライズ部 32 金属製リング 33,34 オプティカルフラット部 35 開口部 36 メタライズ部 37 電流導入端子部 38 パルス電圧供給用配線 39 電流導入用スタッド 40 メタライズ部 41 励起用PFN 42 インピーダンス変換PFN 49 下水用紫外線殺菌装置 50 処理水 51 処理水ダクト 60 空気用殺菌装置 61 病室 62 換気ポート 63 集塵ユニット 64 排気ダクト 65 集塵器電源 66 集塵器コレクタ 70 手洗い水用紫外線殺菌装置 71 上水道管 72 放水管出口部 73 駆動ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21K 5/00 G21K 5/00 Z H01J 61/20 H01J 61/20 L (72)発明者 内田 裕 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 市橋 利夫 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線発光体ガスを内部に充填し、一側
    面に紫外線透過窓を有する偏平な筐体と、この筐体の内
    部に前記紫外線透過窓と平行に設けられた薄板状の誘電
    体パネルと、この誘電体パネルの前記紫外線透過窓側に
    向く一側面に密着して設けられた金属製のメッシュ状電
    極と、前記誘電体パネルの他側面に密着して設けられた
    金属製のプレート状電極と、これらの電極間に高速反転
    パルス電圧を印加して電子放出を行わせるパルス電源装
    置とを備え、前記各電極間への電圧印加によって放出し
    た電子を前記筐体内で紫外線発光体ガスに衝突させるこ
    とにより紫外線を発生させるとともに、発生した紫外線
    を前記紫外線透過窓を介して前記筐体の外方に放射させ
    るようにしたことを特徴とする紫外線発生装置。
  2. 【請求項2】 紫外線発光体ガスを内部に充填し、対向
    する両側面に紫外線透過窓を有する偏平な筐体と、この
    筐体の内部に前記各紫外線透過窓と平行に設けられた薄
    板状の誘電体パネルと、この誘電体パネルの前記紫外線
    透過窓側に向く各外側面にそれぞれ密着して設けられた
    1対の金属製のメッシュ状電極と、前記誘電体パネルの
    内側に密着して設けられた金属製のプレート状電極と、
    これら各電極間に高速反転パルス電圧を印加して電子放
    出を行わせるパルス電源装置とを備え、前記各電極間へ
    の電圧印加によって放出した電子を前記筐体内で紫外線
    発光体ガスに衝突させることにより紫外線を発生させる
    とともに、発生した紫外線を前記各紫外線透過窓を介し
    て前記筐体の両側外方に放射させるようにしたことを特
    徴とする紫外線発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の紫外線発生装置
    において、薄板状の誘電体パネルを強誘電体材料によっ
    て構成したことを特徴とする紫外線発生装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    紫外線発生装置において、筐体内の紫外線発光体ガス量
    を調整するガス量調整器を備えたことを特徴とする紫外
    線発生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    紫外線発生装置において、メッシュ状電極は、誘電体パ
    ネルの一側面に間隔的に配置した複数の平行な短冊状の
    電極要素からなることを特徴とする紫外線発生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれかに記載の
    紫外線発生装置において、メッシュ状電極とプレート状
    電極とは誘電体パネルを挟んで互いに分離した構成とし
    たことを特徴とする紫外線発生装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から5までのいずれかに記載の
    紫外線発生装置において、メッシュ状電極は、相互に接
    続された一群の電極要素と、この群とは分離した状態で
    相互に接続された他の群の電極要素とを備え、そのいず
    れかの群の電極要素をプレート状電極に接続した構成と
    したことを特徴とする紫外線発生装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7までのいずれかに記載の
    紫外線発生装置において、電極の表面に金属被覆層を設
    けたことを特徴とする紫外線発生装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から8までのいずれかに記載の
    紫外線発生装置において、電極を高融点金属粒子の結合
    体によって構成し、この電極の構成粒子の間隙に仕事関
    数の低い金属を含浸させたことを特徴とする紫外線発生
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から9までのいずれかに記載
    の紫外線発生装置において、プレート状電極は1枚構造
    の誘電体パネルの内部に埋設状態で、または重合構造の
    複数枚の誘電体パネルの重合面間に設けたことを特徴と
    する紫外線発生装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から10までのいずれかに記
    載の紫外線発生装置において、誘電体パネルおよび電極
    の表面に誘電体パネル被覆層を設けたことを特徴とする
    紫外線発生装置。
  12. 【請求項12】 請求項1から11までのいずれかに記
    載の紫外線発生装置において、筐体の内部に紫外線透過
    窓を支持するための支柱を設けたことを特徴とする紫外
    線発生装置。
  13. 【請求項13】 請求項1から12までのいずれかに記
    載の紫外線発生装置において、筐体の紫外線透過窓とな
    る壁部とその支持壁部とを熱膨張係数が同一または近似
    した材料で構成し、これら紫外線透過窓となる壁部とそ
    の支持壁部との接合面を、前記両壁の熱膨張係数の中間
    的値を有する材料を用いて接合したことを特徴とする紫
    外線発生装置。
  14. 【請求項14】 請求項1から12までのいずれかに記
    載の紫外線発生装置において、筐体の紫外線透過窓とな
    る壁部とその支持壁部とを熱膨張係数に隔たりがある材
    料で構成し、これら両壁部の接合面間に熱膨張差を吸収
    できるリング状金属を介在させ、このリング状金属を前
    記紫外線透過窓となる壁部とその支持壁部とに接合した
    ことを特徴とする紫外線発生装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から12までのいずれかに記
    載の紫外線発生装置において、筐体の紫外線透過窓とな
    る壁部とその支持壁部との接合面を、表面粗さ1/10
    μm以下の微細面として形成し、この両面をオプティカ
    ルコンタクトにより接合したことを特徴とする紫外線発
    生装置。
  16. 【請求項16】 請求項1から15までのいずれかに記
    載の紫外線発生装置において、筐体の紫外線透過窓と対
    向する壁部に開口部を設け、この開口部の周囲に位置す
    る壁部とこの壁部の内側に位置するプレート状電極とを
    メタライズ部を介して密着接合させるとともに、前記開
    口部に面する位置で前記プレート状電極にパルス電圧印
    加用配線を接続したことを特徴とする紫外線発生装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の紫外線発生装置にお
    いて、筐体の紫外線透過窓と対向する壁部の開口部に導
    電性材料で構成したスタッドを嵌合し、このスタッドに
    プレート状電極にメタライズ部を介して密着接合させる
    とともにパルス電圧印加用配線を接続したことを特徴と
    する紫外線発生装置。
  18. 【請求項18】 請求項1から17までのいずれかに記
    載の紫外線発生装置において、パルス電源装置は、急峻
    なパルス励起電流を供給する励起回路を備えたことを特
    徴とする紫外線発生装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の紫外線発生装置にお
    いて、励起電源回路は、励起パルス波形の立上りおよび
    終了を急峻に行わせるインピーダンス変換用のパルスフ
    ォーミングネットワークにより構成したことを特徴とす
    る紫外線発生装置。
  20. 【請求項20】 請求項6記載のメッシュ状電極とプレ
    ート状電極とが互いに分離した構成の紫外線発生装置に
    おいて、パルス電源装置は、誘電体パネルの表面に帯電
    した電荷を解消するための手段として電極間にサイリス
    タを用いたショート回路を備え、単一極性パルスで動作
    させるようにしたことを特徴とする紫外線発生装置。
  21. 【請求項21】 請求項1から20までに記載の紫外線
    発生装置を、殺菌対象となる被処理物に紫外線放射する
    配置で設けたことを特徴とする紫外線殺菌装置。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の紫外線殺菌装置にお
    いて、被処理物は連続的または断続的に流動する液体ま
    たは気体であり、紫外線発生装置の筐体の紫外線透過窓
    が属する側面を、前記液体または気体が流動する流路内
    の当該流動方向と直交する方向に向けて配置したことを
    特徴とする紫外線殺菌装置。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の紫外線殺菌装置にお
    いて、被処理物としての液体が上,下水道水であり、紫
    外線発生装置は下水道または上水道の流路に設けたこと
    を特徴とする紫外線殺菌装置。
  24. 【請求項24】 請求項22記載の紫外線殺菌装置にお
    いて、被処理物としての気体は、室内の換気または空気
    調和の対象となる空気であり、紫外線発生装置は空気流
    路に設けたことを特徴とする紫外線殺菌装置。
  25. 【請求項25】 請求項22から24までのいずれかに
    記載の紫外線殺菌装置において、紫外線発生装置は被処
    理物の流れ方向に沿って複数連続的に、かつ流れと直交
    する方向に紫外線透過窓が対向する配置で設置したこと
    を特徴とする紫外線殺菌装置。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の紫外線殺菌装置にお
    いて、紫外線発生装置の発光タイミングを、被処理物の
    流れ方向上流側から下流側に向かって、流れ速度よりも
    十分短い間隔で順次にずれる設定としたことを特徴とす
    る紫外線殺菌装置。
  27. 【請求項27】 請求項25記載の紫外線殺菌装置にお
    いて、紫外線発生装置を、被処理物の流れに直交する方
    向に2列以上、並列に配置したことを特徴とする紫外線
    殺菌装置。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の紫外線殺菌装置にお
    いて、紫外線発生装置の配列位置を、被処理物の流れの
    上流側と下流側とで異ならせたことを特徴とする紫外線
    殺菌装置。
  29. 【請求項29】 請求項21から28までに記載の紫外
    線殺菌装置を放流用下水の殺菌処理に適用する場合、紫
    外線発生装置を下水道の処理水ダクト内に配設したこと
    を特徴とする紫外線殺菌装置。
  30. 【請求項30】 請求項21から28までに記載の紫外
    線殺菌装置を換気空気の殺菌処理に適用する場合、紫外
    線発生装置を排気ダクトの換気ポートに配設したことを
    特徴とする紫外線殺菌装置。
  31. 【請求項31】 請求項21から28までに記載の紫外
    線殺菌装置を上水の殺菌処理に適用する場合、紫外線発
    生装置を上水道の放水管出口に配設したことを特徴とす
    る紫外線殺菌装置。
JP9235235A 1997-08-29 1997-08-29 紫外線発生装置および同装置を用いた紫外線殺菌装置 Pending JPH1173913A (ja)

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