JPH1172810A - 光導波路とその製造方法、この光導波路を用いた光波長変換素子、短波長光発生装置および光ピックアップ - Google Patents

光導波路とその製造方法、この光導波路を用いた光波長変換素子、短波長光発生装置および光ピックアップ

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JPH1172810A
JPH1172810A JP14872998A JP14872998A JPH1172810A JP H1172810 A JPH1172810 A JP H1172810A JP 14872998 A JP14872998 A JP 14872998A JP 14872998 A JP14872998 A JP 14872998A JP H1172810 A JPH1172810 A JP H1172810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた集光特性を有する第2高調波出力が可
能で、かつ基本波と第2高調波とのオーバーラップを大
きくした光波長変換素子を提供する。 【解決手段】 結晶基板61の表面に形成された導波路
62の表面に、この導波路62よりも屈折率が高いイオ
ン交換層63を形成する。このイオン交換層63の厚さ
を、基本波64はイオン交換層内を伝播できないが高調
波65はイオン交換層内を伝播しうる厚さとする。導波
路内において、基本波64と高次モードの高調波66と
を位相結合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コヒーレント光源
を応用した、光情報処理、光応用計測の分野に使用され
る光導波路および波長変換素子に関するものである。ま
た、本発明は、このような光波長変換素子を用いた光発
生装置および光ピックアップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路は、光波制御のために通信、光
情報処理、計測等広い分野で利用されている。特に光導
波路の光波長変換素子への適用は、半導体レーザの波長
変換による小型の短波長光源を実現するために盛んに研
究が行われている。
【0003】例えば、特開平5−273624号公報に
は、図20に示すように、光導波路の表面近傍に非線形
劣化層を設けて、高効率化、安定化を図った光波長変換
素子が開示されている。図20において、201はLi
TaO3基板、202は導波層、203は分極反転層、
204は非線形劣化層である。光波長変換素子の導波層
202内に入射されたTM00モードの基本波205
は、導波層202内でTM10モードの高調波206に
波長変換されている。非線形劣化層204の厚みは約
0.45μmで、導波層202の厚みは1.8μmであ
る。TM10モードの高調波は、図21に示すように、
TM00モ−ドの基本波とほぼ同程度のピーク出力を有
する。即ち、TM00モードの基本波とTM10モード
の高調波との間でオーバラップの増大が図られ、高効率
化が達成されている。
【0004】また、例えば特開平4−254834号公
報には、導波層より屈折率の高い高屈折率層を導波層上
に形成する構成が報告されている。この光波長変換素子
の構成図を図22に示す。この光波長変換素子は、Li
NbO3基板301上に形成されたプロトン交換による
光導波層302の表面に、分極反転層303とTiO 2
からなる高屈折率層304とが形成されている。TiO
2の屈折率はプロトン交換による導波層302の屈折率
よりも大きく、屈折率の高い高屈折率層304を導波層
302上に形成することにより、基本波の閉じ込めを強
くし、光波長変換素子の高効率化を達成している。
【0005】さらに、特開平1−238631号公報に
は、光導波路の閉じ込めを強化するためリッジ型の光導
波路構造を採用した光波長変換素子が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平5−237
624号公報に記載の光波長変換素子には、出射される
TM10モードの光が2ピークの強度分布を有し、集光
する際に集光特性が劣化するという問題があった。ま
た、この方式では、耐光損傷強度を高めるために高調波
を高次モードのピークに分散させているため、出力する
高調波が2つのほぼ等しい大きさのピークを有してい
る。そのため、高調波出力を集光し、特別な光学系が必
要であるため、光学系が複雑化し、小型化が難しいとい
う問題があった。さらに、回折限界まで集光するにはビ
ームをかなり整形する必要があり、出力光の利用効率が
50%以下に低下するという問題があった。また、非線
形劣化層は、基本波の閉じこめを高める機能を有さない
ため、基本波のパワー密度の増大が図れず、高効率化に
限界があった。
【0007】また、上記特開平4−254834号公報
に記載の光波長変換素子には、高屈折率層として、高屈
折率の誘電体膜を使用している点に問題があった。導波
層上の高屈折率層は導波層の実効屈折率に与える影響が
大きく、導波層全域にわたる膜厚の均一性に高い精度が
要求される。例えば、光波長変換素子の場合、導波層全
長における位相整合条件は導波層の実効屈折率に厳しく
依存するため、導波層の実効屈折率が伝搬方向に渡りわ
ずかに変化すると、変換効率が極端に減少する。このた
め、高屈折率層の膜厚制御には厳しい均一性が要求され
ていた。また、基板と異なる材質を導波層の表面に堆積
することで、導波層と高屈折率層との界面において導波
損失が生じやすいという問題があった。さらに、基板と
の膨張係数の違いによって、導波層に歪みを与え、導波
層の実効屈折率が導波層の伝搬方向に分布を有するとい
う問題が生じていた。
【0008】さらに、導波層を伝搬する光に対する、高
屈折率層の伝搬損失が大きな問題となることが明らかに
なってきた。光波長変換素子の特性を劣化させる導波層
の伝搬損失は、高調波に対するものと、基本波に対する
ものがある。誘電体の高屈折率層は基本波に対する伝搬
損失は比較的小さく問題はないが、高調波は波長が短い
ため従来の高屈折率膜が与える伝搬損失がかなり大きい
ことが明らかになった。本発明者らの実験では、各種の
高屈折率を有する誘電体膜を試みたが、波長400nm
帯の高調波に対してはいずれも−数dB/cmという大
きな伝搬損失が認められ、これにより光波長変換素子の
変換効率が1/2以下に低減されていることがわかっ
た。さらに、高屈折率層は、基本波の閉じこめを高める
機能を有さないために基本波のパワー密度の増大が図れ
ず、高効率化に限界があった。
【0009】また、この光波長変換素子は、導波層を伝
搬する基本モードの基本波と第2高調波におけるオーバ
ラップの向上を目的としている。このため、基本波と第
2高調波の屈折率分散の違いより、導波層内での導波モ
ードの分布が大きく異なるため、両モード間でのオーバ
ラップの増大には制限があり、変換効率を大幅に向上さ
せることは困難であった。さらに、基本波と第2高調波
がオーバラップしない部分が大きいため、耐光損傷強度
の向上を達成することは困難であった。
【0010】また、特開平1−238631号公報に記
載の光波長変換素子は、リッジ型光導波路を用いて変換
効率の向上が図られている。この場合、光導波路の閉じ
込め効果によるパワー密度の増大により変換効率が向上
する。しかしながら、基本波は、リッジ導波路による閉
じ込め効果の増大は横方向に限られているため、深さ方
向の閉じ込めが向上しない。したがって、変換効率への
影響が最も大きな基本波と第2高調波のオーバラップの
増大(特に深さ方向のオーバラップの増大)はリッジ構
造では達成できず、変換効率の大幅な向上が困難であっ
た。また装荷型光導波路についても、リッジ型と同様に
基本波と第2高調波とのオーバーラップを大きくできな
かった。
【0011】そこで、本発明は、優れた集光特性を有す
る第2高調波出力が可能で、かつ基本波と第2高調波と
のオーバーラップを大きくした光波長変換素子を提供す
ることを目的とする。また、この光波長変換素子に用い
られる光導波路とその製造方法、さらにはこの光波長変
換素子を用いた光発生装置および光ピックアップを提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の光導波路は、結晶基板と、前記結晶
基板の表面に形成された導波路と、前記導波路の表面に
形成されたイオン交換層とを含み、前記イオン交換層
が、前記導波路の屈折率よりも大きい屈折率と、前記導
波路を伝播する基本波は前記イオン交換層内を伝播でき
ないが前記基本波の高調波は前記イオン交換層内を伝播
しうる厚さとを備えていることを特徴とする。
【0013】また本発明の第2の光導波路は、結晶基板
と、前記結晶基板の表面に形成された導波路と、前記導
波路の表面に形成され、前記導波路よりも屈折率が高い
高屈折率層とを含み、前記高屈折率層が、前記導波路を
伝播する基本波は前記高屈折率層内を伝播できないが前
記基本波の高調波は前記高屈折率層内を伝播しうる厚さ
を備えていることを特徴とする。
【0014】また本発明の第3の光導波路は、結晶基板
と、前記結晶基板の表面に形成された導波路と、前記導
波路の表面に形成されたイオン交換層とを含み、前記イ
オン交換層が、前記導波路の屈折率よりも大きい屈折率
と、前記導波路の幅よりも狭い幅と、前記導波路の深さ
の半分以下の深さとを備えていることを特徴とする。
【0015】また、本発明の光導波路の製造方法は、結
晶基板の表面に線条の非マスク部分が確保されるように
耐イオン交換マスクを形成する工程と、前記表面の非マ
スク部分を通じてイオン交換することにより前記結晶基
板内に第1のイオン交換部を形成する工程と、前記基板
を熱処理することにより前記第1のイオン交換部を拡張
して導波路とする工程と、前記非マスク部分を通じてイ
オン交換することにより前記導波路内に前記導波路より
も屈折率が高い第2のイオン交換部を形成することを特
徴とする。
【0016】本発明の光波長変換素子は、上記光導波路
を含み、さらに前記導波路を周期的に横断するように形
成された2以上の分極反転部を含むことを特徴とする。
【0017】具体的には、本発明の第1の光波長変換素
子は、非線形光学効果を有する結晶と、前記結晶の表面
に形成された導波路と、前記導波路を周期的に横断する
ように形成された2以上の分極反転部と、前記導波路の
表面に形成されたイオン交換層とを含み、前記イオン交
換層が、前記導波路の屈折率よりも大きい屈折率と、前
記導波路を伝播する基本波は前記イオン交換層を伝播で
きないが前記基本波の高調波は伝播しうる厚さとを備え
ていることを特徴とする。
【0018】また本発明の第2の光波長変換素子は、非
線形光学効果を有する結晶と、前記結晶の表面に形成さ
れた導波路と、前記導波路を周期的に横断するように形
成された2以上の分極反転部と、前記導波路の表面に形
成されたイオン交換層とを含み、前記イオン交換層が、
前記導波路の屈折率よりも大きい屈折率と、前記導波路
の幅よりも狭い幅と、前記導波路の深さの半分以下の深
さとを備えていることを特徴とする。
【0019】また本発明の第3の光波長変換素子は、非
線形光学効果を有する結晶と、前記結晶の表面に形成さ
れた導波路と、前記導波路を周期的に横断するように形
成された2以上の分極反転部と、前記導波路の表面に形
成され、前記導波路よりも屈折率が高い高屈折率層とを
含み、前記高屈折率層が、前記導波路を伝播する基本波
は前記高屈折率層内を伝播できないが前記基本波の高調
波は前記高屈折率層内を伝播しうる厚さとを備えている
ことを特徴とする。
【0020】また本発明の光発生装置は、上記光波長変
換素子と半導体レーザとを含み、前記半導体レーザから
出射された光を前記光波長変換素子により波長変換する
ことを特徴とする。
【0021】また本発明の光ピックアップは、上記光発
生装置と集光光学系と記録メディアとを含む光ピックア
ップであって、前記光発生装置から出射された光を前記
集光光学系により前記記録メディア上に集光することを
特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、非線形光学効果による
第2高調波発生を利用した光波長変換素子において、基
本モードの基本波と高次モードの第2高調波(SHG
波)との位相整合を利用することでオーバラップを大き
くし、SHG波への変換効率を向上させるものである。
【0023】以下にそのオーバラップの増大の原理につ
いて説明する。ここでは、基本モードの基本波と高次モ
ードのSHG波との間で位相整合を図ることで、両モー
ド間のオーバラップを大きくし、変換効率の向上を図る
原理について説明する。
【0024】まず最初に、一般の光導波路における光波
長変換について説明する。通常、光導波路の断面は図1
(a)に示すように、基板51(屈折率:ns)と、導波
層52(屈折率:nf)と、外層(図1では省略)(屈
折率:nc)とからなり、屈折率はnf>ns>nc
で、導波するモードの電界分布は、基本モードの基本波
53に対する、1次モード54および2次モード55の
SHG波は図1(b)に示すような状態になる。
【0025】基本波53とSHG波54,55との電界
のオーバラップは、図1(b)に示したように、基本モー
ド間が最も大きく、SHG波の導波モードの次数が高く
なるに従って低下する傾向にある。即ち、SHG波の変
換効率はモードのオーバラップに比例するため、基本モ
ード間の位相整合が最も変換効率の高い変換となる。
【0026】次に、nfより高い屈折率の外層を形成し
た場合について説明する。屈折率の高い外層を設ける
と、基本波のモード分布は高屈折率層側に偏り、導波路
の表面近傍に強く閉じ込められる。従来の光波長変換素
子では、このような基本波の強い閉じ込めを利用して、
変換効率の向上が図られていた。
【0027】しかしながら、基本波と高調波とでは波長
が異なり、屈折率分散も存在するため、導波モードの分
散はそれぞれ異なり(例えば基本波に比べて第2高調波
はより強く高屈折率層に引きつけられる)、モード間の
オーバラップの増大には限界があった。確かに、導波層
より高い屈折率の高屈折率層を外層として用いると基本
波の閉じ込めを強化することができるが、高屈折率層の
厚みを厚くして基本波の閉じ込めを強化しようとする
と、波長の短いSHG波は高屈折率層の内部に閉じ込め
られて素子の変換効率が極端に低下してしまうためであ
る。
【0028】ところが、同じSHG波でも、高次のモー
ドを利用するとこの問題が解決される。この方法を、導
波層の断面の深さ方向の電界分布を表した図2に基づい
て説明する。図2は、基板61上に形成された導波層6
3において、高屈折率層63の厚みを変化させた場合の
導波モードの様子を表したものである。
【0029】図2(a)は高屈折率層が形成されていない
場合であり、図1と基本的には同じ状態を示す。図2
(b)は高屈折率層63が比較的薄い場合を示す。図2
(b)において、高屈折率層63は、基本波64、SHG
波65に対するカットオフ条件(その層内に閉じこもる
導波モードが存在しない条件)を満足している。このと
き基本波64、SHG波65は、ともに高屈折率層63
のみを導波することができないため、導波層62内を伝
搬することになる。ただし、高屈折率層63により基本
波64とSHG波65の電界分布は表面近傍に引き寄せ
られている。図2(b)は、従来の高屈折率層を用いた光
導波路の導波状態を示している。
【0030】図2(c)は高屈折率層63が同図(b)に示
したよりも厚く形成されている状態を示す。この状態で
は、高屈折率層63は、基本波64に対してはカットオ
フ条件を満たすがSHG波66に対しては低次のモード
(この場合は基本モードのSHG波65)の伝搬が可能
となっている。このとき、基本波64の閉じ込めは図2
(b)と比べてさらに強くなる。しかし、基本モードのS
HG波65は、高屈折率層63内部に閉じこもってしま
うため、基本波64から基本モードのSHG波65への
変換効率は極端に低下してしまう。
【0031】ところが、図2(c)に示したように、高屈
折率層63に導波可能なモードの次数より一つ高い次数
のモードのSHG波(ここでは1次モードのSHG波6
6)は、大部分が導波層62を伝搬する。注目すべきこ
とに、SHG波66の導波層62の電界分布(図2
(c))が高屈折率層63がない場合の基本モードのSH
G波の電界分布(図2(a))とほとんど変わらないこと
である。一方、基本波64の導波モードは強く高屈折率
層63に引きつけられている(図2(c))。即ち、基本
モードの基本波64は閉じ込めの強い導波モードになる
のに対し、高次モードのSHG波66は、高屈折率層6
3が存在しない場合とほとんど変化しないため、図2
(c)に示したように、両モード間のオーバラップが飛躍
的に増大する。これを利用することにより基本波からS
HG波への変換効率を大幅に改善できる。
【0032】図2(d)は高屈折率層63が同図(c)に比
べてさらに厚く、基本波64が高屈折率層63を導波可
能となった状態を示す。基本波64が高屈折率層63を
導波可能となると、図2(d)に示したように、導波層6
2内での基本波64とSHG波65のオーバラップが極
端に減少するため、変換効率は大幅に低減してしまう。
【0033】即ち、高屈折率の高屈折率層63を有する
導波層62においては、図2(c)の状態となるように高
屈折率層の厚さを調整することにより、基本モードの基
本波64と高次モードのSHG波66との間でオーバラ
ップが増大し、高効率の波長変換が可能となる。
【0034】しかしながら、図2(c)の状態を実現する
には、いくつかの条件を満足する必要がある。
【0035】まず第1は、基本波64が高屈折率層63
を導波不可能な状態となっていることが必要である。即
ち、高屈折率層63の厚みと屈折率が、基本波64に対
しカットオフ条件を満足していることである。高屈折率
層63が基本波64の導波条件を満足すると、図2(d)
の状態に至って波長変換の効率が低下する。
【0036】第2は、高次モードのSHG波が高屈折率
層63を導波可能な状態となっていることである。高次
モードにおいて、SHG波の電界分布の主ピークが導波
層62を伝搬し、サブピークが高屈折率層63を伝搬す
る条件を満足することである。高屈折率層63において
SHG波65がカットオフ条件を満たす場合、図2(b)
の状態に至って波長変換の効率が低下する。図2(c)の
状態を実現するには、高屈折率層63においてSHG波
の導波条件が満足されなければならない。この条件を満
足した状態で、高屈折率層63において、導波可能な次
数のモードより一つ高い次数のモードのSHG波66を
選択的に導波させれば、導波層62に主ピークを有する
導波モードになることが確認された。
【0037】このように、高屈折率層63を有する導波
層62における高効率の波長変換素子を実現するために
は、高屈折率層63の厚みと屈折率を、基本波64に対
してはカットオフ条件、SHG波66に対しては導波条
件を満足するように選択すればよい。
【0038】さらに、高効率化を図るために、高屈折率
層63の屈折率について調査した。素子の変換効率を高
めるには、SHG波の電界分布を導波層62に集中させ
る必要がある。即ち、高屈折率層63の電界分布をでき
るだけ小さくしたい。SHG波の電界分布において、高
屈折率層(クラッド)と導波層(コア)の電界分布の比
は、それぞれの屈折率の比に依存する。例えば、導波層
に対して高屈折率層の屈折率が増大するに従い、高屈折
率層の電界分布が小さくなる。
【0039】従って、高屈折率層の電界強度を導波層に
おける電界強度の例えば1/10以下にするためには、
高屈折率層の屈折率ncを導波層の屈折率nf(グレー
ティッド状の屈折率分布を有する場合は導波層の最大の
屈折率nfmax)に対し、nc>1.01nfとすれば
よい。
【0040】なお、ここでは、単層の高屈折率層につい
て説明したが、多層膜からなる高屈折率層についても同
様の効果が得られる。多層膜を用いると、高屈折率層に
おける屈折率分布の制御が可能になるため、素子設計の
自由度が増し、作製許容度の高い素子の作製が可能とな
る。
【0041】また、導波層を伝搬するSHG波のモード
は、基本波の波長を選択することにより一義的に選択で
きるため、オーバラップの大きな、高次モードとの位相
整合を選択的に行え、高効率な波長変換が可能となる。
【0042】また、上記の導波層の構造が、耐光損傷強
度の向上に非常に有効となることが確認された。導波層
内での基本波とSHG波とのオーバラップが増大するこ
とにより、SHG波と基本波とが重ならない部分におけ
る電界が減少する。光損傷は、短波長光(SHG光)に
より結晶内の不純物が励起されて内部電界を生じること
により発生するが、基本波が介在すると不純物をトラッ
プする準位を励起し、光損傷による内部電界が固定化す
る傾向にある。これは、SHG波の電界分布近傍の基本
波が単独で存在する部分で顕著となる。ところが、上記
構成を採用すれば、基本波とSHG波とが重ならない部
分が極端に減少するため、光損傷の発生が大幅に低減で
きる。
【0043】以上の導波層の構造は、光波長変換素子の
みならず、波長の異なる2以上の光を同時に導波させる
光導波路について有効である。即ち、光導波路を伝搬す
る異なる波長の光のオーバラップを高めて相互作用を増
大させるために有効な構造である。
【0044】さらに、光の分布が表面近傍に引き寄せら
れるため、例えば光導波路上に集積化した電極等の素子
による導波光への影響を高めることが可能となって効率
の高い光集積回路素子を実現できる。
【0045】光導波路の具体的な構造としては、高屈折
率層を導波路の表面近傍に設けた埋め込み型導波路構造
が好ましい。このような構造を有する光導波路は、 ・回折限界以下の集光特性を有し、 ・横方向の光の閉じ込めが強化され、 ・導波層の伝搬損失が小さく高効率化が可能で、 ・光導波路形状誤差に対する許容度が大きい、という効
果を奏することができる。さらにイオン交換を利用すれ
ば、作製プロセスが容易になるという製造上の利点が得
られる。
【0046】以下、このような光導波路、この光導波路
を有する光波長変換素子、光発生装置および光ピックア
ップについて具体的に説明する。
【0047】(実施の形態1)本実施形態では、短波長
光発生装置の構成の例について説明する。図3に示した
ように、この短波長光発生装置は、半導体レーザ71と
光波長変換素子72とを含み、半導体レーザ71より出
射された基本波P1は、レンズ73、74を介して光波
長変換素子72に形成されている導波層72aに入射す
る。また、それぞれの部品は、マウント75に固定され
ている。
【0048】入射した基本波P1は導波層72a中をT
E00モードで伝搬し、高調波の高次モードであるTE
10モードに変換される。この高調波は光波長変換素子
72より放射され、短波長レーザビームとして使用され
る。ここで注目されるのは、導波層72a内を伝搬する
高調波TE10モードのモードプロファイルである。T
E10モードは高次の導波モードであるため、強度分布
として例えば図4(b)に示すように2つのピークを有す
る。以下、2つのピークのうち大きい方をメインピー
ク、小さい方をサブピークと呼ぶことにする。
【0049】サブピークを有するTE10モードは、集
光光学系で集光すると、導波モードと同様のサブピーク
を有する集光スポットを形成し、回折限界近傍の単一ピ
ークの集光として使用する場合に問題となる。
【0050】そこで、高調波を集光する際に問題となる
サブピークをほぼ解消する方法が新たに見い出された。
それは、導波モードの状態におけるサブピークの幅を、
集光に用いる集光光学系の回折限界に対し、十分小さな
値にすることである。即ち、集光光学系の分解能以下の
幅にサブピークを抑えることにより、集光スポットにサ
ブピークが与える影響が解消される。
【0051】ここでは、NA=0.95の集光レンズを
用いて、波長λ=425nmの高調波を集光した。この
ときの空気中での光の回折限界は約0.34μmであ
る。サブピークの幅として、0.32μm以下になるよ
うに導波層72aを設計したところ、得られた集光スポ
ットにおいてサブピークは全く観測されなかった。サブ
ピークを有する高次の導波モードは、サブピークの幅が
空気中での光の回折限界(0.8×λ/NA)程度以下
であれば、集光する際に、集光スポットに与える影響は
なく、有効に利用できることが確認された。このためビ
ーム整形により低下する出力の利用効率は、80%以上
に向上させることが可能となった。
【0052】さらに、回折限界以下の幅を有するサブピ
ークを有する導波光を利用すると、レンズの回折限界以
下にビームを集光できる超解像効果が得られることがわ
かった。図4(a)にTE00モードを集光した場合と、
同図(b)にTE10モードを集光した場合の集光スポッ
トの形状を示す。TE00モードを集光すると、レンズ
の回折限界に近い値(0.8×λ/NA)が得られた。
一方、サブピークを有する高次のTE10モードを集光
すると、サブピークを有する側のビーム形状が切り立っ
た形になり、集光スポットの幅として回折限界の90%
程度まで集光が可能となり、超解像効果を有することが
確認された。
【0053】実験によると、サブピークの幅wを空気中
における波長λの光の回折限界(〜0.8×λ)以下に
することで、集光スポットの幅が使用するレンズ(開口
数:NA)の回折限界(0.8×λ/NA)より小さく
なっていることが明らかになった。このように、回折限
界以下の幅を有するサブピークを有する導波モードを集
光することにより、より小さな集光スポットが得られる
ことが明らかになった。
【0054】さらに、サブピークの幅と集光スポットと
の関係についてさらに詳しく調査したところ、 1)サブピークの幅:≦0.8λ 回折限界以下の集光特性(超解像効果)が得られる。 2)サブピークの幅:0.8λ(1+0.2(1/NA−1))〜0.8λ
(1+0.5(1/NA−1)) 回折限界とほぼ同等の集光スポットが得られ、サブピー
クによる集光特性の劣化は観測されない。 3)サブピークの幅:>0.8λ(1+0.7(1/NA−1)) 集光スポットにサブピークが現れ、集光特性が劣化す
る。 という結果が得られた。即ち、サブピークによる集光特
性の劣化を防止するにはサブピークの幅を少なくとも
0.8×λ(1+0.5(1/NA−1))程度以下に
抑えることが好ましい。
【0055】さらに、サブピークの幅を0.8λ以下に
なるように導波層を設計すると、集光レンズの回折限界
よりさらに小さな集光スポットが得られて非常に有効で
ある。一方、集光スポットの幅が用いたレンズの回折限
界(0.8×λ/NA)程度より大きいと、集光スポッ
トは導波モードとほぼ等しい形状を有し、サブピークを
有する2ピークの集光スポットとなり、単一ピークの集
光スポットは得られない。
【0056】なお、本実施の形態では短波長光源とし
て、基本波を高調波に波長変換する際に、導波モードを
回折限界以下の幅のサブピークを有する高次モードに変
換したが、他にサブピークを有する導波光を集光すれ
ば、同様の効果が得られる。例えば、周期状のグレーテ
ィング構造を導波層上に設け、TE00モード導波光を
TE10モードの導波光に変換し、これを集光すること
で超解像効果による回折限界以下の集光スポットを得る
ことができる。
【0057】なお、本実施の形態では、サブピークが一
つのTE10モードを用いたが、さらに高次の導波モー
ドでもサブピークの幅が回折限界であれば、同様の効果
が得られる。例えば、メインピークの両側にサブピーク
を有するTE20モードであれば超解像効果はさらに強
くなり、より小さなスポット径が得られて有効である。
【0058】また、深さ方向だけでなく、幅方向にサブ
ピークを有するTE01、TE02モード、および幅深
さ両方向にサブピークを有するTE11、TE22でも
より小さな集光スポットが得られて有効である。なお、
本実施の形態ではTEモードを扱ったが、他にTMモー
ドでも同様の効果が得られる。
【0059】(実施の形態2)次に、短波長光発生装置
の基本構成要素である光波長変換素子について説明す
る。図5に示したように、この短波長光発生装置には、
X板のLiNbO3基板76の表面近傍にストライプ状
の導波路77が形成されている。このLiNbO 376
基板には、位相整合のために分極反転部79が導波路7
7を周期的に横断するように形成されている。また、導
波路77の表面近傍には高屈折率層78が形成されてい
る。導波路77の幅W1は4μm、深さD1は2.5μm
であり、高屈折率層78は幅W2は3μm、深さD2
0.2μmである。図5(a)に示したように、高屈折率
層78は導波層77に沿って、またそのほぼ中央部に形
成されている。
【0060】導波路77は、LiNbO3結晶をプロト
ン交換した後アニール処理して形成され、LiNbO3
内のLiの一部がHに交換されて、Li(1-x)xNbO
3(0<x<1)で示される組成を有する。ここで、x
はプロトン交換の交換率である。アニール処理により、
xの値は0.3以下にまで低下していることが好まし
い。
【0061】高屈折率層78も同様にプロトン交換によ
り形成されている。導波路77より高い屈折率を得るた
め、高屈折率層78は、導波路77より高いプロトン交
換率xを有している。具体的には、xは0.6以上であ
ることが好ましい。この光波長変換素子では、例えば波
長850nmの基本波がTE00モードで入射され、導
波路77内でTE10モードの高調波と擬似的に位相整
合する。
【0062】この光波長変換素子において、高調波へ高
効率で波長変換できる原理について説明する。前述のよ
うに、高屈折率層を有する導波層においては、基本波と
高調波間でのオーバラップが増大し、導波光の閉じ込め
が強化され高効率の波長変換が可能となることを示した
が、本実施形態の構成によりさらにこの効果が強調され
より高い変換効率が得られる。
【0063】図6に本実施の形態の光波長変換素子にお
ける導波モードの分布を示す。同図(a)に、表面にスラ
ブ状の高屈折率層82を有する導波路81におけるモー
ド分布を比較のため示し、同図(b)にストライプ状の高
屈折率層78を有する導波路77における導波モードの
分布を示す。深さ方向の電界分布は同図(a),(b)とも
にほぼ等しいが、導波路の幅方向の電界分布は、(b)に
おいて電界分布の幅が小さくなり、より強い閉じ込めが
達成されている。
【0064】さらに、閉じ込めが強化された結果、同図
(b)の基本波、高調波間のオーバラップも向上し、変換
効率は、同図(a)に示すスラブ状の高屈折率層を有する
導波路の1.5倍程度になった。この結果、スラブ状の
高屈折率層を有する光波長変換素子に比べ、変換効率が
2倍以上に向上した。
【0065】次に、高次の高調波のモードプロファイル
について述べる。TE10モードは導波路の深さ方向に
2つの強度ピークを持ち、高屈折率層側にサブピークを
有する。高屈折率層内はプロトン交換率が高く非線形性
が小さいため、サブピークにおける電界分布は基本波か
ら高調波への変換に寄与しない。そのためサブピークに
おける電界分布の存在はできるだけ制限するのが好まし
い。このため、前述したように、高屈折率層の屈折率n
cの大きさを導波路の屈折率nfの1.01倍以上とす
ることが好ましい。
【0066】次に、高屈折率層の厚みについて述べる。
高屈折率層の膜厚の増加とともに、高屈折率層における
電界分布の量が増大するため、高屈折率層の膜厚D2
制限することが好ましい。高効率化を図るためには、少
なくとも導波路の厚みD1は高屈折率層の厚みD2の2倍
以上であることが好ましい。D1<2×D2になると変換
効率は最大値の1/2以下に減少してしまう。
【0067】次に、集光特性の観点から高屈折率層と導
波路との屈折率の関係について説明する。サブピークを
有する導波光をレンズ系で集光する際、サブピークの大
きさにより集光特性が劣化する。前述のように、集光ス
ポットをシングルスポットにし、回折限界と同等または
それ以下の集光スポットを得るには、導波モードのサブ
ピークを集光レンズの回折限界以下に低減する必要があ
る。そのため、高屈折率層の厚みD2を規定することが
好ましい。サプピークの幅は、高屈折率層の厚さと屈折
率により規定されるが、高屈折率層の厚さとほぼ等しく
なる。従って、サブピークの幅を回折限界以下に抑える
には、高屈折率層の厚みを高調波の回折限界以下に抑え
る必要がある。
【0068】具体的には、波長425nmの高調波に対
し、高屈折率層の厚みが0.6〜0.7μmよりも大き
い(D2>0.7μm〜0.6μm)時、NA=0.6
程度のレンズを用いると集光特性が劣化した。D2
0.5μm程度の時はかなり集光特性が改善され、D2
<0.4μmのときは、回折限界以下の集光特性が得ら
れた。NA=1、波長425nmと仮定して回折限界を
計算すると約0.34μmなので、ほぼ回折限界より小
さなD2であれば、集光特性に優れた出射ビームが得ら
れることがわかる。
【0069】次に、高屈折率層の幅W2について説明す
る。導波モード間のオーバラップの向上ならびに閉じ込
め効果の向上により高効率化が図れるが、さらに高効率
化を図るには、高屈折率層の幅W2は導波層の幅W1より
小さいことが望ましい。導波路の横方向の閉じ込めが強
化され高効率化が図れるからである。W2がW1以上のと
きは、導波路を伝搬する導波モードの電界分布はスラブ
状の高屈折率を有する導波路とほぼ等しく、効率の向上
は見られなかった。W2<0.9×W1のとき変換効率向
上が確認され、W2<0.8×W1のとき変換効率は1.
5倍以上に向上した。
【0070】また、高屈折率層の幅を導波路の幅より狭
くする構造は、プロトン交換による導波路内にプロトン
交換による高屈折率層を形成する方法のみならず、導波
路の表面に高屈折率の誘電体を堆積する構造においても
有効に作用することが確認できた。
【0071】次に、高屈折率層の屈折率について説明す
る。プロトン交換部分はLi(1-x)x3(0<x<
1)となっており、LiNbO3結晶内のLiの一部が
Hに交換されている。xはプロトン交換の交換率であ
る。
【0072】導波路および高屈折率層は共にプロトン交
換により形成されているが、プロトン交換率は相違す
る。プロトン交換直後のx値は、0.9程度と非常に高
い。アニール処理によりxの値は調整可能であり、非線
形性を回復させるには、0.5以下の交換率まで低下さ
せる必要がある。また、交換率はプロトン交換層の屈折
率と比例関係にあり、交換率が低下すると屈折率も低下
する。
【0073】光波長変換素子の導波路は強い閉じ込めと
高い非線形性を必要とするが、アニール処理により非線
形性の回復を図ると屈折率が低下し、閉じ込めが弱くな
る。非線形性を基板の80%程度まで回復するには、x
の値を0.3程度まで低下させる必要があり、この状態
では導波路の屈折率が低くなり、基本波を十分閉じ込め
るのが難しくなる。ところが導波層の上部に高屈折率層
を形成すると、導波層の閉じ込めが強化され、閉じ込め
が強く、非線形性の高い光導波路の形成が可能となっ
た。導波層の閉じ込め強化を図るには、高屈折率層のイ
オン交換濃度を高める必要があり、導波層の2倍以上
(x>0.6)のイオン濃度とすることが好ましい。
【0074】なお、本実施の形態では、高屈折率層とし
てプロトン交換層を用いたが、他に高屈折率の誘電体で
も同様の効果が得られる。プロトン交換の場合、導波層
の内部に高屈折率層を形成したが、誘電体膜を堆積して
高屈折率層とする場合にも、導波層の表面に選択的に堆
積して導波層を形成することが好ましい。
【0075】誘電体として、LiNbO3よりも屈折率
の高いNb25を用いた。導波路表面に200nmの厚
みのNb25をスパッタリング法により堆積し、導波路
に沿ってその中央部に形成した。ただし、導波路表面に
パターニングして、高屈折率層をリッジ形状に加工する
際にリッジ形状の側面にわずかな凹凸が形成された。こ
れによって、光導波路の伝搬損失が増加したため、イオ
ン交換で形成した導波層の方が導波光の伝搬損失が小さ
いという点では優れていることがわかった。
【0076】なお、本実施の形態ではX板の基板を用い
たが、他にY板、Z板、また結晶軸が表面から傾いた基
板を用いてもよい。Z板または結晶軸が基板表面から傾
いた基板を用いると深い分極反転構造の形成が容易であ
り、高効率化が図れる。
【0077】また、本実施の形態でTEモードの偏光方
向を利用したのは、通常の半導体レーザの導波路の偏光
方向と一致させるためである。半導体レーザと同じ偏光
方向を有する光導波路にすることで、導波路同士を低損
失で結合させることが可能となる。ただし、TMモード
偏光の光導波路も利用可能である。TMモードの光導波
路は、偏光方向をλ/2板により制御することで結合損
失を低減することが可能である。
【0078】さらに、本実施の形態では、光導波路を用
いた光波長変換素子について説明したが、本実施形態の
光導波路は、他の光導波路素子にも有効である。高屈折
率層を光導波路上に形成することにより、光導波路を伝
搬する導波光の電界分布は表面近傍に強く引き寄せられ
る。このため、導波路上に形成するプレーナー電極や、
グレーティング素子の影響を導波光に強く与えることが
可能となり、効率の高い変調および回折効果を得ること
ができる。
【0079】なお、本実施の形態では基板にLiNbO
3基板を用いたが、他にMgO、Nb、Nd等をドープ
したLiNbO3、またはLiTaO3またはその混合物
であるLiTa(1-x)Nbx3(0≦x≦1)基板、そ
のほかKTP(KTiOPO4)でも同様な素子が作製
できる。LiTaO3、LiNbO3、KTPはともに高
い非線形性を有するため、高効率の光波長変換素子が作
製できる。
【0080】(実施の形態3)次に、本発明の光波長変
換素子の構成の他の例として、高屈折率層をイオン交換
により形成した場合について述べる。本実施形態の光波
長変換素子の構成図を図7に示す。図7に示したよう
に、X板のLiNbO3基板83の表面近傍に、ストラ
イプ状の導波路84が形成されており、導波路84の表
面近傍には、プロトン交換による高屈折率層85が形成
されている。LiNbO3基板83には、位相整合のた
めに導波路を周期的に横切るように分極反転部86が形
成されている。
【0081】イオン交換により形成した高屈折率層85
は、 ・面内における膜厚の均一性に優れており、面内バラツ
キを±0.1%以下に抑えることができ、 ・膜厚の制御性に優れ±0.01μm以下で膜厚を制御
でき、 ・高調波、基本波に対する伝搬損失がともに小さく、 ・導波層との境界部における歪み等が小さく伝搬損失や
面内分布を与えない点で優れている。
【0082】高屈折率層には基板よりも高い屈折率を有
していることが求められるが、基本波、高調波に対する
伝搬損失が低いことも求められる。特に高調波は400
nm程度と短波長なので、伝搬損失の増大が著しい。例
えば、高屈折率の誘電体としてはNb25、TiO2
が通常用いられるが、誘電体の吸収端に近づくこともあ
り、短波長の光に対する伝搬損失が増大する傾向にあ
る。そこで、高屈折率層をイオン交換により形成するこ
とを試みた。イオン交換層は基板の透過特性とほぼ等し
く短波長光に対する伝搬損失の増大が小さい点で有利で
ある。
【0083】イオン交換は本実施の形態に用いられる強
誘電体結晶に容易に適用できる。例えばLiNbO3
イオン交換の一種であるプロトン交換を施すと、屈折率
変化が0.1程度と非常に大きな値が得られ、高屈折率
の層が容易に形成できる。
【0084】これに加え、イオン交換は深さの制御が容
易であり、均一性の高い層が形成できるという特徴を有
する。例えばスパッタリング法等により誘電体を成膜し
て高屈折率層を形成する場合、通常の装置では面内均一
性は±1〜3%程度である。これに対して、イオン交換
は拡散により形成するため、拡散温度と時間の制御によ
り厚みのバラツキは0.01μm以下とすることができ
る。さらに、面内の均一性も厚みの制御と同等の制御が
可能であり、スパッタリング等の成膜による方法に比べ
2桁以上高い精度が達成される。具体的にはNb25
パッタ膜を用いた素子とプロトン交換による光波長変換
素子の特性を比較したところ、プロトン交換により形成
した素子は、Nb25のスパッタ膜を用いた素子に比
べ、均一性が一桁以上高い値を示し、SHGの変換効率
が2倍以上高いことがわかった。
【0085】次に、前述した導波モードのサブピークを
導波光の回折限界以下にする方法について述べる。導波
モードのサブピークの幅は、高屈折率層の厚みと屈折率
により決定される。ただし、サブピークの幅は高屈折率
層の厚み程度か、それ以上にしかならないので、高屈折
率層の幅は少なくとも、導波光の回折限界の幅以下に抑
える必要がある。さらに、高屈折率層の屈折率を導波層
の屈折率の1.01倍以上とすることが好ましい。
【0086】高屈折率層の幅が導波層の幅より狭い場
合、高屈折率層の屈折率が導波層の1.01倍未満にな
ると、サプピークの幅が高屈折率層の厚みより大幅に増
大し、高調波出力の集光特性が劣化し、回折限界までの
集光が難しくなった。
【0087】さらに、高屈折率層の屈折率と厚みを制御
し、サブピークの幅と集光特性の関係を調べた。その結
果、実施の形態1で示したと同じ結果が得られ、同様に
サブピークの幅を導波光の回折限界以下に設定すること
により、集光特性の優れたビームが得られることが確認
された。
【0088】以上より、高屈折率層の膜厚を導波光の回
折限界以下にすることで、集光特性に優れた出射ビーム
を得られることがわかった。
【0089】次に、本発明の光波長変換素子が作製誤差
に対する許容度に優れている点について説明する。光波
長変換素子は、導波路内で基本波から高調波へ変換する
際に基本波と高調波との位相整合条件の成立が必要であ
る。位相整合条件とは、基本波と高調波との位相速度を
そろえる条件で、基本波・高調波間での実効屈折率制御
が必要となる。
【0090】光導波路を用いた場合、光導波路の全長に
渡り位相整合条件を成立させなければならない。ところ
が、位相整合条件に対する許容度はかなり狭く、実際の
光導波路型の光波長変換素子を形成する際には、導波路
幅、屈折率変動等を極限まで管理する必要があった。例
えば、LiNbO3を用いた擬似位相整合型の光波長変
換素子の場合、導波路長10mmに渡り、導波路幅を4
μmで±0.1μm以下に制御する必要があり、作製歩
留まりを低下させる原因になっていた。
【0091】この原因は、図8の(a)に示すように、導
波路の幅に対する位相整合波長の変動が大きいことであ
る。光波長変換素子の位相整合波長の許容度は、素子長
10mmの場合0.1μm程度であり、例えば、導波路
の幅が0.1μmずれると、位相整合波長の許容度から
はずれてしまう。導波路の幅が伝搬方向でわずかに変化
したとき、その各部分で位相整合波長が異なることにな
り、特定の波長の基本波を入射した場合、一部の位相整
合条件が成立する幅の導波路の部分でしか高調波が発生
しない。このため、導波路長全域にわたり形成した分極
反転構造はその一部しか光波長変換に寄与しなくなり、
変換効率が低下する。また、高屈折率層を導波路表面に
スラブ状に形成した光導波路においても、同様の特性を
示し、光導波路の作製誤差は±0.1μm以下と厳しか
った。
【0092】ところが、本実施形態の光導波路構造を有
する光波長変換素子においては、図8の(b)に示すよう
に、導波路の幅に対する位相整合波長の変動が非常に小
さいことが見出された。即ち、位相整合波長の許容度を
満足する導波層の幅の許容度が±0.5μmまで増大
し、従来の5倍の許容度まで拡大されることがわかっ
た。このため、従来、光導波路の作製誤差により特性を
落としていた光波長変換素子の変換効率を、2倍以上に
向上させることができた。
【0093】なお、本実施の形態ではX板の基板を用い
たが、他にY板、Z板、また結晶軸が表面から傾いた基
板を用いてもよい。Z板または結晶軸が基板表面から傾
いた基板を用いると深い分極反転構造の形成が容易であ
り、高効率化を図ることができる。
【0094】また、本実施の形態ではTEモードの偏光
方向を利用したが、その理由は、通常の半導体レーザの
導波層の偏光方向と一致させるためである。半導体レー
ザと同じ偏光方向を有する導波層にすることで、導波層
同士を低損失で結合させることが可能となる。ただし、
TMモード偏光の導波層も利用可能である。TMモード
の導波層は、偏光方向をλ/2板により制御することで
結合損失を低減することが可能である。
【0095】さらに、本実施の形態では、光導波路を用
いた光波長変換素子について説明したが、本発明の光導
波路は、他の光導波路素子にも有効である。高屈折率層
を光導波路上に形成することにより、光導波路を伝搬す
る導波光の電界分布は表面近傍に強く引き寄せられる。
このため、導波層上に形成するプレーナ電極や、グレー
ティング素子の影響を導波光に強く与えることが可能と
なり、効率の高い変調および回折効果が得られた。
【0096】また、本実施の形態では基板にLiNbO
3基板を用いたが、他にMgO、Nb、Nd等をドープ
したLiNbO3、またはLiTaO3またはその混合物
であるLiTa(1-x)Nbx3(0≦x≦1)基板、そ
のほかKTP(KTiOPO4)でも同様な素子が作製
できる。LiTaO3、LiNbO3、KTPはともに高
い非線形性を有するため、高効率の光波長変換素子が作
製できる。
【0097】(実施の形態4)本実施の形態では、光波
長変換素子の別の構成について述べる。この光波長変換
素子は、図9(a)に示すように、X板のMgO:LiN
bO3基板91上に周期状に形成された分極反転部94
と導波路92とが形成されている。MgO:LiNbO
3基板91は、結晶のZ軸が基板の表面に対して3°傾
くように基板を切り出している。結晶軸の傾いた基板を
用いると、深い分極反転部94を形成できるため、高効
率の光波長変換素子が構成できる。これは分極反転部9
4が結晶のZ軸に沿って形成されるため、基板表面から
基板内部へと成長するためである。そこでこの性質を利
用して図9に示したような光波長変換素子を作製した。
【0098】図9(b)には、導波層92に沿って基板を
切断した断面図を示す。図9(b)に示すように、分極反
転部94は基板内部に形成されており、表面の高屈折率
層93と導波層92との境界近傍部分から基板内部へと
形成されており、高屈折率層93の内部には分極反転構
造が存在しないように形成されている。これによって、
光波長変換素子の高効率化が図れる。以下、その理由に
ついて説明する。
【0099】光波長変換素子の変換効率は、前述したよ
うに、分極反転部94の構造と導波路92とを伝搬する
導波光(基本波、高調波)とのオーバラップに依存す
る。ところが、高効率化のため、高調波は高次の導波モ
ード(TE10モード)を用いるため、電界分布として
は、高調波は高屈折率層93と導波路92とで電界の位
相が逆転している。このため、高屈折率層でのオーバラ
ップは高調波への変換を低下させる。
【0100】これを防止するには、高屈折率層93での
オーバラップが、波長変換に影響を与えないようにする
必要がある。そこで、図9に示すように、高屈折率層9
3における周期状の分極反転構造をなくすことで、高屈
折率層93のみを選択的に位相整合条件が成立しないよ
うにできる。これによって、光波長変換素子の高効率化
を図ることができた。
【0101】なお、本実施の形態では結晶軸が3°傾い
た結晶を用いたが、結晶の傾きは5°以下ならば、深い
分極反転構造が形成できるため使用できる。特に0.5
°〜3°の傾きは分極反転の傾きが小さく、使用面積が
増大するために好ましい。
【0102】(実施の形態5)次に、光波長変換素子に
おける光導波路の作製方法について述べる。ここでは、
イオン交換の一種であるプロトン交換を用いた光導波路
形成について図10を用いて説明する。
【0103】図10(a)は、LiNbO3基板95の表
面に耐イオン交換マスクとしてTa膜96を堆積し、フ
ォトリソグラフィ法とドライエッチングとを用いて、幅
4μmの導波路パターンを形成する工程である。この工
程の後、同図(b)に示すように、基板95を200℃の
ピロ燐酸中で熱処理し、非マスク部分の結晶のLiと酸
中のプロトン(H+)を交換し、第1のプロトン交換部
97を形成する。次に、同図(c)に示すように、プロト
ン交換部をアニール処理し、イオン交換部の体積を増大
させて導波路とする。同図(d)に示すように、再度ピロ
燐酸中で熱処理し、非マスク部分に第2のプロトン交換
部98、即ち高屈折率層を形成する。さらに、160℃
以下の低温でアニール処理することにより高屈折率層の
厚みを微調整し、最適な導波層構造を形成した。
【0104】第1のプロトン交換部97は、200℃で
6分程度プロトン交換を行うことにより、0.2μm程
度の厚さとした。これを300℃で60分間程度アニー
ル処理することにより、交換層深さは約2.5μmに、
幅は5μm以上に拡大した。このようにして形成された
導波路のプロトン交換率は、アニール処理により低減さ
れ、非線形性が回復した。
【0105】また、耐酸化性に優れたTaをマスクに用
いることにより、プロトン交換はもとより、その後のア
ニール処理による膜質の変化は観測されなかった。そこ
で同じマスクを使って再度プロトン交換を行うと、導波
路の内部に高屈折率層が形成される。
【0106】導波路はアニール処理により幅、深さとも
に広がっているため、第2のイオン交換により形成され
る高屈折率層は、光導波路より幅の小さな層とすること
ができる。
【0107】さらに、形成した導波層を、160℃以下
の低温でアニール処理することにより、導波路の特性を
変えることなく、伝搬損失を大幅に低減できることがわ
かった。低温でアニール処理することにより、第1およ
び第2のイオン交換部の拡散をわずかに抑え、同時にア
ニールによる導波路の伝搬損失の低減が図れた。
【0108】次に、作製した光導波路の特性を調べた。
波長850nmの基本波を入射し、導波する光のモード
分布を調べた。導波路幅4μm、深さ2μmとし、導波
光のNFP(近視野像)を観測することで、導波モード
の分布を測定した。測定は、前述の方法により作製した
(1)ストライプ状(線状)の高屈折率層を有する光導波
路、(2)高屈折率層を有さない光導波路、(3)スラブ状
の高屈折率層を有する光導波路についてそれぞれ測定し
た。結果を以下の表に示す。但し、表中のモードの幅
は、強度分布が1/e2になる幅を示している。
【0109】 [μm] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 高屈折率層の形状 (1)ストライフ゜状 (2)なし (3)スラブ状 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 導波モードの厚さ 1.7 2.5 1.8 導波モードの幅 3 4 3.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0110】上記結果から、ストライプ状の高屈折率を
設けることにより、光導波路の閉じ込めが深さ方向およ
び幅方向に強まり、パワー密度の高い光導波路が形成で
きることがわかった。
【0111】さらに、ストライプ状の高屈折率層を用い
ると、導波モードの電界分布を導波路の伝搬方向に従い
変形できるという特性を有する。例えば、 ・光導波路の入射部においてレーザ光の光導波路結合効
率を向上させる入射テーパの形成、 ・出射ビームのアスペクト比を1:1に整形するモード
整形、を行うことができる。
【0112】まず、最初に、入射テーパについて図11
を用いて説明する。図11において、LiNbO3基板
101に導波層102が形成され、導波層102の表面
近傍に線条の高屈折率層103が形成されている。高屈
折率層103は入射部近傍でテーパ状にその幅が狭くな
っている。高屈折率層103を有する導波層102は、
上記表に示すように高屈折率層103により閉じこめが
強化され、導波モードの分布は小さくなっている。そこ
で、導波層102の入射部に近傍で高屈折率層をテーパ
状に加工し、入射部に行くに従いテーパ部の幅を減少さ
せてやれば、入射部に近づくに従い、導波層102の閉
じこめが弱くなって導波モードの断面積を大きくするこ
とができる。
【0113】具体的には、高屈折率層103の幅を4μ
m以上から0.5μmまで絞り込んだところ、導波モー
ドの電界分布は高屈折率層103がない場合と等しくな
り拡大した。導波モードの大きさは、導波部で深さ1.
7μm、幅3μmであったのが、入射部では深さ2.5
μm、幅4μmまで拡大することができた。これによっ
て、半導体レーザとの結合効率を従来の1.3倍に向上
させることが可能となり、結合精度の許容度も1.5倍
に向上した。
【0114】上記の効果を得る方法は他にもある。例え
ば、入射部近傍では、ストライプ状の高屈折率層を、分
断して島状に形成する方法である。入射部での高屈折率
層の形成部分と非形成部分との比率を変化させることに
より、導波路の実効的な閉じこめを変えることができ
る。具体的には、矩形状の周期を2μmとし、有り無し
の比率を100%〜10%まで、導波路の入射部に近づ
くに従って徐々に矩形の高屈折率層の割合を減らしてい
った。これによっても、テーパ形状と同様の効果が得ら
れ、結合効率の高いテーパ導波路が形成できた。このよ
うに光導波路においては、高屈折率層を、導波方向単位
長さ当たりの高屈折率層の割合が端部に近づくに従って
小さくなるように形成することが好ましい。
【0115】同様に、出射ビームの形状を変えることも
できる。出射部で高屈折率層103の幅を変えて、出射
ビームのアスペクト比を1:1に近づけることができ
た。
【0116】なお、本実施の形態ではX板の基板を用い
たが、他にZ、Y板の基板または、結晶軸から傾いた表
面を持った基板等、結晶軸に関係なく使用できる。ま
た、本実施の形態では基板にLiNbO3基板を用いた
が、他にMgO、Nb、Nd等をドープしたLiNbO
3、またはLiTaO3またはその混合物であるLiTa
(1-x)Nbx3(0≦x≦1)基板、そのほかKTP
(KTiOPO4)でも同様な素子が作製できる。Li
TaO3、LiNbO3、KTPはともに高い非線形性を
有するため、高効率の光波長変換素子が作製できる。
【0117】(実施の形態6)本実施の形態では、本発
明の光波長変換素子を用いた短波長光発生装置の別の例
について説明する。構成としては、波長800nm帯の
半導体レーザ、集光光学系および光波長変換素子より構
成され、半導体レーザから出射した光を集光光学系によ
り光波長変換素子の導波路短面に集光し、導波モードを
励起する。
【0118】光波長変換素子の他の導波路端面より、波
長変換されたSHG光が出射する。変換効率が高い光波
長変換素子が実現したため、出力100mW程度の半導
体レーザを用いて、10mWの青色SHG光が得られ
た。また、用いた光波長変換素子は耐光損傷性に優れ、
安定な出力が得られたため、出力変動が2%以下である
安定な出力が得られた。400nm帯の波長は、印刷製
版、バイオ、蛍光分光特性等の特殊計測に、光ディスク
等、広い応用分野において望まれている。本発明の光波
長変換素子を用いた短波長光源は、出力特性、安定性と
もにこれらの応用分野での実用化が可能である。
【0119】なお、本実施の形態では半導体レーザの光
を集光光学系を用いて光導波路に結合させたが、半導体
レーザと光導波路を直接結合させることも可能である。
TEモード伝搬の光導波路を用いると、半導体レーザの
導波モードと電界分布を等しくすることが可能となるた
め、集光レンズなしでも高効率で結合できる。実験では
結合効率80%で直接結合が可能であり、レンズ結合と
ほぼ同等の結合特性が得られることを確認した。直接結
合を用いると小型で、低価格の光源が実現できる。
【0120】(実施の形態7)本実施の形態では、光ピ
ックアップについて説明する。図12に本発明の光ピッ
クアップの例を示す。図12においては、実施の形態1
に示した短波長光発生装置105から出た出力10mW
のビームは、ビームスプリッタ106を透過し、レンズ
107により光情報記録媒体である光ディスク108に
照射される。光ディスク108からの反射光は、逆にレ
ンズ107によりコリメートされ、ビームスプリッタ1
06で反射され、ディテクタ109で信号が読みとられ
る。なお、短波長光発生装置の出力を強度変調すること
で、光ディスク108が記録も可能である場合には、情
報を書き込むこともできる。
【0121】短波長光発生装置105から出力されるの
は、サブピークを有するTE10モードであるが、これ
を集光するとレンズの回折限界以下の小さなスポット径
の集光ビームが得られた。これによって、短波長光によ
る集光特性に加え、超解像効果による小さなスポット径
が得られた結果、記録密度を従来の1.2倍に向上させ
ることが可能となった。
【0122】さらに、高出力の青色光の発生が可能とな
るため、読み取りだけでなく、光情報記録媒体へ情報を
書き込むことも可能となった。半導体レーザを基本波光
源として用いることで、非常に小型になるため、民生用
の小型の光ディスク読み取り、記録装置にも利用でき
る。
【0123】さらに、光波長変換素子は、光導波路幅を
最適化することで、出力ビームのアスペクト比の最適化
が行える。例えば、光導波路上に導波層幅より狭い高屈
折率層を有する導波層構造をとることで、出射ビームの
アスペクト比を1:1に近づけることが可能となる。
【0124】光ピックアップの集光特性を向上させるた
め、ビーム成形プリズム等が不要になり、高い伝達効
率、優れた集光特性、低価格化が実現できた。さらに、
ビーム成形時に発生する散乱光のノイズが低減でき、ピ
ックアップの簡素化が実現できた。
【0125】(実施の形態8)本実施形態では、イオン
交換層を用いた別の光波長変換素子について説明する。
図13に示したように、非線形光学効果を有する結晶の
基板31の表面に、イオン交換層34と導波層33とが
形成されている。イオン交換層34は、上記と同様、プ
ロトン交換により形成しうるものであって基板31より
も高い屈折率を有する高屈折率層である。また、基板の
表面には、導波層33を周期的に横断するように分極反
転部32が形成されている。この基板31では、分極方
向と基板表面とが1°〜5°の角度を有しているため、
分極反転部32も基板表面とこの範囲の角度を有してい
る。
【0126】このような光波長変換素子において光導波
路内の分極反転部の深さと、波長変換効率との関係につ
いて調査した。図14に示したように、分極反転部の深
さは導波層33の幅の中央における、基板表面と分極反
転部32の上端との間の距離dにより示すこととする。
また。高屈折率層は、プロトン交換により形成した。分
極反転部の厚さは約2μm、導波層の厚さは約3μmと
した。なお基板31としては、分極方向が基板表面と約
3°傾いた、MgOをドープしたLiNbO3を用い
た。
【0127】その結果、d=0の場合と比較して、dが
0.2〜0.5μmのときの変換効率は、約2倍となっ
た。dを0.2〜0.3μmとすると変換効率はさらに
向上した。一方、d>1μmとすると変換効率はd=0
の場合とほぼ同じとなった。もっとも、dの好ましい範
囲は光導波路の深さに依存するため、dは光導波路の深
さに応じて光導波路と分極反転部とのオーバーラップが
大きくなるように定めることが好ましい。
【0128】さらに、この光波長変換素子における光損
傷について調査した。上記調査において、dを好ましい
値とすると、変換効率は向上するものの光損傷強度が低
下する場合があったからである。光損傷は、分極反転部
が存在しない、光導波路の表面で生じたものと考えられ
る。そこで、dと高屈折率層の厚みDとの関係を調整し
たところ、D>dのときに光損傷が改善することが見出
された。一方D<dでは高屈折率層の効果は顕著には認
められなかった。これはプロトン交換層である高屈折率
層が、電気光学定数の劣化および電気伝導度の向上によ
り、光損傷の発生を抑制したためと考えられる。また、
高屈折率層を光導波路の表面に形成することにより導波
光のオーバーラップも大きくなり、変換効率も向上させ
ることができた。
【0129】なお、高屈折率層は、図示したように、基
板表面全体に形成されていてもよいが、光導波路の表面
近傍の基板表面のみに形成されていても構わない。
【0130】以下、図示したように、基板表面に対して
一定の角度を有するように分極反転部を形成する方法に
ついて説明する。このような分極反転部は、結晶の分極
方向が表面に対して傾いている基板(例えば強誘電体結
晶基板(MgOをドープしたLiNbO3))を用い、
この結晶の表面に離間して配置した2つの電極間に絶縁
膜を配置して電圧を印加することにより、形成すること
ができる。
【0131】この場合、通常の分極反転部の形成方法に
従い、図15に示したように、基板191の表面に櫛形
電極192と棒状電極193とを形成し、両電極間に電
圧を印加して櫛形電極から分極反転部を伸長させる方法
を採用することもできる。しかし、分極反転部を均一に
かつ一定以上の深さに形成するためには、基板表面に形
成した絶縁膜195を利用することが好ましい。
【0132】その場合、図16〜図18に示す方法を採
用することができるが、図17および図18に示したよ
うに、棒状電極193を絶縁膜195の上に形成するこ
とが好ましい。このようにすれば部分極反転構造の均一
性を改善することができる。また、図17に示したよう
に分極反転の起点となる棒状電極192を絶縁膜195
により覆うことがさらに好ましい。
【0133】絶縁膜195としては、特に限定されない
が、例えばスパッタリング法により形成したSiO2
を用いることができる。図17に示したような方法を採
用する場合の膜厚は100nm未満では効果がほとんど
なく、200nm以上とすると、図19に示したように
均一で深い分極反転部194の形成が可能となる。しか
し、1μm以上堆積しても反転特性に大きな変化はな
く、これほどまでに厚くするのは生産効率上好ましくは
ない。従って、絶縁膜の膜厚は200nm〜1μmとす
ることが好ましい。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
優れた集光特性を有する第2高調波出力が可能で、かつ
基本波と第2高調波とのオーバーラップを大きくした光
波長変換素子を提供することができる。特に、高屈折率
層を有する導波層構造において、イオン交換により高屈
折率層を形成することにより、高屈折率層の低損失化、
均一化の大幅な改善が可能となった。さらに、高次の導
波モードのサブピークの幅を光の回折限界以下に抑える
ことにより、出力される高次モードの高調波は超解像効
果を有し、集光特性が飛躍的に向上するため、その実用
効果は大きい。
【0135】また、屈折率の高い高屈折率層を、導波層
の幅より狭いストライプ構造にすることにより、導波層
の幅方向の閉じ込めも強くすることができ、これによっ
て、光波長変換素子の効率をさらに向上させることが可
能となった。
【0136】また、本発明の光発生装置によれば、出力
するビームの集光特性を大幅に向上させることができ
る。同時に、高い変換効率の光波長変換素子により高出
力の短波長光が得られるため、その実用効果は大きい。
また、高屈折率層により電界分布の制御が可能となり、
導波層を伝搬するモードプロファイルの制御性が向上す
る。これによって第2高調波出力の放射パターンのアス
ペクト比を1に近づけることが可能となり、光の利用効
率が大幅に向上するため、その実用効果は大きい。この
光発生装置は、例えば光ピックアップに好適である。
【0137】さらに、導波層と高屈折率層の形成に用い
る耐イオン交換性マスクを同じものとしてイオン交換す
ることにより、セルフアライメントによって導波層の表
面にストライプ状の高屈折率層を形成することができる
ため、その実用効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光導波路の断面図(a)と、光導波路内の基本
波とSHG波とのオーバラップを示す図(b)である。
【図2】 光導波路の構造と導波モードの電界分布の関
係を示す図であり、クラッド層がない場合の電界分布図
(a)、高屈折率層が薄い場合の電界分布図(b)、高屈折
率層が適当な厚さを有する場合の電界分布図(c)、高屈
折率層が厚い場合の電界分布図(d)である。
【図3】 本発明の短波長光発生装置の構成例を示す断
面図である。
【図4】 出射ビームの集光スポットの強度分布図であ
り、TE00モードの集光スポット強度分布図(a)、T
E10モードの集光スポット強度分布図(b)である。
【図5】 本発明の光波長変換素子の構成例の斜視図
(a)と、この光波長変換素子の要部断面における導波モ
−ドの電界分布図(b)である。
【図6】 光波長変換素子の導波モ−ドを説明する図
で、表面にスラブ状の高屈折率層を有する導波層のモ−
ド分布図(a)と、表面にストライプ状の高屈折率層を有
する導波層のモ−ド分布図(b)である。
【図7】 本発明の他の光波長変換素子の構成例を示す
斜視図である。
【図8】 光導波路幅と位相整合波長との関係を示す図
である。
【図9】 本発明の光波長変換素子の構成例を示す図
で、斜視図(a)および要部断面図(b)である。
【図10】 本発明の光波長変換素子の製造工程を示す
図で、基板にパタ−ンを形成する工程(a)、第1のプロ
トン交換工程(b)、アニール工程(c)、第2のプロトン
交換工程(d)をそれぞれ示す図である。
【図11】 本発明の光導波路の構成例を示す斜視図で
ある。
【図12】 本発明の光情報処理装置の構成例を示す斜
視図である。
【図13】 本発明の光波長変換素子の構成例を示す斜
視図である。
【図14】 本発明の光波長変換素子の別の構成例を示
す要部断面図である。
【図15】 分極反転部を形成するための一対の電極の
配置例を示す断面図である。
【図16】 分極反転部を形成するための一対の電極と
絶縁膜との位置関係を示す断面図である。
【図17】 分極反転部を形成するための一対の電極と
絶縁膜との位置関係を示す断面図である。
【図18】 分極反転部を形成するための一対の電極と
絶縁膜との位置関係を示す断面図である。
【図19】 図17に示した方法により形成された分極
反転部を示す断面図である。
【図20】 従来の光波長変換素子の構成を示す図であ
る。
【図21】 図20の光波長変換素子の要部断面を基本
波および高調波の電界分布とともに示す図である。
【図22】 従来の他の光波長変換素子の構成を示す図
である。
【符号の説明】
61 基板 62 導波層 63 高屈折率層 64 基本波 65 SHG波 71 半導体レーザ 72 光波長変換素子 72a 導波層 73,74 レンズ 76 LiNbO3基板(X板) 77 導波層 78 高屈折率層 79 分極反転部 95 LiNbO3基板 96 Ta膜 97 第1のプロトン交換部 98 第2のプロトン交換部 105 短波長光発生装置 106 ビームスプリッタ 107 レンズ 108 光ディスク 109 ディテクタ

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶基板と、前記結晶基板の表面に形成
    された導波路と、前記導波路の表面に形成されたイオン
    交換層とを含み、 前記イオン交換層が、前記導波路の屈折率よりも大きい
    屈折率と、前記導波路を伝播する基本波は前記イオン交
    換層内を伝播できないが前記基本波の高調波は前記イオ
    ン交換層内を伝播しうる厚さとを備えていることを特徴
    とする光導波路。
  2. 【請求項2】 前記イオン交換層の厚さが、前記高調波
    の回折限界以下である請求項1に記載の光導波路。
  3. 【請求項3】 前記イオン交換層の幅が、前記導波路の
    幅よりも狭い請求項1に記載の光導波路。
  4. 【請求項4】 基本モードの前記基本波と高次モードの
    前記高調波とが前記導波路内において位相結合しうる請
    求項1に記載の光導波路。
  5. 【請求項5】 前記イオン交換層の屈折率が、前記導波
    路の屈折率の1.01倍よりも大きい請求項1に記載の
    光導波路。
  6. 【請求項6】 前記導波路がイオン交換により形成され
    た層であり、前記導波路のイオン交換率が前記イオン交
    換層のイオン交換率の50%以下である請求項1に記載
    の光導波路。
  7. 【請求項7】 前記結晶基板において、結晶の分極方向
    と前記表面とが0.5°〜5°の角度をなす請求項1に
    記載の光導波路。
  8. 【請求項8】 前記導波路の端部において、前記高屈折
    率層の幅がテーパー状に狭められている請求項1に記載
    の光導波路。
  9. 【請求項9】 前記結晶基板が非線形光学効果を有する
    請求項1に記載の光導波路。
  10. 【請求項10】 結晶基板と、前記結晶基板の表面に形
    成された導波路と、前記導波路の表面に形成され、前記
    導波路よりも屈折率が高い高屈折率層とを含み、 前記高屈折率層が、前記導波路を伝播する基本波は前記
    高屈折率層内を伝播できないが前記基本波の高調波は前
    記高屈折率層内を伝播しうる厚さを備えていることを特
    徴とする光導波路。
  11. 【請求項11】 結晶基板と、前記結晶基板の表面に形
    成された導波路と、前記導波路の表面に形成されたイオ
    ン交換層とを含み、 前記イオン交換層が、前記導波路の屈折率よりも大きい
    屈折率と、前記導波路の幅よりも狭い幅と、前記導波路
    の深さの半分以下の深さとを備えていることを特徴とす
    る光導波路。
  12. 【請求項12】 結晶基板の表面に線条の非マスク部分
    が確保されるように耐イオン交換マスクを形成する工程
    と、前記表面の非マスク部分を通じてイオン交換するこ
    とにより前記結晶基板内に第1のイオン交換部を形成す
    る工程と、前記基板を熱処理することにより前記第1の
    イオン交換部を拡張して導波路とする工程と、前記非マ
    スク部分を通じてイオン交換することにより前記導波路
    内に前記導波路よりも屈折率が高い第2のイオン交換部
    を形成することを特徴とする光導波路の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載の光
    導波路を含み、さらに前記導波路を周期的に横断するよ
    うに形成された2以上の分極反転部を含むことを特徴と
    する光波長変換素子。
  14. 【請求項14】 非線形光学効果を有する結晶と、前記
    結晶の表面に形成された導波路と、前記導波路を周期的
    に横断するように形成された2以上の分極反転部と、前
    記導波路の表面に形成されたイオン交換層とを含み、 前記イオン交換層が、前記導波路の屈折率よりも大きい
    屈折率と、前記導波路を伝播する基本波は前記イオン交
    換層を伝播できないが前記基本波の高調波は伝播しうる
    厚さとを備えていることを特徴とする光波長変換素子。
  15. 【請求項15】 非線形光学効果を有する結晶と、前記
    結晶の表面に形成された導波路と、前記導波路を周期的
    に横断するように形成された2以上の分極反転部と、前
    記導波路の表面に形成されたイオン交換層とを含み、 前記イオン交換層が、前記導波路の屈折率よりも大きい
    屈折率と、前記導波路の幅よりも狭い幅と、前記導波路
    の深さの半分以下の深さとを備えていることを特徴とす
    る光波長変換素子。
  16. 【請求項16】 前記分極反転部が、前記導波路には形
    成されているが前記イオン交換層には形成されていない
    請求項14または15に記載の光波長変換素子。
  17. 【請求項17】 前記イオン交換層の深さが、前記導波
    路の幅中央における前記結晶の表面から前記分極反転部
    の上端までの深さよりも深い請求項14または15に記
    載の光波長変換素子。
  18. 【請求項18】 非線形光学効果を有する結晶と、前記
    結晶の表面に形成された導波路と、前記導波路を周期的
    に横断するように形成された2以上の分極反転部と、前
    記導波路の表面に形成され、前記導波路よりも屈折率が
    高い高屈折率層とを含み、 前記高屈折率層が、前記導波路を伝播する基本波は前記
    高屈折率層内を伝播できないが前記基本波の高調波は前
    記高屈折率層内を伝播しうる厚さとを備えていることを
    特徴とする光波長変換素子。
  19. 【請求項19】 前記分極反転部が、前記導波路には形
    成されているが前記高屈折率層には形成されていない請
    求項18に記載の光波長変換素子。
  20. 【請求項20】 請求項13〜19のいずれかに記載の
    光波長変換素子と半導体レーザとを含み、前記半導体レ
    ーザから出射された光を前記光波長変換素子により波長
    変換することを特徴とする光発生装置。
  21. 【請求項21】 0.8λ以下のサブピークを含む高次
    モードの高調波へと波長変換する請求項20に記載の光
    発生装置。ただし、λは前記高調波の波長である。
  22. 【請求項22】 波長変換された高調波を集光する集光
    光学系を含み、前記集光光学系の開口数NAと、前記イ
    オン交換層または前記高屈折率層の厚さLDとが、下記
    関係式を満たす請求項20に記載の光発生装置。 LD<0.8λ/NA ただし、λは前記高調波の波長である。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載の光発生装置と集光
    光学系と記録メディアとを含む光ピックアップであっ
    て、前記光発生装置から出射された光を前記集光光学系
    により前記記録メディア上に集光することを特徴とする
    光ピックアップ。
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